今度はちゃんと書ききります。
前回のを消して、ひぐらしのなく頃にの話を書いてたんですが、仕事中にボーッと考えてたらこっちの話の骨組みが出来たのでこっちを書くことにしました。
やっぱり恋姫が好きなんです…
えっちな文を書く練習しつつ、戦争、政治、戦闘の描写も書けるように練習する、みたいな感じになるので至らない点や、ここおかしくね?ってところがゴロゴロ出てくると思いますが、生暖かい目で見てやってください。
はじまり
いつもと変わらない日常。
いつもと同じ様に聖フランチェスカ学院に通い、いつもと同じ様に友達とだべり、いつもと同じ様に帰宅し、いつもと同じ様に寝る。
何も変わらない日々。
代わり映えのしない日々。
「お……な……い」
平和、と言えば平和だ。
親がいて、友達がいて、食べる事に困る事もなく、周りに、大人に守られ、自分は寿命が尽きるまで死ぬことはないんだろうと心の奥で思っている、お気楽な日々。
「おき……さい!」
こんな、平和で退屈な毎日が死ぬまで続くと
そう思っていた。
朝起きたらまた、いつも通りの日々が始まると思っていた。
「起きなさいっ!!」
「はいっ! え、あ、時間! 遅刻!? …………あれ?」
大きな声で怒鳴られ飛び起きて時間を確認しようとした。
また遅刻すると先生にドヤされる。
そんな思いで枕元の目覚まし時計を掴もうとすると、そこには何もなかった。
目覚まし時計も、枕も、ベッドも、何も。
あるのは…なんだこれ、藁?
「ようやく起きたみたいね」
脳みそが回転してない。何も考えられない。
いつも見ている風景はどこにも無く、全く知らない場所で目覚めたのだ。
テレビの芸人だったらつまらないと視聴者に怒られていただろう。
しかしどうやら、本当に何も分からない状況になると人間は動けなくなるらしい。素人に面白いリアクションなんて求めないでほしい。
「人の家の馬小屋でグースカと、随分なご身分ね」
目の前に立つ少女が眉をピクピクさせながら俺に話しかける。
背丈は低く、綺麗な金髪のツインテールが太陽に照らされてキラキラと輝いている。
人間離れした、と言えばいいのか。めちゃくちゃ可愛い女の子だ。
「あ、え……っと、……キミは……誰?」
「私が誰か……ですって? 人の敷地で勝手に寝ていて、よくもまぁそんな事が言えたものね」
ようやく頭が回りはじめた。
が、目が覚めれば覚める程意味がわからない。
いつも通り自分の部屋の自分のベッドで寝て、起こされたと思ったら知らない場所にいたのだ。分かるわけがない。
誘拐? 俺を? 何故?
言っちゃなんだが家は別に超裕福って訳じゃないから身代金なんて出ない。
それに、誘拐なら何故拘束されてない?
分からない。分からない。分からない。分からない。
「名前を聞くのはまず私じゃないかしら? 貴方は誰。何の目的で、何故私の家の馬小屋で寝ていたの?」
「えっと、あの、俺は北郷一刀。家で寝てたはずなんだけど、知らぬ間にここに居て……ここは……どこ?」
俺の言葉に眉をしかめる。起きたら突然こんなとこにいたなんて言ったら怪しむのも当然だ。だがそれは紛れもない事実で、それ以上でもそれ以外でもないのだからどうしようもない。
「はぁぁぁ……私は曹孟徳。ここは洛陽の私の家の私の馬小屋の中よ」
ため息をついて腰に手を当て、やれやれといった感じで答える少女。
待て。
今、なんて言った?
自分を誰だと言った?
曹孟徳?曹操?
んなアホな。
この時代に曹操がいるわけがない。
1800年くらい前の人だろ。
ゲームくらいしか知識は無いが、俺でも知ってる超有名人だ。
憧れるのも分かる。
曹操に憧れて自分を曹操だと思い込んでる厨二病以外ありえない。
分かる。その気持ちは分かる。
俺も織田信長とかに憧れたもんだ。
「ごめんね、お嬢ちゃん。俺の耳が壊れてるみたいなんだ。もう一度、名前を聞かせてもらってもいいかな?」
「お嬢ちゃん。ですって……?」
どうやら俺は地雷を踏んだらしい。
怒りよりも呆れの方に傾いてた感情がまた怒りに振り切ってしまった。
「中常侍大長秋曹騰の養子、曹嵩の子、曹操よ!」
怒りを爆発させて名乗るこの少女の言葉には、何故か見栄や嘘を感じない。
まるで、本当に自分が曹操であるかの様に聞こえる。
だが、誰がそんな事を信じられるだろうか。
少女の後ろ、この馬小屋の外の景色に目をやる。
そんなわけがない。
確かめないと。
よろよろと立ち上がり、外に出る。
そこに広がっているのは、電気、いや、現代の面影が何一つない、まるで映画のセットのような建物。舗装されてない道。行き交う人々の服装。遠くに見える山。
そんな馬鹿な事があるか。
アニメやゲームじゃないんだ。
異世界転生なんて、現実で起こるわけがない。
振り向いて少女の横に立つ、少女の体格には似つかわしくない、大きな黒い馬。
寝床を取られ怒っているのか。フーフーと鼻息を荒くしながら俺から目を離さない馬。
「ねぇ、曹操ちゃん。その馬なんだけど」
「はぁ?」
「その馬の名前って、絶影で合ってる?」
「!?」
「君の従兄弟に、夏侯惇と夏侯淵っていない?」
「あなた……何を……」
「今、反乱が起こってて、君はそれが大きくなると見ていて、夏侯惇達と挙兵しようとしてる。違う?」
まくし立てるように質問をぶつける。
三国志をテーマにした作品の殆どのスタート。黄巾の乱。
ここで曹操は挙兵し、功績を挙げ、国を持つ。
「何故、あの子達の事を知ってるの? 何故、あの子達にしか教えていないこの馬の名前を知ってるの? 貴方……何が、言いたいの?」
この時点では曹操はまだお偉いさんの子供、程度の認知度のはず。
地元で有名なガキ大将、と言った感じだろうか。
夏侯惇も夏侯淵も、当然まだ武勇を轟かす前の無名の時代。
「ねぇ」
空を見ながら少女を呼ぶ。
自分でも信じられない。
異世界転生やタイムスリップなんていう夢物語を、自分で体験するなど、信じられるはずがない。
信じろと言う方が無理がある。友達や家族に話したら病院に連れて行かれるレベルの、ありえない話。
でも、そうとしか言えない状況を突きつけられたのだ。
俺の事をこれでもかと訝しむ、曹操と名乗る少女に言葉を続ける。
「俺、未来から来たって言ったら……笑う?」
なんでこの時代に絶影居るんだよって思った人も多いと思うけど、細かいことは気にしないでください。