※この作品はR-18です。

どことなく壊れていて、どことなく甘い生活   作:MC RAT

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第83話 匂い

 季節は冬。夏場だったら朝日が差し込んでいたようなこの時間帯も、今はまだ暗い、そんな中で私はぼんやりと目を覚ました。

「…………んっ」

 ゆっくりと目を開けると、私は辺りを見渡す。ちょうど同じ目線にあった目覚まし時計が目に入った。

 まだ四時くらいだ。起きるのにはまだちょっと早かったなぁ。二度寝しようかな。

 そんな事を考えていると、私は自分の身体がとても暖かいものに包まれていると分かった。

 その熱と共に自分のではない、別の人の寝息が聞こえて来る。

 それに釣られるようにして目を覚ました私は、目の前で寝ている人を見て思わず口元が綻んでしまう。

「竜胆君………よく寝てるなぁ」

 隣には私を抱きしめるようにして眠っている少年がいる。

 私達が身体を重ねる時、竜胆君は決まって私を抱きしめるようにして眠っている。

 最初は歳下に抱きしめるのはちょっと違和感あったけど、最近ではすごい落ち着く私のお気に入りとなっていた。

 ぽかぽかしてて、竜胆君の事を強く感じられる。それにこれは竜胆君に完全に甘えられる数少ない時間だ。

 完全に竜胆君に身体を預けて、ここまで近くにいられる。それが私の心を落ち着かせてくれる。

 まったく、ただクリスマスに一緒にご飯食べてただけなのに。まぁこうなるとは思ってたけどさ。

 私は竜胆君を起こさないように気をつけながら、竜胆君の腕を抜けて身体を起こす。

 

 

 

 いつもより身体が軽いなぁ。

 竜胆君とシた翌日は、身体がすごい軽い。まぁ………色々と噴き出させてくれるから、なのかな?

 特に胸は、いつも重くて母乳も出るし肩凝りも酷いから嫌だなと思う事がある。

 でも昨日竜胆君にたくさん母乳を搾ってもらった。そのおかげかすごい軽く感じる。

 私は昨日竜胆君が搾ってくれた時の事を思い出した。私の胸を鷲掴みにして、むにゅむにゅ揉んでくれた。激しくてちょっとびっくりしちゃったけど。

 そして乳首に吸いつくと、中に溜まっていた母乳をほとんど吸い出してくれた。ゴクゴク飲んでたけど、美味しいのかな?

 あの強く吸い上げられる感覚。奥から胸へと込み上げてくるあの熱。身体の中の全てを吐き出させてくれるようで………

「気持ちよかったなぁ………」

 まだフワフワとしていて、すごいスッキリしたような感覚がある。

 竜胆君母乳搾るの上手いんだよね。私も自分で搾るけど、あんなにたくさん出てこない。

 もっともその理由は気持ちよくなっちゃうからで、竜胆君はそういうのを無視、というか期待すらしてるように思う。

 また溜まった時は頼もうかなと思ったけど、やめておくかな。搾るたびにあんなにイッちゃったら、私がどうにかなりそうだ。

 

 

 

「にしても………すごいなぁ」

 私は自分の身体を見下ろして苦笑いした。

 私の姿は当たり前のように裸だ。いつもこの時間だと服に包まれているところも、今は晒されている。

 そこが冷たい空気に触れて、反射的に腕で身を隠してしまう。

 私の身体にはこの軽さの代償かのように、真っ赤な痕が至るところについている。

 昨日、竜胆君が掴んだり吸い付いたりした事によってできたものだ。一晩経ってもくっきりと残っている。何ならまだヒリヒリしてるところすらある。

 特に胸や秘所、おへその辺りや太ももの辺りなどがそうで、私の弱いところは一層赤くなっている。

 昨日そこをこれでもかと刺激されて、あんなにたくさんイカされちゃった。

 竜胆君とする時はいつもこんな感じだからなぁ。翌朝起きて、その痕にビクッとすることも習慣みたいなものかな。

 最初はすごい恥ずかしかったけど、というか今でも恥ずかしいんだけどね。でも今はそれ以上に、嬉しい。

 竜胆君が絶えず私の事を求めてくれると分かるから。こうやって私の事を抱きしめてくれるのが嬉しいのも、同じような理由がある。

 私と彼がお互いを求めているという関係が欲しい。最近は強く感じるようになったかな。

 

 

 

 竜胆君といる時、私はどうしても彼を強く求めすぎてしまう。

 もっと触れ合いたい、ギュッと抱きしめて欲しい、頭を撫でて欲しい、キスして欲しい。やって欲しい事あげ出したらキリないけど。

 もちろんそれを表に出す事はない。でもそれを思うだけで少し不安になってしまう。

 こんなに求めちゃったら竜胆君の迷惑になる。そうしたら彼が離れていっちゃうかもしれない。

 だからこうやって竜胆君の方から求めてくれれば、それが少し薄れるような気がするんだよね。そんなわけないのに。

 普段は気持ちを抑えて過ごしているけど、いつも思っている事だ。竜胆君をもっと近くで感じたい。

 でも身体を重ねる時は、お互いが強く求め合っている。この痕はそれの証とも言える。

 これは竜胆君が自分からつけてくれたものだ。余計なものを吸い出してくれるような感覚に酔いしれている。

 

 

 

 それにあの獣のような激しいキス。あんな事をたくさんやられちゃって、溶けちゃうかと思った。

 何だかする回数を重ねるたびに私の身体が竜胆君専用に開発されているように感じる。

 あんな脳が焼き切れるかもと思うような快楽を何度も送られて、潮をたくさん噴くようになった。

 これも僅かな身体を重ねる時間で、これでもかとやられてしまう。

 潮噴きに関しては既に諦めているのかもしれない。

 すごい恥ずかしいんだけど、竜胆君としているうちに力が抜けちゃって、抑えられなくなっちゃうんだよね。

 …………いや、素直に受け入れよう。

 

 

 私は欲しがっている。あの暴力的なまでの快感と、それによる結果を。

 

 

 それが竜胆君の望むものなら、竜胆君が私を求めてくれているのなら、あんな恥ずかしい事も求めてしまう。

 我ながらなんてヤラシイ女になってしまったのか。何かヤバいものに目覚めないといいけど。

 昔はこんなんじゃなかったはずなんだけど。竜胆君が与えてくれるというだけで、ここまで恋しくなるのかな。

 

 

 

 でも私はただ自分が欲しいだけじゃない。

 それと同時に私は自分だけじゃなくて、竜胆君も気持ちよくなって欲しい。いつもシてもらってばっかりは嫌だもん。

 昨日のサンタのコスプレだってその一つだ。初めてあんな格好したんだよ。

 私はベッドの下に落ちているサンタ服に目をやる。昨日の行為でびしょびしょになってシミがついている。

 犬子から借りた服だけど、さすがにあれは恥ずかしすぎだって。布の面積少なすぎるでしょ。

 私はベッドの近くにあったサンタ帽を手に取り、自分の頭にかぶせてみた。これでいいのかな?

 

 

 

 正直最初に見た時は、着るなんて絶対に嫌だった。竜胆君にこういうのが平気な人とは思われたくなかったし。

 でも犬子が最近の子はこういうの喜ぶとか言ってたから、それならと思って着てみたけど。

 喜んで、くれたのかな?胸とかすごい見られてたのは感じてたから、悪くは思われてないはず。

 でもあんな恥ずかしい格好は二度とごめんだ。私の趣味じゃないし、本当に恥ずかしかった。

 恥ずかしすぎて何言ったかもよく覚えてない。意識してなくてめちゃくちゃ変なこと言っちゃったかも。

 そもそも私は外に出られない分、家の中でクリスマスを楽しむために竜胆君を呼んだわけで、身体を重ねるのが目的だったわけじゃない。

 私はコスプレとかしなくても、そのままで充分楽しめてた。だからあんな痴女みたいな格好はもう………

 

 

『僕は、す………綺麗だと思いますよ』

 

 

 私の頭に昨日竜胆君が言ってくれた言葉がよぎった。あの時、すごい褒めてくれたんだよなぁ。

 ………少なくとも竜胆君には綺麗に見えたのか。そうですか………。

 私は無意識のうちに口元が緩んでいく。

「えへへへ………んふふふふっ!」

 ………………来年のクリスマスくらいなら、また着てもいいかな。竜胆君が喜んでくれるなら。

 こうやって私は、これからも竜胆君を求めちゃうのかな?いつか離れるとしても、こんなにも強く。

 

 

 

 私はそこでブルっと震えた。

 寒くなってきちゃったなぁ。まだ時間にもあるし、もうちょっと竜胆君の腕の中で暖まろうっと。

 というのは建前で、本当は竜胆君とくっつければそれでいいんだけどね。普段はそういうの無いからなぁ。

 そう思った時、ふと私の目に止まったものがあった。

 

 

 それは竜胆君のワイシャツだ。

 

 

 いつも竜胆君が学校行く時に着てるワイシャツが、ベッドの外に投げ捨てられていた。そういえば昨日も最後まで着てたっけ。

 私服は割とダルっとしている竜胆君の、数少ないキチッとした服かもしれない。

 竜胆君にとっては結構縁遠い服なんだろうな。まぁ私もだけど。

 私はそのワイシャツをジーッと眺める。それから竜胆君の方を向くと、そっと手を顔を近づける。

 軽く手を振っても竜胆君が起きる気配は無い。……………ふむ。

 私はワイシャツにそっと手を伸ばした。竜胆君は………まだ起きてないね。

 何かイケナイ事してるみたいだけど、別にそこまでじゃない…………はず。

 そのまま手に取ったワイシャツに袖を通した。

 私はそれからしばらく自分の様子を見ていた。……………どうだろうか?ちょっとサイズ大きいかな?

 竜胆君のワイシャツを着ている自分を見てみる。いつもの自分とは明らかに違うものがあるなぁ。

 

 

 

 私はワイシャツの襟を掴んで、スーッと中の匂いを嗅いでみる。

「あ…………竜胆君の匂いだ」

 僅かだけどするもんなんだなぁ。ダメだ、顔が熱くなって緩む。

 でも服だけじゃ物足りない。せっかく本人が目の前にいるんだもん。もっと感じたい。

 でもしてもらうばっかりじゃ嫌。私も何かしたい。

 竜胆君といると、何かが奥から出てくる。昨日、竜胆君を舐めたのもそれが原因。

 たまらなく竜胆君を求めちゃう。自分でも抑えられないくらいに、竜胆君が愛おしい。

 そう思った瞬間、顔だけにあった熱が、全身に及んできた。昔はもう私には無いと思ってた熱が、今はこんな簡単に。

 その熱はやがて私の腹の奥に到達してきた。

 

 

 キュンッ!

 

 

「ッ⁉︎…………はぁ、はぁ」

 腹の奥が何か疼いた。風邪ひいたみたいに頭がボーッとしてくる。

 ベッドの中に戻ると、竜胆君に跨るようにして覆い被さる。何か変な感じだなぁ。

 私は顔を竜胆君の首筋に近づけた。軽く唇を触れさせると、強く吸った。しばらくして唇を離すと、竜胆君の首筋にはキスマークがついている.

 いつもいっぱいつけられるんだもん、たまには私からもつけたい。私の気持ちを見せてあげたい。

 だからもう一度…………そう思った時だった。

 今のが刺激となってしまったのだろう。ゆっくりと目を覚ました竜胆君が、私の方をジッと見た。

 




 最後まで読んでいただきありがとうございました。
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