※この作品はR-18です。

どことなく壊れていて、どことなく甘い生活   作:MC RAT

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第136話 あーん

 雛罌粟さんがシャワーを浴び終わったので、次は僕が失礼させてもらった。何かキッチンの方から大きな声が聞こえるけど、どうした?

 ちなみに今日はお店は臨時休業だ。昨日の事まあるし、当たり前だな。

 ダメだ………顔が熱い。さっき雛罌粟さんがあんな事言うからだよ。

 いや嬉しいんだけどさ、さすがにあんな事耳元で囁かれるのは恥ずかしすぎる。

 僕はシャワーを浴び終わると、浴室から出た。するとキッチンからいい匂いがする。

 向かってみると、案の定雛罌粟さんが朝ご飯を作ってくれていた。エプロン姿、綺麗だなぁ。

「あ、竜胆君………朝ご飯もうちょっとでできるから」

「………はい」

 雛罌粟さんの顔が遠目でも分かるほどに赤い。朝の事を思い出しているのだろうか。

 そんな雛罌粟さんの左手の薬指には、シルバーリングがある。昨日僕が贈ったものなわけだが。

 もう雛罌粟さんは僕と結婚しているという認識でいてくれているのだろうか?そうだと嬉しいな。

「よし、朝ご飯できたよ」

 そんな事を悶々と考えていると、いつの間にか雛罌粟さんは朝食を作り終えていた。

「それじゃあ、食べますか」

 そう言って椅子に座ろうとすると、雛罌粟さんが僕の手を掴む。いきなり手を握られて心臓が跳ね上がった。

「⁉︎ ひ、雛罌粟さん、どうかしましたか?」

「………呼び方、元に戻ってるんだけど」

「え?あぁ………」

 昨日は何かテンションがおかしくて、普通に呼び方が変わっていたな。けど、いくらなんでも歳上の人を呼び捨てってのは、ね。

「昨日みたいで全然いいんだよ?」

「あぁ、いや、でも………」

 慣れないしどうしても恥ずかしい。東風とか分は同い年だからかそこまで抵抗無いんだけど。

 

 

 

「だ、旦那さんなら………奥さんを呼び捨てにするのは、当たり前だと思う」

 

 

 

 距離を詰めてきた雛罌粟さんが、コソッと呟いた。まぁそうかもしれないけどさ。

 少しだけ頬を膨らませた雛罌粟さんは、その場でつい抱きしめそうになる。

「好きな人には、そういう壁は作ってほしくない、かな」

 ストレートに好きと言われてしまい、僕はまた顔が熱くった。うぅ、そう言われるとな………

 うーん………それなら変えたほうがいい、のかな?

「み、罔象………これで、いい?」

「………うん」

 雛罌粟さ……罔象はどこか嬉しそうな声音で頷いた。うわぁ、何か恥ずかしいな。

 お互い顔を赤くして手を繋いでいる。僕達はこの状況を持て余していた。

「あの、それと………もう一つ」

「ん?何?」

 僕が顔を上げると、罔象の顔が近づいていた。そのまま抱きつくと、罔象は自分の唇を僕の唇に押しつけた。

「んちゅ………」

 突然キスされて、僕は戸惑った。その隙を狙うようにして罔象が舌を滑り込ませてくる。

「くちゅ、んっ………ちゅるっ、んあっ、あむっ………れろっ、れろっ、んくっ………んあっ、くちゅくちゅ、ちゅるっ、ちゅぱっ!」

 お互いの唾液が口の中で混ざり合い、舌か口腔内を這いずり回っている。それがとても気持ちいい。

 罔象は僕と舌を絡ませ合うと、唇を離した。

「………まだ、おはようのキ、キス………してなかったから」

「あぁ………そうか」

 別に決めたわけじゃないけど、僕達は身体を重ねた日の翌日の朝はいつもキスしていた。

「おはよう………竜胆君とのキス、好き」

「うん、僕も。おはよう」

 僕達はギュッと抱き合った。そして今度は軽いキスをする。朝から少しやり過ぎだろうか?

「竜胆君………その、朝の事だけど………」

「………うん」

「全部本当の事だから………その、受け取ってくれたら、嬉しいな」

「分かった………」

 僕は罔象の頭をそっと撫でた。少しだけ湿った黒髪の感触が心地いい。

「こ、これでいい、かな?」

「うん………ありがと」

 頭撫でてほしいとか言ってたからさ。大人の頭を撫でるってのも変な感覚だけど。

「ちなみに………君はどう?………なーんて………」

 罔象はどこか冗談めかしたような口調で聞いてきた。

 僕か罔象をどう思ってるか、って事だよな。えっと………

「罔象は………強いと思う。何があっても諦めないし、努力して前向いて歩こうとしてる。頼り甲斐があって大人っぽくて、包み込むような優しさがあって側にいたいって思えるよ。でもたまに子供みたいに目の前のことを純粋に楽しんだり、ムキになったりするのも素敵だと思う。なんていうか側にいて遠慮しないで一緒に楽しく過ごせるんだ。あとやっぱり料理が上手でいつもお弁当とか夜のコーヒーの時間が楽しみだな。それと僕、罔象の笑顔が好きで、むぐっ!」

「も、もういいよ!ありがとう!………そんなに言われるなんて思わなかった………」

 罔象が慌てたように僕の口を塞いだ。

 そうかな?何かいつもは恥ずかしくて言えないけど、今は普通に出てくる。

「そっか………うん、何か嬉しいな」

 そう言って微笑んだ罔象は、とても綺麗な笑顔をしていた。つい抱きしめる力を強くしてしまう。

「あっ………竜胆君………」

「罔象………」

 僕は罔象の頬に手を添えた。そのまま罔象をキッチンの壁まで追い詰める。

「ん………いいよ」

 罔象がそう呟くのを確認すると、僕は罔象の身体に手を伸ばして………

 

 

 チーン!

 

 

 いきなりキッチンに鳴り響いた高い音に、僕達は飛び上がった。って、なんだトースターの音じゃないか。パンが焼けただけか。

 僕達はジッと見つめ合う。微妙な空気になってしまった。

「と、とりあえず、ご飯食べるか。冷めちゃうし」

「う、うん………」

 僕と罔象は身体を離して朝食の準備をする。

「「いただきます」」

 僕達は手を合わせて食べ始めた。というか………

「何で僕は目玉焼きで、罔象はスクランブルエッグ?」

 僕は罔象のお皿を見て聞いた。別にいいけどわざわざ違うのにする必要あった?

 すると罔象は顔を赤くした。

「あ、いや………その、朝の事思い出しちゃって、悶えてる拍子に黄身潰しちゃったの」

「あぁ………」

 シャワー浴びてる時に聞こえた声はそれだったか。しかし器用に対応したな。

「こっちも食べる?」

「いいの?」

「うん。まぁ焦ってたからほとんど味付けしてないけど」

 罔象はケチャップのついた半熟のスクランブルエッグをスプーンで掬うと、僕の前に差し出した。

「はい、あーん」

「ありがとう」

 僕はそのままスプーンにパクついた。何も味付けしてないはずのスクランブルエッグは、ケチャップの味以外に少し甘く感じられた。

「美味しい」

「そう?ありがと、って………今の………」

 そう言われて僕もハッとした。

 何かすごいナチュラルに『あーん』してもらったな。まぁご褒美と受け取っておこう。というか前にもした気がする。

 僕達はお互い真っ赤になりながら朝食を済ませた。

 その後僕はお店の周りを少し見ていた。昨日窓を撃ったヤツがいるかなと思ったんだけど、さすがにいないか。

 仕方なく僕は店に戻り、罔象の部屋に向かった。コートとか置きっぱなしだしな。

 すると部屋で罔象が、僕のトレンチコートを持って何かしている。

「罔象、何してるの?」

「あ、竜胆君。君のコート所々切れてたから、応急処置程度だけど直してるの」

 そう言う罔象の近くには裁縫道具が広がっている。

 まぁそれ着て殺し合いしてるわけだしな。どうしても傷つく事はある。

「わざわざいいのに。ありがとう」

「いいのいいの。こういうの好きだしね」

 罔象は楽しそうにコートをチクチクと縫っている。僕はその後ろ姿をぼんやりと眺めていた。画になるなぁ。

 すると罔象の首筋や手の甲に赤い痕がついているのが見えた。罔象も僕がそれを見ている事に気がつく。

「これ、君が昨日つけたんだよ?身体中にキスマークがいっぱい」

「嫌、でしたか?」

「………もっとつけて欲しいって思ってる。君のものにされたみたいで嬉しい♡」

 ストレートだなぁ。罔象、何というか吹っ切れた感じがある。それなら………

 僕は後ろから罔象を抱きしめる。罔象の手の動きが止まった。

「それなら、今からつけようか?」

 我ながら何言ってるんだろうとは思ってる。けど、少し自分から求めてみたかった。

 罔象が持っていたトレンチコートをその場に置いて、僕の方を振り返った。その顔が近づいてくる。

「………うん♡」

 僕達はそっと唇を重ねた。

 

 

 

「………あぁッ!んッ!………ひゃッ⁉︎そこはッ………はぁッ!んあっ!」

 僕と罔象はベッドを抱き合っていた。僕は服の上から罔象の身体を撫でて、首筋を舐める。

「どう?」

「………うん、もっとして♡……あぁッ!」

 僕は罔象の服に手をかけた。そのまま服をたくし上げる。青いブラに包まれた豊満な胸が露わになる。

「こんな朝早くに………やっぱり、恥ずかしいね」

「僕も………何か、恥ずかしいな」

 胸や腹には赤い痕がついている。これを、もっとつけたい。

 僕は罔象の腹に舌を這わせた。おへそを優しく舐める。

「んっ!………ねぇ、キスもしてくる?」

「………もちろん」

 僕は罔象と向かい合って唇を重ねた。くちゅくちゅと舌を絡ませる。それと同時に身体に撫でる。

「んっ、ちゅるっ………ちゅぱっ!………あぁ………気持ちいい」

 そのまま首筋に吸いついた。痕がつくまで強く吸い上げる。

「んっ!♡………はぁっ………」

 僕が唇を離すと、そこには真っ赤なキスマークがついている。

「痛く、ないの?」

「痛いよ。でも………それが気持ちいい♡君だからだよ」

 罔象の上の服を脱がせると、強く抱きしめて上半身の至るところを吸いついた。

 腕や腹、鎖骨や背中にキスマークがどんどん増えていく。じんわりと汗の滲んだ肌は少ししょっぱかった。

「んっ!ひゃっ!………ねぇ、私、汗臭くない?」

「どちらかと言うと、結構甘い匂いがしますよ」

「あ、そ、それは………」

 罔象は自分の胸を見た。昨日あれだけ搾ったのに、もう出るのか。

「あのさ、キスマーク………つけて欲しいところがあるんだけど」

「え?」

 罔象はゆっくりと身体を起こすと、手を後ろに回してブラのホックに手をかけた。

 そしてホックを外すと、ブラを押さえて肩紐を肩からズラした。最後に押さえていた手でブラを取り払う。

 支えの無くなった胸がぷるんと揺れて露わになった。その様子に僕はゴクリと唾を飲み込む。

「ここ、いっぱい吸いついて♡」

 罔象は胸を持ち上げて、硬くなった乳首を示した。そこからは僅かに母乳が垂れている。




 最後まで読んでいただきありがとうございました。
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