「ひぐっ! ひゅっ、ひぃっ! 効っ……くぅっ!」
「お、おい! くうっ、あんまり激しくするなって! 位置が、ズレる……!」
「相変わらずエグいプレイやっとるなあ、美玲。そんなやから客に引かれるんやで?」
ぴちゃぴちゃと湯が跳ねる音に肉を打ち合う音と嬌声が混じる。
此方に突き出されている、湯船に浮かぶ白い尻と日焼けした尻。俺は今その白い方、美玲の秘唇に肉棒を突き込みつつ彼女の首を絞めていた。本人は「リミッターがかかってるから大丈夫」と言っているが、こうしてヒューヒューと苦悶の息を漏らしながら悶える様子を見ていると到底そうは思えない。と言うか、彼女の性格からして実際はリミッターを外しているとか普通にあり得る。
「んぎっ! い、今の、いいっ! 頭、トビ、そうっ!」
「くうっ、し、締まるっ!」
だが、その行為で美玲の締め付けが堪らないものになっているのも事実だった。湯に濡れる膣の奥は別の液で熱く潤み、俺が腕に力を入れる度にきゅっと愛おしそうに肉棒を締め付けてくる。俺は美玲が十分に昂ったのを確認すると、拘束を解いて肉棒を引き抜いた。挿入されていたものの突然の喪失に美玲の孔が切なそうに開閉する。
「え? ちょ、ここまで来たんだからイクまでやりなさいよ!」
「腕も使ってるから姐さんがほったらかしなんだよ。ちょっと待てって」
「ンッ! も、もうっ……!」
健気に肉棒を愛撫してくる下の口と比べて、上の口は相変わらずだ。俺は左手を彼女の秘所に伸ばし、指で陰唇を弄り彼女をひとまず黙らせる。
「仲がええなあ、ホンマ妬けるわ」
「冗談はやめてくださいよ……姐さん、待たせました」
「ハハッ、気にせんでええよ……ほら、お湯でええ感じにふやけとるから、遠慮なくぶち込み」
美玲の愛液に塗れた肉棒を今度は日焼けした尻、早瀬の膣孔に向ける。美玲への愛撫を同時にしているのを気遣ってか、早瀬は自分から俺の肉棒に手を添え挿入を補助してくれている。俺は内心で感謝しつつ腰を突き出す。
「んっ、ふぁあっ! や、やっぱええわぁ、兄ちゃんの、チンポっ……!」
「ね、姐さんのも、凄く熱いっ!」
「盛り上がるのは、いいけど、さっさと終わらせ……ンンッ!」
左手の指を美玲の孔に挿入しつつ、俺は早瀬の膣内を堪能する。体を鍛えているからだろうか、彼女の肉厚な膣内は全体でうねり、俺の肉棒を搾り上げてくる。岩風呂の淵に両手を置き、身体を安定させた早瀬は自分からも腰を振り始め、肉棒からより貪欲に快感を貪ろうとする。
美玲の中で既に臨界点に達しかけていた肉棒は、早瀬の膣で擦られたことで早くも射精しそうになっていた。歯を食いしばり、俺は腰の動きを速める。
「あっああっんっ! ペース上げてきたな、に、兄ちゃん! そろそろ射精しそう、なんっ!?」
「は、はいっ! そろそろ、射精ますっ……!」
「えっ、ええよっ! あふっ、この、ままっ!」
「うおっ、あ、うあぁっ!」
早瀬の最奥に亀頭を打ち込み、そのまま我慢を解く。どくんと肉棒が跳ね、彼女の中に精液が流れ込んでゆく。
「んあぁっ! で、出とる、兄ちゃんのザーメン、奥ぅっ!」
「ふうっ……くっ!」
俺は放出したまま肉棒を早瀬から抜き、再び美玲の首に腕を回すと今度はそちらに荒々しく肉棒を突き込んだ。
「おそっ、遅いわよっ! ひゅっ、うぎぃっ!」
「悪い、ちょっとキツくいくぞ!」
悪態を突かせる前に彼女の首を絞める。苦悶と快感が混じる声が彼女の喉から漏れるのを聞きつつ、俺は射精を続ける肉棒を抽送する。
「ひゅっ、ひゅうっ! はっはひぃぃっ!」
「くうっ……!」
精液の奔流を受けつつの首絞めとピストンに美玲は一気に絶頂に達したようだった。全身を震わせ、やがてくたりと脱力する。
美玲が達したのを確かめ、俺は腕を解いて肉棒を抜いた。現実なら精液が湯で変質して湯船に浮かぶところだが、その辺りを気にしなくて良いのは流石バーチャルという所か。
「ふぁ……はぁ……ま、まあ満足したわ……」
「素直やないなあ、美玲。まあ私のほうもまずまずって感じかな。お疲れさん、兄ちゃん」
「ど、どうも……」
俺は湯船に再び肩まで浸かりつつ答える。心地よい脱力感を湯が癒してくれるようだ。
一方、二人は岩風呂から出た。それぞれの秘所から白濁液が零れる様に、射精したばかりというのに股間が反応してしまう。
「上がるんですか?」
「ヤる事はヤったし、もう来なさそうだから。夕食まで部屋戻って寝るわ」
「いい加減のぼせたからなあ。私もそうしよかな……兄ちゃんは?」
「俺はもう少し入ってからにします。まだ全然浸かれてないので」
考えてみればこの混浴風呂に入って早々に彼女らに巻き込まれ、まともに入浴できていない。俺は二人を見送り、そのまま湯船で寛ぐ。
3Pで風情を壊しておいて今更ではあるが、改めて見回してみれば何とも雰囲気のある岩風呂であった。観賞用の松なども植えられ、鳴き声に空を見上げてみれば鳶の親子が飛んでいる。まるで本当に生態系があるのではと錯覚しそうな程だ。
「それにしても……」
俺はふと、ここに来る前からの疑問が頭に浮かび呟いた。
何故るるは、俺を旅行に誘ってくれたのだろう? 「予定してた娘が都合が悪くなって」と言っていたが、アレは嘘だったのではないだろうか。日帰り旅行とかでなく三時間程度の、それこそ軽くショッピングをして回るくらいの予定だ。調整は効くだろう。
「……とは言っても」
それで「自分が特別扱いされている」とすぐに思って舞い上がる程、俺は自信過剰ではない。何かしらの事情があるのでは──
だが、その思考はガラス戸の開けられる音で中断された。
「あー、良かった! まだ入ってるよ、リゼちゃん!」
「ちょ、え、るるちゃん、本当にやるの!?」
「え!?」
バスタオル姿で浴室に入ってくるのはるるとリゼの二人。完全に予想外の事態に俺は思わず股間を隠して身を引いた。
「ど、どうしたの二人とも!?」
「はい、さっき戻ってきたんですけど丁度美玲さんたちとすれ違って、お兄さんがここに居るって聞いたので」
「い、いや、そうじゃなくって、ここ混浴だろ?」
「……?」
俺からすれば当然の疑問だったのだが、るるは不思議そうに小首を傾げた。
「別に、お兄さんと一緒に入るのは鈴原は大丈夫だよ?」
「……!」
今まで客としてセックスを散々やっておきながら、彼女の言葉に俺はどきりとしてしまう。
「そ、それは、嬉しいけど……何でリゼちゃんまで?」
「ええと、それなんですけど……」
「リゼちゃん、とりあえずお風呂に入ってから話そう? 風邪ひいちゃうよ?」
そう言うとるるは躊躇なく湯船に入ってきた。おずおずとリゼも続く。
つい先ほどまで美玲、早瀬の二人と交わっていたばかりの場所に二人の美少女が入浴してくる事に、俺は奇妙な罪悪感を覚えてしまう。
「って、え? え?」
しかし、その後の二人の動きは俺の予測を大きく外れていた。普通に距離を置いて浸かるのかと思っていたのだが、彼女らは俺に近づき、まるで左右から寄り添うように密着してきた。右にるる、左がリゼ。
「な、なあ、るるちゃん、コレは一体……」
「あのですね……」
「(うっ……!)」
るるに問いかけようとした俺は彼女の囁きを至近距離で受け、思わず言葉を失った。優し気なウィスパー音のまま、彼女は俺に語り掛ける。
「今度、ウチのお店でもASMRの販売を始めようって計画があるの、それでね……ほら、リゼちゃんも……」
「あ……あの!」
「うおっ!?」
今度は左のリゼからの至近距離の大声に驚く。慌てるリゼをるるが窘めた。
「うわっ、ご、ごめんなさい!」
「ダメだよリゼちゃん? お兄さんを驚かせたら……もっと肩の力を抜いて」
「う、うん……それで、あの、私たちもASMRを収録する事になったんですけど、私、あまり上手く録れなくて……」
一転してぼそぼそと話すリゼ、不慣れなところがなんとも可愛らしい。
ASMR、催眠音声とも言われるそれは耳元で流される事で快感を得る音の総称だ。耳かきボイスなどが有名だが、天ぷらの揚がる音、咀嚼音など、様々な種類のASMRが存在している。性的な利用も勿論されており、耳舐めや射精管理ボイスなどネットにも溢れている。
ようやく俺にも彼女らの目的が分かってきた。つまり──
「……ここでリゼちゃんのASMRの練習をさせたい?」
「はい。お風呂って緊張が取れて発声にいい環境だし、男の人の練習相手を頼むのも初対面のお客さんだと難しいから……」
「だ、ダメ……ですか?」
るるとリゼ、二人に両耳から話しかけられている今の時点で既にゾクゾクとした刺激が背筋を這っている。この状況で断っては男とは言えないだろう。
「分かった。二人の好きなようにやってくれ」
「ありがとうございます! じゃあリゼちゃん、始めよう?」
「分かった、えっと……」
「最初は私がお手本でやってみるから、リゼちゃんはそれを繰り返すの。慣れてきたら自分の言い易い表現に変えてみて」
そう言うとるるは俺の耳元に触れるくらいまで顔を近づけてきた。同様にリゼも同じ距離まで接近する。
「今日はありがとう、お兄さん。こんるる~」
「こ、こんるる~」
「……ぷっ」
名乗りまでるるの真似をするリゼに思わず吹き出してしまう。
「リゼちゃん、そこは真似しなくていいんじゃないかな?」
「え? え!? で、でも私、るるちゃんみたいな固定の挨拶を持ってないし……」
「それなら普通の挨拶でもいいと思うよ?」
俺の提案に戸惑うリゼ、そこにるるが助け舟を出す。
「ええと、それじゃ……お、お兄さん、こんばんは。今日はよろしくお願いします……」
「んっ……」
リゼの囁き声が耳をくすぐる。続けてるるが俺の体に手を添えつつ言った。
「んっ……お兄さんの体、熱くなってるね。今日はるるの指や口で、いっぱい気持ちよくなってください……」
「い、いっぱい気持ち良く、なって、ください……」
「(お、おぉ……)」
これは思った以上に心地よい。声だけで俺の肉棒は反応し、股間に充血してゆくのが分かる。
「うわぁ……お兄さんのおちんちん、もうこんなになってる……」
「うおっ! ちょ、るるちゃん……!?」
その時、突然にるるの指が肉棒に絡みついた。直接来るとは思っていなかったため、つい声が漏れる。
るるはそんな俺の反応を楽しむかのように指を緩やかに上下させつつ、俺を挟んでリゼに言った。
「臨場感を出そうと思って……ほら、リゼちゃんも……」
「う、うん……」
「くうっ……」
促されたリゼも俺の股間に手を伸ばす。まだ恥じらいを残してはいるが、
「ほら、感じる? るるの指が、お兄さんのおちんちんを包んでるの……それじゃあ、始めるね。いち、に、いち、に……」
「いち、に、いち、に……どうですか? お兄さん……」
「ううっ……い、いいよ、リゼちゃん……堪らないっ……」
るるの優しい掛け声と共に二人の手が上下に動き始めた。彼女らの手の動きに合わせて水面がちゃぷちゃぷと波を立てる。
「ふふっ、ビクビクしてるよ? おちんちん、えらいえらい……」
「おちんちん、えらい、えらい……」
左右から美少女の吐息と声でくすぐられ、更に肉棒を二人のしなやかな指で扱かれる。「涅槃」ってのはこんな感じなのかもしれない。
既に肉棒は限界まで勃起し、彼女らの愛撫にビクビクと湯の中で跳ねる。
「どうかな? るるの手、気持ちいい? もうちょっと早くするね。いっち、に、いっち、に……リゼちゃんも、合わせて……」
「うわぁ……前の時より、もっと大きくなってる……えと、いっち、に、いっち、に……」
「ふぉっ! ちょっと、二人とも、それ、ヤバいっ……!」
るるとリゼ、二人は呼吸を合わせて肉棒を扱くピッチを上げ始めた。
「そろそろ、イキそう……? それじゃあ……じゅるっ」
「こ、こんな感じ、かな……ちゅ、れろっ……」
「ッ!?」
ぬるりとした熱い感触が両の耳に入ってきた。耳朶を舐め上げ、耳孔の中に舌が入り込んでくる。
「ちゅ、んちゅ、じゅるぅ……」
「はむっ、ん、れろっ……!」
まるで珍しい食べ物を味見するかのように大胆な動きをする、るるの舌。
まだ不慣れさを残しつつも健気に快感を与えようと動く、リゼの舌。
毛色は違えど強烈な二人の責めに、肉棒が射精を訴えて激しく暴れる。
「ご、ごめん、もう、射精るっ……!」
「っぱ……いいよ、お兄さん、おちんちんから一杯、精液、出して……」
「はい……思い切り、射精して、くださいっ……」
「ぐ、あ、ああぁぁっ!」
二人の同時の射精を促す囁き。
俺は堪らず、湯船の中で精液を放った。
──その後、もう二回ほど“練習”に付き合わされ、俺はふらふらと風呂を出た。
「悪い、ちょっと一回『外』で買い物してくる……」
そう彼女らに言い残し、ルームに戻る。
正直のんびりとはしていられなかった。こちらの世界とあの旅館世界では時間が七倍違う。三十分中座すれば、向こうの世界では三時間半も進んでしまうのだ。
実際、現実に戻ってみれば俺の体は想像以上に消耗していた。ビルを出て駆け足で近くのドラッグストアに向かい、店員が不審な目を向ける程の量の精力剤を買い、鼻血が出る一歩手前までそれを飲みつつビルに戻る。
「ええと……うわ、もう二十分!?」
つまり向こうでは二時間ちょっと経っている計算だ。慌てて俺は再びVRスーツを装着し、転送をかける。
「……ととっ」
急な転送に軽い眩暈を覚える。周囲を見てみれば既に夕方で、夕日に照らされている様子は実に綺麗だ。
とはいえ、その風情を味わう余裕は俺には無かった。小走りで廊下を渡り、「牡丹の間」の襖を開ける。
「ごめん、遅くなった!」
「足元にお気をつけください。膳がございますので」
「あ、どうも……って、うわあっ!?」
室内で配膳していた仲居さんが注意を促す。俺はその仲居さんに礼をしようとして──全力で飛び下がった。
「……顔見知りに『うわあ』は無いでしょう」
最初の声とは一転した低い声で彼女、和服姿の「詩子」が俺に言った。
「ちょ、ちょっと待て! お前が居るのはおかしいだろ!?」
「おかしくはないですよ。春香と同様に此処の手伝いで来ているんです。仕事で来ている以上は、この旅館の評判を落とすような事は致しません」
「あ、お兄さん、お帰り~」
詩子の向こう、座卓を囲むように座り夕食の配膳を待っていたるるが俺に手を振る。どうやら本当に仲居として働いているようだ。俺は一応の警戒を向けつつも座卓の空いたところに座った。
「……本当に大丈夫だよな?」
「こう見えて貴方には感謝しているんです。 お陰で今は、合法ショタを何人も囲う事が出来るようになりました、あぁあぁ、可愛い私の少年たち……」
「………」
何ともコメントに困る感謝のされ方だ。
ともあれ確かに詩子は普通に夕食の膳を皆に振舞うと、丁寧に礼をして退出して行った。
「やっぱり詩子さん、ちゃんとした格好だと様になるね……」
「いやあ、やっぱ風呂場のショタを覗いたりしとるんちゃう?」
礼儀正しい振舞いに感心するリゼに早瀬が推測を述べる。俺もそうじゃないかと思っている。
「よし、それじゃセンセ、食事の挨拶やって?」
「からかわないでよ。まあ……いいわ。はい、それじゃあ……」
『いただきます!』
美玲の合図で食前の合掌を行い、俺たちは夕食を取り始めた。
「うわっ、凄く美味しい! これって本当にVR!?」
「VR食品の新商品モニターも兼ねてるんだって」
ホタテの磯焼に舌鼓を打つリゼにるるが解説する。
「VR日本酒……へぇ、いい風味ね」
「ただまあ、本当に『日本酒』って味やな。地酒の風味とか、そーゆーのの再現までは遠い……まあ、美味いモンは美味いけどな」
VR酒の味を試す美玲と早瀬。賑やかな食事の風景、それを何よりの肴に俺も箸を進める。
程なくして食事を終え、詩子が膳を下げていった。弛緩した空気の中、俺たちは各人で部屋で寛ぐ。
そんな中、美玲が退屈そうに言った。
「夜のスポットは……流石に無さそうね。夜風呂も悪くないけど……何かする?」
「あの、それなんですけど……折角だし、ゲーム大会をやりませんか?」
手を上げて提案したのはるるだ。俺は彼女に尋ねた。
「ゲーム大会?」
「はい。この旅館、最新ゲームのデータも入ってるそうなんです。こんな風にみんなで遊べるのって滅多にないから、いいかなって」
「あ、私も賛成ー!」
リゼがそれに食いつく。彼女もゲームは大好きなのだ。
「で、何のゲームをやるん?」
「それなんですけど……」
幾つかのゲーム候補をるるが挙げる。少しの選別の後、ルームサービスに連絡すると春香がゲーム機を持ってきた。
──『超乱闘スマッシュブラザーズ』、いわゆるスマブラの最新作だ。
「あー! これ欲しかったけど買えてなかったのよ! ねえ、強いキャラって分かる?」
「遊びの大会にガチで勝ちにいくつもりかよ……」
大人げない事を言う美玲に俺は呆れて言った。それに対し早瀬が反論する。
「いやいや兄ちゃん、それは違うで? どんな勝負でも全力で戦い、全力で撮れ高を狙う! その姿勢が無いと、どんな勝負も勝てへんよ」
「そんなモンなのか?」
「でも、確かに勝って何もない大会ってのは寂しいですよね……何か用意します?」
「賞金……は生々しいよね、負けた方が、勝った方の肩もみするとか?」
リゼの言葉にるるが考える。
ふと、その時早瀬がニヤリと笑った。
「……ほな、こういうのはどうや? 『この大会で最多勝を取ったモンが、今晩兄ちゃんを独り占め』」
「はあ!?」
「どーせみんな今晩、独り寝するつもりは無かったんやろ? それやったら、ここで白黒つけようや」
「いやいや姐さん、そんなの賞品にならないって!」
俺は慌てて早瀬に言う。そんなもので戦意が上がる訳が──
「……
「!?」
弛緩した空気が一瞬で引き締まるような、静かな、しかし苛烈な闘気を孕んだ声。
それが誰なのかはすぐに分かった。るる、穏やかな表情のままだが、その瞳は笑っていない。
「そういう事なら……ちょっと本気出すしか無いわね。温泉旅行の夜にヤッてる横でオナニーとか冗談じゃないわ」
美玲が手を組み指を鳴らす。
「わ、私もやりますよ! お昼の練習の続きだってしたいし!」
周囲に気圧されつつも、リゼがはっきりと宣言する。
唖然とする俺に、早瀬が言った。
「ほらな? それに……私も、割と本気やで」
普段から軽いノリの彼女だが、その声からは確かな決意が感じられる。
「あー、その……仲良く、遊ぼうな」
この大会は荒れる。確信めいた予感を覚えつつ、俺はそう言った。