巨乳魔王への乳遊戯 作:ラーレ
「……え? え? もう一度言って下さい魔王様、どういうことですか?」
「どういうことも何も、あれは一度きりだ。 我はもうしない」
やだーーー!
計算外です!
初っ端から計算外です!!
嘘でしょう?!
女は快楽に弱いってどの文献にも書いてましたよ!?
一度ヤっちゃえばあとはもうこっちのものだとも!
強引にいけばヤれるって!
「で、ですが魔王様。 魔王様もとても気持ち良くされていました!」
「うむ。 あれは我にとっても初めての経験じゃったが、もう満足した」
「い、いえいえいえ、魔王様。 ああいうことは何度も繰り返すことでもっともっと気持ち良くなっていくものなのです!」
「そうなのだろうが我はもう満足して、今はとても充足しておる。 これまでのあの鬱屈した気分の日々から開放されたことで、おそらく前よりも強くなっておるのではないか?」
「ぐっ…! く…、た、確かにそのようです。 ですが、もしかしたら繰り返すことで更なる強さを得られるかもしれませんっ!」
「今までですら最強じゃったのだぞ。 これ以上強くなってどうする。 それに、このようなことはもうあるまい」
うぅーっ。
言いくるめられています。
この、私が!
いや確かにそうなんですが!
自分ですら信じてないことを相手に信じさせるのはとても難しいので、この方向性では無理です。
どうすれば……。
文献ではこのようなときどうすれば良いと書いていたでしょうか。
えぇと…。
えーとえーと。
「ということでこの話はこれで終わりだ」
「うぅ…っ、そんなぁ…」
「では我は湯浴みをしてくる故、サーラは食事の用意を頼む」
「お、お待ち下さい! 湯浴みならば私も一緒に…」
「駄目じゃ」
「何故です!?」
「最近のサーラは手つきが怪しい」
「うっ! で、ですがそれは私から溢れ出る魔王様への愛と申しますか」
「食事の用意を頼むぞ」
「あぁぁ…、魔王様ぁー……」
駄目でした。
あわよくばと食事の用意をちょっぱやで終わらせ浴場へ向かいましたが察知されて拒絶されてしまいました。
これは本当にどうすれば…。
このままでは第二回魔王様乳搾りイベントが起こせません。
第二回が出来なければ、第三、第四と続けることも不可能…!
それもこれも全て参考にしていた文献がダメなせいです。
何が一度ヤった女はもう言いなり、ですか。
魔王様は全然私の要望を聞いて下さらないじゃないですか。
それに進展を進めたり関係を深めるための実践でもダメダメでした。
読書中の魔王様に軽いボディタッチで雰囲気を盛り上げようとしてもやんわりと窘められて終わりましたし、鍛錬中の魔王様にキスをしようとしたら避けられましたし、食事中の魔王様に愛を囁いたら静かにしろと注意されましたし、湯浴み中の魔王様の髪を触っていたら身体が冷えるから早く洗えと怒られました。
全部失敗じゃないですか。
何がいけなかったのか…。
やはりもうあの文献は破棄です。
焼却です。
ですが他の文献を頼ろうにも…。
上級向け過ぎて何が書いてるのか分かりません。
今回参考にした初心者向け以外の恋愛指南書はとても難しいです。
なんですかあの、良い雰囲気になったら、というふんわりとした指定は。
どんな雰囲気ですか。
指南書なんですからちゃんと書いてください。
それに、流れ、が多すぎます。
どんな流れなんですか。
こっちは万年処女の、経験無し無しの氷血女ですよ!
魔王様のぬくもりが欲しい…。
だからこそしっかりと身の程をわきまえて初心者用を読んでいましたのに。
あげくの果てには適当なトークで場を和ます? いい感じの話題? 場を読んだ適切な対処?
……。
分かりません。
一体どうすれば…。
もう手持ちの文献は全て読んでしまいました。
新しいものは…。
どこか町で補充するしかありませんか。
獣族の国、龍族の国、どちらにあった文献もダメだと判明しましたので、後はもう人族の国しかありません。
こんなことになるなら、道具を手に入れたり人族の王から魔法を教えてもらいに行った時に買っておけば……
っ!!
そうです。
人族の王に聞けば良いかもしれません。
あの男は少なくとも3人の女性を妻にしていました。
私よりはよっぽど恋愛経験が豊富な筈です。
もし新しい文献を手に入れても、読むだけではまた今までと同じで解らないかもしれませんし…。
先日の魔法と同じで、何事も教えを受けたほうが早く理解出来るのでしょう。
それに、第二回魔王様乳搾りイベントが開催されないと、人族の王と約束したことが出来ません。
対価は…。
どうしましょう。
一応、初回分の魔王様の魔力母乳ビンは2本分ありますが……。
あれは記念品として私が保管するので使えません。
1本なら……。
うーん…。
考えなくもないですが……。
彼にとっても、出来ないとなると困ることになるでしょうし、断らないとは思いますが…。
まぁ、仕方ありません。
どうしてもというなら渡すこともやぶさかではありません。
どうしてもというならですが。
ええ。
まあ大丈夫でしょう。
では遠出となるので魔王様に許しを貰いに行きますか。
あ、でもそれは明日にして今は自分を慰めましょう。
第一回魔王様乳絞り映像のチェックです。
……何度見ても魔王様の告白シーン最高です。
私がテンパってるシーンはちょっとアレですが…。
まぁ、はい。
日課の時間です。
「魔王様、また少し城を空けようと思うのですがよろしいでしょうか」
「む。 構わんが…、今回はなんだ?」
「今回廃棄した文献の補充にと、新しいものを購入してきます」
「ああ、そういえばサーラは本をよく仕入れに行っていたな。 このあいだの新作料理はその手の本から得たレシピであろ?」
「そうですね。 あれは魔王様に喜んで頂けたので収穫でした。 このようなことがあるので収集はやめられません」
「うむ、うむ。 それでどのくらいで戻るのだ?」
「往復を考えるとおそらく早くて3日、遅くとも4日後には戻ります」
「なるほど……。 まあ良い機会かもしれぬしな」
「?? 魔王様?」
「ああいや。 最近のサーラは舞い上がっておってか少し落ち着かぬ。 しばし我より離れて過ごすことで頭を冷やさせることも考えていたからの」
「はわっ!? ま、魔王様!?」
「じゃから、それよ。 ……まあ我がサーラを厭うことは無い故、今回の遠出にて少し落ち着いてくることだな」
「うぅ…、魔王様…」
「では帰ってきたら、久々に我がサーラに食事を与える故、楽しみにしているがよい」
「えっ、あ、え!? あ、ありがとうございます!!」
「うむうむ。 では行ってこい」
「はい! 行ってきます、魔王様!!」
ヤッター!
魔王様の血です!
久々の、魔王様の、血、です!
こんなご褒美が待ってるなんて…!
これはもしかするともしかするかもしれません!
魔王様との恋愛関係を進める手法を学んで帰ってくる私なら、いける筈です!
おそらくその時には、いい感じ、流れ、雰囲気などの意味も理解していることでしょう!
ふふ。
ふふふ。
上級者御用達、ムードを盛り上げる小粋なトークも使いこなせているかもしれませんね!
「ふふ、魔王様の母乳を吸った時のことを思い出しますね」なんて言っちゃったりするかもしれません!
そして魔王様は顔を赤らめ私に身体を……。
良い!
これです!
待っててください魔王様!
私、頑張りますね!
ヤッター!
「いやもう一度言うが、もしやそなたはアホなのか」
「へぐぅ……」
人族の王に時間を作らせ現状を話したところ、何をどう考えて何をしたのかと聞かれ、答えたらすごい勢いでダメ出しが来ました。
ぶっちゃけかなり凹んでます。
つらい。
こんな想いをするのなら素直に文献探しに時間を割けばよかったかもしれません。
助けてください魔王様。
優しさが欲しいです。
「いや、うーむ。 まさか強制的に時間をとらされた結果がこれとは思わんかったが、本当にこれが目的なのか?」
「はい…」
「この前現れた時からは考えられんほどの悄然ぶりだな。 というか若干キャラも変わっておるな。 これが恋か」
「恋愛熟練者のあなたには恋愛初心者の私のこの気持ちは解りません…」
「まあ、まさかやる事成すこと全て駄目な選択肢を選ぶとは思わんかったが」
「ふぐぅぅ……っ」
「いや、流石に解るだろう。 …というのは、苦か。 余も市井の全てを知ってるわけでは無いが、おそらく女性経験の無いものでもそなた程ではないぞ」
「ぁうう………っ! これほどの恥辱…っ、生まれて初めてです」
「まあ余も聞いていてここまで胸が痛くなったのは初めてだ」
悲しみ。
とてもつらいです。
もう帰りたくなってきました。
というか寝たいです。
全て忘れて帰って寝たいです。
「ん、どうした?」
「帰ります…」
「ちょっ、いや待て! 何のために来たんだそなたは!」
「相談に来たら凹まされたので帰ります…」
「悪かった! 余が悪かったから! というか帰っても何も進展せんぞ! それに余との約束はどうするつもりだ!?」
「踏み倒します…」
「それは困る!」
「……はぁ。 まあ分かっています。 何より魔王様との関係が進展しないのは本当に困ります」
「ああ、そうだろうそうだろう!」
「ふぅ……。 あなたが取り乱した事で少し落ち着きました。 話の続きをしましょう」
「そなたな…」
あぁ、頭を抱えていますね。
私も抱えたいです。
まあでも本当に少し落ち着きました。
ここに来た目的は指南を受けることです。
あやうく恥だけ晒して収穫もなく帰るところでした。
危ないところです。
それに、彼との約束を踏み倒すのも都合が悪いです。
私が魔王様とのプレイでやりたいことが出来ません。
それに私の貞操が破棄条件に入っています。
魔王様への最後のひと押しのためでもありますが成功を確信して舞い上がってたのもあるんですよね。
まさか予定通り魔王様の乳搾りの定期開催が出来ないとは…。
予想外でした。
それにこれ、契約ですので神の力によって逆らえません。
私の操は魔王様のものですし何より私が嫌です。
というか、さっきそれは困るとか言ってましたね。
私の貞操が不満…?
ふ、ふふ…。
……。
いや、魔王様と比べれば仕方ないですね。
納得しました。
まあ後で殴ります。