「あぁ〜…やっぱり大きな風呂はいいっすね〜」
ユーハングの風景を再現した露天風呂に浸かりながら薄紫の髪をタオルで纏めた女性が心地よさそうに声を漏らしている。
「それにこんな風に風呂に盆を浮かべてお酒飲むなんて屋敷じゃできないっす。ね、イサカ」
「……お前は本当にどこでも飲んでるな…」
温めたユーハング酒の入ったお猪口を口に持っていく女性レミの姿を見ながら艶やかな短い黒髪を持つ女性イサカが言った。
「クロー!そっちの湯加減はどうっすかー!」
酒と暖かさで気分の高揚したレミが男湯にいるクロを大声で呼んだ。だが男湯からの返事はない。
「あれ?いないんすかね?クロー!」
「おいレミ…」
イサカがレミを止めようとした時男湯から返事が返ってきた。
「静かに入れ酔っ払い」
それを聞いたレミが口を尖らせながらお猪口を再び口へ運ぶ。
「相変わらずつれないっすね〜」
イサカがため息をつきながら言う。
「風呂は静かに入るものだ。今のはお前が悪い」
「いいじゃないっすか。どうせアタシらしかこの宿にいないんすよ?」
レミの言うとおりこの温泉宿には今レミとクロ、イサカとその副官のサダクニしかいなかった。穴の向こうへと旅立ったゲキテツ一家首領が度々湯治に使用していたのがこの温泉宿だった。普通であれば人気のあるこの宿を貸切など中々できるものではないが、首領に恩義のある店主が彼の娘のような方々ならばと建家の改修作業開始前の三日だけ貸切にしてくれたのだ。
「だとしてもだ。もう少しマフィアらしく…」
イサカがレミに対して小言を言う前に先にレミが動いた。
「まあまあ、どうっすか?イサカもたまには飲んだら」
レミが酒の乗ったお盆をイサカの方へ流す。
「いや…私は…」
「たまに飲んでもバチは当たらないっすよ。ささ、一杯どうぞっす」
「いや、そうじゃなくてだな…」
レミが楽しそうな顔でお猪口を差し出してくるのをイサカは断りきれなかった。
「分かった…一杯だけだ」
イサカがレミからお猪口を受け取るとレミが酒をそこに注いだ。お猪口に並々と注がれた酒をじっと見てからイサカが酒を口へ運ぶ。
「なんだ、イサカも結構イケる口じゃないっすか」
「特別苦手なわけじゃない…だがサダクニから酒は飲まないように言われててな。こういうのに付き合うときはラムネを飲んでる」
「アタシもよくクロから酒飲まないように注意されてるっすよ。お仲間っすね!」
レミがニコニコとイサカに笑顔を向ける。
「お前と一緒にするな……それにしても…」
イサカが湯船に浸かるレミの体をまじまじと見る。最終的に視線は胸へと注がれた。
「どうしたんすか?」
「……お前…やっぱり胸が大きいな…」
イサカの唐突な発言に流石のレミの戸惑った。イサカは先ほどと変わらずまじまじとレミの胸を凝視している。
「イ…イサカ?」
次の瞬間イサカの右手がレミの胸に触れた。そのまま弾力を味わうようにレミの胸を揉み始める。
「ちょっ…!イサカ!」
「一体どうしたらこんな…こんな大きくなるというんだ!ヒック…」
「あっ…ひゃっ…ちょっとイサカ…ほんとにダメっすよ!」
レミの制止も聞かずにイサカは左手もレミの胸に当てがって揉み始める。
「いつもいつも見せつけるように服を着て…そんなに見せつけたいのか…この愚か者…!」
「やっ…んんっ…イサカ、ほんとにどうしちゃったんすか!」
揉みしだかれるレミが顔を赤くしてそう言うとようやくイサカの手が止まった。だが俯くイサカの表情はレミには見えていない。
「だ…大丈夫っすか…イサカ?」
「ご…め」
「えっ?」
「ごめん!やりすぎた!!レミは一家のために頑張ってるのに!ふえっ…」
レミの方向に顔を向けた瞬間イサカが急に泣き出す。
「ど、どうしたんすか!イサカ急に!」
「ごめん...ふぇ...うぇぇぇぇぇっ...!」
レミが心配そうに言った途端イサカが胸に抱きついた。
(とんでもない人にお酒飲ませちゃったっす…)
「うぅ…ひっく…」
「ほらイサカ、一度お風呂から出ましょうっす」
レミが泣きながら抱きついているイサカの頭を撫でながら言った。
「ヒック……うん…」
胸に顔を埋めながらイサカが返事をする。
「そこでそうされるとくすぐったいっすよ」
風呂から上がりイサカになんとか浴衣を着せてレミ達は露天風呂を後にした。イサカの方はなんとか浴衣を着れたものの足取りはふらついている。二人が廊下に出ると彼女達のそれぞれの副官、クロとサダクニが既に待っていた。
「組長!」
イサカの副官であるサダクニが彼女に近寄る。
「サダクニ…?風呂は気持ちよかったか〜?」
焦点のあまり合っていない目でイサカがサダクニを見る。それとほぼ同時にクロもレミのそばに寄って耳打ちした。
「…お前あの組長に飲ませたのか…」
「ああなるとは知らなかったんすよ…」
二人のヒソヒソ話が聞こえたサダクニがため息をついた。酔っているためかイサカはそれに気づかずに好きなことを言っている。
「レミ!あっちで卓球をするぞ!」
「はぁ……組長。食事の準備ができてます。卓球は食事の後にしましょう」
「私の指示に従えないのかぁ…?サダクニぃ…」
酔って凄みのない目でイサカがサダクニを睨むが、サダクニの方はそれを相手にせず淡々と言った。
「当初の食事予定時間を回っております」
「むぅ……予定時刻ならしょうがないな…」
イサカがふらつく足取りのまま食事の用意されている宴会場まで歩き出す。その背を見たサダクニがサングラス越しにレミの方を見る。今回ばかりはレミも苦笑いするしかなかった。横に立つクロでさえもシラーっとした目でレミを見ている。
「アハハ...今回ばかりは悪いことしたっす...」
レミが気まずそうに頬を掻きながらイサカ達の後を追い。クロも溜息をつきながらその後を追った。
風呂から少し歩いて食事が用意された客室に四人が着く。宿泊用の客室はレミとクロ、イサカとサダクニで分けていたが食事はこの客室にで四人分用意されることになっていた。部屋自体の構造は宿泊用の客室と同じだが四人で食事しても全く窮屈さは感じないような大きさだ。
四人が部屋に入ると既に料理はテーブルの上に並べられていた。普段は中々口にしないものが皿の上に載っている。
「おお〜中々豪華な食事っすね〜!」
テーブルについたレミが感嘆の声をあげる。横に座ったクロを見れば口には出さないものの彼もこの料理に目を輝かせていた。相変わらずイサカだけは酔いの影響か目の焦点が定まりきっていない様子だった。
「組長、早速ですが乾杯の音頭をお願いします」
「む...分かった」
ふらつきながらイサカがグラスを持って立ち上がる。
「あー、今回は...忙しい中みんなよく集まってくれた。...サダクニ...後は何を
言えば良いんだ?」
いつもの凛々しく毅然とした口調はすっかり影に隠れ挨拶は しどろもどろの状態だった。
「組長、『乾杯』です」
「おおそうか...乾杯!」
あまり締まらない挨拶で宴が始まる。サダクニは焦り気味だったが、レミはこういうのも自分達らしくて良いと思っていた。
二時間ほどが経ち料理を食べ終えたレミは再びユーハング酒を楽しんでいた。そんな時不意にクロの右手がテーブルの下のレミの左腿の辺りに触れた。最初はただ不意に当たっただけかとレミは考えていたがクロに手を避ける様子はない。
レミの顔が少し赤くなり鼓動が早くなる。チラリとクロの方に目を向けるが彼の表情に変化はない。目の前にイサカやサダクニがいるのにクロは握れと言わんばかりに手を添えたままでいた。
こちらだけがドキドキさせられるのはたまったものではないとレミが左腿に添えられた手の指をそっと触る。それと同時に彼の顔を見ると少し顔が赤くなっている気がした。本当は笑みを浮かべたいが目の前にイサカ達がいる以上それはできなかった。気がつけばお互い顔を赤くしてテーブルの下で手を握り合い違う方を向いている不自然な状態になっていた。その状況を向かい側に座る男、サダクニが感じ取る。
「組長、そろそろ部屋へ戻りましょう」
サダクニがイサカにそう切り出す。酔いから覚めかけのイサカは素直にそれに応じた。
「む...そんな時間か...レミ、私はこれで失礼する」
「ええ、邪魔にならないようにもどりましょう」
レミ達の前に座っていた二人が立ち上がる、この状態でそう切り出された事でレミとクロのどちらもドキリとした。
二人が部屋を出る時サダクニがレミとクロを見て微笑を浮かべたのをレミは見た。その瞬間レミは先程のサダクニの言葉が自分たち二人に向けられたものだと確信した。
二人が出て行き襖が閉まった瞬間レミとクロはお互いの顔を数分間見つめ合った。
「...アタシ達も部屋に戻ろうっす」
「...ああ」
先程まで繋いでいた二人の手が解ける。先程イサカ達が出て行った襖を開けて自分達の客室へと歩き出す。たった十数歩程度の距離なのに今のレミには果てしなく遠く感じる距離だった。
ようやく客室へたどり着き、ドアを開けて中に入った瞬間クロがレミを壁に押し付けてキスをした。
「...!!」
驚きながらもレミはそれを拒否する事なく受け入れた。
「...プハッ...もう、布団まで我慢できなかったんすか」
レミが微笑みクロを見つめながら言った。
「悪い、限界だった」
顔を赤くしながらクロがレミの問いに答える。彼が言い終わった瞬間に今度はレミがクロの唇を塞いだ。彼の舌に自分の舌を絡めて唾液を混ぜ合わせるように深いキスを交わす。口が離れた時にレミが言った。
「アタシも限界だったっす...」
「...布団に行くか」
クロがレミを抱き抱える。わずかな距離でも離れたくないという彼の意思表示だった。布団へ行く数歩の間でも二人はキスを交わした。少しでも長く触れていたかったという共通の思いだった。
クロが敷かれた布団の片方の掛布団を足で雑にずらしてレミを寝かせる。すぐにクロがレミに覆いかぶさった。前にアレシマのホテルで初めて交わってから何度目だろうかとふとレミは思っていた。考えているうちに再びクロの唇がレミの唇を塞ぐ。それに続いてクロの手がレミの浴衣をはだけさせ乳房に触れる。
「んんっ…っはぁ…クロの手あったかいっす…」
自身の唇から離れたクロの顔を両手で撫でながらレミが言った。
「胸だけじゃなくて…アッチも触って欲しいっすよ…」
レミが自分の手で浴衣の裾をずらし秘部を露わにする。手入れされた陰毛の下に隠れた秘部は既に湿り気を帯びていた。
「下着着けてなかったのか」
「これがユーハングに伝わる着方なんすよ…ほら、焦らさないで触って欲しいっす…」
クロの指が優しくそこを撫でる。数度指で触っただけでクロの指はレミの愛液に塗れた。
「いつから濡らしてたんだ」
「意地悪言わないで欲しいっすよ……最初にキスした時ぐらいっす…」
そうレミが言った後にクロは再びレミの秘部に手をあてがった。今度は表面を触るのではなく肉壺の中に指を滑り込ませた。
「いやっ…んんっ…あんっ!…」
レミの肉壺をクロの指が優しく掻き回すたびにレミの嬌声が上がった。何度となく身体を交えてレミの弱いところはクロも分かっていた。そこを指で擦るたびにレミの秘部から愛液が滴った。すっかりクロの指はレミの愛液まみれだ。クロが濡れた自分の指をレミの目の前に差し出すと、意図を察したレミがその指にしゃぶりつく。愛するパートナーの指についた自分の愛液を舐め取っていった。
「はむ…ん…あむ……はぁ…指だけで良いんすか?」
一通りクロの指を舐めたレミが彼の目を見て言った。クロの浴衣の股間部が布を突き破らんばかりに盛り上がっていた。レミがクロの浴衣の前を開きパンツを下げると解放された彼の男根がレミの目の前にそそり立った。その男根を手で撫でながらレミが言った。
「この子ともお久しぶりっすね〜、なんだかんだクロも期待してたみたいっすね、先っちょからもう先走り汁が溢れてるっすよ」
クロがそう言ったレミに反論しようとする前にレミが男根を口に含んだ。
「あむっ…んっ…ひょっぱいっす…」
レミが口に含んだ男根の裏筋を舌で舐めながら感想を言った。初夜の時の初々しい丁寧な口淫ではもう無かったがレミが歯を立てないように気を遣っているのはクロにも分かっていた。
「んむっ…あむっ…ちゅっ…どうするっす?口で一回イっとくっすか?」
クロの男根がはちきれそうにビクビク震えだしたのを感じたレミが一度口を離して彼に聞いた。クロは口でこそ答えなかったがレミはその表情を見てどうして欲しいかを察していた。
「了解っす〜♪」
レミが再び肉棒にしゃぶりつく。先ほどよりも激しい動きでクロの男根を刺激していくとビクビクと男根が脈打ち、レミの口内に白濁した精液が放出された。
「んんっ!...ぷはぁ...ひっぱいれたっすね...」
レミが口内に精液を溜めながら言った。そのまま彼女の喉がこくんと動き精液を飲み込んだ。
「相変わらず濃いっすね〜...でもこれだけ出たのにまだ元気なのは流石っすね」
レミがクロの目を見つめながら男根に残った精液を舐めとりながら言った。
「相変わらず一言多いな...そっちも限界なんじゃないか?」
「えへへ...バレバレならしょうがないっすね。ほら...早く挿れて下さいっす〜」
レミがベッドの上に仰向けに寝転がって股を開く。クロが覆いかぶさり男根を肉壺の入口に当てがう。
「それじゃあ挿れるぞ」
「あっ、待ってっす!」
クロが挿入しようとするとレミがそれを制止した。
「どうした?」
「えへへ...いつも通りキスしながら挿れて欲しいっす...」
レミが両手を広げながら笑顔でそう言うとクロも微笑みながらレミに口づけを交わした。
「あっ…んあっ……入ってきたっす…!」
クロの男根がレミの肉壺を押し広げながら奥へと進んでいく。既に濡れてほぐれていたレミの肉壺は決して小さくないクロの肉棒を絡みつくように受け入れていった。奥へと押し入れるたびにレミが嬌声を上げる。
「んんっ…ふあっ…あんっ…」
レミのその声を聞いたクロが徐々に抽送のスピードを上げていく。
「良いっす…気持ちいいっすよ…クロォ…」
クロの目の前にはレミの蕩けた顔がある。クロは彼女の気持ちの良さそうなこの顔を見るのが好きだった。
レミがクロの腰に抱きつくように脚をかける。興奮するとこうやって脚をかけるのがレミの癖だった。この仕草もクロの好きなものの一つだ。クロが腰を動かしながら自分からレミの唇に触れにいく。
「んっ…あっ…あんっ!んんっ!」
キスをするたびに締め付けがキツくなる。お互いの粘液のお陰で痛みはほとんどない。
はだけた浴衣のレミにクロはいつも以上に昂ぶっていた。彼自身が気づかないうちに抽送の速度がいつも以上になっている。そんな彼をレミも受け入れていた。パンパンと肉と肉のぶつかる音が部屋に響く。繋がった部分の布団は愛液が染み付いていた。
「クロ…もっと…んんッ…もっと奥の方…あっ…擦って欲しいっす…」
レミがクロの耳元でそう囁く。クロは言葉ではなく行動で示した。レミの肉壺の奥の方をに触れるように短いストロークで抽送する。レミの顔が快感で一際蕩けだし離したくないと言うようにクロの肉棒を締めつけた。
「あんっ!…クロッ…アタシそろそろ…んっ…イきそうっす…!」
「レミ…このまま出すぞ…」
「んあっ!……中に…んっ…!クロのいっぱいくださいっす…!」
クロが再び抽送の速度を上げる。何度もレミの肉壺を擦り上げたところでレミの絶頂が来た。今まで以上にクロの男根を締め上げる。それと同時に男根が脈打ちレミの肉壺の奥に精液を叩きつけた。
力の抜けた二人が布団の上で動かなくなる。クロが先に動き出し力の抜けた自分の竿をレミの肉壺から抜き出すとびくりとレミの体が痙攣した。彼女はまだ長い絶頂の最中だった。何度か体を震わせた後にレミがクロの耳元で言った。
「あっ…はぁ…はぁ…んっ…いっぱい出たっすね…」
浴衣をはだけさせ汗まみれになったレミは満足そうだった。
「おい、もう少し詰めろよ」
「アタシだってコッチはみ出しそうなんすよ」
布団の中に入った二人が体を寄せ合いながら言い合っている。セックスで汚れた布団を片付け、二人はもう片方の布団に共に入っていた。どちらかがはみ出しそうになる様な状況だった。
「じゃあこうするっす」
そう言ってレミがクロの体に抱きついた。
「朝までずっとこうする気か?」
「そうっすよ。二人とも布団に入れておまけにお互いでぬくぬく出来るお得な仕様っす!」
ニコニコと笑顔で言うレミにため息を吐きつつもクロは悪い気はしなかった。
「寝るぞ、おやすみ」
クロが瞼を閉じて眠りに入ろうとすると頰にレミがキスをした。クロが目を開きレミの方を向くと笑顔で彼女が言った。
「えへへ…やっぱり大好きっす……!」
「……俺もだ。…おやすみ」
先程までとは打って変わって暗く静かな部屋には二人の寝息だけが響いていた。