上品なのに、恐ろしく淫靡なすずか様を書きたい。書いて。誰か。
私は、彼の虜だ。広げられた蜘蛛の巣に喜んで捕えられて、嬉しそうに悶えている蝶だ──。
「ああぁ、きちゃう、きちゃうよぉ……! ひろくん! ひろくんはぁ!?」
「俺も、もう……!」
「一緒ぉ、いっしょにぃ! 一緒じゃないとヤなの! 我慢、我慢するからぁ!」
こうして、彼を奥深くまで受け入れて、新しい命を育むためにある部屋の入口をごりごりと突き上げられる悦びに、涎を垂らし、舌も回らぬほどに乱れて、それでも腰は彼の精を吐き出させようと、激しい上下運動を辞めようとはしない。膣内も一滴残らず絞り出すのだと、強い締め付けと、不規則な蠢きを休まずに繰り返す。
……全ては、私が、私の子宮が、彼の子種を、激しく求めているから。
「ぐっ!? き、急にっ、激しく!?」
一瞬でも気を抜けば、身体が絶頂へ導く快楽の感覚に負けそうになりつつも、同時にイきたい、そんな気持ち一つで彼の限界が訪れるのを待ちわびていた。
悦楽を目一杯まで注いだコップがあふれ出ない、ギリギリのところまで腰の動きを早め、自分の双丘をひろくんの口唇へ押しつけて、汗に混じり、私の身体が発する淫靡な香りでひろくんの鼻腔を犯す。
「ぬぐっ、うぐ……!」
「いいよ、ひろく、んっ! いつでも、合わせるからぁ!」
私の膣内にいる、彼のモノが限界まで膨張するのを感じて、一瞬の痙攣の後に浴びせられた熱を受けて、私も張り詰めていた糸を一気に緩める……!
「あああっ、私、ひろくんに犯されて、またいっちゃうのおおおぉ!」
犯されてイクんだと、自分で強調しながら、ひろくんの熱さを強く感じたまま、私は絶頂の快楽に身を投げ出していった。
*****
「お腹の中、あったかい……ふふ、ひろくんのせーえき、たっぷり出してもらったもん」
あえて舌っ足らずの声のまま、私は女の喜びを噛み締める。硬さは無くなったものの、私とひろくんは繋がったままの格好で、私がひろくんに馬乗りになるような姿勢でなっている。
ひろくんも身を起こしているから、私は首に両腕を回してしがみついたり、わざとしな垂れかかってみたり、おっぱいを吸ってもらったりして、余韻をゆっくりと楽しんでいた。
「……微笑みながら、なんつーエロい言葉を言うかな、すずか」
「ひろくんを興奮させたいんだもん。朝までずっと犯してくれてもいいんだよ?」
「流石に俺がもたないよ……」
願望と言いますか。発情期のあの渇きを埋め尽くすぐらいに、ひろくんとのセックスに溺れてみたいなぁ、という欲が私にはあって。
半強制的にそれをする方法はあるんだけど、ひろくんの身体をおもちゃにするのと変わらないことや、頻繁にすると間違いなくひろくんが倒れてしまうので、その時期でも特にひどい日だけと、自分の中で限定しているのだ。
それに、彼の意思がそこには無い。無理やりに反応させて、精を吐き出させるって、それは強姦と変わりない。私の身体は、彼の意思で貫いてもらうからこそ、しとどに濡れて、喜んで反応するのであって、自意識を失った彼が相手なら突き放すだろうし、絶対にありえないけれど、他の男性にそんな行為をされたならば、私は迷わず舌を噛み切るだろう。
経験が増え、『濡れやすい』身体になっている自分を分かっているけれど、身体と心の一体感が無ければ、全て意味など無いから。
「うん。だから、二、三年後に期待するの」
女の子が思春期に入るのは早いけれど、男の子がその時期に入るのにはズレがある。私は自他とも認める早熟な身体で、14歳になった今、身長こそまだ緩やかに伸びているものの、身体つきは既に成人しているお姉ちゃんと変わりないものになっている。
私の二つの柔らかな膨らみも、一般平均よりも2カップぐらい大きく育っていて、最近は下種な視線を感じることが多いから、ゆったりとした服を着るようにしているけれど、ひろくんの前では隠す必要も無いし、彼に触れられるのを望む自分がいる。
……今も、ひろくんは私のおっぱいに触れて、ふにふにと軽く揉んでみたり、乳首を口に含んで舐めたり吸ったりしている。軽めの快感が登りつめたばかりの私には程良く、また、甘えている彼がとっても可愛くて、ぎゅっと抱き締めてしまうのだ。
「ぬぐっ」
軽く、私の両腕をタップして、息が出来ないと訴えるひろくんを見て、力を緩める。彼の吐息が胸にかかって、なんともこそばゆい感じ。
「ふぁなしてはくれはいのな(離してはくれないのな)」
「この態勢で無いと、ひろくんを受け入れたまま抱き締めるのってなかなか難しいでしょ?」
座位、というらしいけど、一番私はこの姿勢で繋がるのが好きだった。ひろくんの顔が見えるというのが前提で、正常位や側位、または騎乗位……今の体勢でひろくんが寝転がればそうなるけど、私達の毎回のセックスの最後は、騎乗位から今の姿勢になって、ひろくんを抱き締めながらイクのが私のお気に入りなのだ。
アリサちゃんは意外に後背位……バックが気に入ってるらしい。あの組み敷かれる感覚はゾクゾクするけど、途中で私はどうしようもなく寂しくなってしまうから、途中で姿勢を直してもらうことが多い。あの時期に入っていて、どうしようもなく乱暴にして欲しい、って思う時ぐらいかもしれない、最後までシテもらうのは。
『そりゃそうなんだが……抜いていいんだぞ』
「ひろくんの精子が零れるから嫌なの」
『無茶を言う……』
諦めて念話に切り変えたひろくんに、まだまだ離さないよという意思表示をして。ピルを常用して、望まぬ妊娠はしないようにしていても、私の身体は我がままで貪欲だ。時期が来ればいつでも授かれるように、私の女の部分はひろくんを望み続けている。
「最低でも高校卒業しないと、駄目なんだろうなぁ……」
何度目、何十回目の同じ話題。それでも口にしてしまうのは、私がそれだけ拘っているからか。最低でも、あと五年弱はかかる。
「ぷはっ。いや、外道を自覚する俺が言うのもおかしいけどな、すずか、俺も何度でも言うけど、俺達はまだ中学生だからな? 義務教育すら終わってないからな?」
「もう赤ちゃんをしっかり産める身体だよ?」
「俺が完全に社会に抹殺されるから」
「させないよ?」
「……急ぎ過ぎだっての……それに、んぐっ」
また、嫌なことを言おうとするから、無理やり唇を押し当てて口を塞ぐ。
もっと私に適した男性との出会いがあるかもしれない。だから、今からひろくんだけが男だと思い込むなと。きっとそんなことを言うのだ。
『私が産みたい子供は貴方の子供だけ。こんなにひろくんの精を喜んで受け入れる女が他の所に行けると思わないで』
淫らな関係の始まりは、発情期が始まり、抑えきれなくなった私が彼を組み敷いてから。あの渇きは初めての痛みすら、耐え難い身体の疼きに変えてしまうもので。……最高で最低の、私達の初体験。
『ねぇ、もっと私に遠慮なく溺れて。ひろくんを私の伴侶と認めない連中は、容赦なく黙らせるよ。それだけの、私の血に秘められた力に、さらに魔力まで、ひろくんは私にくれた』
言い切ると、私は彼の首筋に強引に吸い付き、軽く血を吸い上げる。好まない手段、半強制的なやり方で、彼の性的興奮を強引に引きずり出すために。
「かっ、ああああっ」
ああ、この血が、彼の悦に染まる悲鳴が私を酔わせる。酔う自分に嫌気が差して、嫌悪感から逃げたくなって、もっと夢中で吸い上げたくなる。……でも。
「そんなひどいことを言おうとするひろくんは、おしおきしちゃうよ?」
吸血による強制的性衝動に彼の分身が硬さを取り戻すのを確認し、湧き上がる吸血衝動を強引に抑えつけて、私は上下へ腰の律動を再開させる。
血を吸うのが、今の目的じゃない。私の身体がいかにひろくんに溺れているか、知らしめるためなんだから。
「ぐ、う、す、ずか……」
「じれったい、よね? 血を吸われた直後って、私のあの感覚と似てるもん、ね?」
焦らすように、ひろくんの理性を削り落とすべく、ゆっくりとゆっくりと腰を動かす。耐え難い感覚が、今、ひろくんの全身を支配しているはずだ。
「若気の至り、ってひろくんは言う、けど、私も、アリサちゃんも、もう七年経つんだよ? ずっと、ひろくんを、あぁ、見てきたの」
もちろん、彼自身で自分の中をかき回す私も、焦燥感が一気に積もる。もっと激しく、最奥を力強く突いて擦ってほしい、と。
「貴方、しか、いらないん、だよ。ひろく、んが、心から、信じられるまで、何百回でも、何千回でも、はぁん! 言うん、んん、だからぁ!」
女性不信が染みついてしまったひろくんは、綺麗だ可愛いよ、と褒めてくれる私達が離れていくという思い込みがどうしても離れない。自分でも信じたいのに信じ切れない、そんなジレンマ。あと数年が経って、私が堂々とひろくんと結婚できる年齢となれば、子供の夢物語なのだと決して言わせないのに。
(……本当にひろくんの子供、妊娠しちゃえば、すぐにでも納得してくれるのかな)
ただ、私が欲しいのは破滅的な未来じゃなく、ひろくんと歩んでいける何十年、何百年の世界。少しずつ、私の血を飲んでもらって、身体の拒絶反応を少しずつ無くしていく。それも私がひろくんの伴侶になるための準備の一つだ。あわよくば、という、ひろくんとアリサちゃんにはまだ言えない、ちょっとした希望も込めて。
「私の、身体は心から、好きな人に抱かれてるから、こんなに淫らに反応するのっ! ひろくんじゃなきゃダメなのぉ!」
発情期の異性への性衝動を、自身への暗示や自己洗脳、魔力での補助等、使える手段を躊躇いなく使って、全てひろくんに特化させた私は──その時期はもちろん、普段であっても、ひろくんの匂いを吸い込めば下腹部が熱を帯び、精液を『美味しい』と感じ、彼に触れられたり、舐められたり、突き上げてもらうことに、至上の悦びを覚えているのだから。
「ひろくん以外、いらないのっっっ! 大好きなんだからぁあああ!」
私の想いがひろくんに染み込んでしまえばいい……そう願いながら、私は薄れゆく意識の中で、彼へと自分の身体を投げ出していった──。
大翔くんはややこしいヒロインです。
私の文章上のすずか様も相当に拗らせているので、
彼が好意を信じられないことで、怒りを覚えるのではなく、
それならば身体に刻んで、思い知らせてやるのだと思うぐらいには、
ネジが飛んでいらっしゃいます。
アリサ、まじ調停者。
(今回はすずか様が馬乗りで攻めていたので、今度はツインマウンテンで攻めて頂き……あれ、受ける図にならn(ry)