卓三は昼間、部屋に聞こえる音について律子に尋ねた。
「あの部屋は私たちが使っていた時は何も聞こえませんでしたよ」
卓三がこしてくるまでは息子と律子の寝室だったのだ。
卓三を二階へと言う話も有ったのだが、歳を考えれば足や腰に負担をかけないように一階があてがわれたらしい。
夜になり、息子と部屋の点検をしてもらったのだが何の異常も発見できなかった。
またそれ以来、卓三の耳に届く異音もなくなり、気のせいだろうと言うことで異音騒ぎは幕を引かれた。
暫くすると卓三は視力が落ちたみたいだ。
近くのモノはそうでもないのだが、二~三メートル先のモノの判別がつかないようになった。
先日のことだった。
汗拭きのために持っていたタオルハンカチが行方不明になった。
(まだ老ける歳でもないのに・・・)
加齢で近頃は物忘れもするようになった。
(確かに持っていたのになぁ)
卓三はあたりをキョロキョロと見まわしハンカチを探す。
「あ~、有った有った!」
整理ダンスの前に青と白の模様が入った布地が卓三には見える。
(おやっ?ちょっと違うなぁ)
ムンズ
と、拾いあげた卓三はハンカチとは異なる感触を持ち、目元に近づけて見た。
(これは!?・・・)
今度のキョロキョロは、人の気配を感じ取ろうとしている怪しい目の動きだった。
卓三がハンカチだと思い拾い上げたの律子のパンティだったのだ。
模様が違えば間違うことも無かったろうが、ハンカチと同じ青と白の格子模様だったのだ。
視力が落ちている卓三は見た目で布地の区別まではつきかねていた。
脳裏に浮かんだの先日、覗いた律子のオナニーシーン。
(律子さんはこんなに狭いパンティを穿いて・・・」
握りしめていたパンティを鼻先にあてクンクンと匂いを嗅いだ。
卓三は、パンティを被ればもう少し強い匂いを嗅げるのではないかと想い、頭に乗せ少しずつパンティを下ろしていけば窮屈なだけにピッタっと頭部におさまりをみた。
股間の虫たちが蠢き始めたので卓三は右手を下半身に運んだ。
「お義父さん、何をされているのですか?」
ふり返らなくても声をかけてきた人物が誰か?ぐらいのことはすぐにわかる。家にいるのは卓三と律子のふたりだけだった。
律子の声がとげとげしく怒りを露わにしてくれれば、卓三も素直に詫びを入れられたのが、物を尋ねるように言われては頭を垂れうなだれるほかどうしようもない。
「お義父さん、私のパンティをどうされようとしていたのですか?」
相も変わらず律子の口調はあまりにも穏やかすぎる。
「いやぁ・・・あのう・・・そのう・・・被って・・・」
「まぁっ!お義父さんたらお被りになっただけですの・・・それじゃまるで・・・変態ですよ」
(確かに律子さんが言うとおりだ。理由もなく被ったのでは変態のそしりを受けても仕方ない)
年下の律子から諭されれば恥ずかしさで顔を紅潮させていく卓三。
かと言って、オナニーをしようとしていたとは口が裂けても言えない。醜態を律子に晒しても義父としての威厳は保ちたいものだ。
「すまん。律子さんの匂いが嗅ぎたくて・・・」
匂いを嗅ごうとしていたのは事実なのでこれ以外の口実は探せない。
「じゃー、お義父さん。それでは前と後ろが逆ですよ・・・お義父さんが変態と言われるならお尻の匂いもいいでしょうけどね」
律子の言葉に乗せられ、ドンドンと深みに嵌っていく卓三だが、窮地を脱する名案なんて思いもつかないことだ。
卓三はパンティのウエスト部分をつかむとクルっと回した。
陰部を覆っている部分が鼻先にあたり、腿の付け根部分が卓三の眼の代わりになっている。
怪し気な恰好はまるでパンティ仮面だ。
「お義父さん、クロッチ部分に鼻を押し当てて気が済むまで嗅がれていいのですよ」
卓三はパンティの股間部分に指を押し当て鼻と布地の密着を図る。
律子の意のままに操られている卓三だった。
「お義父さん、匂います?」
聞かれ、首を左右に振るしかない。
洗濯後の下着は太陽の匂いはしても異臭がするはずもない。
「よかったら匂いがするパンティを上げましょうか?」
(えっ!?)
すぐには律子が言っている意味が理解できない卓三だった。
言った後で律子が穿いているスカートの裾に手をかけた。
いつも身に着けているのは、しなやかな脚が伸びているミニスカート。少しでも裾を上げようものなら白い太ももが見え隠れする。
義父としてのプライドを木っ端みじんに打ち砕かれた卓三はか細い声で ウン と返事をしてしまった。
「お義父さん、もう少し近くに来なければ・・・」
卓三は言われるがままに近づく。
「あらら、お義父さんたらもっと近くに来てくださいよ」
律子の真意がわからず儘に距離を詰める卓三。
「お義父さん、そこに跪いてください」
卓三は言われた通りに膝立ちをして律子のスカートに目線を上げた。