※この作品はR-18です。

どことなく壊れていて、どことなく甘い生活   作:MC RAT

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3章 夏休みと花火大会
第33話 夏休み


 家の外から聞こえるセミの鳴き声を聞きながら、僕は大きく息を吐いた。

 雛罌粟さんとのお出かけの後、特に僕達の間に何かあるとはなくいつも通りの日々が過ぎていった。

 そんなこんなで数週間が経って学校も夏休みに入った。大体一か月ちょいかな。

 そうなってくると、『Cafe Red Poppy』に行く事も無くなっていった。

 これまでは学校帰りに少し休憩程度に行ったり、雛罌粟さんとの関係が変わってもお弁当を受け取るために通っていたからな。学校が無くなれば行く理由が無い。

 行きたくないわけではないけど、僕は自然と『Cafe Red Poppy』に行くことが無くなっていた。これまでがそうだったからな。

 自分でもどうかとは思うけど、これまではそんなこと考えることすら無かったのだ。関係の変化があったとはいえそこはそう簡単に変わるもんじゃない。

 まぁ雛罌粟さんだって仕事があって疲れてるだろうし、意外と僕が来なくてゆっくり出来てるんじゃないかな?僕が行くといつもコーヒー淹れてくれるし。

 なので僕は特にそれを気にすることなく、家でゲーム三昧の日々を送っていた。

 夏休みの課題は授業中にパッパと終わらせてしまったので、もうやることはない。

 もちろん自習の時間だけじゃ足りないから授業中にこっそりやることもあった。ちゃんと気をつければ先生にバレる事はない。

 ここで大切になってくるのはやるものだ。どの教科の授業中にはどの課題をやるか。これが結構大切で、その辺はちゃんとした事前調査が必要だ。下手してバレたら面倒だからな。

 作文やレポートなんかの宿題もあるけど、あんなもの適当だ。別に評価されたいとは思わないし。さすがにコピペはしないけどね。後々面倒だからな。

 あぁいうのをコピペしたいなら少し手間をかけないといけないんだよね。

 学校にもよるけど例えば『○○の作文』って調べたとして、出てきたページの中の上の方のサイトとかは使わない方がいい。

 後どのサイトでも最初の方の文もだ。教師ってその辺ちゃんと見てるからな。その辺を考えると、面倒だけど紙媒体のものから探した方がいいかも。

 それと税の作文とかならこれまで自分が書いたものや、周りの人が書いたものを残しておくのも一つの手だ。

 要は教師の目につくような作文はパクるなって事だからな、友人や兄弟のものをそのままコピペすればいい。有名なものでなかったら、いくら教師でもそこまでアミを張っているわけじゃないからな。チョロいチョロい。

 今回僕は税の作文が課題だったので、中学校の頃に僕が書いたものをそのまま使った。

 まぁ先生に怒られてもいいってなら普通にネットからでもいいかもしれないけどさ。

 学生の中には部活があるという人もいるかもしれないが、僕は部活をやっていないので関係無し。よって僕は今完全に暇な状態である。こういう状態にしておかないとちゃんと安心して休めないんだよね。落ち着かないというか。

 まぁそれでもやらないといけない事はあるんだけど………今はまだいいや。これに関しては余裕がある。

 なので僕は夏休み開始早々に家に引きこもりゲームをしたり、ラノベを大量買いしてそれを読んだりなど趣味に浸っていた。大体三作品くらいはまとめて買う。

 学校があるとどうしてもその事を考えてしまって完全に集中出来ないからな。こういう時くらいしか浸る時間は無い。

 大掃除(コレクションの大掛かりな手入れ)も早めに済ませた僕はご飯を一、二食抜かす事なんて当たり前で、寝る間も惜しんでひたすら趣味を満喫した。

 買い物も極力減らしたいので保存の効くものをたくさん買っておいた。これで買い物の回数は減るから大丈夫だ。ネットで買うっていう手もあるだろうけど、趣味でないものを買うその時間すらこの夏休みでは惜しい。

 朝っぱらから扇風機をつけてずっとパソコンと向き合っている。僕の昔からの夏休みのスタイルだ。

 まぁ基本的には普通の休日とあんまり変わらないがな。学校があるから出かける事はあるけど、そうでなければ僕は引きこもり同然だ。

 こうして夏休みに入って結構な日々が経っていた。もう半分過ぎている………気がする。

 日にちの感覚がめちゃくちゃになってるからよく分からないんだよね。今となってはゲームイベントの開催日が僕のカレンダーみたいなものだ。

 かれこれ半月以上雛罌粟さんに会ってないわけだが、そんなことを気にする事もなく今日も僕は趣味を満喫していた。休みの僕にとって趣味は何よりも優先されるべきものだ。

 普段嫌な人達とも関わる事を強要されている代わりに、こうした長期休みは周りとの関わりを絶っている。

 こうして周りと関わる事でつくダメージを癒しているのだ。こうでもしないとやっていけないからな。

 最近は雛罌粟さんと一緒にいる事で癒されたりはするんだけど、それでも溜まるものは溜まるんだよ。

 まぁそれくらい僕が周りに不適合って話になるわけだけど、それはいいや。

 周りに合わせるなんて嫌だしそもそも無理だ。それなら気にしたら終わりだ。

 やっぱり一人はいいなぁ。誰にも遠慮することなんて必要なくて、自分のことだけを考えればいいのだから。

 学校だとどうしても自分の思うようにいかない事がある。周りの環境や人間など具体的に言い始めればキリがない。

 それが僕が間違ってる事なら、それでも極力は我慢はする。でも僕が間違ってない事やどうでもいいことで無駄な時間を取られるのは吐き気がする。

 時間は有限なんだからその中で無駄な時間を過ごしたくない。その時間を少しでも自分のために使いたい。

 物事を自分のテンポで進められないのって結構ストレスになるんだよね。普段はあまり表には出さないようにはしてるけどさ。

 人間なんて理解し合うのが難しい種だ。それなら無理して周りの事を考えるよりも一人でいた方が効率がいい。

「ふぅ、とりあえずはこんなものかな」

 今日の分のデイリークエストを達成した僕は一つ大きく伸びをした。

 今時間は………七時、か。あれ?昨日パソコンに向かい始めたのが……ゲームイベントの前だから………深夜の九時くらいだから、いつの間にか日を跨いでいたのか。気がつかなかったな。

 昨日は四つのゲームイベントを梯子してたからな。その後は録画したアニメを見て、またゲームをしていた。

 朝食は……適当にパンでも食べておくかな。缶詰のパンがまだあったはずだ。僕は部屋にある棚から朝食を取り出す。

 いや〜あれは素晴らしいものだよ。長期保存出来るし、サイズはちょうどいいし、美味しいしね。引きこもるには持って来いのものだ。

 僕は棚から手前にあるパンの缶詰と同じく棚にあるジャーキーとドライトマト、それとデザートの小分けのドライマンゴーを取り出してパソコンの前に持っていった。

 はい、これで朝食完成っと。この間およそ十五秒足らず。火を一回も使わない朝食だ。しかもそれなりに栄養はある。

 時間をギリギリまで短縮させて、かつ保存が可能なものを買うことで買い物を減らそうとするとらこうなる。

 もちろん休日がいつもこうではない。趣味に入り浸れる長期休みの時だけだ。

 ただこれだけだと喉が乾く。なので水が必要だ。でも色々とあれこれやるのは面倒。しかもこんな夏にお手軽で冷たい物が飲みたい。そんな時はこれだ。

 コップにいっぱいの氷を入れて、そこに水をギリギリまで注ぐ。これでキンキンのお冷やが完成だ。

 夏にはこれが一番だ。お好みで塩水にしてもいいし、僕はたまに砂糖水にする事もある。これは面倒だから時間に余裕のある時だけだけどね。

 飲み物を氷で冷やす時ってどうしても薄まっちゃうからね。水ならその心配はない。ちなみに僕はこれを水筒に入れて持ち歩いている。

 ジュースとかのペットボトルを冷蔵庫で冷やすっていう手もあるけど、あれ時間経つと緩くなるからな。すぐに一気飲みしたり周りがそれなりに暑くないならいいけど、氷水なら少なくともそれよりは長持する。

 というか食事が結構味が濃いから飲み物はあんまり重くないものの方がいい。

 ただこれを作る時、コップの場合は下に何か敷いた方がいい。結露でビシャビシャになるからな。

 それらをパソコンの前に並べると、僕はゲームをしながら朝食を取った。これが僕の毎年の夏休み。

 たまに外出もしなくはないけど、基本的には家の中に引きこもっている。この暑い最中に外に出るのは自殺行為だ。

 何か趣味のものを買いたい時は基本的にはネットで買っているし、外出することは極力減らしている。

 部屋の遮光カーテンを閉めているため、日光は部屋には入りにくくそれによって暑くなる事もない。おかげで部屋は薄暗いけど、そんなの気にならないし。

 しばらくして遮光カーテンの隙間から、向こうで何かが動いているのが見えた。ん?何だ?あれは………人間だよな。

 僕の家の前で誰かがウロウロしているのだ。誰だろうか?

 僕は気になったので外に出てみる事にした。ゲームを一旦中止して僕は椅子から立ち上がった。

 僕は大きく伸びをして玄関に向かうとドアを開けた。誰かは分からないからゆっくりとちょっとずつね。

 そしてそのドアの向こうにいた人物は僕に気がつき、こっちを振り返った。

 

「あ、竜胆君。その………来ちゃった」

 

 そこにいたのは、半月ぶりに会った雛罌粟さんだった。




最後まで読んでいただきありがとうございました。
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