岩盤浴でもしてリフレッシュしたい今日この頃。
コロナ滅せよ……。
さて、短編として投稿したこの作品が予想以上の伸びと次話のリクエストを頂きましたので、続きを書かせていただきました。
それではどうぞ。
地下室の奥。
目の前の光景に朱紗丸は湧き出る笑みを隠そうとせず、見入っていた。
地下室全体に立ち込める淫臭も慣れたもの。
チューブトップの様な下着と下半身は何もつけずに手淫に励んでいた。
「やめ……っ!? んあ”ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
自身を襲ってきた鬼。
下弦の肆、零余子。
本来は対峙すること自体難しい程に強い鬼なのだが、朱紗丸は自身の主の影響で以前と比べて異常な力を身に着けていた。
それこそ下弦の鬼を手玉に取る程に。
「アンタ……!! アンタなんか……あの方に……!」
流石と言うべきか、気が狂う程の快楽を叩きつけられても零余子の反骨心は残っている。
しかし、それは目の前の男の嗜虐心や加虐心を焚きつけるだけ。
歯をむき出しにした笑みを浮かべながら、零余子を押さえつけ、容赦なく挿入を繰り返している。
男を睨み付けながら抵抗の意思を見せているが、それも異様な快楽に押し流されてしまう。
睦み合いなどと言う甘い光景ではない。
蹂躙、この一言に尽きる。
本来なら真逆の立場にあるはずの二人。
捕食者の鬼と被捕食者の人間であるはずの種族が、今は人間が捕食者として鬼が被捕食者として惨劇を繰り広げている。
「羨ましいのう。下弦の鬼や、主様の技はどうかえ?」
「……っ! アンタ! 朱紗丸!! 何で!!!」
「なんでって……、それが分からんほどお粗末な思考はしとらんじゃろ?」
快楽に耐える姿を、三日月の様に口元を歪ませた笑みで見下ろしている。
確実にその眼は零余子を捉えているのに、零余子を認識しているように感じられない。
濁りきった瞳に、零余子は全身が燃える様な快楽に晒されているのにも関わらず、身体の芯に氷を差し込まれたかのような怖気に襲われていた。
「ヒッ……」
「なんじゃ、もう蕩けておるのか? たった一時間程度じゃろうに……早くても明日の昼まで続くからの?」
「え!?」
先ほどとは別の意味で零余子の全身にヒヤッとしたものが走り抜ける。
一時間だけでも死にそうだというのに、明日の昼までだという。
どんなに甘く計算しても半日以上はあるのだ。
「休憩なんて有ろうはずもない。お主の限界に意味は無い。ただ蹂躙される己の身体を堪能するといいぞ」
ある程度自慰を楽しんだ朱紗丸。
この世の終わりの様な顔をしている零余子を後目にしつつ、時計を確認する。
(私の時、主様は食事も飲食もしておらんかった。……そうじゃのう、主様の身体も心配じゃし、簡単な食事と水は準備しておこうかのう)
地下室に掛けてある時計を見ると、夜も更けてきた頃。
給仕の真似事をするのも良いかもしれないと思い立つ。
朱紗丸は知識を総動員して、簡単な食事を作る事にする。
自身が食事を必要としない鬼であり、この屋敷で生活するようになってからは人間に食指すら動かなくなっていた。
彼女の食事とは、あの男に犯される事。
精を自身の子宮に受ける事で満たされる。
稀血の男の精だ。
まるで、稀血を喰らい続けているかのような奇妙な幸福感も合わさり、朱紗丸は完全に男に心酔していた。
(握り飯程度なら作れる故、炊事の準備をするかのう)
冷や飯は残っているのを確認し、氷冷蔵庫にも海苔の佃煮を見つけた。
握り飯二個分。
水は井戸から汲んだ直ぐのモノを水差しに入れて、柑橘系の皮を沈め置けば風味も付く。
「おお、今の内に水瓶に水を補充しておくかの」
郊外に居を構える男は、水道がある程度普及を始めているにも拘らず、その恩恵を受けられていない。
基本的には朝に水瓶に水を補充し、それを使って家事を行う。
しかし、朱紗丸が生活するようになってからはそう言った生活の作業は全て彼女が行っていた。
男の為、と言えば聞こえはいいが、要は通い妻の様な状況を楽しんでいる。
鬼の胆力は、数回分けて行われる水の運搬は水瓶を直接井戸へ持っていき、そこで満杯にしてから持ち帰る。
夜中で殆ど郊外に人影は無い。
各家庭から漏れる光もほとんどが落ちていて、鬼が動き回っている時間だ。
「屋敷の庭に井戸があるとは、主様はやはり稼いでおるのう」
満たした水瓶を担いで戻ると、残っていた冷や飯の硬さを確認する。
本来なら粥にしてしまうのが一番なのだが、この程度なら強めに握れば握り飯として再生可能だ。
海苔もあるから表面を包んで崩壊防止にすることにする。
「次からは事前に握っておこうかのう」
素早い手つきで海苔に冷や飯を乗せ、佃煮を匙で落としていく。
水と塩を塗った両手で握り飯を作ってしまう。
氷なんて気軽に使えない時代。
汲みたての水か氷冷蔵庫に入れておいたものが一番冷えている。
水差しとコップ、握り飯を二つを皿に乗せ、地下室へ運び込む。
鉄扉を開けた途端に淫臭が鼻をつき、同時に下から女性から出て良い声じゃない音が朱紗丸に届いた。
無意識に口元が緩み、下半身の芯からジュンッと熱が溢れるのを感じる。
食事の準備以外にも掃除とかをしていた為、おおよそ三時間程度の作業だったが、男の衰えぬ性欲と零余子の無様に耐えている姿に大きな変化は無かった。
(いや、下弦の鬼の方が余裕が無うなっておるわ。完全気絶までどのぐらいかかるかのう?)
自分の時はいつ気絶したかなど覚えていないし、気絶と同時に叩き起こされていた。
今の零余子はまさに気絶と覚醒を絶え間なく繰り返している地獄を味わっている。
そこからさらに進むと、快楽程度で目が覚めない程に深い気絶に入る。
あの瞬間がこの世の地獄だと感じた時だ。
「主様、握り飯と水を用意した故、手隙の間に腹に収めるとよいぞ」
男はその言葉に視線を朱紗丸に向ける。
黒い笑みが更に歪むのを確認し、再び眼前の零余子への凌辱へと意識が戻っていった。
(よかった。主様は喜んでくれたようじゃ)
わずかな変化だったが、朱紗丸はそれを読み取るだけの観察眼を身に着けていた。
正確には、目の前の男限定の能力ではあるが、そのおかげで立派な家政婦の様な立ち位置を確立している。
朱紗丸の日課は男に犯され、男の家の家事などを全てこなす事。
犯されることに何の不満も無い。
むしろ、今の朱紗丸の身体は人間を食す事ではなく、男の精を受けて生きているのだと思える程に身体の調子が良くなる。
僅かながら、鬼としての力も上がり、血鬼術も変化が起こり始めていた。
毬の中に僅かな男の血を隠し入れる事が出来る。
このおかげで下弦の鬼である零余子を捕らえられたといっても良い。
血自体は男の協力で集めたモノではあるが。
数日に匙数杯分程度の血液を小瓶に詰める。
そして自身の血鬼術の毬に隠しておけば劣化せずに残り続ける。
毎日少しずつ男から提供してもらい、保存し続けていた。
(鬼にとっては最高の毒、女子限定ではあるが即時の無力化ができるからのう)
そして、時折男に犯される際に飲んでいる。
あの気が狂う程の快楽をもう一度味わいたいと、そう考えてしまっているのだ。
快楽依存。
鬼となって長い時間封印されていた感覚が開花した途端に味わったあの暴力的快楽。
本能的にあれ以上が無いという事がはっきりと自覚できる。
「も゛……ぅ゛……、や゛め゛て゛……。ぐる……じぐで……、壊れ゛……る……」
先ほどまでの反骨心が粉々になっている零余子の姿。
叫び過ぎて喉が枯れ、後背位から頭を抑え付けている様は、男が支配している様を体現している状態だ。
男は朱紗丸にも、今犯している零余子にも一切の攻撃を行っていない。
正確には殴る・蹴る等の暴力は一切していなかった。
(性で屈服させるつもりじゃ……)
殴った所で、鬼には効かない。
刃物で刺した所で、特殊な刀でなければ意味をなさない。
火で焼いた所で、再生してしまう。
男は鬼の土俵に立たず、屈服させようとしている。
彼女達を鬼にした男の支配を破壊し、自分が支配すると言わんばかりに、徹底的に性で叩き潰していく。
(下弦の鬼がどう壊れて、どう堕ちるのか……。楽しみじゃのう)
朱紗丸は、ベッドを視界に収めながら長椅子に寝転がり、自慰を始める。
その瞳は男と零余子を見つめていて、零余子の位置を自身に置き換えていた。
最初に抱かれた時より、男の黒い感情は朱紗丸へ向けなくなった。
愛着なのか、何かを察して向けなくなったのかは朱紗丸にはわからない。
実際に、朱紗丸を最初に犯した時が最も黒い感情を向けられ、なおかつ一番激しい性交を行っていた。
以降、犯される度に徐々に黒い感情は収まっていき、今の様な関係に落ち着いた。
(この後、主様に犯される時……きっといつも以上に激しい行為ができるじゃろう)
その期待に胸を高鳴らせながら、自慰行為を続ける。
零余子を自身に重ねながら、二人の行為を眺め続けていた。
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朱紗丸が鬼を連れてきた。
女性型の鬼で、その瞳に下弦の肆と書かれていた。
朱紗丸が言うには下弦の鬼という、鬼の中でも実力者のみが与えられる称号らしい。
肆という事は、下弦の中で四番目に強いという事だろうか。
そんな下弦の鬼も、朱紗丸に無力化されて、地下室のベッドに寝かされていた。
僕の血は激しい絶頂を与えて、かなり身体の動きを悪くするらしい。
朱紗丸が言っていたので間違いは無いだろう。
「お゛……、あ゛……も゛ぅ……む゛り゛……」
無理と言い始めてからかなりの時間が経っている。
まだまだ余裕がある癖に、大げさに言う鬼だ。
汗と涙や涎でドロドロの顔に自分の精液で更に汚してやる。
その状態なのに全く反応が無い。
息を整える事が最優先と言った所か?
「無理? ウソを言っちゃいけないよ。君は数えきれないぐらいの人間を喰ったのだろう。だったら、高々数十回の性行為程度で根を上げないでくれ」
人間よりも、遥かに高い身体能力を持って、何万人と喰らってきただろう下弦の鬼。
それを組み敷いた時の優越感はとても強い。
朱紗丸は抱き続けていくうちに、何というか憎しみの様なものが湧きにくくなっていた。
てっきり、僕自身の憎しみが彼女で晴らせたのだと思ったが、どうやら違ったらしい。
朱紗丸が人間を食べなくなった。
彼女が言うには、僕に抱かれることで満たされるという。
「ほ゛ん゛と゛う゛に゛……む゛り゛だか゛ら゛……しんじゃう゛……」
「日の光を浴びるか、特別な刀で首を切られるかじゃないと死なないだろ? 君はウソつきだね」
あと、頭を叩き潰すだっけ?
僕はそんなことをできる程の力は無いし、特別な刀も持っていない。
そしてここは地下室で、日光なんて入る余地は無いのだ。
「死なないし、もっとできるよね?」
「ヒッ……ァ……」
絶望を顔で表現したような表情に自然と笑みが漏れる。
真っ赤な目に涙を浮かべ、鼻水や涎でベトベトの状態でこちらを見て震えている姿は、嗜虐心をくすぐってくれる。
血が股間に集まって硬くなり、まだまだやれるという感覚が漲ってきた。
まるで目の前の相手を蹂躙する事が使命だとでも言わんばかりの回復具合。
奥まで何度も突き上げている内に、徐々に膣の硬さはほぐれ、痛みと快楽の波状攻撃を受けていた彼女は快楽の割合が増えて行っているだろう。
反応からそう読み取れる。
「あ゛……ぐぅ……ッ……」
懇願の声すら、もう聞こえない。
腰を打ち付ける度に声は上がるが、僕への言葉や感情が向けられなくなってきた。
こちらを睨んでいた瞳は焦点がズレていき、今は虚空を見つめているだけだ。
だけど、身体に僅かだが力が入っていて、未だに抵抗をしている。
そうだ、そうじゃなくちゃ僕は満足しない。
無抵抗の従属に価値は無い。
必死の抵抗の末に、蹂躙され、凌辱され、屈服する。
それが僕が求めているものだ。
僕のささやかな復讐。
家族を殺され、初恋の人を殺され、居場所を奪われた。
でも、殺しつくす程の力は無い。
だから、僕のできる復讐はコレなのだ。
朱紗丸が気付かせてくれた。
力も胆力も勝り、寿命も無く、人を喰う鬼という存在を、人の営みである性行為で屈服させる事。
大分僕も疲れるけど、僕にできるから。
「……反応無くなったな」
腰を打ち付ける度に有った反応が無くなった。
こうなると強くやろうが、挿入する穴を変えようが反応しない。
前回は自分の血を無理矢理飲ませて叩き起こしたけど、今回は怪我もしていない。
一息つきつつ、朱紗丸が用意してくれた握り飯と水を胃に収める。
すると、全身に水分がいきわたり、腹から活力がみなぎるような感覚を覚えた。
流石に錯覚の様なものだと思うけど、自覚している以上に消耗が激しかったのだろう。
「主様」
長椅子で自慰をしていた朱紗丸が小瓶を渡してくる。
中身は赤々とした液体。
僕の血だ。
「主様の血は、鬼を変えます。存分に蹂躙し、満足いくまで組み敷いてくだされ」
臣下の様な口調。
僕に出来る事はこれしかないし、血のことだって偶々奇妙な稀血というモノだったに過ぎない。
だというのに、朱紗丸は目の前の彼女を連れてきた。
下弦の鬼、零余子と名乗っていたけど、鬼の中で上位の存在。
朱紗丸は、僕に復讐をさせている……そう勝手に考えている。
彼女の復讐じゃない。僕の、個人的な復讐だ。
何が朱紗丸を駆り立てたのかは、全く想像がつかない。
同情? いや、それ以上に彼女を蹂躙したし、憎まれこそしているだろうが、復讐をさせようなどと考える事は無いだろう。
「ああ、ここからが彼女にとっての地獄になる」
「主様の感情を存分に……」
そう言うと再び彼女は長椅子へ戻ってしまう。
まるで僕に見せつける様に激しい自慰行為。
その眼はずっと僕と下弦の鬼を見ていて、彼女が苦しむ姿を朱紗丸は笑いながら眺めている。
壊れているのだという結論に達するのは早かった。
朱紗丸は人……いや鬼として何か大事なものが壊れている。
それを成したのが僕の性行為であると思うと、激しい興奮と黒い感情があふれ出す。
ああ、そうだ。
僕はこの感情の赴くままに犯していた。
だったら、今もそれに倣おうじゃないか。
そう考え、手元の小瓶の封を開けた。
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夜。
日が沈み、鬼が活動を始める時間帯。
朱紗丸と零余子は二人で男の屋敷の家事を行っていた。
食材を揃えるのは鬼である彼女達には不可能である為、この場に居ない男の仕事だ。
「ねぇ、朱紗丸。あの御方はどこへ行ったの?」
「ああ、主様は稼ぎに出ておるよ。何せ、都の屋台を取りまとめる人間じゃし、自身も屋台を出しておる」
男は屋台を出すだけでなく、屋台の主を取りまとめている立場になっていた。
客層や人通りなどを把握し、それぞれの出し物に合った場所へ屋台主を振り分ける。
そうして、屋台主から店を持つことを支援したりなどしている内に、男自身にも財産が集まるようになった。
店を持った者達も、男に感謝しつつ、男の仕事を手伝っている。
昼は基本的に朱紗丸たちは屋敷に居て、夜はある程度の自由が言い渡されている。
睡眠の必要ない身体の為、来客も屋敷内であれば応対できた。
朱紗丸は家政婦に徹している為、来客からもそう言う認識をされている。
零余子はどうしようかなどと思案しているが、結局家政婦としての活動がやりやすいという事で落ち着きそうだった。
「そんなことしなくても十分お金あるんでしょ? 会社とか立ち上げられるって聞いたけど……」
「そうじゃが、主様はそれはせぬらしい。自由に動ける立場が良いのじゃと」
パタパタとハタキで埃を落としている朱紗丸と、台所を掃除している零余子。
洋館である為、日本古来の屋敷に慣れていた二人には勝手が分かり辛い。
人の生活に紛れる必要が無いからだ。
一部は人の生活圏に根を張る者も居るが、基本的に人間の生活圏から鬼は離れている。
「……ねぇ、朱紗丸」
「なんじゃ? 零余子」
元々、下弦の鬼と血鬼術を使えるだけの鬼の関係。
明確な上下関係があったにも関わらず、それが見えないのは元々鬼は群れない事と、朱紗丸が男に堕とされた最初の鬼であることが関係している。
「私、女性型の鬼の所在に心当たりがあるんだけど……」
「その話、詳しくお願い」
男の居ない洋館で、二人の鬼は口元を同じ形に歪め、その濁った瞳で語りだす。
零余子の知っている女性型の鬼は三人。
その内の二人の所在を朱紗丸と話し合う。
次の獲物の話。
その怪しい密談は男が返ってくるまで続いた。
たくさんのご要望を頂き、書かせていただいた今作。
まさか、ハーメルンのメッセージだけじゃなく、Twitterでもリクエストを貰えるとは思わず、驚いております。
オリジナルもまとめておりますので、もし投稿したら活動報告やTwitterで報告致しますので、もし時間がありましたら楽しんで頂ければと思います。
よろしければ、評価や感想を頂ければ幸いです。
それでは~。