気づけば挿入表現がそれほど長くなくなっていた。
衝動というのは不思議なものですね。
※本編のif話のため、説明は省いておりますが、
ヴィクトリアはこの作品におけるアリサの母親の名前です。
「認識誤認の結界を張っているとはいえ、聖祥大附属高等学校に通う月村家のお嬢様が、生徒が行き来するこの渡り廊下で、下着を足元まで下ろして……」
ひろくんの口調は普段の優しいものではなく、どこか蔑むような声で私を嬲っている。
「お尻を突き出して、おまんこをひくつかせてさ、男の肉棒をねだる。とんだ淫乱なお嬢様がいたものだ。一本、指を差し込んだだけで、我慢できないとばかりに強く締め付けてくるじゃないか」
言葉だけじゃない。私の女性器には、指が既に差し込まれていて、執拗に私のお腹の中をかき回している。どこか乱暴で、身勝手さを表に出した、私の身体を楽しむための動き。それなのに、私の身体は喜びに震えて、太ももには既に幾筋もの川の流れが出来上がっていた。
「気づいているだろう? お前の、涎を垂らす下の口から溢れた水が、膝裏まで滴ってきている。立派な変態痴女だよ、すずか『お嬢様』」
耳元で囁かれた嘲りの言葉と共に、指が私の子宮口をぐいと押し上げる感触に、身体の芯がきゅっ、と締まる動きを感じた途端、いとも容易く……私はこの数年間で深くこの身に馴染んだ、悦楽の頂に感覚を投げ出してしまう。
「!……大丈夫か、すずか。足に力が入らなくなったか」
セーラーブレザーもブラウスもボタンを外して、外気に晒した肌にひろくんの制服袖のひんやりした感覚が伝わる。渡り廊下を流れる風も、化学繊維で出来た袖も、昂ぶった私の肌には心地良く感じる。
私をしっかり支えてくれたひろくんは声も、仕草も、普段の調子に戻ってしまっていて。悦楽の余韻でまだふわふわした感覚が残り、まだぼんやりする思考の中で、このままじゃいけないと、私の唇は媚を売る一人の雌として躾を続けて下さいと懇願する。
「申し訳ありません、ご主人様ぁ。堪え性のない私は、もうイッてしまいました……どうか、はしたない私に罰をお与え下さいませっ」
自分の熱を持った臀部をそのまま、ズボンの上から既に大きく膨張している彼の男性器に押し付けて。言葉と指だけでこれだけ深く飛べたのなら、この強制的に発情させられた身体であっても、絶対に満足を得られる悦楽を刻んでもらえると、予感に震えてしまった。
「……ったく。遠慮なんか、してやらないぞ。すずか、見てみろ。廊下を行きかう生徒達は俺達の存在を正確に認識できなくなっている。それでも、実際にはお前がここで躾けられているのを、見てはいるんだ。それが記憶として残らないだけでな」
怜悧な口調に戻したひろくんの言の葉は、私の被虐心を刺激する。認識出来ないだけで、同級生や下級生に、私の淫らな姿はしっかりと見られていると、改めて思い知らされる。
「……本来なら廊下は歩き去るだけのはずが、思わず立ち止まってしまったり、やけにゆっくり歩いたり、逆に足早になっていたり……頬が赤くなっている子も多いだろう? お前の身体が発する淫蕩な匂いが、高等部の花であるはずの『月村すずか』が胸やお尻を丸見えにして、男に躾けられているのが、無意識の中に引っ掛かってる」
そう、皆に見られる共同棟に向かうための廊下で、私はひろくんに躾けられることを願った。ご主人様に躾られる性奴隷の私。淫乱な自分を同じ学校の生徒に見られるかもしれない、そんな背徳感が背中を駆け上がり、思考を痺れさせていく。また何も考えられなくなっていく。
「はい、見られてるかも、って思うと、身体がもっと熱く、なって……」
「だが、お前の身体を自由に出来るのは俺だけだ。分かっているな?」
たとえ見られたとしても、私の身体を自由に弄び、高みに導いてくれるのは、この人だけ。弄ばれることすら、悦びに感じるのは、ご主人様、だけ。
「俺も我慢出来ん。手すりにしっかり捉まれ」
ズボンのファスナーを下ろし、待ち侘びた禍々しいほどに大きく反り返った怒張が、私の熱さに蕩けた入口へと宛がわれる。
「はい、どうぞ、私の身体で気持ち良くなって、ください」
一方の胸を揉みしだきながら、そのまま私の身体を支えつつ、私の膣口を押し広げ、子宮口を目指し私の体内と同じように熱を持ったペニスがゆっくりと分け入ってくる。
すぐに私の膣襞は彼のモノに絡み付いていって、身体の一番深い所から私を染め上げて欲しいと、我慢できずに子種の詰まった白濁液を飲ませてくれとねだる。だけど、何年間も私と繋がり合ってきた彼の下半身も、すぐに精を吐き出すこともなく、襞ごと私の膣壁を擦り上げ、もっといい声で啼くんだと優しく強要してくる。
「はぁっ、ああっ、あんっ! そんな優しく、なんて、切な、いですぅ……」
「ああ、そうして我慢できなくなって、自分から浅ましく腰を振り出すのが、いつものお前だろう?」
奥まで入ってきても、こん、こん、とドアをノックするように、本当に軽く子宮の入口に触れるだけ。待ち望んだはずのご主人様の肉棒が、絶頂に飢える私の身体も、心も、焦燥感だけを募らせていく。
こんな解き解すようなマッサージみたいな刺激じゃ、足りない。足りないのに。
「んあっ! あぁ……」
そう思ったところに、両乳首にぎゅっと強い刺激が来る。
まず、感じたのは、これを待ってたという歓喜。指で挟まれ、押し潰すようにされたんだと気づいたのは、一呼吸遅れてから。
「ああ、ご主人様ぁ、もっと、もっと乱暴にして」
「すずかの身体は綺麗だ。傷つけるなど真っ平だからな。それに、俺はゆっくり動いても十分に気持ちいい。こんな皆が通る場所で、すずかの身体を堪能している。十分過ぎるほどだ」
ああ、ひどい。発情した私が、簡単に満足できないのを知っているのに、ご主人様は分かって、私を焦らしている。ご主人様は私の胸から手を放し、一つ柏手を打ってから、私のお尻を、背中を指で撫で上げた。与えられるこそばゆさが、さらに私の焦りを積み重ねていく。
「罰をくれ、とお前は言った。なら、お前が喜ぶんじゃ、意味がないじゃないか。……アリサ」
「待ってました、『ご主人様』。ずっと見せつけられていて、私だって、もう我慢出来ないんだから」
「ちゃんと自分で触らずに我慢したんだな。ほら、お前も手すり持って、お尻を此方へ向けろ」
アリサ、ちゃん? あれ? でも、私、ずっとアリサちゃん見えなかっ、あっ。
「あんっ!」
不意にズンと子宮を一突きしてから、ご主人様は私からペニスを引き抜き、そのまま同じ体勢になったアリサちゃんの女性器へと侵入する。焦らしも一切なく、最初からテンポのいいリズムを刻んで、ピストンを繰り返す。呆然とした私はそのまま、臀部を突き出した格好のまま、二人の交わりを見つめていた。
「あんっ、ああっ、大翔! 大翔! 気持ちいいっ! ずっと待って、待ってたんだからぁ!」
「悪かったよ、アリ、サっ! だからいきなり強く動いてる、だろっ」
心に虚しさが広がる中で、やっと気づく。認識阻害は、私にもかかっていたんだ。私と同じように、胸もお尻も曝け出しているアリサちゃんがこんなに近くにいたのに、気づかないわけが無い。
「ああ、嘘っ、大翔っ、すごいの、こんな早く、もう、もう上がってくるのっ! アンタの手が、ペニスが、気持ちいい! 気持ちいいのよぉ!」
肩口ぐらいで切り揃えられたアリサちゃんの綺麗な金の髪が揺れて、唇からだらしなく涎をこぼして、涙すら浮かべて、『ひろくん』に胸をまさぐられて、おちんちんを受け入れて、悦んで啼いてる……。どうして、私には、こんな風にしてもらえないんだろう。
「すずかぁ、あと、任せるからぁ! ああぁぁぁ、イクぅ──!」
全身を震わせて、アリサちゃんは絶頂の恍惚に身を任せる。アリサちゃんは激しい絶頂の中で、そのまま意識を失ってしまって……力を失った身体をひろくんはしっかり支え、完全に脱力したアリサちゃんを自分のブレザーを敷物代わりに、そのまま手すり下の壁へと寄り掛からせた。一つ呪文を唱え、指を振るって、アリサちゃんに防寒の魔法をかけたひろくんは、改めて私に向き直る。
「えらいぞ、すずか。指示を解かなかったから、ちゃんとそのままの格好で待っていたのか」
お尻を突き出したままの格好の私。それはショックから、体勢を直すところまで気が回らなかっただけ。ただ、ひろくんは私の返事を待たずに、再び私の中へと肉棒を沈めてきた。今度は、一気に奥底まで。こつん、と子宮を揺らす音がお腹の中に響いて、ひろくんは一旦動きを止める。
「あ、はぁ……」
ぴったり密着したような体勢になって、腕を交差させた格好で、ひろくんは私の乳房に指を這わせて、感触を確かめるように揉み込んでくる。戸惑いの中でも、私の身体はしっかりと反応して、唇からは甘えた吐息がこぼれていく。
「すずかは俺が認識阻害をかけていた。乳首を思いきり強く挟むまで、俺は片方の手だけでしか、すずかに触れなかっただろう?」
言われてみれば、そうだ。乳首に強い刺激が走るまで、絶え間なく触れていたものの、確かに片方の手、だけだった。
「もう片方で、アリサちゃん、を?」
「そういうこと。こんなことでマルチタスク使うのも罰当たりな話かもしれないな」
速度はゆっくりであっても、ひろくんは緩急をつけて、私の最奥をどんどん突いてくる。強過ぎず、かといって、物足りなさを感じるものでもなく。緩やかに、先程まで散々火がついていた私の身体は、再び気持ちいい感覚へを身を浸していく。
「人の目がある野外で『ご主人様』になって欲しい、ってかなり過激な話じゃないか。強く望むから乗ってはみたけど、例の時期に入ってるとはいえ、これまでは家の中庭でとか、バルコニーでとかだったし、学校の中庭でという時は、アリサと交代でしっかり結界を張って、それもブレザーやブラウスのボタンを開けることも無かった」
「だ、ってぇ……」
「ちゃんと言わないと、最後まで気持ち良くしてあげないぞ?」
「……いじわる」
耳元で囁き続けるひろくんに、私は唇を押し付けて、舌を絡めていく。いつもの優しいひろくんの動き。だけど、この動きで深い絶頂を迎えるのは難しいと分かっていた。
「アリサも結界の維持も手伝ってくれたし、今回は使い捨てのデバイスも使ってるから、俺が結界を張れなくなっても、数分間はもたせられる。その上で、アリサは私も巻き込め、その上で付き合ってあげて、と言っていた。その間に自分も楽しむから、ってな。まぁ、あの通りだ」
この廊下に来るまでの間、既にアリサちゃんは視覚出来ない状況で、ずっとひろくんの毒牙にかかっていたらしい。それはアリサちゃんが望んだ、背徳感を高めるための行為で。興奮状態が続いていたアリサちゃんは、あっさりと一度で深い絶頂を味わってしまっていた。
「なんというか、まんまとアリサに煽られた感じだ。見えなくしてるのに手を出すのが怖いのか……とか、カチンとくる言い方をわざとするんだよな。下着を歩いてる途中で脱ぎ去って、俺のブレザーに突っ込んだりするし。すずかと違って、時々苛々する言い方や態度をわざと取ることがあると言うか」
むぅ。アリサちゃんは自分の普段の接し方も利用して、上手に望みを叶えちゃったってことだよね。悔しい、すっごく悔しい。夢の中で勝ち誇ってるアリサちゃんの姿を幻視できるぐらいに。
「どうした、すずか、すずかー?」
ほんとは口にすることなく、自然にひろくんをその気にさせたかった。でも、アリサちゃんがさっさと先に叶えてしまったのなら、私は自分の想いを素直にひろくんに伝えよう。
「いつも、いつもいつも、私やアリサちゃんを気持ち良くさせることばかり考えて、自分が気持ち良くなるのは二の次で。今の時期みたいに私が何度も求めなかったりしなければ、ひろくんはイカないことだってあるよね。それが、私やアリサちゃんはすごく不満なの」
こうして、一つに繋がって、ひろくんの暖かさを身体の内と外と同時に感じられることが、どれだけ今まで私を満たしてくれたか。そして、発情した私の身体を鎮めてくれるのは、ずっとひろくんだ。これまでも、そして、これからも。
「すずか……」
動きを思わず止めてしまったひろくんの下半身をきゅっと締め付けることで止まらないでと訴えつつ、私もゆっくりと腰を前後させて、ああ、これでいつも通りに戻ってしまうけれど。でも、いいんだ。私が言いたいことを、しっかり伝えよう。身体がひろくんのお陰で、餓えを感じずに、ちゃんと言葉を紡げる内に。
「私はぁ、あぁ、我がままなの。自分が気持ち良くなるだけじゃ、身体が満たされるだけじゃ足りないよ、はぁ、んんっ。自分も気持ち良くなってぇ、ひろくんも私の身体で達してくれなきゃ嫌。毎回、気持ち良くなるタイミングを合わせて、ひろくんの精液を子宮に浴びながら、イッてしまいたいと願ってるもん、あんっ」
「くぅ、それは、確かに厳しい条件、だなぁ」
「アリサちゃんだって同じように考えてるよぉ、ぜったぃ。ああ、ひろくんの硬くて、気持ちいぃ……」
「アリサも、か。ぐ……すずかもアリサも繋がるとすごくいいから、二人気持ちよくすることに集中しないと、もたないんだって、俺」
「信じてるひろくんだからこそ、たまには強引に、乱暴に、自分本位に犯して欲しいって思うんだよ……? ゾクゾクするの、ひろくんが動きたいように、自由に私の身体を犯したら、私の身体、一体どうなるんだろう、どう反応するんだろう、って」
二人揃って、動きが止まる。私はひろくんに蹂躙されて、泣き叫びながら、それでも身体が悦んで反応する自分を想像して。ひろくんもきっと、場景を思い浮かべてしまったはず。だって、感じる硬さが一段と増したから。
「今の時期の私に根負けしないように、一時的に絶倫になれるような性魔術も身につけてくれてる。避妊も魔法で出来るようになっちゃって、私とアリサちゃんは卒業が近づいてきたから、ピルを飲むのも止めたもん」
服用をやめた理由は、卒業記念に私達の望みがしっかり叶うように。アリサちゃんは年をずらすと最初は言っていたけど、正式に婚約して、二人ともひろくんの妻になるのを公にしてから、二人で一緒に育てる方向性にまとまった。
お姉ちゃん達にも雫ちゃんを始めとして、三人の子供がいるけれど、仕事の関係で家族でドイツに行ってしまっていて、ついていったノエル以外の──ファリンとか、鮫島さんとか、お母さんやヴィクトリアさんとか……女性陣が今から張り切ってしまっているのが、心強くもあり、怖くもある、そんな感じで。
「ひろくんの掌の上なの、私達。それを喜んでしまってる自分もいて、本当に私はひろくんにのめり込んでいるんだって、改めて思うよ」
のめり込んでいる、と再認識するだけで、執着している自分を変える気はないし、私は幸せに感じる毎日を過ごせているのだから、問題も無い。
「……俺もたいがい、すずかやアリサに溺れている自覚があってさ。だからこそ、力や魔法ですずかやアリサを嬲ることはしたくないって思ってる。だけど……」
箍が外れて、傷つけることを怖がるひろくん。ただ、それでも構わない、もっとがんじがらめにされたっていい、物足りないと思うぐらいなんだって、欲張りになってる私がいる。そこまで言えば、ひろくんは悩んでしまうだろうから言わないけれど、私は赤裸々な欲望を顕わにされても、喜んで受け入れてしまうだろう。
「私は、発情期だから淫乱になるわけじゃないよ。ひろくん相手だから強く求めるし、ご主人様として君臨して欲しい、私を支配してほしい……そんな歪んだ情欲だって、貴方だからこそ願うの」
もっと私に溺れて。絶対に離れられないところまで、私に嵌って欲しい。貴方の精液を、私の子宮が一時も忘れられなくなるように、もっと味わわせて下さい──。
「すずかっ! すずかぁ!」
「ひろくんっ、好きぃ、好きなのっ、貴方に抱かれてイッちゃうの、すごく幸せなのぉ!」
盛りがついた私の身体が、とうとう箍を外されたしまったひろくんの精を、何度も、何度も受け止めて、やっと落ち着きを得られた頃、いつまで経っても教室に戻らない私達を探しに来たフェイトちゃんに捕捉され、もう一騒ぎ起こってしまうのだけど、それは余談だと思うので、大変だったとだけ、日記手帳には記すことにしよう──。
すずか様に独白させてますが、安心感を与えてくれる相手だからこそ、被虐的願望や被支配欲に駆られるという話です。
普段は名家の令嬢として持ち上げられることが多い彼女が、
あえて虐げられたり、隷属を強いられることにカタルシスを感じる。
アリサにしても大企業の一人娘として、ちやほやされることが多く、
私の中では、基本Sなアリサは従属願望はない(ごっこ遊び程度)けど、
無理やり(=被虐)されるのは、実は感じてしまいやすい、というような性格の位置づけです。
ただ、毎回そんなのは真っ平なのは二人とも同じで、
婚約者がたまり過ぎない程度にガス抜きさせるのを、そういう所へ関連付けしちゃおう……と彼女達が画策していると。
本気で理性を削ぎ落としに掛かる二人の令嬢。ふふ怖。
もちろん、個々の差が大きい願望ですし、読者の方が思い描くすずか様やアリサとも乖離があってしかるべきです。
なので、これはあくまで作者の嗜好の投影ですので、あしからず。