※この作品はR-18です。

特殊装甲隊 ダグフェロン 第一部 蘇る火付盗賊改方 (ひつけとうぞくあらためかた) 殺人許可書を持つ「特殊な部隊」   作:橋本 直

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「火盗」屯所のパイロット達

第10話 工場の中の灰色の大きな壁

 

「あの……」

 

 いつの間にか眠っていた誠が目覚めた。薄曇りの空、窓ガラスの内側に結露が見えることから、外の湿気はかなりのもののようだ。

 

 眠りにつく前に見た工場と倉庫が続いていた光景が、誠の脳裏に焼き付いていた。気が付いたらこうして車の中である。外を見る気分にならなかったので、とりあえず伸びをして、ランの座っている座席の後ろを眺めた。

 

「外道がやっと起きたか……よく寝てたんで、声を掛けそびれた。まあ、蛆虫起こすと繭を作って蠅になってたかられると面倒だからな」

 

 ランはそうつぶやく。誠は車の外を見た。巨大なコンクリートの建物が見える。すれ違うトレーラーはには何も積まれていないものばかり。車中に目を戻し、モニターを見た。そこにはただ黒い画面があるばかりで、何も映ってはいなかった。

 

「将棋は?」

 

 まだ夢の中にある意識を引きずりながら、誠は尋ねた。バックミラー越しにランを見る。特に出会った時と同じように、ちんちくりんな女の子は余裕の表情を浮かべていた。

 

「途中どう見ても納得できない手があったから見てただけだ。納得できたから消した。いちいちこんなこともわからねーのか。状況見ろ!察しろ!そんなだから目玉がビー玉なんだよ。あれだろ?テメーの耳は餃子なんだろ?アタシなら水餃子にするね。紹興酒でも飲むお供にちょうどいーや。今度、老酒ある店行ったら、切り落としてつまみにすっから。それより外、見てみな」

 

 ランに言われて周りを見た。そこには灰色の巨大な建物の群れが続いていた。

 

「ここは……菱川重工豊川工場」

 

 一台のトレーラーが誠の乗る車とすれ違う。そこにはまるでトイレットペーパーのような加工済みと思われる金属を積んで走っていく。

 

「ここは金属の後処理が一番のメインだからな。航空機も作ってるが、ここである程度組み立てた後、コンテナに積んで別の工場で最終組み立てをやるんだそーな。工学部でてそんなこともわかんねーのか」

 

 この人は人を罵倒しなければ気が済まないらしい。それに誠にも言いたいことがあった。

 

「理工学部です!」

 

 誠はそう言って怒った表情をしてみせた。

 

「似たようなもんじゃねーか。なんでもいーんだよ、うすらトンカチ。コンテナに載せるってことは、当然大きさに制限がある。つまり、工場としては終わってるんだ、ここは。花形の最終製品出荷なんて諦めた、ただのでっかい部品工場。その原料も素材企業から買うしかないから、金属系や化学系の会社からの仕入れ素材の値段を決めることすらできない。でっかい町工場。それがここの本当の姿だ」

 

 ランは静かにそう言った。ランの言う通り、巨大な灰色の建物には人気が無かった。多くの建物の窓は真っ暗で電気がついていないように見えた。

 

「終わった工場……」

 

 誠は周りのかつては活気にあふれた、その大きな搬出出口からして、何か大型の機械を作っていたらしい暗い生産ラインの入っていただろう建物に目をやった。

 

「『平家物語』にもあんだろ。『おごれるものもひさしからず』って奴だ。大学受験で使う……。オメーは私立理系だもんな。文章力0だもんな。日本語しゃべってるのが不思議なくらい国語力ねーもんな」

 

 静かにランはつぶやいた。また当然のように誠をディスる。

 

「インテリなんですね……ちっちゃいけど」

 

 本当に感心してうなづきながら誠はランに話しかけた。

 

「『学ぶ心』があれば、人間いづれたどり着くんだ。あたりめーの話だ。アタシの部下になると、この『学ぶ心』と言う便利な能力が身につくことになる。まーうちにテメーが根付けばの話だがな。どーせその前に逃げ出すに決まってんだ。これまで目を付けた奴でアタシの車に乗った30人ぜーんぶ逃げたかんな。見えてきたぜ。あの壁の向こうだ」

 

 ランはそう言って正面を指さした。それよりも誠は最後にランが言った言葉が気になっていた。

 

「30人が逃げたって言ってませんでした」

 

 誠は空調が効いているのに汗をだらだらかきながらそう言った。

 

「30人は大ざっぱにだがな。そのうち20人は使えねーからって、アタシが途中の駅で降ろした。なーにそいつ等はオメーと違って、引き取り手のある人間だったから安心して忘れてくれただろー。目の前に左右に広がるコンクリの壁の向こう。それがアタシ等の職場だ」

 

 ランは誠からも見えるように左手で前方を指さした。誠はじっと灰色の『万里の長城』を見つめた。

 

 10メートルくらいの壁が延々と続いている。何故か口元に笑みが浮かんできていた。

 

「笑ってんぜ」

 

 運転席から身を乗り出したランは笑顔でそう言ってまた戻った。

 

「自然と……意識して笑ったわけでじゃないんです!」

 

 自分の無意識の表情を指摘されて、誠はむきになって否定した。

 

「そんな反応したのはオメーが初めてだ。脳ピンク隊長の勘。ビンゴだな。他では役立たずかもしれねーが……アタシの見立ても正しかったわけだ」

 

 コンクリートの壁はなかなか大きくならない。左右は建物の基礎ばかり。かつて工場が立っていた敷地が延々と続く。ガリバーの国の住人の誠は、完全に距離感と言うものがなくなっていた。

 

「あの壁は長さ5キロ続いている。スケールでけーだろ?びっくりしたか?それが刑務所みたいだって言って辞めた馬鹿もいたな。オメーの『才能』が認められれば」

 

 ランが笑顔を浮かべていることが誠にもわかる。

 

「あそこが新しい職場……」

 

 じっと灰色の壁が近づいていくのを感じながら、誠は大きな希望に胸を膨らませえた。

 

 

 

第11話 巨大基地と警備室とスイカ

 

 

 

 工場の基礎ばかりが目に付く平原を抜けて、コンクリートの壁が近づいたとき、ランはスムーズに右に曲がった。トラックや営業用車両はもうここまでくる必要がないようで、すれ違う車はもうなくなっていた。

 

「脳無し、言っとくぞ。左に曲がるとうちの大型専用の出口があるが、そっちは外れだ。これから行く本部があるのはこの先だ。アタシの運転に間違いはねーかんな。もうすぐ着くぜ。あんぽんたん」

 

 そう言ったランの顔はバックミラーの中で笑っていた。この人は人に罵詈雑言を投げることを習慣にしている。そう理解すれば何とか彼女の挑発するような暴言にも慣れてきた。

 

 誠は前と後ろを振り返る。視線の果てるまでコンクリートの壁は続いていた。壁沿いに走っている車の窓から見てみると、なぜか明らかに落書きを消したような場所があるが、どうやって工場の敷地までいたずら書きをする輩が侵入したのか。それが少しばかり気になった。

 

「広いんですね、本当に」

 

 誠はそう言ってランの表情をうかがおうとバックミラーに目をやった。ランは相変わらず笑っていた。

 

「当たり前のことしか言えねーんだな、うすら馬鹿。こっちより、奥の方が広-んだ。たまげたろ。昔の西東京の米軍の基地に比べたら猫の額程度のもんだ。まーテメーの足りないおつむじゃ想像もつかねーだろうがな」

 

 誠も昔の飛行機が滑走路を必要としていることは知っていた。今のように重力制御装置が一般化される以前の飛行機は、一部例外を除けばそれらの機体は大きな空港を必要としていた。

 

「大型ジェット機を飛ばす訳じゃねーよ。うちの所有で運用艦ってのがあってな。そいつを最大3隻置ける土地を確保しようとしたんだと。どこの間抜けがそんなこと言いだしたかは知らねーけどさ」

 

 ランは頭を掻きながらそう言った。

 

「運用艦ですか?専用の船があるなんて……凄いですね」

 

 誠の言葉にランは再び頭を掻く。そして、しばらく考えた後、口を開いた。

 

「んなの、すごかねーよ。そうすると必然的に西東都の密集した住宅街の上空を飛行しなきゃならねーからな。この土地を確保した時点で地元住民の反対でそのプランはおじゃん。アタシ等の機体も、その他の使い慣れたものも運用艦のある港まで、えっちらおっちらトレーラーやコンテナで運ぶんだ……ちょっと待ってな」

 

 そう言うとランは車を左折させる。そこにあるゲートの前で車を一時停止させて、運転席の窓を開ける。

 

「クラウゼ中佐、お疲れ様です……」

 

 粗末な警備室から出てきたのは警備担当のようだ。だらんとタオルを首から下げている。その下士官はランに挨拶すると車の後部座席を覗き込み、誠に目を向けた。

 

「よー、相変わらず暇してんな。言っとくとこいつはこれまでの連中より骨がある。まあ、これから水が合うかどうか試さねーと何とも言えないがな。アタシの勘違いってこともあるからな」

 

 誠は『骨がある』と言われたことが少しうれしかった。

 

「骨ねえ……」

 

 下士官はそう言って誠を見つめる。その様子を見ていたランや警備員と同じ制服を着た真っ赤な髪の女性士官が両手でスイカを持ちながら近づいてくる。

 

「中佐。ここの当番やればスイカが食えますよ。今年は当たり年です。結構、甘くてうまいですよ」

 

 男の下士官はそう言って笑う。

 

「アタシはいいや。オメー等で食え。じゃーゲート開けてくれ」

 

 その言葉と同時にゲートが開く。ランは窓を閉じた。誠は吹き込んできた湿った熱風で汗をかいてきていた。

 

 そのまま車は大きな二階建ての建物に向かって伸びる道を進んだ。

 

 

 

第12話 古びた公立校の校舎によく似た伏魔殿

 

 

 ランの黒いドイツ車が静かに本部らしい入口の階段の前に停まった。あまりに静かに停まったので誠は何が起きたのか分からないほどだった。

 

「出来損ない、降りな。気を利かせてトランクは開けといたかんな。出来た上司だろ?」

 

 そうランが言うと同時に、後部座席の左側のドアが自然と開いた。ランは誠を一瞥すると、シートベルトを外して運転席のドアを開けた。

 

「お世話になりました……」

 

 誠はそう言いながらちっちゃな背中に一礼する。そして高級感漂うセダンの後部座席を這うようにして車の外に出た。

 

 熱気、湿気、そしてそれらのもたらす不快感。誠は急いでトランクに向かって歩いた。

 

 そこにはすでに開いたトランクから誠のバッグに手を伸ばそうとしているランの姿があった。

 

「いいです!僕が持ちます!」

 

 さすがに上官に荷物を持たせるのは気が引けた。それにどう見ても小学生低学年である。さすがに体格のいい誠にしてはそんなか弱い子供に重いものは持たされない。

 

「そーか。多少は気が回るんだな。役立たずの割には大したもんだ。じゃーアタシは車を駐車場に置いてくるわ。待ってろ。ボケナス」

 

 ランはそう言って小走りで運転席に行った。いかにもちんちくりんなその姿が運転席に消えると、すぐに車は動き出し、建物の後ろに消えた。

 

 誠はズボンのポケットからハンカチを取り出して汗をぬぐいながら、まるで学校のような作りの本部とやらを見上げた。

 

「タオルか何かもっとしっかりとした拭けるものを用意しとくんだったな。まあ、中は空調聞いてるからいいかな」

 

 すぐにハンカチは汗を含んで絞れば水分が取れるほどに濡れてしまった。

 

 目の前の建物、学校と言うのが一番誠にはしっくりいった。しかも、公立の鐘の無いところの学校を思わせる雰囲気だった。他にも田舎の役所や警察署に似ているともいえた。

 

「おい!出来損ない!何ぼんやり見上げてんだ?暇なのか?テメー暇なのか?答えろバーカ!」

 

 ランが毒舌を吐きながら歩いてくる。

 

 汗を拭く様子はない。近づくと確かに汗ばんでいるが、ちょっとハンカチで拭えばどうにかなる程度だった。もう汗が流れてどうしようもなくなった誠とは大違いだった。

 

「中佐殿、暑くないんですか?」

 

 誠は珍妙な可愛らしい生命体であるランをしみじみ見つめながら尋ねた。

 

 ランは誠の顔を見上げた。そしてそのちいさな手にはハンカチが握られていた。軽く汗をぬぐう。そしてその理解不能なチビ助はそのまま手を元に戻す。

 

「汗はかいてるよ。こうして拭いてんだ。水ばっか飲んでだらだら汗かいてるテメーとは鍛え方が違うんだよ外道」

 

 そう言ってランは本部の玄関に向かう。

 

「落ちこぼれ……これからは楽しくなるぜ……」

 

 ランは振り返ってそう言って笑う。そしてそのまま誠を先導するように本部の自動ドアの前に立った。

 

 

第13話 旧時代の事務手続きとヤバい姉ちゃんの予感

 

 

 小さなランに続いて、誠は手にトランクから取り出した旅行用バッグを手に、実働部隊本部の正面玄関の階段を昇る。

 

「ったく南向きって、暑いだけだぜ。マンションじゃねーんだよ、まったく」

 

 ランは愚痴りながら自動ドアの前に立った。自動ドアは静かに開いた。誠はちっちゃな背中を追いながら大きめのカバンを抱えてランの後ろに続いた。

 

 実働部隊本部の建物に入るとさすがに空調は効いていた。ただ、廊下の電気がすべて消えている。

 

「中佐。電気が消えてますけど」

 

 自動ドアの隣の無人の事務所のカウンターに置かれテーブルに何かを書き込んでいるランに尋ねた。

 

「うちは予算が厳しーかんな。廊下の電気は昼間は消すんだと。管理部が決めたことだ、逆らえねーよ」

 

 そう言うとランは書き込んだ一枚の紙を手に歩き出した。

 

「なんですか?その紙」

 

 誠の問いにランは静かに笑いながら振り返る。

 

「ったく本当に社会人か?オメー何にも知らねーんだな。来客記録票ってのは、どこの役所にもあるもんだ。これがそいつ」

 

 そう言ってランは文庫本くらいの紙を誠に見せた。

 

「あとでアタシの印は押すから、それを管理部のおばちゃんに渡すと、持ってるダメ隊長のシャチハタ押して、綴じるところに綴じて完成。分かったか?」

 

 ランはそう言うとそのまま歩き出した。

 

「なんでハンコ制度って残ってるんですかね……電子化しても良いじゃないですか」

 

 速足で歩くランに誠は急いでついていく。

 

「知るか!困る人がいるんだろ……きっと」

 

 ランはそう言いながら突き当りに有った階段を昇った。

 

 誠が階段に足を掛けたとき、ランは振り返った。

 

「これからアタシが直接隊長やってて机の置いてある機動部隊に行くんだ。そこの女士官二人はかなりやべーからな。気を付けろ」

 

 それだけ言うとランはまっすぐ前を向いて歩き出した。

 

「ヤバいって何がヤバいんですか!」 

 

 置き去りにはされたくないので、誠はランに続いて階段を昇った。

 

「とにかくヤベーの。一人は見た目で分かるけど、もう一人は見た目じゃ分からねー。とにかくヤベーんだよ」

 

 そのままランは階段を昇って消えていく。

 

 誠はただ、不安に支配されるだけだった。

 

 

 

第14話 招かれたのは女パイロット達の城

 

 

 可愛らしい雰囲気のランは、迷わず階段を昇りきった。その背中に続いて階段を昇りきった誠が見たのは、ごく普通の学校のような廊下が続いている様を見ることになった。

 

「こっちだ!こっち来い!」

 

 ランは扉の前で待っていた。そしてそのまま小さな手に入れていたハンカチを、タイトスカートのポケットに入れているのが見える。

 

「普通の扉ですね」

 

 誠は正直な感想を言った。誠がランを見下ろすと、少し憐れむような視線がそこにあった。

 

「覚悟しろよ。結構、ヤベー二人だから」

 

 そう言ってランはニヤリと笑う。

 

「そうですか……ヤバいんですか……」

 

 誠の冷や汗をかきながらの言葉を無視して、ランは扉を開けた。

 

 ひらかれた扉の向こう、室内に入った誠が見たのは不思議な光景だった。

 

 すべての机が手前の扉に寄っていた。空いている空間が広すぎた。奥には大きな机があり、ランは迷うことなくそこに向かった。確かにランはこの部屋の主だった。そのことは二人の女性が挨拶こそしないものの、それなりにランに気遣っているような雰囲気から察しられた。

 

 二つの机がランの大きな机の上に並び、そこには大きな大画面の薄型モニターが並んでいた。そしてそれぞれに女性が座っていた。

 

 その室内中央側に座っていたエメラルドグリーンのポニーテールの女性士官が一度、誠に顔を向けた。

 

 誠はすぐに身を整えて敬礼した。そして、自己紹介を始めようとした時、彼女はすぐにモニターの画面に顔を向けてキーボードを叩きながら作業を再開した。

 

「あのー」

 

 声を掛けようと誠が歩み寄るが、ポニーテールの女性士官は誠の存在を無視していた。

 

 そして、彼女はこう言った。 

 

「また、消えるんだろ。挨拶は必要ないな」

 

 キーボードを叩く音が沈黙した室内に響く。

 

 そして、別の方から声が聞こえてきた。

 

「早く扉を閉めろよな。廊下は空調の設定温度が高いんだ」

 

 ポニーテールの士官の正面の黒い髪のおかっぱの士官が何かをしながら、誠に声を掛けてきた。

 

 誠はとりあえず何をしているのか確認しようとおかっぱの士官に近づいた。

 

 その机には分解された銃があった。よく見ると左わきの革製品は、その銃にあつらえたホルスターなのだろう。

 

「商売道具だ。まともに動くようにして何が悪い」

 

 そう言いながらおかっぱの士官は銃を慣れた手つきでくみ上げていく。

 

「自分の道具は自分で調整する主義だそうだ」

 

 ポニーテールの士官がキーボードを叩きながらそう言った。

 

「かなめ……西園寺かなめ。階級は大尉だ。お前より上官だ。敬礼はどうした」

 

 銃のスライドを上手にセットし、完成した銃をホルスターに差し込む。誠はそんな彼女が作業をしている間に彼女の半そでから見える腕に筋が入っているのに気付いた。

 

 かなめは立ち上がって誠を見つめた。

 

「気づいたみたいだな。サイボーグだよ、アタシは。餓鬼の頃、テロに巻き込まれて脳以外駄目になってね。それ以降こんな体になっちまった。そんだけの話だ」

 

 かなめはそう言うと静かに誠に向けて歩き始めた。その殺気から誠は思わずびくりと身をかわそうとしt。

 

「何もしねえよ。それとこの緑の変なのはカウラ、カウラ・ベルガー。階級は大尉。小隊長だと。『アサルト・モジュール』乗りは、ちっこいのとアタシ等で合計三人。どうせ、お前も出てくんだろ?じゃあ、早い方がいい」

 

 そう言うとかなめは誠を避けて扉へと向かった。

 

「西園寺大尉!」

 

 かえでの背中を追った誠に、かなめはドアに伸ばした手を止めた。

 

「タバコだよ。二十歳過ぎてんだからいいだろ」

 

 それだけ言うとかなめは出て行った。

 

 誠はただ茫然として、立ち尽くすだけだった。

 

 ただ、不思議なことに気分が悪くはならなかった。この感覚は自分でも説明できないが、なぜか彼女達に暖かいものを感じていた。そんな不思議な気分に誠はとらわれていた。

 

 

 

次回メインヒロインにして欲しいキャラ

  • 西園寺かなめ 
  • カウラ・ベルガー
  • アメリア・クラウゼ
  • ローラ
  • 神前ひよこ
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