意識が途切れた後私は夢を見ていた。夢なのか走馬灯なのかは分からないけど。
私が産まれて喜ぶ両親。その後私は二人の愛情を受けてすくすくと育ち私が三歳になった時だった。インテグラルキラーズの襲撃を受けて両親は私を抱えながら戦った。だけど私を守りながら戦えるはずもなく致命傷を負わされなんとか教会へと逃げ込んだ。そこでリサナウトに出会い私を未来の世界にタイムワープさせた。二本の剣とライターと共に。世界を救う為に。その後父親は殺され母親は淘汰された。
私が飛ばされた未来の生活も楽では無かった。身寄りの無い私は孤児院に入れられ10歳になるまでそこで過ごしていた。
そんなある日私の居る孤児院に火が放たれた。これはその時は知る事は無かったのだが強盗が押し入り金銭を要求したが拒否された為火を付けたらしい。
炎が燃え盛る中私は二本の剣とライターだけを持ちこの草原へと逃げて行った。
そこから私のサバイバル生活が始まった。ある時は草を食い、虫を食い食べられそうな全てを食べて私は生きていた。そんな時一人のおじさんと出会った。野生の目をした私に手を差し伸べてくれて家に私を招き入れ人並みの生活をさせてくれた。私の煙草とコーヒー好きはこのおじさんの影響なのだけど。
でも、その生活も長くは続かなかった。郊外にあるおじさんの家が盗賊に襲われたのだ。戸惑う私を庇いおじさんは私の目の前で殺され泣き崩れる私に目を向けず盗賊は金品を漁り出て行った。その時私は気付かされた。この世は優しさでも思いやりでも無くズルくて力のある奴が生き残るんだって。
それから私はまだサバイバル生活をしていた。だけど以前と違う事があった。それは。
ねぇ、死にたくなければ金と食糧をよこしなさい
そう。賢いわね、お礼に天国へ送ってあげるわ
ねぇ、私もう食べる物も何もなくて、、、
身体?良いわよ、好きにさせてあげるからご飯を食べさせてよ
簡単に人を殺せる様になり簡単に人を騙す事ができるようになっていた。私は顔は悪い方では無かったのでそれができたのもあるのだけど。それでも何度も失敗し怪我を負いボロボロにされた事もあった。その度に改良を重ね確実に人を騙し殺せる様になっていた。
その頃から私は双剣を使う様になっていた。理由は両手で剣を持っていれば片手が使えなくなっても剣が振るえるからだ。どんな時でも攻撃ができるようにって。
それでも上には上がいる。食事に毒を混ぜられたり言葉巧みに私を騙し剣を奪おうとした者もいた。
そんな生活を8年程続けある日私は一人の女に狙いを定めていた。茶色い髪にお洒落な格好の女の頭に付いている高そうな髪飾り。それを奪い売りに行こうとしていた。
これが私とアスカロンの出会いだった。アスカロン、アスカロン、アスカロン、、、会いたい。このまま死ぬなんて嫌だ、嫌だ、いやだっ!!!!!
幻覚のアスカロンに向かって手を伸ばし必死に掴もうとしていた。だけど私の手はすり抜けアスカロンは消えていった。
そうね、あんな生活をしていた私が楽に死ねるはずなんてないわよね。
ため息を一つ吐き最後の瞬間を待っていた。
ユリッ!!!!!
ユリ君目を開けてよ!!!
生きる事を諦めた私を呼ぶ声が聞こえた。一人は私の大事な友達の声。もう一つは私の大事な、大事な相棒の声。その声に導かれるように私は目を開けた。
気が付いたのですね!?
ごめんねユリくん、、、私が頼んだから、、、、、
ここは、、、、?
デュカキスさんの屋敷の医務室ですよ!ユリのバイブスを追って行ったら瀕死のユリを見つけて!!
あの二人は?見なかったの?
そんな事は良いから!
そんな事じゃ無いわよ!私はモニカと約束したゴホッゴホッ!!!
咳き込み口元を手で押さえ口元を拭うと血が付いていた。
大きな声出すんじゃ無いわよこのバカ!心臓を貫かれていたのよ!?それに気道も裂けていたんだから!
良く生きてたわね私
ユリちゃんが付けていたネックレスのおかげね、それが無かったら死んでいたわ
そういえば妖精の加護がどうとか言っていたわね
もぅ、しばらく絶対安静だからね、それに点滴をしているから動いちゃダメだよ
そう言ってアクスレピオスは部屋から出て行った。残された私達に沈黙がのしかかっていた。
そんな事なんて言わないでよ、私はモニカとした約束を守りたいだけなんだから
いいよもうあの二人は、、、だって私を裏切ってルーンくんやエクスカリバーくんを傷付けて、それにユリくんまでこんな目に合わせて、、、!
モニカさん、次同じ事を言ったら次は私が怒りますからね
ギロリとアスカロンがモニカを睨むとモニカはその場で泣き崩れた。
ねぇ、私の剣は?
それが、、、
そうアスカロンに尋ねると躊躇いながらに柄と刃がバラバラになっている二本の剣を見せてくれた。
見事に折れたのね、その時に気付かなかったわ
多分攻撃を防いだのですがあまりの威力に折れてしまったのですねっ
また悩み事が一つ増えたわね、、、
頭を悩ませているとドアがノックされて一人の女の人が入って来た。
こんばんわ、体調はどう?
ラグナ、、、
部屋に入って来たのはラグナロクだった。きっと誰かが伝えたのだろう。心配そうな顔で私の方へ歩いて来てくれた。
お願い、あの二人を処理しないで
うん、大丈夫、分かってる、今みんなで手分けして暴走した原因を探しているの。その原因と解除方法さえ分かれば処理なんてしないわ
それが分からなかったらどうするのよ
それは、、、
私の問いに口を濁らせたラグナを捲し立てていた。
絶対に処理なんてさせないわ!私がなんとしてでも二人を連れ戻して見せるんだからゴホッゴホッッッッ!!
ごめんね、大陸の脅威となる以上私達も戦うしかないんだ。私達だって仲間を討つのは嫌よ、それでも、、、
ごめん、取り乱した。それと剣を頂戴、もう私の剣は折れちゃったからさ
折れた剣を見せる為に手を伸ばすと点滴の管がピンッと張り痛みが走った。
いててっ
もぅ、しっかりしてください
忘れていたわ、、ねぇラグナ、私に剣を頂戴よ
うーん、、、七元ならまだ予備はあるけど骸斬は無いわよ
そっか、、、
そう呟いて剣に目線を落とした。私が小さい頃から使い続け柄は手垢まみれだし刃も綺麗とは言えない。それだけど私の相棒なんだ。
それか剣を修理できないかしら?
うん、それなら大陸中で探してみるわね
ありがと、それとあの二人を
やれるだけの事はやってあげるね、いい返事ができるように私達も頑張るからさ
その後に「お大事に」って言ってラグナは去っていった。
私はいつ退院できるのかしら?
あの二人が言うには一週間はかかるみたいですよ?
長いわね、、、それとモニカ、いつまでもメソメソしてんじゃ無いわよ!
だって、、、
私が負けたのは私が弱かったからよ、弱い者は強い者に負ける。当然の結果よ
それでもユリくんをこんな目に合わせてもう私にはユリくんに合わせる顔が、、、無いよ…
良いのよ、私が良いって言ってんだから良いのよ、それに目標ができたわ
どんな目標なの…?
あいつらより強くなって絶対にモニカの元に帰すって目標よ!楽しくなってきたゴホッゴホッ!!
もう…アクスレピオスさんに言われた事もう忘れたのですか?
覚えてるんだけどね、そういえばルーンとエクスカリバーは?
二人ならデュカキスくんに付いて復興を手伝って貰ってるよ、助けて貰った恩もあるし
そういうことね、それともう一つ
何かな?
あの二人が暴走したきっかけって何かないのかしら?
そうだね、、思い当たるのが一つだけあるよ
それを聞かせて下さいっ、もしかしたら手がかりになるかも知れません
ユリくんが地上世界に引き込まれてみんながその後に続いた後に私達とデュカキスくん達で魔物の討伐をしていたんだ。その時カオスリーパーって呼ばれる魔物が現れて私達はなす術も無くやられたんだ
それでもモニカ達は生きているわよね?
うん、そこをたまたま通りかかったカミトくん達に助けて貰ったんだよ
つまりその時の敗北を二人が気にしていたって事ですかね?
そう考えられるわね、普段は普通に振る舞っていても心のどこかでその時の敗北を引きずっていたのかも知れないわね
だとしたら原因は私だよ、、、あの時私は立派な奏官になるってみんなに指示をしていたから
それは奏官としての務めを果たしただけだわ、気にしなくて良いわよ
その時の思いが暴走の原因となったのですね
でもそれにしても今更よね、負けた時に暴走するなら分かるけど
ユリくんはあの二人と話をしたの?
したって程してないわ、私の事を虫けら呼ばわりして、、、!でも急ぎましょうって言っていたわね
急ぐって事は用事があるって事ですよね?
普通ならそう考えられるわね、でも一体どんな用事なのかしら?
うーーーん??
で、でもっ!会話ができるって事は暴走していないって事ですよね?
そうよね?自我を失って暴走しているのに会話ができるって変よね?
私に聞かれても、、、
とにかく今の私じゃあいつらに勝つのは無理ね、もっと強くならないと
誰かに修行をつけてもらいます?
そうね、ラグナ達は忙しそうだし地上世界のみんなに頼んでみるわ
でも地上世界のみんなと強さはあまり変わりませんよね?
そうね…他の強い奴は、、、
ラグーナ島に居る人達はどうかな?
それね!早速行くわよ!
だから怪我人は大人しくしてなさい!それといつまで起きてんのよ!!
痛っ!
入って来たアクスレピオスに頭を叩かれてしまった。頭をさすりながら時計を見るともうすぐ12時になろうとしていた。
ユリちゃんは重症なんだからね?早く寝なさい
はーい
部屋の電気を消され視界が効かなくなったので諦めて寝る事に。だけど私は楽しみの前の子供のように目が冴え眠れずにいた。そんな時だった。
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ん?また?
誰かが私に囁くのが聞こえた。何を言っているのか分からないけど確かに私に何かを伝えようとしている。
それを聞こうと耳を澄ませるともう何も聞こえなかった。
変なの
そう呟いて諦めて眠りにつく事に。