「ジョーカー、また前回と同じようにたくさん殺すのかい?」
「それは奴等の出方次第だな、俺達はなにも戦争する為に行くんじゃねぇんだ。後に来る大きな戦いに備えて戦力を得るために動いているという事だけは本当だ」
ヤマトの問いに俺は漠然とした答えしか持ち合わせておらず困っていると部下が報告にやって来る。
「ご報告、まもなく花ノ国に到着いたします!!」
「分かった、最大警戒態勢を取りながら花ノ国にへと向かう。その際、八宝水軍の攻撃があるかもしれねぇから注意しておけ」
「はっ!!」
命令を受けた部下は持ち場にへと戻って行き、俺はヤマトにこう言った。
「ヤマト、ここから先はテメェの自由にしていいぞ。参加するもよし、しないのなら大人しくここでいるもよしだ」
「お生憎様、僕はここで大人しく待っている事なんて出来ないよ。だから、僕も一緒に戦う」
「そうか、分かった」
そうやって話しながら甲板へ出ると、花ノ国目前にして八隻の八宝水軍の船が立ち塞いでいた。
「ジョーカー様、前方に八宝水軍の船が!!」
「あぁ、見りゃ解る。野郎共、あいつらに【百獣】の恐怖を刻み込め!!」
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」
俺の号令に雄叫びを上げる部下達はすぐさま迎撃する為に動きだすのだった。
「船を寄せろ!!」
「はっ!!」
船を迷う事無く進ませ、敵船からの砲撃を防ぎながら船を寄せると三人の男達が乗り込んで来る。
その内の二人は一目見て分かったが、後の一人が分からない。
「ひやホホ、まさか攻め込んできた百獣海賊団の不届き者共の首魁がこのような小童とは…。カイドウも人材不足のようだ」
「親父、そう言ってやるなよ。相手が可愛そうだろ」
「そうやい、さっさと片付けるやい」
なるほど、疑問は解けた。チンジャオとサイは一発で分かったが、もう一人の奴はチンジャオの息子でサイとブーの父親だったのか。
最初に口を開いたのはチンジャオ、次にチンジャオの息子、口癖から察するに若い頃のサイだった。
「隠居人が出しゃばって来る八宝水軍よりはマシだろ、ウチは実力主義なんだよ。飯事気分で海賊やっている奴等とは違うからな」
『ア゛ァ゛ッ!!』
互いに睨み合う俺達の所にヤマトが入って来る。
「ジョーカー、僕も一人引き受けよう」
「あぁ、ヤマトお前はあの薙刀を持ってる奴だ」
俺はヤマトの相手にサイを指名し、俺はチンジャオとその息子を相手にすることとなった。
「フン、お前みたいなガキが親父と俺の二人相手に勝てるわけがねぇだろ」
「ハッ、井の中の蛙大海を知らずとはよく言ったもんだよなぁ…。お前みたいに無知である事を恥ずかしげもなく馬鹿はそうやって簡単に口にするから滑稽で面白い」
「~~~~~~~~~っ!!舐めるではないわ、このクソガキがぁっ!!」
チンジャオの息子の言葉にそう言い返すと、顔を赤くさせながら青龍刀を振り下ろして来るが俺には当たらない。
「くそっ、くそっ!!」
やたらめったらに振り回して来るチンジャオの息子に対して俺は失望の意味を込めて深く溜息を吐いた。
「~~~~~~~~~っ!!キェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッ!!」
それを見たチンジャオの息子は奇声を上げながら更に振り回して来る。
そろそろ避けるのも飽きて来た為、俺は拳に流桜を纏い放つ。
「白虎覇拳・波響」
「ぐぶおっ…!?」
俺の放った拳はものの見事にチンジャオの息子の鳩尾にクリンヒットし、血を吐き自船まで吹き飛んで行くのだった。
「ブー!?」
「オヤジ!!」
自身の息子(父親)の敗北を目にして驚きの声を上げるチンジャオとサイ。
「余所見をするな!!」
「ウルセェ!!」
ガギンッ!!金棒と薙刀が激突し、鍔迫り合いを始める。
「中々やるやい、女!!」
「君もな!!」
そう言いながら金棒と薙刀が激突し続けるも、終わりは近付いていた。
その理由は二人の実力の差にして戦闘経験の差でもある。
確かにサイは八衝拳の使い手の中でも実力はあるが、ヤマトは幼い頃からの
そして、ヤマトは覇王色の覇気の持ち主でもありその使い方を会得している。
だからこそ、原作の強さまで高めていないサイにヤマトの相手は務まらない。
「雷鳴八卦!!」
「
武装色と覇王色を纏った金棒と武装色を纏った武脚がぶつかり合うも、結果は見えていた。
軍配が上がったのはヤマト、一撃をもってして敵を粉砕して見せた。
「おのれぇ…!!ワシの可愛い孫のサイまでも手にかけおって…!!」
「そんなに大切なら
「貴様~!!許さん、許さんぞ!!」
俺の言葉にチンジャオは激怒し顔を赤く染め上げていた。
「我が八宝水軍への侮辱、死を持って償え!!」
「いやだ」
チンジャオの言葉に対し即答すると、チンジャオが更に言葉を続けて来る。
「許さん、許さんぞ!!」
そう言いながら空高く飛び上がるのだった。
「八衝拳奥義・無錐龍無錐釘!!!」
上空から落下の勢いを利用した武装色を纏った頭突きを放ってくるチンジャオに対して俺は真っ向から迎え撃つことにした。
人獣型へと姿を変え、拳を握り流桜と覇王色を纏わせる。
「白虎覇拳・崩牙!!!」
頭と拳、その二つの力が激突した時周囲に覇王色の覇気の衝突は暴風と爆音を引き起こした。
その結果、ヤマトを除く百獣海賊団・八宝水軍の船員達は全員が気絶してしまった上に落下の勢いで威力を向上させているチンジャオの頭突きに対して更なる力を持ってして覆そうとしている。
「凄い…、これがジョーカーの力…!!」
ヤマトは目の前で行われている戦いに感嘆の声を漏らすのだった。
すると、チンジャオの頭部に変化が起こった。
それは何かと言うと、かつての異名「錐のチンジャオ」と呼ばれる所以となった錐のように尖った頭部にへと戻ったからだ。
しかし、錐頭が戻ったといえ状況は変わらずチンジャオは殴り飛ばされマストに減り込まされるのだった。
「ひとまず戦闘は終わりだ、気絶している奴ら叩き起こすぞ」
「う、うん…」
一先ずの決着を付けた俺達は気絶している部下共を叩き起こすのだった。
その後、チンジャオ・サイ・ブーの三人だけを縛り上げ八宝水軍に見えるようにして俺は椅子に座り込み、骨付き肉にへと齧り付くのだった。
「……ハッ!!」
戦闘を終えしばらくすると、気絶をしていたチンジャオが目を覚まし頭部を確認する。
「ある、あるぞ!!私の錐が!!」
そう言いながらチンジャオは涙を流し頭を撫でると、俺とヤマトの存在に気付く。
「どうやらこの戦い、我等八宝水軍の敗北のようだ…」
「あぁ、そうだ。お前らは
「何が望みだ、新世界にいるお前達が
「八宝水軍の百獣海賊団傘下への加入」
チンジャオは自分達の置かれている状況下を理解し口を開き、俺が問いに答えるのだった。
そして、
「分かった、敗者は勝者に従うのみだ。これより八宝水軍は百獣海賊団傘下となる!!」
チンジャオの言葉に八宝水軍は従い、俺の任務は果たされたのだった。