※この作品はR-18です。

インテグラル・ノア サイドストーリーユリ物語   作:やす、

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借金返済物語、5

私達がラグーナ島から帰ってくると教会に沢山の人が詰めかけていた。どの人を見ても荷物などは持っておらず急いで避難をしてきた様な。

 

 

…………

 

 

押さないで下さい!一列に並んで!!

ゆっくり入ってきて下さい!!

 

 

教会の職員が誘導をしているけどそれも間に合わずまだ外から沢山の人が詰めかけきていた。人を押し除け我先にと教会に入ろうとしている。

 

 

ただその様子を見ていると聞き覚えのある声が響き渡っていた。

 

 

みんな落ち着いて!ここに居れば安全だからね

 

落ち着いて下さいっ!私達が必ず皆の希望となります!

 

指示に従って下さい!これは規律です!

 

 

ラグナ達も誘導に加わっていた。その声のおかげか人々は落ち着きを取り戻し大人しくなっていた。その隙にラグナに近寄り話を聞く事に。

 

 

ラグナロクくん、この騒ぎは一体どうしたの?

 

各地でキル姫が暴走しているの、私達で討伐に行きたいんだけど避難が間に合わなくて

 

二人の他にも暴走したキル姫がいるのね

 

ならあたい達がなんとかしてきてやるよ、なぁ?

 

 

ルーンがニヤリと笑いながらそう言っていた。彼女の事だから血が見たいのだろう。

 

 

誘導が落ち着いたら私達も行くから、みんなにはあの二人をお願いするね

 

 

ラグナがそう言ったあの二人。アロンダイトとロンゴミアントの事だろう。

 

 

あの二人は今どこに居るのよ?

 

私が聞いたのは海の方に居るって聞いたわ

 

海?

 

そう、この天上世界の果て、海ね

 

そこに行けば二人に会えるんだね!?

 

会えるはずよ、でも分かっていると思うけどあの二人も既に暴走しているわ

 

それでも良いよ!もう一度あの二人に会って暴走状態から解放してあげるんだ!

 

 

ギュッと拳を握りしめるモニカ。そして「私の愛にかけて」そう呟いた。

 

 

そうと決まればさっさと行くわよ、私も雪辱を果たしたいし

 

 

教会に避難する人々とすれ違いながら外に。そしてアスカロンに竜を召喚してもらいその背に乗り込んでゆく。

 

 

ポチ、お願いしますっ!

 

 

みんなが背に乗った事を確認してからアスカロンが号令を出した。目指すはラグナ大陸最果ての地、海だ。

 

 

咆哮を轟かせながらポチはサフラン、クレナイ、ワスレナを駆け抜け冥花繁殖帯を通りその海と呼ばれる場所に辿り着いていた。

 

 

ここが海なのね

 

そうです、ここから飛び降りると地上世界に行けるんですよっ

 

へぇ、そうだとしてもここから飛び降りる勇気は私には無いわね

 

 

落ちないように崖から海を覗き込むと赤紫の雲が一面に広がっているのが見える。底は見えないがかなり深いのだろう。普通に考えてもこの高さから飛び降りればタダじゃ済まないだろう。

 

 

みんなはここから飛び降りたんだよね?

 

はいっ、やっぱり怖かったですけど

 

そうなの?

 

ユリが影に引き込まれた時にここから飛び降りて地上世界に行ったのですよ、ほら、ユグドラシルが封鎖されていたじゃないですか

 

ふむ

 

 

その話を聞いてから海を見るとやはり底は見えずただ赤紫色の雲に覆われているだけだ。自分達の身を顧みず私を助けるために飛び降りてくれたみんなに改めて感謝をしていた。

 

 

みんな、一つ話があるんだけど良いかな

 

 

そんな時モニカが神妙な顔で話を切り出した。それにみんながモニカの元へ集まっていた。

 

 

マスター、如何なさいましたか?

 

うん、二人の事なんだけど

 

あの二人がどうしたって言うんだよ

 

えっと、うーん、、、、

 

はっきり言いなさいよ、ちゃんと聞いてあげるからさ

 

うん、あの二人を殺して欲しいんだ

 

っぅ、、

 

 

その言葉にアスカロンが目を逸らした。エクスカリバーも唇を噛み締めルーンはニヤリと笑った。

 

 

マスターの気持ちは尊重します、ですが何故その様な答えに行き着いたのか教えて下さい

 

 

ここに来るまでずっと考えていたんだ、どうやったらあの二人を助けられるかって。でもあの二人はかなり強い。私達も強くなったと思うけど勝てる保証なんて無いんだよ

 

まぁ、そうね

 

でしょ?私も助けたいけどもしこれでみんなに何か合ったらその方が後悔しそうだから

 

 

そう言って目を指で擦っていた。これがモニカの判断であり決意なのだろう。

 

 

なら

 

 

そう言って煙草を咥え火を付けた。

 

 

あんたの言った愛にかけては嘘だったのね

 

 

煙を吐き出しながらそう告げた。

 

 

マスターを侮辱する様な発言は許しません!貴方にはマスターの決意が伝わらなかったのですか!?

 

 

怒りをあらわにしたエクスカリバーが駆け寄り私の首を掴んだ。だけど私は言葉を続けた。

 

 

伝わらないわね、そんな嘘なんて

 

嘘だなんて、、、!

 

いいや、嘘だわ、ならエクスカリバーにはモニカがそんな選択ができる人だと思うの?

 

それは、、、

 

ルーンにも聞くわ、あんたのマスターは仲間を殺せって言える様な人かしら?

 

無理だね、そんなタマじゃないよ

 

そう言う訳よ、あんたの気持ちを話しなさいよ

 

 

エクスカリバーの腕を払い煙草を咥えモニカを睨んでいた。

 

 

………私は二人を助けたい、だけど戦うのは私じゃない!みんななんだ!!私はただ安全な所でみんなに指示をするだけ、だったら!二人よりもみんなの事を優先すべきだって!!!!

 

 

怒るような、悲しむような声色でそうモニカが叫んでいた。

 

 

………なら私が問います、この中に撤退したいと思う人はいますか?

 

 

そう言ってエクスカリバーがみんなを見渡しても誰一人手を上げなかった。

 

 

なら、あの二人を救いたいと思う人はいますか?

 

 

その問いにみんなが手を挙げた。

 

 

マスター、これが私達の答えです。本来ならマスターの気持ちを尊重すべきなのですが今回は私達を信じて下さい

 

そうだぜマスター、こんな堅物と同じ意見なのが気に食わないけどな

 

私はモニカとの約束を守るだけだわ

 

私は依頼を断る訳にはいきませんっ!

 

みんな………う、、、うわあわぁぁぁぁぁぁんん!!!!!!

 

 

泣きながらモニカがエクスカリバーに抱きついていた。その頭をルーンが撫でていた。

 

 

素敵な光景ですねっ

 

そうね、羨ましいわ

 

私が抱きしめてあげますよ?

 

今度してもらうわ、それより煙草よ

 

 

みんなから少し離れた場所に行き煙草に火を付けていた。そんな時。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

んっ、またね

 

 

また耳鳴りがした、でもこれは耳鳴りって言うより誰かの声?

 

 

意識を尖らせて何を言っているか聞こうとしたけど何も分からないままその耳鳴りは止んでしまった。

 

 

変なの

 

 

そう独り言を言って煙草を踏み消しみんなの元へ。

 

 

今からこの辺りを散策するよ!全員警戒を怠らないでね!

 

モニカさんはポチの上に乗っていて下さいっ、ポチ、モニカさんをお願いしますっ!

 

 

アスカロンがそう言うと首を下げモニカに乗れと促した。それに応えて頭に乗ると再び首を持ち上げていた。

 

 

これなら遠くまで見渡せるよ!

 

そのまま指揮もお願いしますっ、そこからなら戦況も分かりやすいはずです!

 

うん、ありがとね♪

 

ねぇ、この辺りに建物とか無いの?

 

待っててね

 

 

両手を双眼鏡の様に使い辺りを見渡していた。しばらくすると何かを見つけた様でこちらに手を振っていた。

 

 

向こうに建物みたいなのが見えたよ!

 

なら早くそこに行こうぜ、立ち止まるのは嫌いなの

 

うん!みんな2時の方角に向けてしゅっぱーつ!

 

 

私達四人が竜を囲む陣形を取りながら進んで行く。因みに前方がルーンとアスカロン、後方は私とエクスカリバーだ。前方チームが対アロンダイト。私達は対ロンゴミアントだ。

 

 

ごめんね、本来なら斧使いか闇属性を入れたいんだけど

 

私なら大丈夫です

 

そうよ、誰もそんな属性とか武器種なんて気にして無いわよ

 

そうかもしれないけど、、、

 

 

原作だと剣は斧に強く槍は剣に強い、斧は槍に強いという3竦みがあるのだが今更だろう。それにもう死に設定になってるし。

 

 

しっかり前を向いて下さい

 

ん、ごめん

 

 

そんな事を考えていたらエクスカリバーに怒られてしまった。反省しよう。

 

 

しばらく進み建物の近くまでやってきた、見るからに廃墟なのだが気配を探ると凶々しい程の気配を感じた。それを皆も感じ取ったのだろう、ピリリとした緊張感が漂い始めた。

 

 

じゃあ先制攻撃といこうか

 

何をするつもり?

 

ポチくんお願い!!

 

 

モニカがポチにお願いをするとポチの口の周りに冷気が集まりやがて円形となった。

 

 

やっちゃえっーーー!!!

 

 

咆哮と共に吐き出された光線は建物に直撃し建物を砕き辺り一体を氷景色へと変えた。

 

 

………あんたのマスターも中々思い切った事をするわね

 

普段はそんな事無いのですが、、、

 

きますっ!構えて下さいっ!!

 

 

アスカロンがそう叫んだ後に瓦礫が打ち上げられ二人が姿を表した。

 

 

また来たのですね

 

今回は息の根を止めて差し上げます

 

 

凶々しい気配の正体。アロンダイトにロンゴミアントだ。二人共ゴミを見るような目で私達を見ていた。

 

 

みんな配置に付いて!連携を大事にね!!

 

 

その言葉の後にペアを組み武器を構えた、戦闘の始まりだ。

 

 

あんたの相手はアタイ達だよ!

 

絶対に連れて帰りますからねっ!!

 

 

マスターに勝利を約束しましょう

 

やってやるわよ!!

 

 

 

……………………………………………………………

 

 

 

 

 

 

戦いが始まった。相手は私の部隊に居たアロンダイトくんとロンゴミアントくん。あの時の優しい姿は無くただただ邪悪なオーラを纏い武器を振るう二人。

 

 

ギュッと拳を握り締め戦っている四人に向けて指示を飛ばした。

 

 

武器と属性の相性が良いルーンくんが前に出て!!アスカロンくんはサポートをお願い!!

 

ユリくんは手数で槍を押し込んで!!エクスカリバーくんは作ってくれた隙を逃さないで!!

 

 

返事はないけどそのように動いてくれていた。ルーンくんが乱暴な槍捌きで攻めたてその反撃をアスカロンくんが剣技、氷で防いでくれている。

 

 

こっちは武器相性は不利だけどユリくんが機動力を活かして動きを翻弄。突き出された槍を捌きその隙を的確にエクスカリバーくんが斬り込んでいた。

 

 

今のところ善戦だ。だけどまだ油断はできない。次なる作戦を考える為にポチくんに指示を送り戦場を走り抜けてゆく。

 

 

 

…………………………………………………

 

 

おらぁぁぁぁぁぁっ!!

 

くっ、中々やりますね

 

 

ルーンさんの槍がアロンダイトさんを捉えていた。先程からこちらが攻める一方で反撃らしい反撃もなかった。その事を不審に思いながら繰り出される剣技を弾き返していた。

 

 

どうしたの?そんなんじゃ歯応えが無いんだけど

 

その余裕がいつまで持つか楽しみです

 

 

そう言いロンゴミアントは不敵に笑った。まだ策を残している。そう気付かせるのには十分だった。

 

 

私達の攻撃を捌きながら二人が目線を送り合っていた。そして飛び退き後方へ下がり武器をしまった。

 

 

なに、降参のつもり?

 

いえ、貴女達の連携に敬意を評しているだけです

 

すぐに仲良しごっこは終わらせて差し上げますね

 

 

そう言うと二人がドス黒いオーラに包まれた。やはり何かを隠していたようだ。

 

 

ディスペアー・アンド・ソウロ

 

 

そのロンゴミアントの言葉の後にアロンダイトがエクスカリバーの前に立っていた。音も無く、移動した形跡すら残さずに。

 

 

なっっ!!!

 

 

壊す、壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す!!!

 

 

その光景を私達は見ている事しかできなかった。ただ剣を振るい、ただエクスカリバーを斬り刻むその光景を。

 

 

声も出さず崩れ落ちたエクスカリバーを蹴り飛ばしその視線を私達に向けた。狂気に支配されたその瞳で。

 

 

ひっ

 

 

その視線に誰かの短い悲鳴が聞こえた。その悲鳴で我に返り意識を研ぎ澄ませていた。

 

 

スッ。

 

 

何かが私の横を通り抜けて行った。それの3秒後にルーンの苦しそうな声が聞こえ目線を後方へ向けた。

 

 

さよなら、元同朋

 

 

その視線の先にはルーンのお腹に槍を深々と突き刺したロンゴミアントが。その槍の柄を握り押し返していたがしばらくするとその抵抗が止み槍を引き抜かれ崩れ落ちた。

 

 

エクスカリバーくんっっ!!!!ルーンくんっ!!!!!

 

 

モニカの叫び声で事態を認識。合図もなくアスカロンと背中合わせとなった。

 

 

私が時間を稼ぐわ!アスカロンは二人を凍らせてあげて!!

 

はいっ!!任せて下さいっ!!!

 

 

急所を貫きました。そのような事をしてももう無駄ですよ

 

首が繋がっているだけありがたいと思って下さい

 

 

そう淡々と告げる二人に私の中の何かが弾けた。大罪のオーラを身に纏い骸斬の破壊衝動を受け入れていた。

 

 

もう許さないわ、あんた達はここで私が殺す

 

一人でどこまでできるか見せてもらいましょう

 

一人?何言ってんのよ

 

 

ペッと唾を吐き捨てアロンダイトを睨むと呪文を唱読する声が聞こえない事に気が付いた。その後にドサリと音が聞こえた。

 

 

キャハハハハ♪油断してるからだよ♪

 

オティヌスずる〜〜い、じゃあラブリュスちゃんがあいつの命を貰っちゃうね♪

 

しょうがないなぁ、早くやっちゃってよ♪

 

 

そう楽しそうに告げる二人。雰囲気からして彼女達も暴走しているのだろう。だけどそんな事はどうでも良く私はアスカロンに駆け寄っていた。

 

 

アスカロン!アスカロン!!!しっかりしなさいよ!!!!!

 

 

ユサユサと身体を揺すっても返事は無かった。そのかわり左胸に突き刺さっている矢を見つけた。それに私のバイブスが私に帰って来るのも感じていた。それが何を意味するのか?それを理解する前に私の心を他の感情が支配していた。殺す、壊す、全てを。

 

 

真っ黒な感情が私の心を満たすと清々しい気持ちになっていた。そして怒るように。哀しむように。喜ぶように。楽しむように私を見る四人に剣を向けた。その後私の意識はプッツリと途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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