頭の中がフワフワとしたように感じながら僕は目を覚ました。なんだかとても心地いいな。
ゆっくりと目を開けると、そこは雛罌粟さんの部屋だった。外はまだ薄暗いか。
それにしても、いよいよ本当にここにいる事に驚かなくなってきたなぁ。
悪い事じゃないんだろうけど、なんかちょっと考えるものがあるよね。してることがしてることだし。
すると僕の目の前にから小さな寝息が聞こえてきた。
そこにいたのは僕の彼女、というわけじゃないけど特別な人、雛罌粟さんだ。僕の腕の中にいる。
そういえば昨日最後に抱きしめて意識を手放したような。手も握ってるから間違いないと思う。
一糸纏っていない姿の雛罌粟さんは、その綺麗な肢体を惜しげもなく露わにしていた。僕は思わず凝視してしまう。
本来ならあんまりジッと見るのは失礼だと思うんだけど、本人が寝てるし、ね?こんな時くらいは。
サラサラの黒い艶のある髪、瞳は閉じているから見えないものの、だからこそよく分かる長いまつ毛。形の整った鼻に瑞々しい赤い唇。
思わずキスしたくなったのをグッと我慢して、それから僕はゆっくりと視線を下へと下げていく。
白い首筋には昨日僕がつけた赤い痕がちゃんと残っていた。その下には豊満な胸が露わになっていた。
たわわに実っているそれはハリがあって、昨日僕が激しく掴んだり吸い付いたりしたせいだろう、びっくりするほど真っ赤になっていた。
僕は雛罌粟さんが起きないように注意しながら、僕達にかかっていたタオルケットをめくった。中からは何とも言えない匂いがムワッと漂ってくる。
白くて意外に感じやすかった腹を通り過ぎると、待ち構えていたのはスラッと長い脚。
そしてその付け根には、シすぎたせいで胸よりも赤くなっている秘所があった。ヒリヒリしてるのかなぁ。
ふと見ると、その付近のシーツには白いドロドロしたものがこべりついていた。何かは言うまい。
流れてきたのは間違いなく秘所からだよな。あんなに溢れかてってきていたのか。
それを自分がやったのだと思うと途端に恥ずかしくなり、僕は思わず目を逸らした。
別にこういう関係だからいいとは思うんだけど、やっぱり無防備なんだよなぁ。まぁ昨日はそれどころじゃなかったからな。
でも、こうやって無防備なところを見せてくれるのが僕だけってのが嬉しいな。信頼されてる、と捉えておこう。
そんな事を思いながら僕は体を起こそうとした。しかし次の瞬間体の力が抜けてしまい上手く起きれなかった。
僕はそこで初めて自分が強烈な脱力感に襲われている事に気がついた。体に力が上手く入らない。
まぁ間違いなく昨日シたのが原因だよな。またやり過ぎてしまった。
最初花火を見た野原でシた時に状況とか色々とあって、お互いすごく興奮してたからな。
ただそれに任せて野原でシてしまえば、お互い脱力や腰が抜けたりとして帰ることが出来ないと思ったのだ。
だから一旦『Cafe Red Poppy』に戻ってからシようというわけになった。
帰る間に何度もキスや愛撫をして欲望を抑えていたとはいえ、既に出来上がっている僕達にはさほど意味がなかった。
そして『Cafe Red Poppy』に着いて雛罌粟さんの部屋に入った途端にお互いの気持ちが爆発した。
お互いを求めることしか考えられなくなって、そこからはただ身体を重ねる事しかしなかった。
遠慮も何もあったもんじゃない。人によってはレイプとか言われそうなまであった。雛罌粟さんが少しでも抵抗してたら間違いなくそれだ。
遊園地の時もやり過ぎてしまったという自覚があったので、少しは気をつけないととは思っていたが無理だった。
雛罌粟さんはずっと身体を震わせていて、途中から鳥肌が立っていた。そして僕はそんな事お構いなしに欲望を吐き出し続けた。
そしてお互いの体力が尽きると僕達は倒れるように眠った。いや、気絶したという方が正しいかも。
ぼんやりとした記憶も相まって何回シたのかすら覚えていない。
身体がちゃんと動かないところを見ると、まだちゃんと回復したわけじゃなそうだな。
もう少し寝ておくか。どの道動けそうにないし。
僕はそう思って起きるのをやめて、再び雛罌粟さんの隣に寝そべった。
昨日、雛罌粟さんは今の関係を少し心配していた。
うまいこと言っちゃったけど、本心とはいえ逃げてしかないからな。どこかでちゃんと答えは出したい。
もちろんこの関係が嫌なわけない。少なくとも、今の僕にこれ以上合ってる関係はないだろう。
でももしその先を考えるなら、このままってわけにはいかないか。
いつまで雛罌粟さんの好意に甘えてちゃいけない。それが関係を終わらせてしまう事だってあるんだから。
それにお互いの事情もある。それもなんとかしたいよなぁ。
過去を乗り越えようなんて安っぽい事言うつもりはない。僕はともかく雛罌粟さんのは結構重そうだし。
たかが僕一人の存在のおかげで乗り越えられるなら、雛罌粟さんだったらとっくに乗り越えれてる。
僕が少し懸念してるのは、この事情がまだ終わってないのでは、ということだ。
僕はその事情とやらを知らないし、無理に知ろうとも思わない。ただそれがこれからも雛罌粟さんを蝕み続けるなら手は打っておきたい。
よく分からないし可能性の話ではあるけど、何となくそんな感じがする。主に僕の経験から。
雛罌粟さんが過去のことで悲しむのは、僕からしたら仕方ないとしか言えない。
でもこれから悲しむのは見過ごしたくない。
僕は隣にいる雛罌粟さんを見た。緩みきった顔して寝てるなぁ。可愛い。
この笑顔を守りたい。そうでなければ今の僕がいる意味はないんだ。
僕はそう決めると雛罌粟さんの頭をそっと撫でた。いつもは恥ずかしがってさせてくれないしな。
僕は雛罌粟さんの頭を撫で終わると目を閉じた。やはり体力が回復しきっていなかったのか、僕はすぐに意識を手放した。
雛罌粟 罔象が目を覚ましたのはそれから数時間後の事だった。外は若干明るくなっている。大体四時くらいだろうか。
「ん………もう朝か」
罔象は自分のの隣を見た。そこには一人の男の子が寝ていた。罔象の大好きな人、連枷 竜胆だ。
彼はまるで罔象を包み込むようにして寝ていた。
罔象は身体を起こそうとしたが、上手く身体を動かせなかった。
明らかに昨日の行為のせいだろう。身体が痺れているような感覚で、力が入らない。
「激しかったもんねぇ」
罔象はしみじみと言いながら昨日の事を思い出していた。
一緒に花火を見ていただけだったのに、色んな話をして何か雰囲気でまたキスをして、後はいつも通り。
お互いがぐちゃぐちゃになって倒れるまで交わった。変に欲望を抑えようとしたのが間違いだったのかも。
まぁ、かといってそのままあの野原でシてたら間違いなく帰れなくなってたし、どの道避けられなかったか。
彼が求めてきただけならまだ平気だったけど、まさか自分もあそこまでなるなんて思っていなかった。
「うぅ〜恥ずかしいよぉ〜!」
罔象は顔を隠しながら悶える。昨日は色々昂っていたから歯止めが効かなくなっていた。
今こうやって冷静になると結構ヤバい事しちゃったのでは、と思っている。
「はしたないとか思われてないかな?何か全部私がガッツいちゃったような気もするし………」
竜胆が隣にいる事も忘れて罔象はずっとブツブツ言っている。
しかし自分の身体を見下ろして、ほぅっとなんとも言えないため息をついた。
昨日隣で寝ている少年が激しく抱いてくれたおかげで、身体の至るところに強く掴んだり吸い付いたりした痕があった。
これに関してはこれまで身体を重ねてきた時にも同じようになっている。
ただ今回はさすがにシすぎた。その痕だけでなく、見えなくてもそれは罔象にちゃんと伝わってくる。
身体に残る甘い痺れは昨日のことを全て記憶しているようだった。そしてそれは頭の中にも。
罔象はふとベッドの下に落ちている自分の浴衣が目に止まった。
昨日彼と一緒に行けると思って舞い上がって準備したものだ。
よく見ると所々にシミが付いている。昨日興奮したせいで、母乳や愛液がついてしまったのだろう。
その状況で竜胆とくっついて街中を歩いていたのかと思うと、今にも茹で上がりそうだ。周りから変に見られていないだろうか。
いつもは穏やかで何なら少し恥ずかしがり屋の竜胆だが、一度スイッチが入ると別人のようだ。
優しさはそのままだけど、することに遠慮は無かった。自分の弱いところを何度も何度も突いてくる。
これでいつもガツガツしてきたら、まだ対応出来たのかもしれない。
でも彼は普段は何も求めてこない。普通に会って、お話ししながらコーヒー飲んで、それで帰ってしまう。それくらいだ。
だからこそこうやって激しく求められるとされるがままになってしまう。彼が求めてくれるのが嬉しいから。
そんな事を思っていると下腹部がキュンとした感覚に襲われた。
「あ………」
罔象はその感覚には覚えがあった。竜胆にシてもらう時、自分の準備が出来た時に湧き出る感覚だ。
罔象はゆっくりと下腹部へと右手を伸ばすと、自分の秘所にそっと触れた。
「んっ!………やっぱり、濡れてる」
それを確認すると、自分の中の竜胆を求める感情がフツフツと湧いてくる。
秘所は昨日の行為のせいで若干ヒリヒリしている。それにまだ中に彼のモノが入っているような感覚も。
罔象は右手をそのまま秘所に添えると、左手を胸へと持っていく。そしてゆっくりと手を動かし始めた。顔はまっすぐ寝ている竜胆の方を見ている。
「あっ!竜胆、くん……….早く起きてよ。んあっ!私………止まれないよ」
こうなるともうダメだ。発散するまで思いが止まるところがない。
「あんっ!やっ、んんっ‼︎ひゃうっ、はぁん‼︎………あぁっ、んくぅっ‼︎」
大好きな人の隣で自分を慰めている。その背徳感が余計に罔象を興奮させている。動きはどんどん激しくなってる。
胸をこねくり回すと、びゅっびゅっと母乳が噴き出てくる。
昨日竜胆が何度も搾ってくれたはずなのに、母乳は次から次へと溢れてくる。
「りんどぉ、くん!………んあっ!はぅん!………やっ、あんっ‼︎」
昂りもそろそろ限界だ。絶頂する時に備えてシーツを噛んでおく。
しかしそのシーツからもムワッとした匂いがしてきて、余計に興奮してきた。
絶頂の予兆を感じて罔象は目を閉じようとした。
しかし間もなく絶頂とところで右手を止められてしまった。
「⁉︎」
何事かと思い見てみると、いつの間にか起きていた竜胆が罔象の右手を止めていた。
最後まで読んでいただきありがとうございました。