そして週末、ゴールデンウィークも終盤差し掛かってきた日のお昼。
「罔象、おはよう」
僕は『Cafe Red Poppy』にやってきて扉を開けた。
「あ、竜胆君、おはよう」
階段の奥から罔象が降りてきた。縞模様のシャツと大きめのジーパン、暑くなってきた今に合った薄手の上着を着ている。
その表情は嬉しそうに微笑みながらも赤く染まっている。
ゴールデンウィーク前に喧嘩してしまった僕達だったけど、この前の仲直りを経て、今日明日とお出かけする予定になっている。
でも、今日はただのお出かけというわけではない。今回のことで少しだけ僕も攻めてみようと思ったのだ。
「それじゃあ出かける前に、確かめさせてくれる?」
「う、うん………」
頰を紅潮させる罔象が頷いた。今から出かけるにも関わらず、僕達は罔象の部屋に入っていく。
ソファーに座り、向かい合うと罔象が僕に身を預けてくる。彼女を抱きしめてから、優しく背中を撫でる。
「んっ………♡」
それだけで罔象は甘い声を漏らした。僕に強く抱きついてくる。
「もっと強くギュッてする?」
「い、今はダメ、だよ………」
「そう?それなら、次のこと確かめるね」
僕は罔象の服に手を伸ばして上着のボタンを外した。前をはだけさせると、罔象の胸元に手を置いた。
「あっ………♡」
罔象の豊かな双丘が服を押し上げて、その頂点がぷっくり膨らんでいるのが服の上からでも分かる。
僕は彼女の胸を包み込むように撫でていくと、その存在を主張する頂点を指先で軽く引っ掻いた。
「ひゃんッ♡!」
可愛らしい声をあげて罔象が身体を跳ねさせる。それに反応するように胸の先にジワッとシミができた。
さらに双丘を指で押すと、水風船のように強く跳ね返ろうとする。胸が張っているのは明らかだ。
「ちゃんと搾ってないみたいだね」
「も、もう、胸が母乳でパンパンだよぉ。ちょっとだけでいいから搾って………」
「ダメだよ。今夜嫌って言っても全部搾るから、ね?」
今回のお出かけでは、それぞれが相手に対して三つまでお願いができるようにしてある。
罔象のお願いはまだ聞いてないけど、僕は決めたその場で罔象に話した。
僕がお願いしたのは、今日まで自分の身体を弄ることの禁止、それから今日のお出かけで下着を着ないこと、そして………
「それじゃ最後のお願い、確認していい?」
「あぅ、うん………」
罔象は戸惑いがちに頷くと、上着のポケットに入っていたものを僕に差し出した。
それはピンクの直方体で、大きなダイヤルがついている。
試しに僕はそのダイヤルをカチッとワンクリック捻った。
「ひゃあッ♡⁉︎」
その瞬間罔象が声をあげて背筋を伸ばした。それから身を悶えさせる。
「り、竜胆、くんッ………待っ、んんッ♡!こ、これ、ダメぇ………♡」
罔象の下半身が震えて、耳を澄ませはバイブ音が聞こえる。
最後のお願いとして、罔象にはいわゆるオトナのおもちゃを仕込んで出かけてもらう事にした。
バレンタインの時にラブホで罔象が衝動買いしたものだ。まだ持ってたんだな。
既に罔象の秘所にはおもちゃが入っていて、僕の持ってるリモコンで操作できる。
僕がリモコンのスイッチを切ると、罔象はクタッと脱力して荒く息を吐いた。
「はぁっ、はぁっ………こ、これ、本当にやるの?」
「もちろん、ちゃんと我慢してよね」
「うぅ………すぐイッちゃいそう………」
ローターの出力は一番弱くして試したはずだが、それでも今の罔象にとっては果てそうなほどの快感のようだ。
それもそうだろう。今の罔象は数日の間とはいえ欲求が溜まっていて、身体が敏感になっている。
その上にこれまで使ったことのないローターを使われて、罔象は今にも崩れ落ちそうだ。
そんな罔象があまりにも可愛らしく、この場で襲いそうになるが今は我慢だ。夜に思いっきり味わおう。
「確認も終わったし、行こうか」
「う、うん………」
上着を着直した罔象と一緒に外に出た。今日向かう所は、バレンタインの時に罔象と行った街だ。二人きりの散歩を楽しもうという話になったからだ。
この前の反省(僕達に非はないが)を生かして、今回は罔象の車ではなくバスと電車で行く事にした。
バスで駅まで行くと電車に乗り込む。ゴールデンウィークの帰省ラッシュ真っ只中だからか、電車の中は思ったよりも混んでいる。こりゃ窓の方に寄るしかないな。
それからしばらくして電車が揺れながら走り出す。
「ごめん罔象、狭くない?」
「大丈夫だよ、やっぱりゴールデンウィーク終盤だと人混みもすごいね」
僕は罔象が人混みに押されないように窓側に立たせると、彼女を守るように人混みに背を向けて立つ。
この姿勢だとまるで罔象を抱きしめてるみたいだ。罔象もそれを意識してるのか頰が少し赤い。
そんな彼女を見ていたら、自然と手がポケットへと伸びていった。
そこには罔象に仕込んだローターのリモコンがある。
本当はただ罔象の興奮を煽るだけで使うつもりはなかったが、こんな可愛らしい姿を見せられては我慢できるわけがない。
罔象に勘付かれないようにポケットに手を入れたまま、リモコンのダイヤルをツークリック動かす。
「ひゃ………ッ♡!」
いきなりの刺激に罔象が大きな声をあげそうになるが、なんとか踏みとどまって口を閉じた。一瞬周りから見られるが、なんともないと思われたようですぐに視線を外す。
「ッ‼︎んっ………ッ♡‼︎」
しかし罔象はその快感に悶えて僕の服を掴んだ。震える腰の辺りからは微かにバイブ音が鳴る。
「り、竜胆君ッ………な、何して………んっ♡!」
「こうなるの、分かってたでしょ?」
「それは、そうだけどッ………んんッ♡!」
襲いかかる快感に耐えられずに、罔象は僕の方へと倒れてきた。僕はそっと受け止めると軽く抱きしめる。
「ひぐぅッ♡!」
その刺激すらも快感となったのか、罔象が身体を跳ねさせる。太ももを擦り合わせて震わせている。
耳の先まで真っ赤にして荒く息を吐き、少しでも快感に抗おうとしている。
「んっ、はぁっ、はぅッ♡!り、竜胆くん、これ、ダメぇ………♡おもちゃ、止めてぇ♡」
「ダメだよ、もうちょっと我慢」
「やぁ………♡これじゃ、イッひゃうぅ………♡」
「こんなに人がいる中で?」
「あうぅ………んっ、んあっ………♡!」
罔象はチラッと周りを見て僕の服を強く握った。彼女の熱い吐息が首筋にかかる。
そんな可愛らしい姿にさらにイタズラ心が湧き上がってくる。
私に勘付かれないように罔象を抱きしめたまま、彼女の上着のボタンを外す。
「ッ⁉︎竜胆君、何して、んッ♡!」
戸惑う罔象の胸の輪郭を指でなぞると、興奮でぷっくり膨らむ頂点を指で弾いた。罔象は手で口を抑えて何とか耐えている。
「んくぅ、フーッ♡!フーッ♡!胸、イジッちゃダメぇ………♡これ、気持ちよくて、母乳出てきちゃうぅッ………♡」
何度か胸の先を指で弾くと、服のその部分に湿り気を感じてきた。
いつもならこんな簡単に母乳が出てくることはないが、それだけ溜まっているということなのだろう。
胸の先を中心に二点のシミはどんどん広がっていく。微かに甘い香りが漂い、僕の興奮を掻き立てる。
「ひゃっ♡!んあっ、はぁっ、やぁっ♡んんッ♡!ダメッ、もう、我慢できないッ♡」
罔象の声が上擦ったものになり、潤んだ目が僕を捉える。人前で絶頂に達することへの羞恥に身体が震えている。
「やぁ、んんッ♡!もう、イッ───────!」
罔象が絶頂達そうになったその瞬間、僕はローターの電源を切って罔象の身体を離した。バイブ音が止まり、罔象が脱力する。
「へぇ?」
果てそうになる寸前だった罔象は、いきなり快感が止まり罔象は間の抜けた表情になった。
「今気持ちよくなったら夜楽しめないでしょ?だからここまで」
「そ、そんなぁ………」
寸止めされた罔象が快感の余韻を持て余して身体をくねらせている。
「それとも、こんな人前でイキたかったの?」
「〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ‼︎い、イジワルぅ………」
「今日はそういう日でしょ?」
罔象の身体をイジっていると、電車が目的地に着いたようだ。僕と罔象は手を繋いで駅を出る。
「も、もう………電車の中であんなことするなんて………人に見られたらどうするの」
「それはちゃんと注意してるから大丈夫。それよりも上着の前止めなくていいの?」
「え?きゃっ!は、早く言ってよ!」
罔象は母乳で濡れた服を隠すように上着のボタンを止めた。今日の罔象は一段と可愛いな。
「ねぇ、これからも今みたいに、その………おもちゃ動かすの?」
「それは………どうだろうね」
「うぅ………今日の竜胆君、いつもよりイジワルだよ」
「恥ずかしがってる罔象が可愛いからだよ」
「か、可愛いって………下着着けずに人前歩くの、本当に心もとないんだから!」
「それなら、ちゃんとバレないように我慢しないとね。頑張って」
「ひ、他人事だと思って………!」
腕を振って抗議しようとするも、僕がそっと頭を撫でると大人しくなった。なんだかペットみたいだ。
まぁもっとも僕も我慢しないといけないけど。
本音を言えば人前だろうと関係なく押し倒したいくらいだ。罔象も本気では嫌がってはいないようで、ちゃんと指を絡めて手を繋いでくれる。
「それじゃあ行くか。といっても特に目的地は決めてないけど」
「そうだなぁ………あっ、たしかあっちの方に雑貨屋さんあるから行ってみない?」
「雑貨屋かぁ、いいね」
前回来た時は夜遅くで行けなかったところもそこそこあったからな。お昼時の今なら色々楽しめるだろう。
僕達は街の中を歩いていった。罔象は恥ずかしそうに自分を見下ろしている。
雑貨屋に着くと適当に店内を物色する。
「うわぁ、可愛いのがいっぱい。お店の雰囲気に合いそうなものもあるし、何か買っていこうかな」
こういう小洒落た所って久しぶり、でもないか。高校の卒業式の日に東風達に連れて来させられたわ。
置物とか人形とか装飾品とか色々あるねぇ。
「罔象、何か欲しいものとかあったり………ん?」
罔象に声をかけようとすると、彼女がとある棚を見ているのに気がついた。
そこにあったのは色んな輪だ。所々に装飾が施されて商品棚には『チョーカー』と書かれている。
「………罔象、あれ欲しいの?」
「ふぇッ⁉︎」
気になって声をかけると、罔象は我に返って裏がった声で驚いた。
「え、あ、その………か、可愛いのあるなぁ、って思っただけだよ!」
「あぁ、たしかにね。買ってあげようか?」
「えっ⁉︎い、いいよ、そんな事!それに、私がこういうのつけても、似合わないでしょ?」
ちょっと罔象のイメージとは違うけど、いくつか可愛らしくて似合いそうなものもあるし、正直見てみたい。
「そんな事無いよ。そうだなぁ………これなんかどう?はい」
「え?あぁ………」
僕は適当に目の前にあったチョーカーを手に取った。正面に金属フレームのハートがあしらわれている。
半ば強引ではあるが罔象は受け取り自分の首につけた。
「ど、どうかな?変じゃない?」
顔を上げた罔象が不安そうに僕を見る。
首元にワンポイント増えただけなのに、ガラッと雰囲気が変わったような気がする。
恥ずかしそうに僕の返答を求める罔象は、まるで誉めてもらうのを待つ子犬のようだ。
これは………反則だろう………!
「すごい、可愛い………!」
僕は我慢できずに、思わず罔象を抱きしめた。罔象が今敏感になってる事も忘れて。
「ひゃあんッ♡‼︎」
罔象が甲高い声をあげて、お店にいた店員さん達の視線が僕に集まる。抱き合っている僕達に。
「あ、ご、ごめんなさい………」
周りに軽く謝って僕は罔象と身体を離した。
「もう、気をつけてよ!」
「ごめんね。けど、本当に可愛いよ」
「そう?………よ、よかったぁ」
照れながらはにかんだ罔象と周りの目を気をつけながら抱き合った。
「それじゃあ、それは買おうか。よく似合うし」
「う、うん………ありがとう」
罔象は一時的にチョーカーを外すと、僕達は手を繋いでレジへと向かった。
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