※この作品はR-18です。

インテグラル・ノア サイドストーリーユリ物語   作:やす、

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借金返済物語、6

私はただその光景を見ている事しかできなかった。エクスカリバーくんが討たれルーンくん、アスカロンくんも。

 

 

ポチくんが苦しそうな声をあげてゆっくりとその身体を地面に横たわらせるとキラキラと光となりその姿を消した。これはアスカロンくんが死んでしまったって言う事なのだろう。それに二人とのキラーズとバイブスの反応も感じられなくなっていた。

 

 

あの四人ならなんとかしてくれると楽観的な事を考えていた私に突きつけられた現実と絶望。それに増援も現れたようだ。あの姿、見覚えがある。確かオティヌスとラブリュスだったはず。その二人も同じように暴走しているのだろう。

 

 

不安、絶望、諦め。いろんな負の感情が頭の中をグルグルと回る。そんな時ユリくんが叫び声を上げた。

 

 

アァァァァぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!

 

 

その叫び声を聞くだけでとてつもない恐怖を感じた。恐る恐るユリくんの方を見ると目を紅く染め真っ黒なオーラを身にまとっていた。

 

 

暴走している。そう判断するのは簡単だった。

 

 

仲間を失って暴走しましたか

 

今までの子達と一緒だね♪

 

早く仲間の所へ送ってあげましょう

 

その後にあそこにいる子も撃ち抜いてあげよっか♪

 

 

四人が武器を構え攻撃態勢をとった。それに応えるようにユリくんが動き出した。

 

 

ディスペアー・アンド・ソロウ

 

 

ロンゴミアントくんの呪文が聞こえた。その次の瞬間にはアロンダイトくんがユリくんの前に立っていた。

 

 

さようなら

 

 

アロンダイトくんが剣を振り下ろした。次の瞬間にはアロンダイトくんの身体は宙を舞っていた。

 

 

くっ!

 

 

吹き飛ばされながら体制を整えて着地した瞬間にはもう目の前にユリくんが迫っていた。防御する暇も与えず双剣を一振り。二振り。その度に血飛沫が舞い上がり怯んだ隙に蹴り飛ばされていた。

 

 

倒れ起きあがろうとするアロンダイトくんの頭を踏み付け剣を突き刺し引き抜き突き刺した。耳を塞ぎたくなる程の悲鳴が響き渡りやがてアロンダイトくんは何も言わなくなった。

 

 

身体中に付着した血など気にも止めずニタリと笑い次の獲物を探すように辺りを見渡している。

 

 

おーおーやるねぇ♪近距離がダメなら遠距離から矢を打つだけだよ♪

 

 

オティヌスが放った矢がユリくんに突き刺さっていた。それでもユリくんは止まらない。丘の上から見下す3人を見つけ駆け出して行った。

 

 

させないよ♪スクリーミング・ライブ!

 

 

ラブリュスがそう言うと3人が結界に包まれた。その中からオティヌスが矢を引き絞っていた。

 

 

ユリくんダメっっ!!!!

 

 

私の声も届かずユリくんは結界の前に立った。そして呻き声を上げながら剣を振るった。

 

 

ラブリュスちゃんの結界が!?

 

 

何度も、何度も乱舞を打ち込み結界を叩き破るとロンゴミアントくんの元へ。

 

 

簡単に私を倒せると思わないで下さい

 

 

槍を振るい攻撃を仕掛けていた。だけどユリくんにとって反撃など些細な事のようだ。双剣をクロスさせて矛先を器用に挟み込み受け止めるとそのまま矛先を切断した。

 

 

うそ、だよね

 

 

それがロンゴミアントくんの最後の言葉だった。私が顔を逸らし再び視線を向けると血の海にロンゴミアントくんだった物が転がっているだけだった。

 

 

もうやめて、やめてよユリくんっ!!!!!!!

 

 

私の叫びも届かないままラブリュスの前に立った。

 

 

ラブリュスちゃんより強いなんて思わないでね♪

 

 

巨大な斧を携え俊敏にフィールドを動くラブリュス。動きで翻弄させその隙を突くつもりの様だ。だが、相手が悪すぎた。

 

 

せ〜のっ♪死んじゃえ♪

 

 

ユリくんの背後から斧を振るった。背後という死角からの一撃。

 

 

勝利を確信しラブリュスが嬉しそうな顔をした。

 

 

その攻撃を振り返りながらの一閃が弾いた。その後に続く一閃がラブリュスの両腕を斬り飛ばしていた。

 

 

お願い!ラブリュスはまだ歌いたいの!命だけは助けて!!

 

 

両肘から血を流しながらのラブリュスの命乞いに耳を貸さずただ斬り裂き切り捨てた。

 

 

あちゃぁーでも、私は諦めないよ♪

 

 

移動しながらオティヌスが矢を放っていた。それを全て躱しながら身体に刺さっていた矢を引き抜いた。

 

 

それをオティヌスに向けて投げ放つと弓の弦を貫いた。これでもう矢を放つ事はできないだろう。

 

 

やるねぇ、じゃあバイバーイ♪

 

 

矢を破壊され戦闘は不可能と判断しオティヌスが逃げようと背を向け走り出した。それを黒い影が追った。

 

 

うわっ!

 

 

走っていたオティヌスがバランスを崩し転んだ。すぐに立ち上がろうとしたけどもう起き上がる事はできなかった。

 

 

両足を切断されもがくオティヌスに容赦なく剣撃を浴びせてゆく。

 

 

もうやめて、、、殺して、、、

 

 

まだ息があるのだろうそう聞こえた。それを聞いてユリくんが双剣を納めオティヌスを蹴り飛ばし倒れたオティヌスに馬乗りになり拳を振るっていた。

 

 

鈍い音に悲鳴が混じり私の耳に聞こえてきた。それを耳を押さえ蹲り聞こえない様にしていた。それでも殴る衝撃が大地を伝い私にその事を伝えていた。

 

 

ガンガンと音が止むとグチョリと何かが潰れる様な音が聞こえた。

 

 

耳を押さえ震えながら恐怖に耐えていると衝撃が止んだ。恐る恐る顔を上げると私の前にユリくんが立っていた。

 

 

あ、、、、あぁぁぁ、、、、、

 

 

全身に返り血を浴び目を紅く染め無表情で私を見ていた。

 

 

もう終わりだ、ここで私も殺される。そう覚悟を決めて目を瞑るとユリくんはそのまま通り過ぎて行った。

 

 

拍子抜け。慌てて振り返るとそのままユリくんは倒れているアスカロンくんの元に。そして大きな声で泣いた。大きな、大きな声で。

 

 

ユリくん、、、、

 

 

しばらくすると落ち着いたようだ。目を擦り剣の柄を地面に突き刺しその刃で自分の首を斬ろうとしていた。

 

 

やめて!!そんな事しないでよ!!!!!

 

 

急いで止めに走るも自傷は止まらない。やがて噴水の様に血が上がりユリくんは動かなくなった。

 

 

うっ、うぅぅぅぅ、、、

 

 

一瞬にして私の仲間、友達を全て失ってしまった。それも一番最悪の形で。自分の無力さ、奏官としての力の無さ。何より誰も、何も守れなかった。もう涙も出てこなかった。ただ俯いて地面だけを見ていた。

 

 

 

 

 

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