晴明によって横たえさせられた圭は意識を失っていながらも、無意識のうちに自身の中にある快楽の渦を外に逃がそうと寝返りをうつように体を動かす。
「ひ、ぁ……。う、うぅん……」
その姿は、彼女自身、身体中に汗をかいて、さらには膣内からは愛液を垂れ流し、顔は涎や涙、あらゆる液体でびしょびしょになって気絶していることから、彼女の今の状態をなにも知らない第三者が見たら、まず間違いなく晴明が犯人の、性的暴行事件の被害者として見るだろう。
……まぁ、ある意味間違ってはいないのだが。
しかし、今この場に居るのは圭と晴明以外には美紀だけであり、そして美紀はここまでの経緯を知っていることから警察に通報──もっとも、今の巡ヶ丘で警察が機能しているかどうかは怪しいのだが──されることはない。
そんなことよりも晴明は圭に対する処置を終わらせたことで、次は美紀に対しての処置をはじめるために彼女の方を向く。
そこには、先ほどの圭の痴態を見ながら自慰をして、そして彼女が逝くのと同時に自身も逝かせた彼女の姿があった。
「あ、はぁ……。あ、んぅ。ひ、んぁ……」
絶頂した時に潮を吹いたのか、M字開脚した足の付け根、陰唇を自身の愛液でてらてらと濡らして、全身の、他の子に比べると白い肌をほんのりと桃色に染めて荒い息を吐いている美紀。
晴明はそんな彼女の側に立つと、無言のまま彼女の腕を握ると引っ張るように立たせる。
「あっ……ぁ、んぃっ」
たったそれだけのことだが、彼女も、美紀も圭と同様に敏感になっているのか、軽い喘ぎ声をあげる。
そのことは気にせず晴明は次に懐から御札を取り出すと、今握っている彼女の腕を万歳させるように上げて彼女の手首と、そして
するとどうしたことか、本当に空間に縫い付けられたかの如く、美紀の片腕は御札が貼られた場所に固定される。
「ん、んぃ……?」
それを、何度も軽イキしたことで半ば馬鹿になった頭で不思議そうに見やる美紀。
そんな美紀に構わず晴明は、美紀の残る片腕、そして両足首に同じように貼っていく。
すると美紀は最終的になにもない空間に大の字になるように貼り付けられる、という常識では考えられない状態になる。
そこで晴明ははじめて美紀に対して、すまなそうな表情を浮かべて彼女に語りかける。
「……すまない、美紀」
「あ、ぇ…………!」
美紀に謝罪の言葉を投げかけると、晴明は美紀が着ているレインコートに手を掛けて、ぷち、ぷち、とボタンを外して彼女をはだけさせる。
そのことを遅まきながら理解した美紀は頬を赤く染める。
しかし、表情はむしろ、なにかを期待するかのように情欲に濡れた瞳で晴明を見つめていて、それを肯定するかの如く秘所からは愛液がとろとろ、と足伝いに濡れ墜ちて、足元に水溜まりをつくっている。
そんな彼女に晴明は次に右手の人差し指と中指を立てると突きつけるように手を伸ばす。
そして、それと同時に自身のMAGを人差し指と中指の先端に集中させると彼女に語りかける。
「それじゃあ、いくぞ……」
すると晴明は指を彼女の肌に触るか、触らないかの絶妙な位置にして、何らかの紋様を彼女の体に描くように這わせていく。
「あっ、はぁっ……。ひ、やぁ、んぅ……!」
晴明の指を這わせる行為と同時に喘ぎ声をあげる美紀。それもそのはず、現在彼女は晴明が指を這わせたところを中心に体が疼きに疼いているのだ。
──そもそも、今回の晴明の行動になんの意味があるのか?
それを語る以前に、かつて美紀に悪魔召喚師になる才能がない、と、言ったことは覚えているだろうか?
その理由とは、彼女の体質にあった。
彼女の体質、それは先天的にMAGを体外に放出できない、というものだった。
本来、悪魔召喚とは自身のMAGを呼び水として契約した悪魔を呼び出す、というものだ。
一応、呼び出した後に関しては、自身のMAGでなくとも召喚器に備蓄されているMAGでも問題はない。
もっとも、召喚器にMAGの備蓄がない場合は、かつての圭のように自身のMAGで賄わないといけないため、最悪の場合仲魔にMAGを吸い付くされて干からびて死ぬ、という可能性も起こり得るが……。
話が反れたが、仲魔を現世に維持する場合は兎も角として、召喚するためには必ず契約者のMAGが必要になるのだ。
しかし、現世に維持する場合本人のMAGでなくとも言いというのであれば、召喚時もそれでいいんじゃないのか、と思うかもしれない。
だが、現実には契約者のMAGを絶対に必要とする。何故か?
それにも勿論理由がある。
その理由とは、分かりやすく、そして見も蓋もない言い方をするならば、ただの本人認証、これに尽きる。
考えても見てほしい、もし、召喚器が、GUNPが、COMPが敵に、見ず知らずの存在の手に渡り、そしてその中に魔王クラスや主神クラスの悪魔がいたとして、そんな存在が一切の枷もなく現世に解き放たれたとしたら……。
その場合、召喚した存在に悪魔を御せるだけの力量がなければ、間違いなくその地域周辺が地獄に変貌するだろう。
それを防ぐための措置が本人認証であり、契約者自身のMAG、ということになるのだ。
そこで先ほどの美紀の体質に話は戻る。
MAGを体外に放出できない、というのは先ほど悪魔召喚師の才能云々という話はしたが、それ以上に致命的な問題を引き起こす。
──それは、魔界魔法やスキルの大半がMAGを放出しないと使用すらできない、ということだ。
魔界魔法についてはアギやブフといった攻撃魔法は勿論、カジャ、ンダ系の補助魔法、ディア、パトラ系の回復魔法の全てがMAGの放出が術式の前提となっているために、全て使用不可能。
スキルに関しても遠距離攻撃系、至高の魔弾や刹那五月雨撃ちなどは軒並み使用不可、近接系であってもヒートウェイブや、空間殺法のような気を放つようなものや攻撃自体を増幅させるようなものは使用不可。
辛うじて暴れまくりなどの一切体外に放出が必要ないものだけが使用可能、となる。
この時点で美紀のハンディキャップの凄まじさが嫌というほど理解できるだろう。
一応、体内にMAGを巡回させることは可能なので、素の身体能力の向上、ということは出来るが、それでも相手と同じ土俵に立つ、というのが精一杯のため、はっきりと言えば今の状態の美紀が戦場に立つ、というのは自殺行為に等しい。
ならば、どうするか?
その答えが、今晴明がしている行動であり、施している術式なのだ。
今、晴明が美紀に施している術式、これを簡単に言えば人体改造。美紀の体にMAGの放出するための器官がない、ならばその器官を作ってしまえばいい、という考えのもと彼の現状での限界まで突き詰めたMAGの精密操作によって、彼女の体の中にMAGの通り道となる孔を整えているのだ。
だが、本来体にない機能を無理矢理つけようとすれば激痛が走るものだが、晴明はこの術式に房中術の技術を応用して負担を軽減するように改良している。
もっとも、こちらも痛みの軽減と快楽に変換というプロセスを取っているため患者に多少の──それでも本来の術式よりは大分ましになっている──負担は強いることになっているが。
それは兎も角として、そのような理由から、一言で言えば美紀を他の者たちと同じスタートラインに立たせるために、晴明は今回の術式を行っている。
そんな説明をしている合間にも晴明の指は美紀の体のあらゆるところを、乳房を、乳輪を、勃起した乳首の上を、臍の上を、隠核のすぐ側を、隠唇の上を、子宮の、卵巣の上となる場所を、性感を感じる場所やそれ以外の場所も関係なく駆け巡っていく。
「んっ! はあっ! あぁ!! ひ、いぃ?! か、はっ、あ!」
勿論そんなことをされる美紀からすると堪ったものではない。
なんせ、晴明の指が通った箇所全てが性感帯になったかのように疼くのだ。
──晴明の指がなぞった場所に軽く空気が触れる。
「あ、あぁっ! はぁんっ! い、くぅ!」
──自身のかいた汗が晴明の撫でた場所を伝っていく。
「んぃ! だ、めぇ?! ま、たぁ!! あぁぁぁあぁ!!」
──膣内から、ごぽごぽ、と溢れた愛液が撫でられた近くに垂れていく。
「ッッッ! ぎっ! が、はっ! もっ、だっ! イグゥゥゥッ!」
──吹いた潮のほんの一滴が隠核を掠める。
「が、あぁ! つ、よしゅぎぃ、ぃい! あぁぁぁあぁ!!」
──口許から垂れた涎が勃起した乳首に当たる。
「……!! ────?! うぅぅぅあぁっ!!」
──子宮が、卵巣が、心臓の鼓動を感じる。
「……ぃ! もっ、だ、めぇ!! だ、め、ぇな、のぉォォォお!! いッ、ちャァァァッ?!」
──その後も美紀のイキ地獄は続いていく。晴明の術式が終わるその時まで。
「──! ────!! ────ぁっ!」
美紀にとっての地獄の時間は延々と続いていく。まるで終わりのないワルツのように。
美紀にとって、その時間は一分か、十分か、もしくは一時間かもしれない。そんな延々とも感じる時間の中、とうとう術式が終わったのか、晴明から拘束が外される。
そのまま床に倒れ付しそうになる美紀だが、その前に晴明に
晴明と触れあう。
──イッた。
イッた衝撃で反射的に抱きつく。
──逝く。
抱きついた時に
──また逝く。
──イく。
──イク。
イク、いく、逝く、イく、いく、いく、いく、イッて、いって、逝って、逝き果てる。
「────かッ、は、ヒュ……ぅ、ヒュ──」
半ば意識を飛ばしたうつろな瞳で美紀が最後に見たものは、どこか心配そうに自身の顔を見つめる晴明の姿だった。
──視界が、意識が暗転する。