巨乳魔王への乳遊戯 作:ラーレ
「魔王様、こちら季節の彩り花野菜サラダと特製トマトスープ、それにコーンイートドラゴンのミディアムレアステーキでございます」
「……いただこう」
「魔王様、こちら獣族の国で流行している極限まで手触りにこだわったリスノールのブランケットでございます」
「…まあ、感謝する」
「魔王様、こちら龍族の国でしか出回らない貴重な種油を贅沢に使用したマッサージオイルでございます」
「ありがとう」
「魔王様、こちら人族の国で密かに使われている気分をリラックスさせ肌つやを良くする入浴剤でございます」
「ふふっ、では一緒に入るか?」
「魔王様、こちら例のアレの為のアンケート用紙でございます」
「…ふんっ!」
「ああっ、そんなっ!?」
あぁぁ…っ。
破られてしまいました。
ここ最近のプレゼント攻勢で好感触を得てきたのでいけると踏んだのですが駄目ですか…。
「ああなるほどそういうことか気付いたぞサーラ! 最近のはこれを出させたいが為の目論見だったんじゃな!」
「ご、誤解です魔王様…。 そんな、まさか私がそのような理由で…」
「本音を言えサーラ」
「書いてもらって第三回を開催したいなと思ってやりました」
「やはりそうなのではないかっ!」
「ああ、そんな…っ。 私が魔王様に逆らえないのをいいことに、こんな強制的に口を割らせるなんて…っ」
「やかましい! 何が逆らえないじゃっ! 」
ああっ、魔王様がぷんぷんモードです。
先日の古傷が…。
もうあんなのは御免です。
なんとか機嫌をとらないと…。
「……む、待てよ。 ふむ。 ふむふむ…」
「ど、どうしましたか魔王様?」
「決めたぞサーラ!」
「何かとても嫌な予感がするのですが…」
「サーラがどうしても例のアレをしたいと言うのなら、我も行うにやぶさかではない」
「えっ、本当ですか魔王様!」
ヤッター!
やりました愛してます魔王様ーっ!
「うむ。 じゃが我はまだ暫くはそのような気分にはならぬ故、それでも行いたいというのなら…」
「こ、交換条件…、ですか」
「いつもサーラが我にしておることを、我にもさせよ」
「えっ!? あ…、えっと。 その、……料理、などですよね」
「ふふ、ふふふ…。 いい表情じゃぞサーラ。 なるほど、これが愉悦か。 癖になるかもしれんな」
「ま、まさか……っ。 いえ、そんなまさかですよね?」
「我がサーラの胸を弄ぶことにする」
「やだーーーーーーーっっ!!!!」
やだーーーーっっ!!
嫌ですそれは嫌です魔王様ーっ!
「幸い、あの魔法はサーラも覚えておるからの。 話が早くて助かる」
「全然助かりませんっ! いえ、そんな…、ええ…?」
「サーラ、我はもう決めたのだ」
「ま、待ってください魔王様! そ、そういうことは魔王様のような大きな胸だからこそ楽しいのであって、私のような慎ましやかで控え目でスレンダーな身体では全然…っ」
「我は貧乳でも構わん」
「私の胸は貧しくありませんっ! ほんの少し世間より大人しいだけです!」
「ちゃんと我にあの用紙を提出するのだぞ」
「えっ、待って魔王様っ!? 本当に? 本当にやるつもりなんですか!? 私へのフリとかではなく本当に!?!」
「うむ、楽しみじゃの。 待ち遠しいとはこのことか」
「魔王様っ! 魔王様ああっーー!!」
ああ。
あああ。
ああああああーっ…。
行ってしまいました。
嘘でしょう?
ええ…。
こ、こんな、こんなことになるなんて…。
ああなった魔王様が意見を翻すことは……ありませんよね。
そんなぁ。
いえでも私の胸で乳搾りって…。
無理でしょ。
いや無理ではない。
無理ではありませんが…。
なんだか想像、出来ません。
えぇ…?
ぁ、でも魔法の効果で大きく?
いやいやいや、そんなまさか。
……。
はっ…!?
私は何故やる方向に考えているのでしょうか。
いえ、でもしなければ魔王様の第三回目は…。
でもでも…っ。
ああっ。
私は一体どうすれば…っ。
「さあ、私が勝ちましたので願いを聞いてもらいましょうか」
「いや夜にお前に勝てるわけねーだろふざけんな」
獣族の国でふんぞり返ってた駄犬を森に呼び出して勝負をして私が勝ちました。
まあわかっていたことですが。
それにしても、あまり成長してなさそうです。
王になって腑抜けたのではないでしょうか。
「なんだか弱くなってません?」
「お前が強くなってんだよ! 魔王としか戦わねーからそういう認識になるんだよ!」
「それで願いの件ですが」
「くっそ、無視かよ」
「魔王様が私に無理難題を言ってきたのでその撤回方法を考えて欲しいのです」
「俺はそのままそれをお前に言いたい」
「はやく出せ」
「強盗か」
ああ、もう面倒な。
とりあえず事情の説明といきましょうか。
今は少しでも参考になる意見が必要です。
ついでに駄犬にも顧客になってもらいましょう。
最高純度の魔力ミルクはこの国にも需要はあるでしょうし。
「先に事情を言え、事情を。 俺もそこそこ忙しいんだぞ。 それをいきなり引っ張ってきやがって」
「別にあの場でやってもよかったのですが?」
「それはやめてくれ…。 お前相手で今更威厳がどうこうは言わんが、それでも王がボコボコにされるところなんざ見せたくねーよ」
「では私の配慮は完璧だったのでは」
「まず前提がおかしいんだよなぁこの似非メイドは」
「殴りますよ」
「もう勘弁してくれ。 じゃなくてマジでどういう経緯でどうなったんだよ」
「はい。 実はですね…」
「……いやマジでとんでもねーことしてんなお前」
「魔王様がお望みでしたから」
「んで次はお前か。 自業自得ここに極まれりだな」
「うるさいですね…」
「しかしお前が…、か」
「なんですかその視線は。 ブチ殺しますよ」
「…まあ別にいいんじゃね?」
「よくないから言ってるんです」
全く。
何を言ってるんですかねこの駄犬は。
魔王様が私の身体に触れるのは構いません。
望むところです。
いえ、やっぱり恥ずかしいです。
それに…。
やはりああいうのはちょっと…。
私は別に魔王様と違ってそういう性癖はないのです。
なので本当に困るのです。
「なるほどな。 魔王とは理由が違うってか」
「ですから回避したいのです」
「でもまあ言ってみれば魔王と乳繰り合うだけだろ? 願ったり叶ったりじゃねーか」
「言い方…」
「そんな風に理論武装して魔王に搾られてこいや」
「出来る訳ないでしょ、そんなの!」
「口調」
「……出来る訳ないじゃないですか、そんなこと」
「んー…。 じゃあ一つづついくか。 何が嫌なんだ?」
嫌というか…。
こんな状況で魔王様にそういうことをされるのはなんだか違うというか…。
ふたりの気分が盛り上がって、流れでいい雰囲気になって、それでいい感じにひとつになりたいな、というか。
「何言ってっか全然わかんねえ」
「ふッ」
「……どこぞで余計な知恵つけやがったか。 上から目線してんじゃねえ、話まとめんぞ」
はぁ。
これだから駄犬は。
もはや私は以前とは違うのです。
恋愛マスターたちに話を聞き、遥か高みに上ったのですよ。
今ではこれらの言葉も自然に使えるのです。
「あー…。 つまりは魔王とは交換条件のような形じゃなくて自然に触れ合ってどうこうしたいから今回の件は断りたいってことだよな」
「……すごいですね。 なんだか私、それを聞いて得心出来ました」
「つーか乙女かよ、なんだそりゃ。 そのまま魔王に言ってこい」
「乙女ですよ私は。 それにそんなこと言うなんて、……恥ずかしいじゃないですか」
私にもそんな願望があるのです。
だからせめて一度は魔王様とそういう…。
……。
あれ?
一度は…。
あれ、本当に一度もありません。
魔王様と両想いになった筈なのに一度もっ?!
こ、これはどういうことでしょうか。
分析は…、なんだか嫌な予感がするのでやめましょう。
決して私が魔王様への乳搾りにやっきになっていたからではない筈です。
やめましょう。
はい。
「あー、もう。 さっさと魔王の嫁になってこい、それか嫁にもらえ魔王を。 それなら諦めもつくわ」
「何を言ってるんですか。 魔王様はずっと、自分より強い男を、と男を指定していたんですよ。 私は男ではありません」
「いや、つーかそれ……。 あー…。 まぁ、いいか」
「なんですかその思わせぶりな言い方は」
「なんでもねーよ。 それにお前、魔王相手にやったことを自分が魔王にやられるってだけだろ? 甘んじて受け入れろや」
「ですが…」
「別にお前が貧乳だろうが無乳だろうがあの魔王なら気にしねーだろ」
「コロス」
「いつまで寝転がっているんですか。 さっさと案を出しなさい」
「……復活直後は倦怠感がやべーんだが」
「蘇生してもらえただけでもありがたいと思いなさい」
「はあ…。 つっても俺の考え付くことなんてもうねーよ。 さっきのひとつっきりだ」
「さっきのというと…」
「お前が貧乳でもってやつだよ」
「コロス」
「違う違う! 待て、ステイ、ごめんなさい!」
「………」
「言葉足らずだった! 俺が言いたいのは、魔王ならお前が相手ならなんでも受け入れるってことだよ」
「……えっと」
「あの魔王が、今更お前の胸見て失望したりすると思うか?」
「…いえ、でも」
「しねーだろ? な。 これでオールオッケーってこった」
「でも、…やっぱり恥ずかしいです」
「……そういう乙女モードは魔王に見せてやれよマジで。 さっきから俺に特効入りまくってんだよ」
確かに魔王様が私の胸をみ…。
胸を…。
うぅ、想像するだけで頭がオーバーヒートしてきます。
でもそういうことで魔王様が私に失望するとは思えません。
……。
でも、不安もやっぱりあるのです。
私は魔王様のような豊かな身体ではありませんし、どう思われるか…。
魔王様に私の裸を見られるなんて、恥ずかしすぎて死にそうです。
今まではなんとか避けてきたというのに。
それに、ああいうことになったら私も変な声をあげてしまうかもしれません。
………。
はい。
私にはまだ早いです。
早いというのに…。
逆なら全然いけるのに…。
うぐぐ。
「…結局、回避法はありませんか」
「魔王がその気になってるんだから無理だろうな」
「ではどうしようもないと言うことじゃないですか」
「そうだよ」
「役立たず」
「なんとでも言え」
「ううぅ……」
「……あー、もう。 ったく、…どうしても無理なら泣き落とせ。 回避は出来なくてもちょっとくらいなら保留にしてくれんだろ」
「…やってみます」
うぅぅ…。
やはりなんとか回避したいです。
でも無理なら…。
泣き落とし…。
私に出来るのでしょうか?
でもやらないと…。
あぅぅ。
「帰ります…」
「いや、まず俺を城まで戻せよ」
「走って帰ればいいでしょ」
「また口調戻ってんぞ、姉貴」
「黙りなさい、駄犬」
全く。
全く。
「……でも、まあ。 ……ありがとうございました」
「どーいたしまして」