翌朝、いつもと枕が違ったからか目が覚めるのは二人とも早かった。
「んっ………」
目を開けると、そこには先に起きていた罔象が一糸纏わぬ姿で僕を見つめている。
「竜胆君、おはよう」
「罔象………おはよう」
寝ぼけてぼんやりしている中でも、罔象の美しい姿だけは鮮明に届いた。
段々と意識がはっきりとしてきて、いつもと違う所で寝ていることに少しばかり狼狽えた。しかし昨日のことを思い出して納得する。
そうだ、昨日僕達はラブホテルで一晩過ごしたんだったな。
「罔象、身体痛くない?その、久しぶりだったし」
「全然。むしろ久しぶりのエッチが気持ち良すぎて、腰抜けちゃったよ♡」
罔象は僕に抱きつくと、僕の首に腕を回して脚を絡めてきた。自然と顔が近づいて、僕達は唇を重ねる。
「んちゅ………♡」
唇を触れ合わせた僕達はそのまま抱き合って手を繋いだ。まだ冷える時期だと言うのに、僕の体は朝からポカポカだ。
「まだ外暗いね。今何時なんだろう?」
「五時だよ。もうちょっとゆっくりしててもいいかも」
もちろん時間だけが理由じゃない。もうちょっと罔象と堂々とくっついてたいからさ。
「それなら、一緒に朝風呂入らない?昨日汗かいたまま寝ちゃったし」
罔象は身体を起こすと、垂れた横髪を耳にかけた。綺麗だなぁ………
「せっかくラブホテルに来たんだし、昨日は恥ずかしくて無理だったけど…………お風呂、一緒に入りたいな」
「………うん、入ろうか」
僕も身体を起こして罔象と手を繋ぐと、軽く抱き合ってお風呂場へと向かった。
「んちゅ………んんっ♡」
シャワーから出るお湯を浴びながら、僕達は抱き合って唇を重ねていた。
罔象は手に石鹸をつけて、愛撫するように僕の身体を洗っている。
ヌルヌルになった罔象の手が僕の体を撫でて、甘い快感が痺れとなって全身を巡る。
シャワーのお湯が罔象の身体を濡らして、艶の増した黒髪から水滴が垂れる。
「んっ♡!あぁ、はぁっ♡………竜胆君、どう?こことか………気持ちいい?」
「くっ………ふぅ、ッ!………罔象ッ………すごい、気持ちいい………ッ」
罔象が積極的に愛撫をして、段々と僕はされるがままになってしまう。
「ふふっ、竜胆君の気持ちよさそう顔、大好き」
「はぁっ………あっ、あぁ、くっ!」
罔象は僕の表情を覗き込んで嬉しそうに笑っている。でも、やられっぱなしというのも嫌だ。
「僕も………罔象のこと気持ちよくする………!」
僕は罔象の腕を掴むと、彼女の身体を壁に押しつけた。石鹸を手につけると、彼女の身体を洗い始める。
「ひゃっ⁉︎竜胆く、あぁッ♡!そんな、いきなりそこは、ひゃっ♡!はぁんッ♡!」
左手を脇腹に回すと、右手で罔象の左脚の太ももを抱えて持ち上げた。
「僕は、罔象の気持ちよさそうな顔が大好きだな」
「も、もう………竜胆君たら、あぁッ♡!はぁっ、んあっ♡!浴室だと………変な声、響いちゃうからぁ、ひゃんッ♡!」
「いいんだよ。その声、もっと聞きたいから」
「そうじゃなくて、あぁッ♡!私が恥ずかしいのぉ、んんっ、はぁ、ひゃっ♡!」
さっきまで僕を攻めていた罔象の顔が、一瞬にして蕩けていく。色っぽい声がシャワーの水音と混じって浴室へと響き渡る。
「気持ちよさそうにしてる罔象、めちゃくちゃ艶やかだね」
「〜〜〜ッ!竜胆君、絶対寝ぼけてるでしょ!ひゃうッ、んんっ、あぁッ♡!い、いつもそんな事言わないのにぃ、んあぁッ♡!」
僕は罔象を抱きしめて、罔象の全身を泡まみれにしていく。彼女の柔らかな身体が押しつけられて心地よい。
「あぁっ、んっ、はぁんッ♡!ひゃあんッ♡‼︎あっ、はぅ、んんっ、んあっ♡!だ、だめぇ、ぞくぞくすりゅうぅ………♡」
太ももから脚の付け根にかけて指先でなぞると、罔象の身体がビクビクッと跳ねた。さらにお尻を撫で回して、背中へと手を這わせていく。
さらに前へ手を滑らせて、罔象の胸を鷲掴みにした。石鹸を刷り込むように揉みしだく。
弾力に富んだ胸が僕の手の中で暴れて、
「ひゃんッ♡⁉︎ちょ、竜胆君!んあっ♡!そんなに、したらぁ、はぁんッ♡!」
激しく胸を揉みしだいていると、胸の先から母乳が滴ってきた。
全身を洗い終わると、シャワーで彼女の身体についた泡を落としていく。ついでに僕の体も流した。
「はい、身体洗い終わったよ」
僕が声をかけると、罔象はジト目で僕を見る。
「終わったよ、じゃないよ。まったく………こんな事して、すごいシたくなっちゃったんだから………」
罔象は僕の頬に唇を触れさせると、その場に膝をついた。
「ちゃんと、責任とってよね♡」
優しく微笑むと、罔象は僕のモノを優しく握って、扱きながら舌を伸ばした。
「んっ、れろっれろっ、ちゅぱっ、んんっ………ふぁ、あむっ、ちゅるっ、んっ、れろっ、くちゅ、んあっ♡」
罔象は熱っぽい視線を僕に向けて僕のモノをチロチロと舐めた。さらに僕のモノを咥えると、顔を前後に動かした。
じゅぷじゅぷと唾液が塗される音が、さらに官能を高める。
あまりの気持ちよさに体が震えて、僕のモノが大きく硬くなった。
「じゅぷっ、ぐちゅ、ぢゅるるるッ♡!れろっ、んちゅっ♡!ぷぁっ♡!………竜胆君の、こんなに元気になったね」
「罔象………もう、止まらないからね」
「君と一緒にお風呂に入ってる時点で、私も止まる気ないもん♡
罔象が僕の差し出した手を握って立ち上がると、僕は罔象を後ろから抱きしめた。僕のモノが秘所のワレメに侵入する。
「んんッ♡‼︎はぁっ♡…………朝から、二人でぬくぬく温め合って、気持ちよくなろうね♡」
振り向いた罔象とキスをして、僕は腰を押し進めた。僕のモノがワレメを捲って罔象の膣内へと押し込まれていく。
「ひゃあッ♡⁉︎あっ、あぁッ♡!んああぁぁぁッ♡‼︎はぁっ、んあっ♡!熱いのぉ、ぐりぐりって入ってきたぁ♡!だめぇ、これ、すぐイッちゃうぅ♡」
僕のモノが膣壁をかき分けて捩じ込まれていくと、罔象が蕩けた嬌声をあげた。脚がガクガクと震え、結合部から愛液がプシュッと噴き出した。
膣内がうねり、その快感に思わず果てそうになる。罔象の熱や脈動が僕のモノに伝わり一つになった。
「それじゃあ………動く、ね………!」
僕は罔象を後ろから抱きしめたまま腰を振り出した。お互いの下半身をぶつけ合う音がこだまする。
「んあぁッ♡!あぁっ、はぁんッ♡!はぁっ、んふぅ、ふわぁッ♡!りんどぉくん、ひゃあッ♡!今激しくしたらぁ、んんッ♡!またイくぅ♡‼︎」
僕に後ろから突かれて、罔象は舌を出して喘いだ。濡れた黒髪を振り乱して、身体についた玉の水滴が飛び散る。
余裕が無いのは僕も同じだ。寝起きで体の制御が思うようにいかないからか、全身を駆け巡る快感を抑えることができない。
罔象の身体が崩れ落ちそうになり、鏡に押しつけられた。鏡の曇りが拭かれて、罔象の姿が映し出された。
腰を打ちつけながら罔象の胸を捏ね回した。乳首をギュッと摘むと、白濁の母乳が噴き出して鏡にかかった。
母乳のかかった鏡が、蕩けた表情を浮かべて喘ぐ罔象の姿を鮮明に映し出している。
「くっ、ふぅ………罔象、母乳いっぱい出てるね。すごい気持ちよさそうな顔してる」
「やぁっ!言わないでぇ、ひゃうッ♡!こんな姿、んあっ♡!見ちゃいやぁ、はぁんッ♡!ひゃあぁッ♡!」
自分の乱れる姿に興奮したのか、結合部から潮が噴き出る。
僕もまた淫らな罔象の姿に興奮が高まり、僕達は自分達の限界を感じた。最後に激しく腰を振ると、自分のモノで罔象の最奥を貫く。
「くっ!………罔象ッ!」
「あぁッ♡‼︎りんどぉくん♡!はぁんッ♡‼︎ひぐぅッ♡⁉︎ひゃあぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ♡♡♡‼︎」
絶頂に達した僕達は、抱き合ってお互いの快感を分かち合った。
「ふわあぁぁ〜〜〜気持ちいい〜〜〜」
「うん、広々としてていいなぁ」
身体を重ねながらお互い洗い終えた僕達は、湯船に浸かりリラックスしていた。
元々複数人で入ることを前提とした湯船はとても広く、僕は脚の間に罔象を座らせて、後ろから抱きしめている。
相手の温もりに身を委ねながら、僕達は手を繋いで他愛ない会話を楽しんだ。
「竜胆君はさ、今日もお仕事?」
「そうだね。まだまだやらなきゃいけないこと、たくさんあるから」
「そっか………そうだよね」
罔象の表情が少しだけ沈んでしまった。まぁ、僕もなんだけどさ。
「あ、あの、罔象。僕は………」
「竜胆君」
何か声をかけようとした僕を遮って、罔象が僕の方へと身体の向きを変えた。僕の脚の上に座り抱きしめる。
「お仕事、頑張ってね。私も頑張る」
「罔象………ありがとう」
そっと唇を触れさせると、僕も罔象を強く抱きしめた。すると罔象が抱きしめたまま囁く。
「あのさ、一つお願いがあるんだけど」
「ん?何?」
「竜胆君には、お仕事頑張って欲しい。でもね、やっぱり君がいないと寂しいんだ。だから………」
罔象は少しだけ身体を離すと、僕の首筋に吸いついた。ギュッと痛みが襲うが、罔象にされてると思うと心地いい。
しばらくすると吸われたところが熱を帯びてジンジンする。唇を離した罔象が耳元で囁いた。
「こんな風にさ………私にキスマーク、つけて」
「………うん」
僕は今罔象がしてくれたみたいに、罔象の首筋を強く吸い上げて痕をつけた。
「んっ♡!はぁ………♡」
唇を離すと、罔象はつけられた痕を指でなぞって熱い吐息を漏らした。少しだけ蕩けた彼女の表情はとても美しい。
「ありがとう。これで、ひゃあッ⁉︎」
ちょうどいい区切りだと思ったのか、罔象は湯船から出ようとした。その前に僕が彼女の腕を引いて抱きしめた。
「り、竜胆君、どうしたの?んあっ♡!」
慌てる罔象を離さず、僕は彼女の胸元に吸いついて真っ赤な痕をつける。
「え?竜胆君、まさか………」
「時間、まだあるんだしさ。ギリギリまで、いいかな?」
「もう、竜胆君のエッチ………ありがとう♡」
僕達は再び絡み合って、お互いがのぼせるまで湯船の中でキスマークをつけ合った。
ラブホテルを出た僕達は、とりあえず『Cafe Red Poppy』に向かった。
一緒に朝ご飯を食べたかったし、何より久しぶりに会ったのに罔象のコーヒー飲めなかったからね。結構楽しみにしてたんだよね。
『Cafe Red Poppy』に着いた僕達は協力して朝ご飯を作り食べた。食べ終わった後は、罔象がコーヒーを淹れてくれる。
「はい、どうぞ」
「ありがとう」
僕は罔象からコーヒーを受け取ると一口啜った。
冷える季節の中、熱くて美味しいコーヒーが体に染み渡る。久しぶりだからか、尚更美味しく感じる。
「はぁ………美味しい。また味変わった?」
「分かる?竜胆君に会えなかった間も、ちょっとでも君の好みに近づけるようにしてたから」
「そっか………嬉しいな」
僕達はそんな事を話しながら二人きりの時間を楽しんだ。
「ごちそうさまでした」
「お粗末さまでした」
コーヒーを飲み終わった僕が荷物をまとめると、罔象がお店の前まで見送りに来てくれた。
「それじゃあ、行ってくるね」
「うん」
罔象は少しだけ背伸びをすると、抱き合って軽くキスをした。
「竜胆君、いってらっしゃい」
「罔象………なんか、本当の奥さんみたいだね」
「えっ⁉︎も、もう!こんな時に変なこと言わないでよ!けど………嬉しい」
「僕も。それじゃあ、いってきます」
僕達はもう一度抱き合うと身体を離した。自転車に乗って家へ向かう。
僕は何がなんでも罔象と一緒になりたい。罔象も応援してくれている。
だから今は、自分のやるべき事を自分のために頑張ろう。罔象との未来のために、逃げずに………
そんな事を思いながら家に着くと、ポストの中に何か入っているのが見えた。
「何だこれ?」
ポストを開けると、そこには可愛らしいラッピングがされた袋が二つある。本当に何だこれ?
職業柄何か危険なものかと思ったが、ラッピングにそれぞれ書かれている字を見て誰が送ってきたのか察した。
『りん兄へ』『竜胆へ』
これは………東風と分から、かな?
とりあえず家の中に入り、二人からの袋を開けてみる。
東風の袋にはブラウニーが、分の袋の中にはチョコチップクッキーが、そしてそれぞれの袋の中に手紙が一枚入っていた。
うーん………東風の方の手紙から見てみるか。
『りん兄へ
バレンタイン当日は雛罌粟さんの所にいるから手渡しは難しいと思ったので、翌日の朝にポストに入れておきます。
婚約者のいるりん兄に渡すのはどうかと思いましたが、やっぱり気持ちは伝えたかったので送ります。口に合うといいな。
今でもりん兄のこと大好きです。お返しとかは全然いいので、私の気持ちを受け取ってくれたら嬉しいです。
東風より
追申 来年のバレンタインは私とデートしてくれたら嬉しいです』
『竜胆へ
当日はたぶんアンタ家にいないだろうし、お姉ちゃんとイチャついてたらいつ帰ってくるか分からないから、ポストにでも入れておくね。
どうせお姉ちゃんとか東風からも貰うんだろうけど、アンタの好きそうな味にしといたから、ちゃんと食べなさいよ。
手紙だと上手く書けないし、伝わりにくいかもしれないけどさ。アンタのこと大好きだし、伝えるものは伝えたから今度感想よろしく。
分より
追申 来年のバレンタインはアタシと一日過ごそうね』
「…………」
二人からの手紙を読んだ僕は、無言で天井を見上げた。
『罔象と結婚するまでに、君の周りの恋愛事情を何とかすること』
頭の中に、ふと正月に龗さんに言われた事が思い浮かんだ。
………こっちからは、上手いこと逃げられないかな。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
評価、感想等ありましたら、ぜひよろしくお願いします。