※この作品はR-18です。

インテグラル・ノア サイドストーリーユリ物語   作:やす、

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借金返済物語、8

私はユウくんと共にユグドラシルを伝い地上世界に降りて来ていた。そのままユグドラシルを伝い冥界へと入ろうとしていた。

 

 

絶対に僕の側を離れないでね

 

う、うん、、、

 

 

ユグドラシルの根本にある冥界へと続く扉の前で忠告をされた。

 

 

もし離れたらどうなるのかな?

 

すぐに化け物達のご飯になるよ

 

 

その言葉に冷や汗が出た。それでも歩みを止める訳にはいかない。

 

 

覚悟はできているよ、お願いします

 

うん、じゃあ行くよ

 

 

煙草を咥え火を付けてからユウくんがその扉をゆっくりと開いた。ギィィと音を立てながら開けられた扉から顔を覗かせるとその奥は薄暗く不気味な雰囲気を出していた。

 

 

行こうか

 

 

煙草を咥えたままその隙間を通り抜けて行った。私もその後を慌ててついて行く。

 

 

ここが冥界…

 

拍子抜けでしょ?

 

うん…

 

 

扉を抜けて私の視界に入った景色は見渡す限りの草原だった。荒れた岩礁地帯とか溶岩が流れている景色を想像していたから凄く違和感を感じる。

 

 

おいで

 

 

そう言われて辺りを見渡しながら後ろをついて行く。そんな時甘い香りが鼻をつきスンスンと鼻を鳴らしていた。

 

 

ここに咲く花の匂いだね、冥花繁殖帯の花と同じだと思うよ

 

じゃあこの花の匂いにも幻覚作用があるのかな?

 

そこまでは分からないけど、、、

 

 

道端に咲く花を見ながら歩いて行くと再び大きな扉が現れた。

 

 

ここから先が冥界本来の姿だよ、もう一度聞くね、覚悟はできているね?

 

うん、大丈夫だよ

 

ならこれを渡しておくね

 

これは?

 

 

ユウくんから渡されたのは一本の剣だった。

 

 

ミスリルソードだよ、一応護身用にね

 

ありがと

 

じゃあ行くよ

 

 

そう言って大きな扉を少しだけ開きその中へと入って行った。

 

 

………………………………

 

 

その扉を抜けた瞬間から一気に雰囲気が変わった。なんて言えば良いんだろう?ずっと誰かに見られている様な感覚。だけど辺りには何もなく何かが潜んでいるような気配は無い。

 

 

行くよ

 

うん

 

 

煙草を咥え火を付け歩き始めていた。その後ろを震えながらついて行く。

 

 

怖い?

 

うん、いや、怖くないよ!

 

無理しなくて良いよ、でもしっかりと気持ちだけは持っていてね

 

どういう事?

 

恐怖に負けて怯えるとその心をつけ込まれるからだよ、ほらこうやってね

 

えっ?

 

 

私が不思議に思った瞬間に手を引かれた。それに前のめりになると剣と剣がぶつかる音が聞こえた。

 

 

スケルトンか

 

 

鍔迫り合い剣を弾き飛ばすとそのまま真っ二つに斬り裂いていた。

 

 

今の魔物私も見覚えがあるよ

 

ユグドラシルに還り損ねたマナの魔物だね、あれぐらいなら敵じゃないよ

 

 

そう言いながら剣を納めスケルトンを見ているとゆっくりと地面に溶けていった。

 

 

死んじゃったのかな?

 

さぁ?元から死んでるから分からないけど

 

 

再び私達は道を進んでいた。その道中に現れた魔物も全てユウくんが斬り伏せてくれていた。

 

 

私達は何処に向かっているの?

 

冥界の最深部の少し手前にそのイージスってキル姫が居るんだよ、そのイージスの家まで行こうと思っているよ

 

そっか、こんな所に住んでいるなんて変わったキル姫だね

 

僕も会った事は無いんだよね、でもフォルカスに聞いたら良い人らしいけど

 

変わったキル姫んだね

 

僕もそう思ってたんだけどたった一人で冥界を彷徨う魂をユグドラシルへ還しているって聞いてその考えを改めたよ

 

この何も無い冥界でたった一人で、、、

 

うん、たった一人でね

 

 

辺りを見渡しても何も無くただただ広がっているだけの世界で、、、考えただけで気が遠くなりそうだ。

 

 

立ち止まっている暇なんてないよ

 

う、うん!

 

 

ユウくんの後をついて行きしばらく歩くと一軒のお家が見えてきた。

 

 

あそこに住んでいるのかな?

 

そうだと思うけど、、、

 

 

何も無い無機質なこの世界に現れた真っ赤な屋根の二階建てのお家。少しだけ躊躇いながら玄関をノックする事に。

 

 

すいませーん

 

なんだ

 

 

しばらく待っていると返事が聞こえドアが開いた。すると赤髪の女の人が姿を表した。

 

 

イージスだよね?

 

そうだが、何故私の名を知っている

 

 

分けた前髪から覗く瞳が私達を睨んでいた。それにその背後には大きな盾が浮遊しているのが見える。

 

 

フォルカスから聞いてさ、それよりお願いがあるんだ

 

フォルカスからか、、構わん、話を続けろ

 

最近冥界に送られてきた八つのマナを現世に返して貰いたいんだ

 

マナをだと?

 

お願いしますイージスくん!私の大切な仲間と友達のマナなんだよ!!

 

ふむ

 

 

そう言いながら顎に手を置き考える様な仕草をしていた。

 

 

良かろう、だがお前達に試練を与える、それをクリアする事ができたならその願いを叶えてやろう

 

うん、ありがとね

 

その前に茶でも飲んでいけ

 

じゃあお言葉に甘えて

 

 

そんな訳でイージスくんに案内されて家の中へ。廊下を抜けてリビングに案内されていた。

 

 

少し待っていろ

 

 

そう言ってイージスくんは台所へと向かって行った。リビングに残された私達はキョロキョロと部屋を見渡していた。

 

 

これって、、、

 

 

私が見つけたのは壁に貼られていた一枚の写真だった。手に取り見てみるとフォルカスやミョルグレス、イチイバル、神令キラーズ達と一緒にこの家をバックに撮られた集合写真だった。何故かその写真のセンターはイージスくんだった。

 

 

へぇ、仲良しみたいだね

 

そうみたいだね

 

 

よく見ると他にも写真がある様だ。失礼だけど見させてもらう事に。

 

 

フォルカスとのツーショットや大きな盾を構えてドヤ顔の写真などそれにお尻をこちらに向けて土下座している写真もあった。

 

 

ん、これもイージスだね、隣は何か分からないけど

 

見せてよ

 

はい

 

 

ユウくんから渡してもらった写真を見て私は言葉を失った。以前天上世界に現れた化け物、カオスリーパーと笑顔で写真に映るイージス。それを見て過去の恐怖がフラッシュバックする。

 

 

…………ユウくん、早くここを出よう

 

どうして?

 

この写真に写っているのは天上世界を襲った化け物だよ!そんなのと親しげに写真に写っているって事はそれの仲間なんだよ!!

 

落ち着いて、詳しく教えてよ

 

 

慌てる私を諭す様に言葉をかけてくれた。だけど私は止まらない。

 

 

この化け物は私やデュカキスくんのキル姫を瞬殺したんだよ!いくらユウくんが強くても勝てっこないよ!

 

そうかも知れないけど今僕達が頼れるのはイージスしか居ないんだ、それに何があってもモニカちゃんは僕が守るよ

 

だったら早くここを出ようよ!!

 

とにかく落ち着いて、座りなよ

 

 

椅子に座らせようと手を掴もうとしてくれた。だけど

 

 

嫌っ!触らないで!!

 

 

手が触れた瞬間にその手を払い私は玄関へと走って行っていた。

 

 

待って!!

 

 

止める声も聞かず玄関を開け冥界へと飛び出した。

 

 

モニカちゃん!!

 

 

そう声が聞こえたけど振り返らずに。

 

 

 

 

 

…………………………………………………

 

 

 

すまない、ご飯をあげていたから遅くなった

 

 

私がリビングのドアを開けながらそう言うと既に客人の姿は無かった。

 

 

…………ええっと、こう言う場合は、、、

 

 

急いで盾にしまってあるシュミレーションノートを開くがこの様な場合の対処法は記されておらず頭を抱え込んでしまった。

 

 

 

 

…………………………………………………

 

 

 

 

私は家を飛び出して息を切らせるまでひたすら走っていた。息を整え手頃な岩に持たれ周りを見渡してもユウくんが追いかけて来るのは見えなかった。

 

 

こうなったら私一人でマナを取り返すしかない

 

 

そう決心した時だった。持たれていた岩が動いた。それに驚き距離を取る事に。

 

 

えっ、、、、うそだ、、

 

 

岩だと思っていた物はあの化け物だった。後退りながら数歩進むと何かにつまずき転んでしまった。

 

 

グゥゥゥゥゥ

 

 

そんな私に気が付いたのだろうカオスリーパーが唸り声を上げながら私に骸骨の様な顔を向けた。そして

 

 

BYAAAAAAAAAAA……!!!

 

 

以前も聞いた咆哮を上げた。それだけで私は腰を抜かしその場から動けなくなっていた。

 

 

来ないで、来ないでぇぇぇぇぇ!!!!!

 

 

最後の抵抗でミスリルソードをそれに向けていたが軽く腕を振られただけで剣は私の手を離れ地面に突き刺さった。

 

 

それに視線を送る事もせずカオスリーパーを見ていると腕を振り上げた。

 

 

もうダメだ、私は何もできずこのまま殺されるんだ。

 

 

BYAA!!!

 

黒式、、、、っ!!

 

 

諦めて目を瞑ろうとした瞬間に何かが私の後ろから飛び出した。

 

 

一紅閃っっ!!!!!

 

 

BYAAAAAAAA!!??

 

 

その一振りでカオスリーパーの腕を切り落としていた。そして私の前に立ち煙草に火を付けた。

 

 

大丈夫だった?モニカちゃん

 

 

お礼の言葉を出せずただ私は壊れた人形の様に頭を上下に振っていた。

 

 

すぐに片付けるよ

 

 

そう言ってユウくんは剣を構え直しカオスリーパーへと向かって行った。

 

 

BYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!

 

 

その咆哮の後に斬られた右腕が再生していた。

 

 

なら再生しなくなるまで斬るだけだよ!

 

BYAAAAAAAAAAA!!!!

 

 

ちょーーっと待ったぁぁぁ!!!!!

 

 

カオスリーパーの爪とユウくんの剣がぶつかる瞬間にその間に大盾が滑り込んだ。

 

 

君達!急にいなくなちゅたと思ったら何をしている!

 

退いてくれ、僕はそいつを倒さなきゃいけないんだ

 

もうカオちゃんに敵意は無い!よく見てみろ!

 

 

そう言われて二人してカオスリーパーの顔を見たけど何も分からなかった。だけどゆっくりとその腕を引っ込めていった。

 

 

分かった、敵意が無いのなら攻撃はしないよ

 

 

そう言ってユウくんも剣を納めていた。

 

 

どう言う事なの、説明してよ!

 

そうだな、まぁ立ち話もなんだから家に来てくれ

 

 

そう言われて三人と一匹で家に戻る事に。

 

 

カオちゃんが入れないからここで良いな、すぐ茶を持ってくる

 

 

そう言って玄関前に私達を残しお茶を取りに行ったイージスくん。少しするとコップが乗ったお盆と共に戻ってきた。

 

 

はい

 

ありがと

 

はい

 

………

 

カオちゃんはこれだね

 

 

そう言って桶に水を注いでいた。

 

 

コホン。それで急にどうしたと言うのだ

 

リビングにあった写真を見たんだよ、この化け物と一緒に写るイージスくんの写真を!!

 

化け物では無い!カオちゃんだ!

 

そんな事どっちでも良いよ!この化け物は天上世界に現れて私達に酷い事をしたんだよ!?

 

………それについてはこちらも異議がある、その時人間が冥界と現世を繋ぐ扉を開けていただろ?

 

うん、そうだったね

 

そのせいでカオちゃんは現世に連れて行かれたんだ、急に知らない土地に召喚されて慌てていたのだと思う、カオちゃんがそっちで何をしたかは知らないがカオちゃんも被害者なのだ

 

そう、、なんだ、、、

 

それにカオちゃんはこの世界でたった一人の私の友達なんだ。見てくれ、凄く可愛い顔をしてるだろ?

 

 

ペロペロと犬の様に桶の水を飲んでいるカオスリーパー。こちらに気が付いたのか口の周りを濡らしながらこっちを見ていた。

 

 

う、うん、そうとは知らずにごめんね

 

分かって貰えれば良い。そこの女は何か異議はあるのか

 

私は……ごめん、私の早とちりだったよ

 

うん、カオちゃんが許しているから私も許そう!

 

 

うんうんと笑顔のイージスくん。そんな中ユウくんが口を開いた。

 

 

今更だけど自己紹介をさせて貰うね、僕はユウ。ラグーナ島でバイトをしているよ

 

 

そう言った後に私に目線を向けた。

 

 

私はモニカ・ワーズワース中奏官だよ

 

私はイージス・冥令・ヘル、冥界の守護者であり神令キラーズの隊長だ。ふっ、決まった、、、

 

BYAA

 

俺の名前はカオスリーパーと言っている、好きな物はトンカツだ

 

うん。

 

それで、最近ここに来るマナが多いのだが一体地上で何が起きているんだ?

 

キル姫が暴走したんだよ、私の部隊から二人、それと後二人

 

すると計四人って事か、四人のキル姫が暴れればあのマナの数にも合点がいく

 

私は私のキル姫二人と友達のキル姫二人と暴走したキル姫の所に行ったんだ、そしたら、、、

 

無理に話さなくていいじょ、誰にだって言いたくない事ぐらいある

 

うん、ありがと

 

それでイージス、どうやったらマナを現世に戻せるのかな?

 

待っていてくれ

 

 

そう言って盾に隠れるとパラパラと紙を捲るような音がした。

 

 

私にかかれば簡単だ、だが先程も言ったように試練を与える

 

うん、それでその試練とやらは?

 

ユウの方は合格としてやろう、私の盾に傷を付ける程の実力者なら問題は無い。だがモニカ、君には試練を与える

 

 

分かった、どんな辛い試練でも良いよ、絶対に乗り越えてみせるから!

 

良い返事だ、みんなついて来い

 

 

イージスくんについて行き私達は冥界をさらに進んで行くと扉が現れた。

 

 

この扉は?

 

この扉の先が冥界の最深部だ、モニカ・ワーズワース、君に与える試練を言い渡そう

 

うん、お願いします

 

この先に進みその八つのマナをここに連れて来い、そうすれば後は私の力で現世へと返してやる。ただし

 

ただし、何?

 

 

その扉の先はキラーズを持つ者は立ち入る事ができない、モニカ一人で行くんだ

 

えっ、なんで?ユウくんは人間でしょ?

 

一応人間なんだけど、、、実はね

 

 

言いづらそうに説明をしてくれた。なんでも過去にリル=ティルフィングというキル姫からキラーズを借りて強化して貰ったとの事。そしてそのキラーズを未だに返してない事を教えてくれた。

 

 

イージスはそれに気が付いていたんだよね?

 

も、もちろんだ!隊長である私が部下の事を分からないはずがないだろ!!

 

 

目を泳がせながらそう言っていた。そんな事は良いんだ。

 

 

ならこの先は私一人で、、、

 

 

硬く閉ざされている冥界の扉を見上げた。もし開けてしまったら冥王や冥妃、神が出てきてしまいそうな。

 

 

モニカちゃんにこれを貸してあげるよ

 

 

そう言ってユウくんが使っている剣を渡してくれた。

 

 

これは?

 

この剣は零奏剣・七元だよ、この剣の聖なる力がきっと守ってくれると思う

 

分かった、必ず返すからね!

 

 

そう言って私は二人と一匹に見送られながらその扉を開け中へと入って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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