※この作品はR-18です。

御手洗ジャンクはハートフルシナリオを書きたい   作:ヤングコーン

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よう!俺の名前は御手洗ジャンク!
いい感じに時間が空いたので続きを一気に書き込んだぜ!
しかし、話の着地点はどこに置いたもんかな…。


20話 親の心、子の心

†

 

俺は頭を下げている。自分が悪くない事は分かっている。それでも頭を下げる。これをすれば相手は気が済むから安いものだ。年を取ればこれが苦痛になっていくだろうが…。気が済んだ上司は捨て台詞を吐いて出て行った。そして仕事に戻る。

 

もうすぐ仕事も終わって家に帰る事ができる。この職場の良い所は定時で帰れる事だ。どんなに職場の環境が良くても残業して趣味の時間が取れなかったりするのでは意味がない。プライベート時間はそれほど大事にしている。1人で、充実している時間…。

 

今日はネットで頼んでいた漫画が来る。今日覗いてみたら、販売停止になっていたそうだ。早く注文してよかった。一目見た時からこれは買いだと思っていたから。俺はスマホの画面を見る。ようやくこの内容を見る事ができる。ネットで見かける画像はいつもいい所で切れていたので生殺し状態だった。

 

それがついに…。

 

スマホをすぐに閉じて仕事に戻る。後何分であっても仕事は仕事だ。

 

しばらくすると静かにバイブが鳴った。誰からかメッセージが来たようだ。誰だろう。

 

母からだ。画像が添付してある。ダウンロードしてみると、それは今日俺が注文した本だった。『話があります』と書いてあった。家族会議らしい。どうして人の郵便物を勝手に開けたんだ。俺はふつふつと怒りが込み上げてきた。残り時間の仕事を冷静にこなす。

 

重い足を引きずるようにな気持ちで家に帰った。「ただいま」と言って家に帰る。返事はない。俺はリビングルームに足を進めると父と母がテーブルの真ん中にあの本を置いて座っていた。促されるように座る。

 

「これは何?」

 

母は努めて冷静に聞く。

 

「マイリトルスイートハート。多々書房から出版された青年誌。原作小説、『ほいっぷ』を元に作画が入りコミカライズされた…」

 

「そういう事を聞いてるんじゃない。中身も見た。作中では18歳以上と書かれているけれど、見た目はどうみてもその年齢に満たないほど幼い容姿の少女が主人公。ページを開けども開けども、性的に描写してあるとしか思えないものばかり」

 

何を言おうと作中の主人公は18歳以上だ。問題ない。現実にも童顔だったり、年齢より若く見られたりする人がいる。例え見た目が子供であろうと、老人であろうと…戸籍上が18歳以上と書かれていれば18歳以上なのだ。そもそも性的、と感じるのは受け手によるものであって厳密にそう表現されたものはない。

 

法的に問題なのは性器を露出しているもの。それに修正がかかっている以上は、それは性的なものではないのだ。何故なら、人間の数だけある感性の中から完全に性的でない物の表現を規制する事ができないからだ。法的に問題がない以上、後は受け手の感受性なのだ。

 

人によっては自転車のサドルが性的に興奮するものかもしれない。人によってはテーブルの足が。人によっては鮫に興奮するかもしれないし、車を後ろからドラゴンが腰を振って突き上げているものに興奮する人もいるかもしれない。それらを規制するとしたら、この世に何が存在できるだろう。

 

国家が表現の自由、内心の自由を侵す事ができないのも当然。また、権利を有する国民にさえ権利を侵害する権利はない。俺がこの本を見たいと思って購入した事も、手に取る事も、読む事も、それによって性的興奮を覚える事も、それを元に自身を慰める事には何も問題がない。

 

それを侵害しようというのであれば、今この場において問題があるのは俺ではなくプライバシーを踏みにじった両親なのではないのか。

 

「…近所には子供が沢山いる。あなたがロ〇リコンである事が近所にバレたら、周りの親御さんは安心して子供を外で遊ばせられない。あなたももう成人だもの、そりゃ性欲もあるでしょうね。でもね、よりにもよって子供に、子供に興奮を覚えるだなんて…」

 

「情けないと思わないのか。年端もいかない子供をこんな目で見て。俺はこんな風に育てた覚えはないぞ」

 

子供は親の傀儡じゃない。思う様に育つはずがない。自身の都合のいいように育てようとすることそのものが親の傲慢なんじゃないのか。

 

「何とかいいなさいよ!」

 

母が机を叩いた。顔は赤くなり目が潤んでいる。泣きたいのはこっちだ。

 

「俺は絵にしか興味ない」

 

「そういう事を言ってるんじゃないんだ!絵だろうと現実だろうと同じ、それで興奮する事自体が良くない!!いいか、金は出してやるから病院へ行け。そこで治療するんだ!自分の病気と向き合え!!」

 

お父さんは怒鳴る。お父さんはいつもそうだった。子供に言う事を聞かせようとする時は、大声をだして頭から押さえつけようとする。母さんは事あるごとに目に涙をためて子供を言いなりにしようとする。俺はもう成人している。対等な人間に対して行う交渉とは思えない。

 

…今の今になって思う。俺のこの性癖は本当に治さなきゃいけない事なんだろうか。誰にも迷惑はかけていない。それを気に入らないという人間がいるだけだ。胸中を打ち明けさえしなければ誰とでも仲良くやっていける。どうして治さなきゃならないのだろう。

 

この性癖は、胸を張ってこうだと言えるものではないと俺も思う。だから言わない。だが、世間では胸の大きさはこれぐらいが好みだとか、尻はこうが好きだとか、チ〇ポはこのぐらいの大きさじゃないと短小だとか、身長はこのぐらいなければとか…自身の好みについて友達と話して楽しむ事ができる。

 

俺は話せない。話すだけで危険視され疎まれる。だから胸中に留め、そうでないふりをして生きる。プライベートでその性癖を楽しんでいる。それだけだ。どうして迫害される理由がある。興奮するものの対象が異なるだけで。法も犯していないのに、犯罪者と同じ様に見られる。

 

「俺の性癖は病気じゃない。左利きだからと言って右利きに矯正する必要がないように、俺の性癖も矯正する必要がない。誰にでも性欲はある。俺にも。俺は個人的に合法的にコンテンツを楽しんでいる。それだけだ」

 

お母さんは泣き出した。お父さんは烈火のごとく怒る。この怒鳴り声、近所にも聞こえているだろうな。

 

「こんな子に育つなら、産むんじゃなかった…」

 

お母さんは泣きながらそう言った。お父さんはお母さんを慰めている。俺だって好きで生まれて来たんじゃない。子供はいつでも親の都合で生まれてくる。子供は未熟だから親を頼る事でしか生きていけない。その弱みに付け込んで教育という名の洗脳を施す癖に、何がそんな育てた覚えはないだ。勝手に仕込んだくせに、何が産むんじゃなかっただ。俺だってこんなに辛い人生を送るなら産まれてくなんかなかった。

 

「お前、母さんを泣かせて…少しは申し訳ないとは思わないのか」

 

ちっとも思わない。男の怒鳴り声と女の涙はもう見飽きた。

 

「1か月待ってやる。その間にお前はもうこの家を出て行け」

 

「分かった」

 

親ももう年だ。年々、体にガタが来ている。もうすぐ介護が必要になる。我が家は貧乏で、俺も大した稼ぎじゃないから介護施設に入れるにも苦労をする。だから俺は「子供部屋おじさん」なんて言葉を友達に言われながらも甘んじて聞き流しながら介護しながら貯金するために家に残った。

 

その俺が一人暮らしすることになる。連絡がなければ親がどうしているかもわからない。念のため、介護と介護放棄について後で調べる事にした。

 

 

†

 

 

「こんなもんか」

 

俺は書き上げて一息ついた。背もたれにもたれ掛かってギーコギーコしていると、ピコーンとメッセージが届いた。隆盛からだ。写真にゲームカセットが写っている。見た事あるなこれ。次のメッセージで「買い?」と届く。一応ネットで確認したが間違いない。

 

俺は画面をタップして「クソゲー、買うな」と送った。いいね!のメッセージが来る。

 

俺はノックをしてイソフラボンのいる部屋に行く。中から返事が聞こえたので入ると、ちゃんと寝ていた。俺と違って真面目だなぁ。体温計も平熱だった。

 

「せっかく治った風邪がぶり返しては事だ。もう家に帰ってもいいけどあまり無茶はするなよ」

 

「…うん」

 

「もう昼か…。昼ご飯食べてく?」

 

「うん」

 

「…やけに元気がないな。まだ体調悪いのか?」

 

「何かこう…心配されるの何か嬉しくて」

 

イソフラボンはこっちで家族とも会えず、向こうの国で家族同然だった人とも会えないので少し寂しがってたらしい。こう…頭を撫でたい衝動にかられるが…こういうのは恋人同士になってやるかやらないかだ。前に何度かやってしまった気がするが、俺は我慢する。

 

一緒に階段を降りると、俺は料理を作り出す。あれ、サラダ油がもない。なかったっけ…。いつもなくなってから気付くんだよな。

 

冷蔵庫の材料を見ながら作る料理を考えていると、イソフラボンがてくてくやって来る。

 

「昼は私が作る」

 

「けど…」

 

「やらせて」

 

イソフラボンがどうしてもというので、俺は厨房を出てリビングルームで料理ができるのを待った。

 




家族関係が険悪なキャラばかりだから、そろそろいい感じの家族関係を持ったキャラクターを書きたいなあ。ジャンクに書かせる次の小説あたりはそうしたい。
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