Purgaturium/英雄 cupiditas 作:トラロック
放尿とは違う潮吹きを人生で初めて経験し、自慰行為に類似した行為を学び、快感を知る。
より正確に言えば男女の営みにして性行為と呼ばれる。
初めて知る単語。羞恥の連続。雌としての心構え。
短期間で人生の半分を学んだ様な気分になった。
(……ああ、やってしまった。やってしまったのだな、私は……)
シャワーを浴びながら情けない声を出した場面を思い出し、意気消沈する。
ある程度の覚悟を持った
上辺だけの決意は何の意味も無かった。
手足を欠損して人生を諦め、何も感じないと思い込んでいたほどなのに。結果としては恥ずかしいくらいの
(……堕落するとひたすらに快楽に溺れる。貞潔を守るとは自尊心をどれだけ保てるかにかかっている)
それはそれで美徳ではあるが今のアタランテには無縁となった概念だ。
奪われたのではなく自ら手放した。だから、後悔はしていない。――違う事でたくさん後悔しているけれど。
蔑んだところで綺麗ごとに変わりはないし、娼婦達はそれほど堕落した人種とも思えない。
他人の為に身体を許し、常に体調管理しなければやっていけない仕事に従事している。
客からお金を貰う仕事だ。適当では成り立たない。
「……だが、ここより他に知る術を私は知らない」
見ず知らずの夫婦に駆け寄り性行為の方法を教えろ、とか見せろとは言えない。
専門職ならば金を積めばある程度妥協してくれると踏んだから挑めた。そして、その想定が正しかった事を証明した。
少なくない投資はそれなりに痛かったが――
何度もため息をつきつつ身体を洗う。
ここに来て何度身体を洗っただろうか。もう数えるのも
洗っても洗っても股から透明な粘液が滴る。それだけ発情している事かもしれないし、娼婦達は気にしなくていいと言ってくれるけれど、下着が濡れたまま移動するのは存外気持ち悪いものだ。
それと股間を洗う時に恥丘やら陰核、膣などを意識してしまう為に羞恥心が蘇る。
手に触れるたびに熱い吐息を漏らし、それに気づくとより一層恥ずかしくなる。
こんな自分を主神キュベレーや女神アルテミスにはとても見せられないし、
そして、自分に呆れつつため息を何度もつく。
ぬるま湯につかっていた筈なのにのぼせたような赤い顔になり、冷たい水で何度も顔を洗う。
風呂から上がった後は新しい薄着に着替えて、しっかりと水分補給と食事を摂る。
次の講習の時間までトイレに籠って出せるものは全部出しておく。
夕方を過ぎるころには店の中が賑やかになってくる。どうやら何人か客が来たようだ。
毎日のように盛況ではないが一定の客が来る。盛り上がっているのは外の喧騒が入ってきているだけ。実際にはそれほど人気店ではないと店の責任者である山吹は苦笑しながら言った。
この娼館は普通を売りにしている。あまり奇抜では経費ばかりかかるし、客も入りにくさを感じる。
当たり前のことを当たり前にするだけ。身体が資本である娼婦達も体調が壊れるような仕事はやりたくない、と主張している。
どこの馬の骨とも分からない新顔に対し、懇切丁寧に対応してくれる彼女達には頭が上がらない。
「娼館に来る客は明日をも知れない人生を歩む冒険者が大半。残りは娯楽を目的とする者。比率で言えば冒険者が多い。お蔭さんで結構稼がせてもらっているよ」
「……そうか」
簡単な言葉だが、それしか言えない。
彼女達の主神の言葉によれば命の危機に陥る下界の住民は子孫を残そうとする傾向に走る。
健全な男女の出会いがしにくいこともあるので娼館の仕事は結構需要があるとか。
そう言われれば納得してしまう。他に仕事が無いから身体を売る、という目的だけではない事を――
ちなみに娼館経営する【ファミリア】はどれくらいあるのか、と尋ねてみたところ数十はあるのでは、と返ってきた。
占いでは【エロス・ファミリア】が出て来るけれど。
(……ああ、【カーマ・ファミリア】が居たな。後は【ラクシュミー・ファミリア】と【メスケネト・ファミリア】、【エイレイテュイア・ファミリア】だったか……。女神が多いというのはどこかで聞いた気がする)
彼女達の仕事を補佐する【ファミリア】もあり、全貌を把握するのは難しい。――副業経営も入ってしまうので。
それと娼婦達の肉体的な問題もある。
若さこそが武器。長く続けられる仕事ではない。
引退後は商店街に移り、今後の就職を模索するらしい。例えば引き続き娼館に携われる飲食業とか小物を販売する店など。
休憩中の娼婦達と仲良くなったものの別れの時間が近い事は忘れていない。
ここに来たのは知識を得るため。用が済めば自宅に帰らなければならない。
娼婦として働く事が目的ではない。それは人に言えるような大層なものではないし、蔑まれる
なにせ――
自分に合った
相手を痛めつける事態が少しでも減れば御の字だ。何も知識を持っていなければ凄惨な現場になってしまう可能性があったし、そういう想定を危惧していた。
彼女達の協力によって相手にも自分にも何が起きるのか分かって、内心では安心した。
己がこれから
(……ただ小便するだけだと思っていたのに。あれほどの疲労感が襲ってくるとは
……。『耐久』は関係無いのか? 外部から受ける痛みに関してある程度防いでいる筈だが……)
何度目かの風呂を終えて制服である娼婦用の薄着をまとい姿鏡で自身の姿を確認する。
色白だった肌がより白く脱色したような印象を受けた。それと疲労から脱したとはいえ顔色が
手足の欠損を除けば見た目に変化はあまりない。食事量が多いからとて腹が異様に膨れたりしないのが不思議だが。
準備が整う頃には移動の時間になった。
今更だが――部屋から出たくない気持ちが強い。
危険なダンジョンに何度も挑戦してきた戦士だった筈なのに。
(
頻繁に髪の毛を洗ったり、様々な髪型にされたりしたお陰か、それほど見すぼらしくない。白髪はあるが気になるほどではなかった。
尻尾の毛並みもいつもと変わらず。
一番変わったのは表情だろうか。
真剣な眼差しだったものが快感に狂う艶っぽい
(……生まれ変わったら獅子になりたい。……野生動物になったら本能の赴くままに活動し、本能の赴くままに……腰を振り続けるんだろうな……。……生き物なのだから仕方がない。理想と現実は違うと学んだはずだ)
鏡に向かって右腕を突き出す。
弓を握る手を失った。身体を支える為に必要な左足も失った。
ほんのわずかな間に色々な葛藤と戦い、敗北し続けた。戦士に舞い戻ろうとするのがそもそも未練たらしくてみっともない。
――それでも戦士のとしての矜持を捨てたくない気持ちが残っている。
「それは間違いなく言い訳だ」
惨めでも生きていかなければならない。娼婦達はこの世界で明るく振舞っている。
理由は色々とあるかもしれないが日々の生活の為、というのが一番多い気がした。その次辺りに客を喜ばせたい、というもの。これは料理人がおいしい食事をふるまう事に似ている。
恥ずべき仕事と断じることは出来ない。一番の恥はそう思っている――決めつけている――己自身だ。それこそが一番惨めでみっともない事ではないか。
アタランテ・ミリアという
そんな気がした。
理屈は分からないけれど死の影のような気配を感じる事がある。常に死線に身を置いていた為かは分からないけれど。
未来の自分を全く想像できない。絶望感の正体のようなもの。
確信をもって感じるところから、この運命から逃れる事はきっと――できない。
(死を司る神が居るならば……、もう少しだけ待ってほしい。一年でいい。私の我儘を聞き届けてもらいたい)
目を瞑り、顔を下に傾けて胸に手を当て、居るかどうかも分からない神に祈りを捧げる。――その様子を見つめるのは姿鏡に映るアタランテ自身。鏡像の存在である筈の彼女の口元が僅かに妖しく歪んだように――
僅かな祈りの後、決意を胸に秘めて改めて姿鏡の自分を見つめる。
娼婦
親切な彼女達に改めて頼る事態が起きない事を祈りつつ部屋を後にする。外は既に太陽が沈み切った後だった。
外の喧騒を聞きながら通路を歩いていると数人の客と娼婦が連れ立っている姿を見かけた。
客は冒険者、貴族、商人と様々であり、指定された部屋に向かった後は小さな声と振動が起きる。
遮音性について優れている部屋とそうでない部屋があり、当然のように料金にも差がある。
(……どれだけの従業員が居るのか知らないが……、客が多い方なのか?)
見掛けた娼婦は一〇人に満たない。しかし、部屋数は倍以上あるように思われる。
本格的に勤めるわけではないから詮索するだけ無粋ではある。
しばらく歩いて――杖を突きながらなので思ったよりも時間がかかった――目的の部屋に到着した。
ここは隠し部屋があると言われた部屋で魔石灯によって明るく照らされていた。
中には責任者の娼婦
「最後の日取りにうってつけの内容よ。覚悟はいい?」
「……はい。受けて立ちます」
うむ、と山吹は一つ頷いて化粧箪笥のような隠し部屋に入るように
表面上は衣装入れの箪笥だったが扉が付いており、それを開くと割と広めの空間が現れる。
下には座布団が敷かれ、事前に持ち込んだ飲み物や食事の様子が整っていた。それと何枚ものタオルも。
「扉を閉じると表向きには箪笥にしか見えなくなります。ですが、これを知っている客は誰かが入っているとすぐに気づきます。今回はバレでもいいので騒ぎ立てないように」
「はい」
「これから娼婦達が実際に
一つ一つ説明される度に頷いたり、返事を繰り返す。疑問などは今のところ出す機会ではないと思った。
箪笥部屋の内部は扉を閉めた後で明るく照らす予定なので今は暗い。
広さは寝転がることが出来るほどには広くないけれど身体を回転させたり、互いの位置を変えたりすることは出来る。
高さは二
これよりも狭い隠し部屋が他にもいくつかある。
床下の隠し部屋は万が一落下してもいいように使わない時は厚めの緩衝材を詰めている。後は物置替わりに使われたりする。
「一応、
おそらく声が出るような衝撃的な現場を見ることになる。それによって客を驚かせないようにする為には身に着けた方がいいと判断して首肯した。
太い棒を噛んだ状態にするもので、一度身に着けると涎が垂れる。他の猿轡も誰を防止することが出来そうにない、と理解した。
「これはここから出る時に着けてね。ここに入っている間は外していいわ。でも、静かにしてね」
「しょ、承知した」
「今日ここに来るお客様は私達がここに入っている事を知っています。あくまで講習の一環ですから。鶯のことは教えていません。新人が勉強のために入っているとだけ。だから、もし敵対【ファミリア】の冒険者や関係者だったら別の人に変えます」
「はい」
「娼婦の数が多めなのは貴女の身体を支える役です。暇そうな娼婦達ですから後でお礼を言っておくように」
それからいくつか説明を受け、全裸なるように言われた。
これから始まるのは男女の性の営み。たとえ見学であっても性的興奮をしっかりと学ぶこと、と厳命された。
それから隠し部屋の中で全裸なる頃、山吹の合図で室内に客と娼婦が入ってきた。
事前に協力を要請した客の一人は商人でアタランテの記憶にない
来客する種族に制限は無いがギルドの『
判断は店の受付で
「はいはーい。お客様、足元にご注意ください」
明るい調子で客を室内に招き入れるのは顔見知りになった娼婦の一人だ。
何の気兼ねも無く店員としてしっかりと接客している。いつもの調子のように。
恥ずかしい事をする店だと分かっているアタランテは羞恥心で顔が赤いまま。とも接客できるような気分になれない。
まず荷物を置いてもらったり、服を脱がしたり、甲斐甲斐しく娼婦は動いた。
部屋は入り口を通ってすぐに寝室になった造りだ。そこから風呂場に向かう扉があったりする。
場合によればベッドではなく敷布団の部屋もある。
「今日は新人研修の為に数人の従業員がおりますが、ご理解くださいませ」
「その分料金が安くなるんだから、構わないよ」
客の機嫌を取れればまた来店してくれるかもしれないし、他の客を連れてくるかもしれない。
店側にとっては貴重な収入が減るが後々の利益を考えて様々なサービスが考えられ、経済が回っていく。
ベッド脇に娼婦が二人控えているのは分かっていても恥ずかしい、と客は早くも頬を赤く染め始めた。
(……あれが男性器、チンポ……。えらくそそり立っているな。……緊張からか、それとも恥ずかしさか。……今の状態が『
自分には無い器官の様子にアタランテの瞼は大きく開いていた。
一度も見たことが無いわけではなかったが、このような店の中では――おそらく――初めてだ。
陰茎の下には離れていても分かるほど大きな陰嚢がぶら下がっており、身体が動くたびに大きく揺れた。
(あれを娼婦の膣に差し込むのか。というか入るのか? 指で広げた感じては無理そうな印象だが……)
真剣に観察する鶯の背中を山吹は優しく撫でる。
焦って物音を立てるのはよくない。変に警戒させては次の行動に支障が出る。
「申し訳ありません、お客様。今回はベッドではなく敷布団にて相手をさせていただきます」
「うん、了解した。手足は縛らないよね?」
「目隠しだけでございます。……ですが、相手の子には触れないように願います。私達は構いませんが……」
何度も頭を下げて客に許可を求める。これも接客業をする上で大切な事だ。
横柄な態度が出来るのは大手【ファミリア】が経営する店くらい。零細や弱小の店はとことん下に出て客からの信用と金を勝ち取らなければ生き残れない。
娼婦達はベッドを可能な限り片付けて、敷布団の用意を始めた。簡易的な造りなので簡単にベッドが解体された。
見物している客の身体が冷えないように別の娼婦が肩にタオルを掛けたり、肌を擦る。
先にお風呂に入りますか、と尋ねて待っているのも暇だと判断した客はすぐに頷いた。
一旦、客が居なくなった後でも現場は止まらずに続いている。
初めて見ることになった勃起したチンポにアタランテの気持ちは興奮状態になっていた。
知識だけでは分からないものがあるのだ、と。
山吹から唸ってばかりの鶯に落ち着くように、と指示した。
(……あ、ああ。すまない。喋れないが大丈夫だ)
「いきなり勃起したチンポは刺激が強すぎたかしら?」
嫌がるよりは熱心で見ていたので興味が無いわけではないと判断。
風呂から上がるまでの間、部屋を整えていく様子を眺めつつ鶯の胸を背中越しに揉みしだく。すると大きく蠢く彼女の尻尾が下腹部に触れた。肌を露出しているところにフサフサになった毛並みが当たり、とてもくすぐったかった。
男性客が部屋に戻るまでの間、会話も無く部屋の用意が整って数分後に裸の男女が戻ってきた。
既に水気が取られており、清潔感いっぱいの雰囲気を醸し出していた。それと体臭を誤魔化す芳香剤の香りが獣人の鶯の鼻をくすぐる。
部屋に戻ってきた男性客は速攻で布団に潜り込むことはせず、次にどうするのか担当娼婦の様子を窺う。
「ここから少しお手間を取らせることをお許しくださいませ」
「分かった」
機嫌よく客は言った。
用意していた厚めの目隠しを男性客の顔に巻く。この時、目元だけ隠れるようにし、鼻と口は露出したまま。
布の隙間から透けて見えないように木の板の欠片を目の部分に当てて、もう一度厚めの目隠しを巻いていく。
「苦しくないですか? 痛くないでしょうか?」
「大丈夫だよ」
「では、ここから新人研修を始めたいと思います。お客様には申し訳ありませんが我々の指示を聞いていただきます。まずは……、こちらまで……」
前が見えない客の手を引き、部屋の中央――敷布団の上に移動する。事前に掛布団は取り払っておいた。
見えない状況なので体勢が安定せず、ふらついているが介添え人の娼婦が側につきっきりで見張っている。
もう一人の娼婦の合図により隠し部屋に居た山吹達が姿を現す。
「では、まずは私のする事を見ていてください」
男性客担当の娼婦が彼のすぐ近くに移動し、膝立ちになる。鶯は猿轡を咥えたまま様子が見える位置に移動した。――山吹によって移動させられた。
娼婦の顔の位置に勃起したチンポが迫っている。
(先端が赤く腫れている。棒の部分は太い血管が……。亀頭というのだったな。その先端にある穴から小便とか射精なるものが出ると……)
自分には備わっていない肉の塊に改めて驚く、そんな彼女の胸を山吹は揉みしだく。
嫌がらない所を見ると諦めているようだ。これは事前に言ってあることだが、胸が大きくなるようにという願掛けのようなもの。
本当に胸が大きくなるかは本人の体質次第だ。
山吹は鶯の胸揉みを担当し、説明は男性客担当の娼婦が務めることになった。
目隠ししているが会話が聞こえる状態であることを周りに告げる。
アタランテが少し興奮気味に見つめている男性器について軽く摘まみながらここの名称を分かりやすく説明する。
ここに来る前に男性には精力剤を飲んでもらっている。――効果がすぐに出るわけではないが勃起するのが早いのはいつもの事だという。
「この部分が亀頭で、ここからおしっことか精液が出ます。ちなみに自慰行為する時はこんな擦り方です」
片方の手で亀頭を摘まみ、もう片方の手で陰茎部分を擦る仕草を見せる。
陰嚢には基本的に触らないが揉んだところで痛いだけだと説明した。男性にとっての急所でもあるので優しく触れるように、と。
鶯は一つずつ確認するように頷いていく。
「実際にはお互いの性器を嘗め合ったりしますが……、今回は男性のみで。普段、私達がしていることを見て下さいね」
「……ん」
鶯の頷きに苦笑しながら娼婦はまず舌先で男性の亀頭を嘗める。次に全体的に唾液で濡らすように。
その仕草の一つ一つが艶めかしく、鶯の心臓の鼓動が早まっていく。
予想はしていたが実際に見ると印象が変わる。
彼女が太く勃起したチンポを口に含むと頭を前と後ろに動かす。
「ああやって女性の口でチンポを気持ちよくするの。そのうち男性が限界を迎えると射精するんだけど……、口の中に放ってもらった精液はそのまま飲み込むのよ」
(……精液を飲む……)
「サービスの一環だから意味があるわけではないけれど……」
喋れない彼女に代わって山吹がおっぱいを揉みながら解説した。
揉むだけでなく乳首を強めに摘まんだり擦ったりもする。
そのまま射精まで口を動かさず、一旦チンポを引き離す。その際、唾液が糸を引いて垂れ落ちた。その様子を間近で眺めていた鶯にはとても淫靡な光景に見えた。
「時々尿意を催される方が居て、その際には零さないように飲むこともあるのよ。……おしっこだと分かって飲むのは意外と辛いけれど……、それもサービスの一つだから」
(……うぁ。そこまでするのか、娼婦の仕事というのは……。それでお金を貰えるのならば我慢できるか……。排泄物は……確か食べないんだったな。……食べてもいいが命の保証はされないんだったか……)
何でも要求を呑むわけにいかない。
娼婦達も身体を張っている。それゆえに定期的に健康診断を受ける。これは殆どの店で実地されている事だとか。
命の保証がされない仕事をしていては金を稼ぐどころではない。健康を第一に考えなければ命が無駄になってしまう。
次の行動に移る時、控えていた娼婦が客の身体を背後から支えるように腰の部分を掴んだ。
様子が見えるように、と鶯を二人の近くに移動させる。その時、客のチンポを咥えていた娼婦が徐に片足を挙げて
「良い眺めでしょう?」
鶯のすぐ目の前に大股開きになった事で大陰唇が開いた
そこで次に何が起こるのか予測は出来たが実際にどうなるのか、期待に思わず喉が鳴る。
これほど性に興味を持ったことはない。そんな気持ちが今、とても急激に強くなっていった。
特に客のチンポを見ていると目が離せなくなる。それと股間がむず痒くなり、早速愛液とやらが垂れ始めた。――食事と水分補給した為か、と少し情けなさを感じた。
「お客様。少々体勢が崩れますがご了承下さいませ。新人に様子を見せなければならないもので」
客の反応に不快に思われた点が無い事を確認した後、未だに勃起するチンポに向かって娼婦は女性器を近づける。
唸る鶯に静かにするよう山吹は小さな声で注意する。
そして、大陰唇と亀頭が接触し、少しずつめり組むように互いの距離が縮む。
娼婦は入れる前に軽くチンポを上下に動かして唾液によって滑った亀頭を擦りつける。
「ちゃんと見てるかしら?」
娼婦が尋ねると鶯の代わりに山吹が頷く。
しっかりと注目している、と。
(見ているだけで下げそうだ。……だから、猿轡を……。目の前で
それから説明は無く、行動によって示す。
客の太い男根が娼婦の狭そうな膣口にメリメリと擬音が聞こえそうな印象を与えつつ入り込んでいく。
気が付けば亀頭はすっぽりと膣の中に。
女性器は想像以上に柔らかく、裂けるような事態を起こさずにチンポの根元まで受け入れた。
しっかりと挿入された様子を見た鶯は口を開けて驚いた。悲鳴のようなものを上げようとしたが
入れた後は引き抜くように腰を引く、しかしすぐに腰を押し込む。それを何度も繰り返す。
回数が増えるたびに娼婦の呼吸が荒くなり、小さな喘ぎが漏れる。男性客も膣の締め付けに耐えるように鼻息を荒くして胸を上下させた。
「これが性行為よ。マンコにチンポがどうやって入り、どういう動きを取るのか見えるかしら?」
「……はあ、うぅ……、あはぁ……」
ある程度続けた後、マンコからチンポを抜き出す。その時、客は少し驚いた。折角始まったのに途中で
見学していた鶯はひたすらに興奮した。
ただでさえ女性器をいじられただけでも気持ちよかったのに、男性の太い男性器など入れられて擦られるような動きをされれば
淫らな行為だが神秘的でもあった。
互いの性器が融合して擦れ合う事で快感を得る。
それにチンポが抜ける時の膣の様子がとても刺激的だった。今も膣口が僅かに蠢き、白濁した愛液が垂れ落ちていく。
対するチンポは性的興奮の為か、より一層激しく脈打っていた。
見ているだけでは物足りないでしょう、と言いながら男性との行為の後なのに平然としている娼婦が鶯を立たせる。広がっていた膣口も既に小さく萎んでいた。
片足が無い為に安定しない体勢を別の娼婦が支える。その間、鶯はされるがまま。一切の抵抗を示さなかった。
この後起こることを既に想定していた。そして、分かっていても拒否を示さないのは自分の心が望んでいた事でもあると認めたからではないかと自己分析する。
嫌ならすでに逃げ出している。彼女達も換金する気は無いし、料金は既に受け取っている。早々に立ち去っても支障はない、と思っているのかもしれない。
「……挿入はしないけれど感触だけでも知っておくといいわ」
そう言うと鶯は頷いた。
嫌がる事も娼婦達は想定していたが大人しく従っているのが意外だと思い、次いで可愛いなと思った。
歳の頃は一番の若手ではないかと予想している。瑞々しい肢体。初々しい顔つき。
それが性行為に貪欲に興味を抱いている。長く務めている娼婦達は愛くるしい鶯をとても気に入った。
雇われなくても遊びに来てくれるなら大歓迎だと思い、出入りについて既に主神と相談していた。――アタランテの意志によれば歓迎する、との返答を貰った。
(……女性器に男性器を挿入し、腰を前後に動かす……。人前で披露するのはさすがに私も躊躇いを覚える。彼女達は私の為に
だからこそ逃げないと己に誓う。
ここまでお膳立てされて腰が引けては戦士の――元戦士の名折れ。
腰をしっかりと支えてもらい、仁王立ちになる。目の前には小太りの
容貌はそれほど醜悪ではなく、平均的な顔立ち。肥満とは言い難いが少しやせた方がいいと思う程度の体形。少し汗が出ている為に臭いが鼻に届く。しかし、風呂に入ったばかりなので嫌悪感は無い。
真下にあるのは脈動するチンポ。数分ほど放置されていて少しずつ小さく萎み始めている。
アタランテは自身に活を入れて彼の男根を掴んだ。少し冷えた女性の手に唐突に疲れたので客は小さな悲鳴を上げた。それに対し、娼婦達は大丈夫ですよ、と声をかけていく。
萎みかけた男根が力を取り戻し、大きくなる。それを自身の女性器に寄せる。
少しずつ前に移動し、亀頭が大陰唇に触れた。
硬く勃起している亀頭の感触に驚きつつ更に前に移動する。柔らかい女性器の為か、亀頭がどんどんめり込んでいった。このままだと膣口に挿入するのではないか、というところで止める。
相手の男根の脈動が直に女性器に伝わり、緊張が高まっていく。もし、ここで客が興奮などして一歩前に進めば容易に挿入が成ってしまうかもしれない。それに気を付けつつ震える手でチンポを膣に擦りつけるように動かす。
膣口、小陰唇、尿道、隠れた陰核が亀頭に擦られていく感覚に思わず熱い吐息が漏れた。
ゆっくりと上から下、下から上に移動させる。
(手で擦られるのと大差が無いが……、チンポだと思うと不思議な気持ちになる。勢い余って挿入になればきっと……、私は取り乱すな。見知らぬ客と性行為するのは抵抗がある。やはり最初は自分が選んだ雄でなければ……)
そう思いつつも手の動きは止まらない。
尿道を刺激されている男性側は柔らかい女性器に擦られていると目隠し越しにも分かったが、気持ち良くて何度も上擦った喘ぎを漏らした。
女性だけではなく男性も興奮すれば息遣いが荒くなる。
(見た目はスベスベだと思ったが擦りつけると程よい刺激を受ける。……昼頃散々擦ったからか、それほど気持ちがいいわけではないな。だが、感触は悪くない)
大陰唇の内部はあまり触れない部分だが亀頭も普段は隠れていて敏感な筈――お互いの秘部を擦り合わせるというのは気持ち的に背徳感のようなものがあった。
互いの性器を合わせている、というか自分から望んで受け入れようと努力している。
もし、両手が健在ならもっと激しい動きを取っていたかもしれない。不自由だからこそ自制が利いた。それに相手がアタランテだと認識していなくて良かった。知り合いなら顔を真っ赤にして逃げ出す自信があり、あっさりと死を覚悟していたかもしれない。
こんなに恥ずかしい事をしている姿を誰かに見せたい気持ちなどありはしない。
女性器への擦りつけは山吹に止められることで中止した。
次は立ち膝になるように言われて了承する。
鶯側からの文句はなく、山吹の命令に今のところ異議を唱えない。ただ、
一旦猿轡を外し、小さく礼を述べると山吹達は安心したのか、それぞれ笑顔を見せた。
(私の本心など誰も知らないし、相手側の気持ちも分からない。ここは自分から言っておく方が得策だろう)
(えらく純情だから裏があるかと思っていたけれど……。本当に興味があったのね。……どこか無理矢理やらせているんじゃないかと危惧していたけれど)
(ここで怒られるとお客さんに迷惑がかかる。……でも、良かった。このまま続けて良さそうで)
(……何度も中断して実にもどかしい。どんな新人なんだろう。膣の感じだと処女っぽいんだけど……。低年齢の子は勘弁だよ。私のチンポは自慢じゃないが幼女向きじゃないくらい太くて大きいんだから)
三者三様にそれぞれ納得したり笑顔になったり苦笑したりした。
それぞれが落ち着く頃、アタランテは次にすべきことを理解した。先ほど娼婦の膣に入り、自分の性器に擦りつけた脈動するチンポを咥えること。
太く勃起した亀頭が果たして自分の口に入るものなのか。娼婦の口の大きさから言えば可能かもしれないが顎が外れそうな予感がして苦笑を覚える。
「歯を立ててはいけません。唇だけで気持ちよくしてください」
「お客様。これから新人が気持ちよくしてくれるそうなので、そのまま最後まで放ってあげてください」
「いいのかい? どんな娘か知らないけれどお手柔らかに」
目隠しされた男性客に対し、鶯はただ頷きで答える。
左手で男根を支え、最初にする事は先端部を嘗める。唾液で濡らしてから口の中に入れていく。
既に濡れているけれど作法として
(口全体に歪な形のチンポが擦られていく。亀頭は引っかかりがあって歯に当てないようにするのは難しそうだな。膨張しているけれど適度な弾力がある)
「喉の奥に届くと吐き気を覚えるけれど、我慢するように。これは慣れが必要なの」
噛み砕けないものを喉の奥に入れる事はまずない。どうなるかもあまり想像が出来ない。
近い例えを探すと口に手を突っ込んで毒物を吐瀉する事か、と。それならば確かに苦しいに違いない。
相手が客でなければ噛み千切っている。そもそも誰が好き好んでチンポなど咥えたがるのか。
(……娼婦としての仕事だから。あるいは……膣に入れやすくするための前段階……)
僅かに怖気ずくものの表情を引き締めて一つ息を吐く。そして、最初の段階として亀頭を丸のみにするように頬張った。
唇から舌の上に滑るように入り込む亀頭。それ自体は何でもなかった。
「おおぉ。入った入った」
亀頭が丸々口の中に入った途端に娼婦達から賞賛の様な吐息が漏れた。
獣人の歳若い娘が男性客のチンポを咥える姿にそれぞれ頬を赤らめたり、大きな胸や股間に手を当てて凝視した。
鶯はそのまま指示が無いまま舌を動かす。
亀頭の下部は複雑な形をしており、例えようのない感触があった。――亀頭の下部を嘗められている男性客はいじらしい感触に小さく呻くものの抵抗は見せなかった。
嘗め終わると更に奥に男根を入れ、喉の奥に到達するとえも言われぬ嘔吐感が襲う。
山吹は鶯の背中をさすり、落ち着くまで動かないように、と言った。
落ち着いてきた頃にチンポから引き離すように頭を引く。
歯を立てないように。唇に亀頭が来たらまた奥に押し込む。それをゆっくりと繰り返す。
娼婦がしていたことを真似るように。
引き戻す時に亀頭の引っかかり部分が口腔内を擦っていくのが分かった。この部分が膣を刺激するから女性が気持ちよさに喘ぐのか、と理解する。
「偉い偉い。そうそう」
尻尾と言いそうになった娼婦が咄嗟に口を閉ざし、彼女の尻尾の動きを目で追う。
苦しみながら口でチンポをしごくアタランテの尻尾は目まぐるしい動きを見せていた。だが、客のところに行かないように山吹が両手で動きを制限する。
自分も
「……ああ、狭い口で気持ちがいいよ。……まさか幼児ではないだろうね?」
「違いますよ、お客様。私達に比べれば若い娘ですが……。あと
「お客様のモノが太くて大きいだけですよ」
それから客には伝える気は無いけれど嘔吐感と戦っているアタランテは泣きながら頑張っていた。
嫌だから、ではなく嘔吐感に堪えようとしている為だ。この辺りは他の娼婦も経験してきたので同情の眼差しになっている。
最初は苦しいわよね。一〇人くらい経験してやっと泣かないで出来るようになった、など。
雄のチンポを咥えている姿をもし主神や女神アルテミスが見ていたら――
そんなことを思い浮かべた。
間違いなく叱りつけられ、なんと無様な姿か、と最悪軽蔑される。妄想とはいえ現実味を帯びた怒声は酷く心に刺さる。
娼婦に身を堕としたわけではないが、それよりも尚悪い方向に行こうとしている自分には他に方法が浮かばなかった。
手足を再生させるなり、義手などを身に着けて華々しく冒険者に返り咲く事も出来た筈だ。それをしなかったのは――
戦士としてやっていくことに絶望した。
怖くなって逃げだした自分がどの面を下げて【ファミリア】に戻れるというのだ。何より自分が一番許せない。
娼婦の身の上でもまだ甘いくらいに。
(言い訳ばかりだ。……単に私は……足手まといになりたくなかった。……ただ無心に神の為に働ければ……、それだけでよかった)
団長アルテミス・タウロポロスのように。
尊敬する
折角資金稼ぎしたのにアタランテの治療費の為に【ファミリア】の保有財産の何割かを消費させてしまった。――そこで自分の心は完全に砕け散ってしまった。
(治療費もそうだが一番は『
大勢に迷惑をかけた。少なくともそう思ってしまった。
挽回にも金がかかる。なら、命で
自分の命程度では安い、とアタランテは思い込んでいるけれど。安易に命を粗末にする事もまた憚られる、と頭では分かっている。
まず女神アルテミスへの詫びはすぐに浮かんだ。主神キュベレーに対しては――実のところ何も浮かんでいない。
一先ず貧民街で余生を過ごすことにした。それから自分を貶めて娼婦の店に訪れ、現在進行形で見知らぬ雄のチンポを咥えて吐き気と戦っていた。
よがり狂うほどには理性を失っていないけれど、いずれそうなりそうな予感がした。
「……苦しいなら一旦止めてしっかり吐いてもいいのよ。常連さんはだいたいこの苦しみを理解してくれているし」
結局吐く事になるなら嫌いうちに出してしまえばいい。無理に耐えるのは客に失礼だと気づいた。
ちなみに、と言いおいて現場に居る娼婦の殆どが嘔吐を経験していると言ってきた。
客に向かって吐いて怒られた事の一つや二つは誰しも経験している、と。
練習する時、
実戦で試行錯誤するのが一番いい、という事でこの店は落ち着いた。客の料金を犠牲にして。
だいたい泣きながらやる事ではない、と山吹に言われたのが一番心に刺さった。
客に謝りつつ作業を一旦休止させ、鶯の背中をさすりながら嘔吐感を緩和する。
こういう事もあるかと思って事前に用意していた桶に顔を向けさせる。するとすぐに嫌悪感を抱き、猛烈な吐き気と共に吐瀉した。
何度も風呂に入って体温が上がり、不慣れな場所も相まって体調に異常をきたしたのかもしれない。
レベル3の【ステイタス】をもってすら耐えきれないくらいアタランテは内に溜め過ぎた。
吐血の症状が無い事を山吹は確認し、ほっと一安心する。もしかして不治の病では、と疑っていたので。
ケガによる障害は許せるが病気は基本的に駄目だ。客に迷惑になる。
健康診断では見抜けない事もある、と心配していた。山吹は大丈夫という合図を娼婦達に送る。
客には手の空いている娼婦達が身体を揉んだり、精力剤を飲ませたりして気遣っていた。
新人教育というのは頻繁にあるわけではない。口頭だけでは分からない事態も想定されるべきである。
吐き終わった後は水で口を漱ぐ。娼婦達は慌てることなく対処していった。
「……さっから唸っていたけれど、大丈夫なの?」
「唸るというか呻いているだけです。新人の子の都合で何も喋らない事になっておりまして……。お客様には大変ご不快なことと存じますが……、なにとぞご容赦のほどを」
(……怒っていなければそれでいいんだけど……。口に大きなものを入れるっていうのは辛いんだな)
何度も利用したことがある常連だからこそ穏便に済んでいるが来店数の少ない客であればわりと早いうちに激高される。
安くない料金を払っている、という意識が働くので。
暴力的な客の大半は上級冒険者だ。この界隈ではレベル4当たりになる。それ以上はさすがに大手【ファミリア】の御用達なので小さな店には殆ど来ない。――余程酔狂な者でもない限り。
吐き終わったアタランテはしっかりと口を
それが出来たのは娼婦達の手際の良さがあったからこそ。およそ三分ほどで用意が整った。
「……大丈夫? これを乗り切れば貴女の役目は終わりよ」
山吹の気遣いに青い顔の鶯は頷いた。
嘔吐したばかりなのですぐ体調が回復するわけではない。だが、ある程度の不快感は拭えた。
その間、客の萎えてきたチンポは熟練の娼婦達によって勃起が維持されていた。過度に刺激せず、かつ過度に興奮し過ぎないように気を付けながら。
目隠している状態の客を決して不安にさせないように声掛けも絶やさない。
やる気があるようだと娼婦達は認め、もう一度挑戦する事になった。
同じ体勢になり、亀頭を嘗めるところから。
他人のチンポを口に含んだ後、急に奥に押し込まず、舌の動きで様子を見る。
それから少しずつ頭を動かして唇だけで男根に刺激を与えていく。
無理に喉の奥に送り込めば言い知れない吐き気に襲われるので注意する、と自分に言い聞かせる。
唇を滑る音が嫌にいやらしい。獣人の耳だからそう感じるのか。
喘ぎ声よりはマシとして行動し続けた。
舌に伝わるチンポの感触はとても良いものとは言い難い。雄の排泄器官を女性の口に入れるなど普通では考えられない事だ。
(……元冒険者がまさにそれを
それも自分から望んで。
相手に触れないようにしている為にわりと無茶な体勢だがそれぞれ娼婦達が身体を支えてくれているお陰で転倒は避けられている。
そうでなければこのままチンポを食い千切る事もありえたかもしれない。とても食べたいとは思わないけれど。
ふと、山吹が用意した手鏡に気付き、チンポを咥える己の姿に物凄い羞恥を感じた。
自分の視線では見えないが他人からはこう見える、というのを知らされ思わずくぐもった呻きを漏らす。
「新人はとても熱心にお客様の男根をしゃぶっていらっしゃいます」
「そうかい? とても丁寧な舌遣いでありがたいよ」
ありがたいわけがない、と言い返したいとこだが口が塞がっている。
それと手鏡で見るのは――多少の嫌がらせが無いとも言い切れない――娼婦としての行動を確認する上で大事な事である、という先輩からの教えだ。
他の娼婦達も同じように特訓をしてきた。
時折山吹から目を瞑らないように、という小声の指示が飛ぶ。
(……早くも限界です。キュベレー様、アルテミス様……)
歳若い獣人の少女アタランテは今にも悲鳴を上げたい気持ちに駆られた。けれども身体は止まらず、必死になって男性客のチンポを気持ちよくするために頭と舌を動かし続けた。
先ほど娼婦が見せた性行為で興奮を覚えた為か、今も膣から透明な粘液が滴り落ちている。
それを山吹が指で掬い上げてチンポに塗る。それがまたとても恥ずかしかった。
自分の愛液が唇にまとわりつき、いやらしい擬音が強くなる。
「苛めだと思うなかれ。これは普段彼女達が一人で客を相手にする時、自発的に
「最初はとても恥ずかしいけれど、これで私達はご飯を食べる。戦える冒険者と違って」
「もちろん、男女の睦言にも役立つから覚えた方がいいわ。夫婦もそう。相手をその気にさせないと何もできないままよ」
色んな言葉を投げかけられるが、聞いている鶯はチンポを咥えたまま。それはとても恥ずかしいし、返事のしようもない。
無駄な言葉のやり取りを求めていないともいえる。
彼女達の話しは男性客も聞いている。彼は興味深く聞き入り、新人はどんな子か想像していた。
(……触れられないところから……、アマゾネスという気がしない。素直らしいからドワーフとエルフも除外。
相手に触れられない体勢を維持するのは小太りな体形である男性客には結構重労働だ。側で支えてくれる者が居なければまともに立っていられない。
正座するわけにも四つん這いになるわけにもいかない。いつも調子であればベッドで抱き合い、コロコロと体勢を変えていける。疲れれば仰向けになればいい。
ここに来て、少し運動した方がいいかなと思い始めた。
見知らぬ男性客のチンポを口に入れて五分ほど経過した。通常であれば顎が疲れてくるが元冒険者の【ステイタス】の
なにより体勢がお互い悪い。
相手に触れないようにしている為に鶯は膝立ちしたまま両腕をだらりと下げている。対する客は娼婦に支えられているけれど、前後に身体を揺らして実に危なっかしい様子だった。
実際には相手の頭や肩に手を置くところ。
(口の中を擦られても気持ちよくはならないが相手は気持ちいいのか。亀頭が擦られるから。もし、膣であれば男女ともに気持ちがいいのだろうな)
噛み付かないように気を付けているのと鼻息だけで呼吸している為に結構苦しくなってきた。
しかもただチンポを咥えているわけではなく山吹におっぱいを揉まれ、別の娼婦に膣を擦られている。少しでも性的興奮を感じながらできるように。
既に教育というより単に触りたいだけではないか、と疑っている。それに昼頃に味わったので股間の方はくすぐったいだけだ。
一日に何度も潮吹き出来る訳ではないらしい。
鶯側に余裕が出来る頃、男性がそろそろ出るかも、と呟いた。
「では、そのまま彼女の口の中に放ってあげてくださいませ」
「顔が見えないのが残念だけど」
「可愛らしいお嬢さんですよ。私達の仕事を熱心に勉強なさっておいでで」
そうか、と男性は言いおいて彼女の頭をしっかりと支えるように指示を出した。それと同時に男性の身体を支える役の娼婦達も掴んでいる手に力を籠める。
これから少し乱暴な動きになるけれど落ち着くように、と山吹が小声で鶯に伝えて来た。
一旦女性側の動きを止め、代わりに男性が腰の動きを速めた。
舌の上と口の中の上部が同時にチンポに擦られていく。それと同時に鼻息が荒くなる男性の吐息が聞こえる。
「……口の中に射精されるけれど、終わりの合図まで大人しくしているように」
「………」
口の中を移動いる奇妙な音を聞きながら
数分も経たずに男性が呻いた瞬間、喉の奥に何かが噴射された。それも何度も。
口元まで引いたチンポを娼婦の一人が指で
少し呻いた後、大きく息を吐く男性。まるで重労働の後のように疲れ切った顔になって終わったよ、と告げた。
それから鶯の口からチンポを引っ張り出す。まだ少し勃起したままだが見る見るうちに萎えていく。
出て来た亀頭の先端は白い粘液がまとわりついていた。
「まず舌で口の中のものを味わいなさい。それが男の味よ」
(……男。この苦いのが
鶯が感心している内に男性の亀頭は担当の娼婦が嘗めて綺麗にした。
お疲れ様です、と言いおいて。
山吹からの見なさいと指示され、口の中に放たれた粘液を飲み込む。すると鼻を抜ける独特の匂いが抜けて、喉の奥に温かくて苦いものが落ちていく。
雄特有の風味というか味を知り、下腹部がとてもむず痒くなってきた。
今度はあのチンポを膣に入れたい、という気持ちかもしれない。けれどもこの男性のチンポでは駄目だ、と自分に言い聞かせる。誰でもいいわけにはいかない、と。
男性を休ませている間、口を洗わずに待機するように言われた。
しばらく雄の味を覚えているように、と。
娼婦達は甲斐甲斐しく男性の世話をし、部屋を出たり入ったり
(……まだ精液の風味が口の中に……。一つ一つ登ってはいけない階段を上がっているようだ)
僅かな期間に自分の知らない世界をたくさん知り、たくさん驚き、たくさん――何かを失っている気がする。
それは自尊心か、
既に貞潔を守る気はなく、処女を捨てる予定だ。ただし、尊厳だけは守り切らなければならない。それを越えてしまったら迷宮都市オラリオで生活する事はおろか、人々の中に居る事も難しくなる。
「お客様。今日は新人の為にお世話を掛けました。つきましてはこのまま続けさせて頂いてもろしいでしょうか?」
「私はまだまだやれるよ」
目隠しされた男性はにこやかに答えた。
新人はこのまま見学に回り、目隠しは取れないけれど本来の業務に入ると告げた。
山吹はアタランテを手を引き、ベッドのすぐ近くに座る。
「さっき途中で終わった性行為の続きよ。最後まで見たいでしょう?」
「……はい。本来の性行為がどういうものか勉強させていたただ来ます」
「いい返事ね」
だけれど表情は死んでいた。取り返しのつかない事をしてしまった、という顔だ。
新人の何人かは鶯のような顔になり、そのまま姿を消す。その後の消息を調べたりしないが別れは何であれ、悲しい気持ちになる。
アタランテも二度と来ない気がした。元々、娼婦として働きに来たわけでない。
人生の最期に知りたいことを学ぶために来たのかもしれない。そうして彼女も人知れず屍と化す、かもしれないし新たな目的を見つけて希望を見出すかもしれない。それはそれぞれの人生だ。山吹はただ要望に応えるだけ。
これからもそれは変わらない。
「目隠しのままというのも意外と刺激的だね」
担当娼婦に手を引かれ、男性は布団を取り払った敷布団に寝転がる。
枕などの位置を確認する頃、別の娼婦は香炉の様なものを部屋の片隅に置く。
気分を高揚させる効果のあるものだと山吹は説明した。店の予算ではあまり高価なものは用意できないので安物が多い。
あまり煙たくなると仕事どころではなくなるし、ボヤ騒ぎになる。
歓楽街は店が密集しているので火気厳禁が基本だ。
「……まず、足元に移動しなさい」
そう山吹は鶯に指示した。
体勢によって見やすい位置が変わるので、その都度命令を下すと告げた。それから男女の営みが始まる。
見えないながらも手探りで娼婦の豊満なおっぱいを揉んだり、腹伝いから股間を割り出して陰毛が生えている女性器に顔を埋める。
常連にとって攻めるべき位置が予想できているので、女性が頻繁に位置を変えない限り問題は無い。
一度射精して萎えた男根が再度大きくなっていく。
準備が出来たと確信した男性は女性器に向かって腰を突き付け、娼婦は近づいてきた男根に触れつつ引き寄せて膣に当てる。
「ここです、お客様」
「随分と待たせてくれたな」
鶯のすぐそばで亀頭が小さな膣口に押し込まれていく。それを熱心に凝視する
肉を裂くような音が聞こえたが血は出ない。
客の邪魔にならなければもっと近寄ってもいいと許しを得たので鶯は身を乗り出して観察する。
既に亀頭部分は女性の体内。奥にチンポが入る度に女性の下腹部が盛り上がる。
彼が腰を引くと娼婦は小さく身悶える。腰を突き出すと甘ったるい喘ぎを漏らす。
男性側はただ唸るだけ。女性違い、様々な嬌声を上げたりしない。
(……ただ入れるだけじゃなくて腰を動かす。口でやった動きを……。歪なチンポが適度に膣の中を刺激していく……)
体勢が安定すると一定の速度で腰を振るう。それに合わせて男女ともに独特の声を発する。
見ているアタランテは本格的な性行為にただただ興奮を覚え、尻尾を逆立てながら注意深く観察していく。――そんな彼女の様子を眺めていた山吹は獲物を窺う野生動物のよう、と評した。
真剣に見ている為か、太腿を愛液で濡らしながらあちこちに移動する。もはや完全に性行為の
腰を動かすのに疲れた男性は娼婦を抱いたまま寝転がり下になる。そして、繋がったまま上になった娼婦はあちこちに移動する鶯の様子に苦笑を覚えつつ彼女の為に見やすい体勢を取った。
一旦状態を逸らし、性器同士の接合部分を見せた後、腰を浮かせチンポが抜けきらないように気を付けながら膣の根元まで入れ込む。この動作を熱い吐息をつきながらゆっくりと繰り返した。
両手は男性と握り合う形になっている。
彼女が腰を上下させると豊満な胸も連動して動く。
接合部から粘液がくっついたり離れたりする音が鳴り、次第に泡状になって白濁していく。
ずっと同じ動きばかりでは飽きたり、疲れたりするので色々な体勢を取る事があると山吹は小さな声で説明する。
(……男性だけが動くわけでなく女性も頑張って腰を振る事もあるのか。こんな恥ずかしい事を自分からするのは……、凄いな)
感心しているとマンコからチンポを引き抜き、娼婦は四つん這いになった。ここで山吹が男性客を起こして娼婦の背中に彼の手を持っていく。
目隠しているので本来は介添えはしない。
結構な運動をしたためか、小太りの男性は息が上がり気味だった。女性の方も僅かながら呼吸が荒い。手足が少し震えていた。
何も知らない者が見ればどうして疲れるのか理解できない事だが、当事者にとっては快感と同時に受ける疲労が日常の倍以上になって襲ってくる。理由は――勿論――分からないが昔から性行為はそれくらい疲れるものだという認識だった。
射精すると更に疲労度が増す事も最初だけ疑問に思う。後はそういうものだと流してしまう。
疲れを感じている男性のチンポを山吹が持ち、担当娼婦の膣に当ててどうぞ、と告げる。
礼を述べた後、感触を確かめるように腰を前に動かし、チンポがマンコに沈み込むのを確認する。
「……あ、あぁ……あはぁ……」
一旦入れば後は感覚だけで性行為が再開できる。
四つん這いになっているのではたから見れば動物の交尾のように見えるがアタランテはそのような現場を知識でのみしか知らない。
常にモンスターと戦っていた戦士は生物の営みに対する知識は娼館に来てから本格的に理解し始めたばかりだ。だが、それでも見た感じから交尾だと思った。
獣人である自分も男性のチンポをマンコに受け入れ、腰を突き出される度にあんな風にみっともない喘ぎを漏らすのだろうな、と。
男性が女性の背中に覆いかぶさり、垂れさがる乳房を鷲掴みにしながら腰を動かす。それを見ているアタランテは自然と胸と股間に手を当てる。だが、右手が無いので胸を突っつく事しかできない。代わりに左手で膣を擦った。
娼婦が喘ぐのと一緒に自分も熱い吐息を貰いつつ目は性行為に釘付けだ。
山吹は現場で起きている様子に何度か頷きながら見守っていた。
行為の途中で娼婦が痙攣するような動きを見せる。一度大きく声を上げた後、脱力したように布団に顔を
山吹が今のが彼女の絶頂です、と言った。しかし、男性は腰の動きを止めずに性行為を続ける。するとしばらくして息を吹き返したのか、女性はまたも喘ぎ始める。
腰のあたりを見るように言われ、そちらに顔を向けると掛布団が濡れているのが見えた。それどころか腰を突き入れるたびにビチャビチャという音と水気が飛び散るような現象を目の当たりにする。
「潮吹きした状態で続けるとああなります。快感が継続するので特に問題はありませんが……、掃除が大変になります」
「……は、はぁ。あんなことになって彼女は……大丈夫、なのか?」
「膣から吹き出ているわけではないので大丈夫ですよ。おしっこの場合だと辛くなります」
潮吹きも個人差があり、大量に出る人と僅かな量しか出ない人が居る。
感心している内にも男性の腰の動きは止まらない。
見ている内に二人が汗まみれになっているのが分かった。性行為は想像している以上に重労働である、と。
涼しい顔で先ほどから解説している山吹も激しい性行為を見ている内に気持ちが高揚して股間を濡らしていた。といっても下着に染みを作る程度。
山吹も娼婦なので性行為が大好物だ。気を紛らわせるために度々鶯の股間を触った手の匂いを嗅いだりしていた。
通常、娼婦の仕事現場に居合わせる機会は殆ど無い。それぞれ客と二人きりになるからだ。山吹は出来る限り平静を装い、事が終わるのを待った。しかし、興味津々のアタランテが凝視しながら布団周りを駆け巡る様子がとても愛らしく、彼女の様な可愛らしい娘が欲しいと思った。
環境など様々な理由で子供を育てられないので妄想で楽しんでいる。
「……熱い。疲れた。気持ちいい。……今日は色々あって実に楽しい」
そう話す男性と相手の娼婦は共に息が上がっており、興奮というより体温の上昇で顔が赤くなっていた。
たたでさえ肥満体系の客は風呂上り様に汗まみれだ。すぐさま山吹がタオルを用意し、二人の汗を拭う。これは本来の仕事には無い。
乾拭きした後、部屋に備え付けの保管庫から飲み物を用意し、それぞれに渡す。
一息ついたところで性行為が再開される。
「はあ、はあ……。ああもう……今日は泊まりかな……」
「寝室の用意をさせましょう。それとお食事も」
山吹の言葉に一つ頷いて腰の動きを一層速めた。そろそろ射精の限界が近くなった。
男性の腰が女性の尻に当たる度にビタンと音が鳴る。それと同時に喘ぎ声も大きくなる。
この段階になるとチンポを突き入れられている娼婦は動物の鳴き声の様な悲鳴じみた嬌声しかしなくなる。
その声がアタランテの下腹部を刺激する。
実際の艶めかしい嬌声を聞くのは
(……ああ、こ、これが自慰……。いつの間に……、いや、いつからやっていたんだ私は……。手がこんなに濡れるまで……)
意気消沈しつつも熱い吐息を漏らしながら性行為の行方を見守った。
娼婦が喘ぐとどうしても下腹部が気になり、膣に手が行く。性を貪る女性のありのままの姿に感化されたのかもしれない、と思いながら。
アタランテが戸惑っている間、男性はギリギリまで性行為を続けようとして腰を振り続けた。娼婦は間断なく喘ぎ続けるだけ。他の言葉を発さなくなった。
その内、女の尻をしっかりと掴み、息が上がっているのも構わず獲物に襲い掛かる野獣の如く腰を打ち付ける。
「ふー、ふー、ふぅ……」
「あっ、あうっ、あっ」
言葉を交わす事もなく、ただただ室内に熱い鼻息と喘ぎ声が響く。
見ているアタランテも少し気が遠くなりそうな感覚になりながらも最期まで見届けようとしていた。
それからすぐに一際大きな鼻息と共に腰を打ち付け、何度か経験する男性。
「……うっううっ!」
それは呻くごとに身体を跳ねさせる。
少し腰を引いから押し込むとまた唸った。女性の方は軽く男性と同じく身体を跳ねさせるも大人しかった。
腰を密着させて数分ほど二人は息も絶え絶えになり、深呼吸をし始める。
「……つ、疲れたー。ふぅー、久しぶりに出したわ。お嬢ちゃんに出した後なのに……」
「お疲れ様でした。お客様は一旦仰向けになってくださいませ」
「……ああ、もう動きたくないねー。……あー、気持ちよかった」
山吹の補佐を受けつつ娼婦からチンポを抜いて仰向けに寝転がる男性客。
彼のチンポは急激に小さく萎んでいった。
同じく疲労困憊に陥っていた女性も仰向けにさせる。激しい運動の後を物語るように汗まみれの上、荒い呼吸で胸が上下した。
事後の処理として本来は担当娼婦の仕事だが山吹が鶯に男性客のチンポをしゃぶって綺麗にするよう指示した。その際、口元に人差し指を当てた。
命令を受けた鶯は無言のまま頷いて男性客の下に向かい、白く濁った粘液にまみれたチンポを口に含み、唇を使って汚れを取り、最後は全体を舌でなめて綺麗にした。
それが終わると山吹は女性器を指さして綺麗にしなさい、と命令した。その時、彼女の膣から白い粘液が漏れ出ているのが見えた。
「それが射精された精液です。精子とも言いますが……。指でかき出すなり、舌を使うなりしなさい」
「……ん」
娼婦は鶯の為に後を広げた格好になって待機した。
先ほどまでチンポを出し入れしていた膣が微妙に動いており、それを見ているだけで何となく恥ずかしさを覚える。
他人の性器を近くで観察することなど今まで考えた事も無かった。
(……どんどん溢れてくる。こけだけの量を出したのか。愛液と違って白い……。それと独特の匂いを感じる。……嗅いでいるだけでまた下腹部が反応する。これが雄の魔性なのか……)
既に精液を飲むことを経験した為か、雄の精子を嘗めたい衝動に駆られた。
今も口に残る彼の味――それをもう一度味わいたいという願望が湧いてくる。
熱に浮かされたような赤ら顔で大股開きの女性の下半身に飛びつくように顔を埋め、彼女の膣に舌を滑り込ませる。
苦みと精液の匂いを同時に感じ、餌を与えられた飼い猫のようにピチャピチャと音を出しながら精液を嘗めとっていく。
嘗められている娼婦が驚いたが山吹も驚いた。そして、互いに興奮を覚えた。
娼婦の方は疲れからか、それほどでもなかったけれど膣に舌を入れられるだけで気持ち良かった。対する山吹は早く仕事に戻りたくなった。
小さな店に来てくれる客はそう多くない。常連を除けば一日に五人来たらいい方だ。それと毎日のように来てくれる精力絶倫の客は居ないし、今回の講習に付き合ってくれた彼でさえ週に一回程度だ。――今回は無理を承知で頼んで来てもらった。
(忙しかったら鶯の講習自体出来なかったと思うけれど……。もう少し客足が伸びたらいいのに、とは思うわね)
(……ああ、苦いのに美味いと思ってしまう。どうしてだろうか。匂いがいいのか? それとも感触か? まだまだ奥に入っているな。こんなに出せるものなのか?)
(……舌遣いが上手いわね、この子。あはっ、気持ちいい。気持ちよくておしっこ出そう……。ええっと……、しちゃっていいわけ? 足腰ガタガタでトイレに行けないんだけど……)
自分の意志とは関係なく性行為を終えてからずっと腰の痙攣が止まらない。足を動かす事だけは出来るが立ち上がれない気がした。
寝たきりの娼婦は山吹にタオルを持ってくるように頼んだ。それと小便が出そうという事を男性に聞こえないくらいの小さな声で伝える。
すぐに事情を察した山吹は鶯におしっこを飲めるか聞いてみた。
口回りを精液で汚しながら頷きで返答した。ここに来て精液と小便も一緒だ、みたいな感じになってしまったのかもしれない。だからこそ気悲観は無く、飲めと言われればウンコでないかぎり出来そう、と。
いくら精液に夢中になっているとはいえ茶色いウンコを頬張る度胸は湧いてこない。想像しても顔を顰める結果だ。速攻で無理と言う自信がある。
そのお陰で気持ち的に冷静になれた。
飲めるのであれば任せると言いおいて山吹は風呂の様子を見に行った。
アタランテは疲労で起き上がれない彼女の膣内に残った精液を吸い込んだり、嘗めたりして綺麗にした後、尿道の辺りに唇を付け、そのまま舌で穴を嘗め回した。
(……尿意と相まって、それとても気持ちいい。あっ、もう出そうっていうか出ちゃっ……た……。あはぁー、気持ちいい)
舌で嘗められてすぐに放尿が始まり、喉に温かい液体がかかるのを感じたアタランテは零さないように飲み込んでいく。
口の中からジョロロという音が鈍く響いてとても恥ずかしかった。
放尿している女性は気持ちよさと開放感で放心状態に陥った。
おしっこを出し終わったら鶯の頭を撫でて感謝の意を伝える。――男性は疲労の限界に達したのか、仰向けになったまま――チンポをさらけ出した状態で――寝息を立てていた。
風呂の用意が整い、部屋に戻った山吹は寝たばかりの客を起こして風呂場に案内した。それから
取り残されたアタランテは精液と小便を飲んだ感覚を顔を赤くしながら堪能していた。
もはや後戻りできないくらいの事をしでかした自分が恥ずかしくてたまらない。
(……ここまで堕ちると何でもできるのか、私は……。もう……、立派に娼婦として働けるかもしれない。こうして自分の意志で……)
股を広げたまま佇んでいる娼婦の
また少し精液の脚が残っている。匂いもある。這わせる舌の感覚が気持ちいい。
放尿が済んだ尿道周りも僅かばかりの苦みがあり、とことんまで綺麗にしたくなった。
「そんなに熱心にされると気恥ずかしいわ。……ああ、来そう。貴女の舌は特別気持ちがいいわね。それとも気分のせいかしら?」
快感が湧いてくるとアタランテの頭を押さえ、そして、軽く呻いて腰を痙攣させる。その時、
娼婦にとって何度も味わった感覚なので微笑を湛えたまま事を終えられたが――歳若い娘に気持ちよくさせられるのは初めての経験だった。
軽く息を整え、少しの間彼女の獣耳ごと頭を撫でた。
「……す、すまない。つい調子に乗ってしまった……」
「いいえ。とても気持ち分かったわ。……本来、この店は女同士でする店じゃないから。講習以外では、ね……。客が居ない時は慰め合う事も無きにしもあらず……、ってところだけど……」
「……はい」
「じゃあ、詫びたいなら私の顔の上に性器が来るように四つん這いになって」
軽く呻いたアタランテは謝罪の気持ちを示す為に従う事にした。
まだ洗っていない為に膣は愛液にまみれている。それを娼婦の顔の近くに持っていった。
「そのまま口を閉じてじっしていてね」
無言のまま頷いた彼女の膣の上に隠れている陰核に手を伸ばす。
仰向けで作業をするので腕がだるくなるまで時間が無い。大急ぎで陰核を露出させ、片方の腕を彼女の尻に回して手前に引き寄せつつもう片方の手で陰核を素早く擦り続けた。
「んんっ!」
「私の腕が限界になったら許してあげる。それまでじっとしていなさいよ」
アタランテの下半身に痺れるような感覚が駆け巡り、早くも涙目になった。尻尾は激しく暴れ回る。
急激な刺激でじっとしているのが難しく、太腿がガクガクと震え始めた。それから膣から愛液のようなものがポタポタと垂れ落ちてくる。
擦られている間、敷布団に口を押えた状態で顔補埋め、唸り続ける。快感というより悲鳴に近い。尻もイヤイヤをするように左右に揺れる。だが、娼婦の腕で押さえられているので逃げ出せない。いや、レベル3の『
それをしないのは猛烈に気持ちいいと感じているからだ。
自分がやろうとすると何処かで自制してしまう為に決して出せない快感。
(……はぁー。気持ちいい。下半身全体が……。声が、大きな声が出てしまうくらいに……。ああ、こんなに……。……ああ、もっと、擦って、強く……。あっ、ふぁ……気持ちいい)
「んっ、んー」
(腰がガクガクいってる。……ありゃあ、愛液かと思ってたらダラダラとしているのは潮吹きか……。そういえば、これって潮吹き以外になんて呼ぶのか知らないのよね。おしっこと大して変わらないようだけど……。透明だし、匂いも少ない……。後、この子の性器、とっても柔らかくて綺麗な色してる。これが数年も使い込むと紫色に変色するのよね。今が華よ)
何度も潮吹きによる絶頂が起き、その度に身体が跳ねる。
最終的に奇妙な声を大きく発し、身体を一段と強く跳ねさせた後、下半身を女性の顔に押し付けるような形で動かなくなった。
どうしたのかと身体を起こしてアタランテの顔を見ると白目を剥いて舌を出したままだらしない顔で失神していた。その状態で下半身が痙攣し始め、放尿というか失禁を起こした。
(……うわっ、やり過ぎた。……でも、とっても恥ずかしい格好というか蠱惑的な姿になったわね)
気絶しているアタランテの性器を舌で綺麗にしていると軽く腰が跳ねた。
形も色も綺麗な性器を何気なく触ると手触りの良さでついつい擦り続けたくなってしまった。
気絶していても感覚が分かるようで、大きな潮吹きは起こさないが絶頂を起こす度に腰が跳ねる様子がとても変わらしかった。しかも短期間で何度も。陰核を素早く擦ると更に跳ねる頻度が早まる。
ある程度出し切った後の尿道の様子がどうなるのか気になった為に擦り続けてみた。すると腰を跳ねさせる少し前に尿道が僅かに広くなったような気がした。
七回目以降から陰核が見ていてわかる程赤く充血し、大きくなってきたように思えた。
山吹が応援を連れて来るまで少なくとも一七回は腰を跳ねさせたかもしれない。
「……げぇー……」
(……あっ、また調子に乗ってしまった……。陰核も真っ赤に腫れ上がって……。これじゃあ下着を穿くのも大変そう……)
そこまでになると半開きの口から唸り声の様な変な音が鳴り、上半身も小さく跳ね始めた。
さすがにこれ以上は危険と判断したが手遅れだった。
後日、かかりつけの医者に見せると心臓麻痺を起こしかけたと言われ、従業員一同が騒然となった。幸い発見が早かったので大事には至らなかった。