「んっ、ふぅ………はぁ、んっ」
お店の休業日、
私は家のお風呂場でしゃがんでいた。短パンなので服が濡れることはない。
上の服を脱いで、ブラも外してその場に置いてある。
前屈みになった私は、右胸を抱えている。優しくマッサージして乳首を摘むと、ビューッと母乳が噴き出した。
白濁の液が複数の線を描いて、足元に置いてある風呂桶に注がれていく。
上半身に走るムズムズとした快感を堪えつつ、胸を揉んで母乳の出を良くする。
前から何度もしてきた母乳搾り。
元は週に一、二回だったが、最近ではほとんど日課のようになっている。
「んっ……やっぱり、最近母乳の量増えてきたよね」
桶の中には搾られた母乳が溜まっており、その量は昔に比べて確実に増えている。
最近だとちゃんと搾ったつもりでも、仕事中に胸が張って痛くなることがある。今日だってそうだ。
朝起きた時から違和感があって、我慢できずにいつものようにお風呂場で搾っている。
原因は………まぁ心当たりがないわけじゃない。
「竜胆君、いっぱい飲んでくれるもんねぇ」
確証はないけど、何となくそんな気がした。
竜胆君と身体を重ねて、その激しさが増すたびに自分の身体が変わっているように感じる。
こうして一人で搾ってる時は少ししか出ないのに、竜胆君にされると噴水のように噴き出してくる。
そしてそんな私を可愛がるように全身を撫でて、その証を赤い跡として刻みつける。
痛みだってあるはずなのに、竜胆君にされるとそれすらも心地良い。
大好きな人に触られると、こんなにも変わっちゃうんだなぁ。
「んん、はっ、あぁ………」
どうしよう………竜胆君のこと考えてたら、全身が疼いてきちゃった。
僅かな思考も身体は敏感に感じ取り、少しだけ噴き出す母乳の量が増える。
「はぁ、ふぅ………んっ!」
胸だけに広がっていた快感が下腹部にまで伝わり、全身が火照ってくる。
竜胆君、いつもどんな風に搾ってくれたっけ?
彼に身を委ねる時のことを思い出し、思い切って胸を強く握り、硬くなった先を押し潰すように摘む。
「んあぁぁぁッ‼︎」
少し痛いと思ったのも束の間、一瞬頭の中が真っ白になるほどの刺激が手足の指先にまで走る。
噴き出す母乳の線が太くなり、桶の中に波紋を作る。
「はぁ、はぁっ………竜胆、くん」
彼の名前を呼んで、私はハッとした。
違う違う。私はただ母乳を搾りたかっただけで、自分を慰めたかったわけじゃない。
変だなぁ。母乳搾りなんてずっとやってきたことなのに、こんなゾクゾクすることも無かったのに。
竜胆君に変えられちゃったんだ。自分の嫌だったところも、こんなに興奮するまでに。
ダメだ、竜胆君のこと考えてたら………我慢出来なくなっちゃった。
短パンの中へと手を潜り込ませて………
その時、後ろから大きな音がした。
「ひゃいッ!」
頭の中が悶々としていた私は、驚いて背筋を伸ばす。
その音は後ろに置いてあったスマホから鳴ってるアラーム音だ。
「あっ、もう時間か」
肘をついたまま移動すると、設定していたタイマーを止めた。
しまった、のんびりしすぎちゃったな。まだ搾り切れてなくて胸が張っている。
「でも、さすがに準備しないと間に合わないよね」
搾乳の手を止めると、濡れたタオルで胸を拭いた。
服を着直して搾った母乳を捨てると、急ぎめで準備を始める。
お昼前、僕は駅の中にある本屋で、新刊のラノベを漁っていた。
今日は平日だが大学は早めに終わり、正午くらいに駅前で罔象と待ち合わせをしている。
その前に仕事をこなしていて、死体の処分の関係で廂間さんの所に行く予定があったのだ。
しかしバイトの入っていた東風が予め手を回してくれていたようで、思ったよりも早く片付いた。
わざわざ帰るのも面倒なので先に駅に来ていたが、暇になったので本屋に寄って、今に至る。
「おぉ、これ新刊今月出たのか………こっちは新作だ」
ラノベの並ぶ高い棚をウロチョロして、めぼしい本を物色していく。
今時電子書籍という手もあるし、スマホ操作で買えるし、正直嵩張らないから管理が楽だ。
それでもやっぱり店頭で並んでるの見ると、それ忘れて買いたくなっちゃうんだよなぁ。
地味にアナログだった時代とITの時代の間に生まれたが故の弊害かな。
大体8冊ほどを買い、ついでに一番くじも四回引いた。
「さてと、それじゃあ帰って読書タイム………」
「コ〜ラ、いいわけないでしょ」
人混みの中でもその声ははっきりと聞こえた。
振り向くと、そこにはベージュのフレアキャミワンピースを着た罔象がいた。長い黒髪とロングスカートが空調の風に靡く。
「綺麗………」
「ん?どうかした?」
「あっ、別に。罔象、こんにちは」
「こんにちは。それより竜胆君、何でここに来たのか忘れてない?」
「えっ?………あぁ、そうだったね」
「本当に忘れてたなぁ?」
ムスッとした罔象が僕の頰を引っ張る。
「いひゃいいひゃい!ごめんって」
僕は今日デートのために来たんだった。本探しに夢中ですっかり忘れてたな。
というのも今日で僕たちが関係をもって3年目。なのでどこか出かけようとなったのだ。
「それにしてもよく場所分かったね」
「竜胆君遅れることないし、駅でどこかフラフラしてるなら本屋くらいでしょ。それにいつも同じ服装だし、見つけやすいの」
たしかに。
一々着替えるの面倒なんだよね。だからいつも着てる、過ごしやすい部屋着で外出するのだ。
「それで今日はどこ行くの?僕何も聞いてないんだけど」
「あぁ、そうだっけ。はい、これね」
罔象が肩にかけていたバッグから取り出したのは、二枚の紙切れだった。一枚受け取って見てみる。
「これは………遊園地のチケット、かぁ」
「うん。懐かしくない?」
「たしかに、ね」
罔象と関係をもってすぐの頃、初めて一緒に出掛けたのも遊園地だったっけ。場所もあの時と同じだな。
今でこそ当たり前のように一緒にいるけど、あの時はすぐに分かれると思ってたからな。不思議なものだ。
「それだけじゃないけどね。よくチケット見てみてよ」
言われて見てみると、普通のチケットではなかった。
チケットのところどころにハートマークがあり、『カップル限定割引チケット』と書かれている。
「あの時とは関係も変わったんだし、ちょうどいいかなって」
少しだけ赤くなりながら罔象は微笑んだ。
まだ肉体関係しかなかった頃。関係を深めるのが怖くて、僕に至っては想いすらちゃんと伝えられてなかった。
それが今や自信をもって恋人同士と言える。
その変化をちゃんと感じたい、ということだろう。
「確認で変な事させられなきゃいいけどね」
「それなら大丈夫」
罔象は僕の隣にやってくると、そっと手を握った。指を絡めてぴったりとくっつく。
「こうしてれば、ちゃんと分かるでしょ?」
「………まぁ、そうだね」
やっぱり多くの人がいる中で平然と手を繋げるほど、僕はまだ吹っ切れてない。
「恥ずかしがって手離さないでよ?」
「ぜ、善処します」
僕もしっかり手を握って本屋を出た。
前は罔象の車で行っていたが、今回は電車で行こうと罔象が言っていた。多分理由はこのためだな。
電車に乗って遊園地に向かう。そこまで遠いところではないので、電車を使えばすぐだ。
「はい、到着!変わってないねぇ」
「まぁゆうて3年前だからね」
通常運転してればそんな変わるわけないわな。
受付では手を繋いでいるところを見たからか、特に何も言われなかった。
平日なのでそこまで人が多いわけではなかったが、僕のような大学生が多くいるように見える。
中には親子連れもいたりして、とても賑やかだ。
「よ~し!どこから行こうか!」
「テンションが高いねぇ」
「だって久しぶりだもん!思いっきり楽しもう!」
「もちろん」
「ひゃあぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~~‼」
凄まじいスピードのおかげで、目も前の景色がころころ変わる。
『まずは王道、ジェットコースターに乗ろう!リベンジだよ!』という罔象の提案の下、僕たちは長い列に並んだ。
前の時は二人揃ってダウンしたからな。
この後の予定や買った一番くじの開封で時間を潰して、ついに僕たちの番。
並んで乗ったのだが、隣からエライ悲鳴が聞こえてくる。僕に至っては叫ぶ気力も削がれた。
ようやく終わると、二人揃ってフラフラしながら降りた。
「あの時よりも強くなったと思ったけど、やっぱり無理………」
「地面ってありがたいなぁ」
東風と一緒に乗った時も思ったけど、絶叫マシンってスピードもそうだけど、それ以上に無重力で脅かしてくるよな。
「次どこ行く?」
「近場のゴーカートとかどう?多少はゆっくり出来るでしょ」
「それなら、こっちだね」
こっちは割と空いていたので、すぐに乗ることが出来た。それぞれ車に乗りハンドルを握る。
「せっかくだし競争してみようよ。勝ったら何かお願い聞くって事で」
「おっ、いいね。やってみるか」
ブザーと同時に僕達の乗った車が走り出す。
「ふっふ〜ん!ここは運転経験者としてすごいところ見せちゃ………」
「は〜い、横通るよ」
何故か得意げな顔をしている罔象を置いてけぼりにして、僕はスーッとその横を通り過ぎていく。
所々に障害物があるが、ハンドルを切ってスイスイと進んでいく。
「ちょッ、竜胆君運転慣れてない⁉︎」
「まぁFPSでよくやってるし」
細かい操作がなければ、ぶっちゃけゲームと大差ない。第三者視点から見れないのは難しいが、道はちゃんと見えるし。
銃撃たれない分障害物抜けることだけ集中できるな。
「ほっ、よっと、ほい」
「あっ!ちょっと、もう!竜胆君、邪魔しないでよ!」
わざと大きくハンドルを切って車体を横にし罔象を妨害、曲がり角辺りで修正し距離を取る。
あっという間にゴールし僕の勝ちだ。
「車の運転なら罔象が上だけど、レースなら僕の方が経験豊富だからね」
「うぅ………今度コツ教えて」
そんなこんなで端から面白そうなアトラクションを楽しみ、僕達は遊園地を満喫した。
「次どこ行こうか!」
「ちょ、ちょっと罔象待った………少し、休みたい………」
さすがに僕の体力が保たない。
「えぇ〜、この辺に休める場所あるかな?」
「あっ、あそこにお化け屋敷が………」
「絶叫マシンに引き摺り込むよ?」
「はい、すみません」
まだダメなんかい。
「それなら………あっ、あそことかいいんじゃない?」
罔象の指差した先は………
「やっぱりここは、静かだし休めるからいいねぇ。昼寝でも出来そう」
「観覧車ってそういう楽しみ方だっけ?」
観覧車に乗った僕達は、外の景色を眺めながらのんびりと寛いでいる。
罔象は頸の上を滑る汗をハンカチで拭くと、僕の方を振り向いた。
「竜胆君。久しぶりの遊園地どう?」
「久しぶり、ねぇ。そもそも頻繁に来るものじゃないし、高三の時来たからなぁ」
「あぁ、ゴールデンウィーク前に行ったんだっけね。やっぱり東風ちゃんと一緒だったの?」
「まぁね」
あの時は東風に引き摺り回されたからなぁ。帰りにコレクション増えたからいいんだけどさ。
「だから、あんまり久しぶりって感じしないなぁ」
「そっか。というかずっとボーッとしてるけど、竜胆君はどんな気持ちで観覧車乗ってるの?」
「ここで事故って止まったり、大地震来たりしたらどうなるかなって思ってる」
「竜胆君らしいねぇ」
「でしょ。罔象は?」
「私は………二人きりだから、もっとくっつきたいなぁって思ってる」
隣に座る罔象は、しっかりと指を絡めて僕の肩に頭を乗せる。
「竜胆君は?」
「まぁ、思ってるよ」
僕も罔象に身を委ねる。
一応外ではあるけど、この空間にいるのは僕と罔象だけ。高い所にいるから、誰かに見られる心配も無いし。
「竜胆君も変わったよね。前は手繋ぐのもすごい恥ずかしがってたのに」
「いや、今でも恥ずかしいっちゃ恥ずかしいよ?けど、罔象と触れ合ってると落ち着くから」
子供っぽいかもしれないけど、罔象と一緒にいると妙に安心する。
歩く時に手を繋いだり、隣で寝ている時は、罔象の温もりを感じて心地よい。
「へぇ。それなら、もっとくっつこう?」
グッと顔を近づけると、軽く唇を触れ合わせて微笑んだ。
「どう、落ち着く?」
「………分かってるでしょ」
いきなりキスされた上にこんな笑顔向けられて、ただ落ち着いていられるわけがない。
今度は僕から罔象を抱き寄せた。激しくなる鼓動に身を委ねて唇を奪う。
「んっ♡!れろっ、んちゅ、ぷぁ、んんっ♡!くちゅ、ぢゅるるるッ、んんッ♡!はぅ、ちゅるっ、んっ………ちゅうっ♡!ふぁ、あむっ、れろっ、ぐちゅ、れろっ、じゅぷっ、んぢゅぅッ♡!」
最初は重ねているだけだったが、途中から我慢出来なくなったように、罔象の方から舌を絡めてきた。
甘い唾液と粘着質な水音が流れ込んできて、頭がボーッとする。
互いの口腔内を蹂躙することで想いを伝え、興奮を煽っていく。
「ぷはぁっ♡………あ、あんまり激しくすると、力抜けちゃうでしょ………」
「そんなこと言われても、抑えられない」
鼓動は高まり、沸き立つ衝動に身を任せたくなる。
「そういえば、3年前もここでこんなことしてたっけね」
思い出していた罔象の顔が、急速に赤くなる。いや、僕もだ。
「いつもは奥手なのに、あんなに激しいことシちゃって」
「さ、誘ってきたのは罔象でしょ」
「だって、竜胆君と距離縮めたかったし。君から何もしてこないし」
不貞腐れたように唇を尖らせるが、すぐに柔らかい笑みを浮かべると耳元で囁く。
「だから嬉しいんだよ。今こうして、竜胆君と一緒にいられて」
「うん。僕もだよ、罔象」
いつからこんな風に、ちゃんと想いを伝えられるようになったのだろうか。
どんな関係だろうと、永遠に続くとは限らない。だから伝えたいと思ったことは、ちゃんと伝えたい。罔象が教えてくれたんだ。
嬉しさで、抱き締める腕に力がこもる。
「んっ………竜胆君、ちょっと強いよ」
「あっ、ごめん………」
罔象が窮屈そうな声を漏らして、僕はすぐに離す。
ダメだなぁ、どんどん我慢出来なくなってる。いくらなんでも、ちょっとベタベタしすぎたか。
「いいよ、これくらいなら。竜胆君って、意外と分かりやすいよね」
クスッと笑うと、僕の鼻にそっと唇を触れさせる。
「家に帰ったら、いっぱいギュ〜ッてしようね」
唇を離し、僕に身体を預ける。
「………今じゃ、ダメかな?」
「えっ?」
観覧車がちょうど真上に来たというのに、僕は景色を見るのを忘れて罔象と向き合う。
「今、抱きしめたい。あぁ、嫌ならいいんだけど………」
さすがに僕も汗かいてるし、今更だけど無理矢理したら申し訳ないかな。
「うーん………えいっ!」
「うわっ!」
少し考えた罔象は僕の腕を引き、今度は自分から抱きしめてくれた。フワッと甘い香りが漂い、心臓が締め付けられる。
「今は二人きりなんだし、こういう時は何も言わずギュッてするのが正解だよ」
「そうか………」
僕も罔象の身体に腕を回して、そっと抱き締める。
「あっ………」
「罔象?やっぱり暑苦しい?」
声を漏らした罔象に声をかけると、誤魔化すように首を振る。
「ううん、全然。すごい心地良いよ」
それなら、もっと強くしてもいいよね?
少し痛いかもしれないが抱きしめる力を強くして、首筋に顔を埋める。
「罔象………!」
「んんっ!ちょっと竜胆君!いきなりそんな強くしたら、あっ!」
揺さぶられた感情に任せて抱きしめると、さっきまでとは違う甘い声をあげた。
「ダメッ、んん〜〜〜〜〜〜ッッッ♡‼︎」
僕に押しつけられた双丘から、何かが溢れたような不思議な感覚が生まれた。
慌てて離れようとした罔象だが、限界を迎えたようにすぐ強く抱きついた。俯いて僕の胸元に顔を埋める。
その途端罔象は僕の服を掴み、身体がビクビクッと跳ねさせた。
「えっ、罔象?」
驚いて顔を覗き込むと、罔象は耳の先まで真っ赤にして固まっている。
服の内側から汗の匂いに混じって、独特な甘い匂いが僕の鼻腔をくすぐる。
その匂いを求めるように、僕の全身が疼く。
「罔象、もしかして………」
「………さ、最近、すぐに母乳で胸がパンパンになっちゃうの。出てくる前に搾ってきたんだけど、足りなかったみたい」
いつも身体を重ねる時にしか嗅がない香りに、一瞬で興奮が掻き立てられる。
下着の内側から漏れ出た母乳が、薄手のワンピースにシミを作った。
それを見られないように、罔象は手で胸を隠す。
「君がいきなり強く抱きしめるから………ブラの中、ビショビショになっちゃったよ」
その時、ゴンドラの窓に水滴が降ってきた。ツーッと全て筋を描く。
灰色の雲から降ってきた水滴は段々と多くなり、あっという間に大雨となった。
「雨、すごい降ってきちゃったし。これじゃすぐには帰れないかな」
罔象は火照った手で僕の腕を掴むと、自分の胸へと押しつけた。
手に広がる湿り気の奥からは、弾力に富んだ柔らかさと高鳴る鼓動が伝わってくる。
「とりあえずどこかで雨宿りして………母乳、搾ってくれる?」
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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