ユウくん聞いて!!
どうしたの?
やっぱりこの事件はザインってやつが一枚噛んでたよ!
…ザインって誰だっけ?
教会でユウくん達に絡んでた人だよ!
あー、あの髭の?
うん!そう!!
私はユウくんに背負われ冥界を進んでいた。その時に冥界の最深部で得た情報で私の思っていた疑問が確信へと変わりその事をユウくんに話していた。
話をまとめるとあの四人が暴走した原因はザインにあるって事?
そうだよ!どうやったか分からないけど一度暴走した事があるキル姫を暴走させる事ができるみたい!!
………ならティルが危ない、急ぐよ!
その言葉の後に何よりも早く走り扉を蹴飛ばし草原を抜けて行った。
………………………………………………………
まだやりますか?
ぬぅ、これ程の力を持っているとは、、、
私達の前には倒れたキル姫達が居た。皆手加減はしているようで生きてはいるようだ。
消えてもらえるのならこれ以上手は出しません、どうしますか?
ザインに剣先を向けると悔しそうに俯きふと口角を上げた。それに違和感を感じた瞬間に何かが私に張り付いた。
……?
ふっ、油断した様だな
私に何をしたのですか
直ぐに効果が現れるさ
その言葉の後に感情が昂りだした。心地良い高揚感に包まれ感情が制御できなくなってゆく。この感覚は……
ティルフィングが一度暴走した事は知っていた、さぁこの場でもう一度暴走の力を解放するのだ!!
自分で抑えらず爆発しそうな感情を鎮めるため手に持っていた剣を投げ捨て次の瞬間には片膝を付いていた。
ティル!しっかりして!!
アーユーオッケ?
貴様、ティルフィングに何をした!!
仲間達が私を心配して集まって来てくれた。だけど私は残された理性で声を振り絞った。
に、、、げ、、、、て、、、!
今何と?
何て言ったんだい?
、、、、、、、、て!!!
もう言葉を出す事は出来なくなっていた。その代わりに昂った感情は私を完璧に支配していた。
ア、、、アァァァァァァァァァア……!!!!
なにっ!?
暴走……?!
ラグナロク、あのキル姫は暴走した、処分しておけ
ザインッ!!!!!!
他の奏官もだ、あの暴走したキル姫を討ち取った者には多額の報酬を出そう
この外道がっ!!!
兄貴!今はあいつに怒っている場合じゃないよ!!
くるわよぉ!!みんな避難しなさい!!
グリモワールが叫んだ後にティルフィングが立ち上がった。目を紅く光らせドス黒いオーラを身に纏いながら。
私は安全な所からこのショーを楽しませてもらうよ
そう言ってザインは姿を消した。
奏官達は避難して下さい!!!ここは私達が引き受けます!
ミネルヴァがそう叫んだ後に両手に魔力を溜め始めたティルフィング、徐々に光の玉が大きくなってゆく。そして
グァラァ!!!
叫び声と共に放たれた魔弾は大地をえぐりながら街へと進みそして爆ぜた。
なんて威力してんだよ、、、
たった一撃で街が……
一撃で街が瓦礫へと変わっていた。
奏官達よ!キル姫に指揮を取るのである!!!
皆が混乱する中デュカキスの怒声が飛んだ。それに皆が落ち着きを取り戻した。
指示するったって!
そうね、みんな聞きなさい!!これよりティルフィング討伐戦を開始するわ!この御旗に集え!!
ラグナロク殿!!ティルフィング殿からの恩を忘れたと申すのか!!
いいえ、私は仲間を見捨てたりしない、必ず暴走を解き元に戻して見せるわ、その為に皆の力を借りるね
言い方が紛らわしいんだよ!!
来るわよぉ!!!
再び魔力を溜め魔弾を放った。それを迎え撃つ為にラグナロクも魔銃に魔力を注ぎ込み解き放った。
黄昏の魔弾、その身で味わいなさい!!
ラグナロクの放った魔弾はティルフィングの魔弾を飲み込みティルフィングへと襲いかかった。
ガァァァァ!!
なっ!?
当たると思われた魔弾はティルフィングの右手に弾かれ消えた。
ロジェ、頼んだ
はいっ!あのあの、ティルフィングさんごめんなさい!!
ロジェスティラが呪文を唱えると上空に無数のゴーレムが出現しティルフィングへと落ちていった。
これで足止めぐらいにはなるはずです!
でかしたぞロジェ!!
あれを見て下さい!!
誰かが指さした方を見るとゴーレムを押し除けティルフィングがその姿を表した。
あのあの!ダメでした!
行くぞアマネ!
任せて兄さん!ごめんティル!
二人のレーヴァテインが大剣を持ちティルフィングへと向かって行きその剣を振り下ろした。
なっ!
くぅぅ!
二本の剣を両手で止めそのまま二人を剣ごと持ち上げると皆の元へと投げ飛ばした。
私達も行きましょう!!
はーい♪
二人でダメなら
四人の力を合わせればいける!
駆け出すエルキュールとスイハ、その背後にネスとフライシュッツが。
ティルフィングさん!受けて下さい!!
大鎌と刃でティルフィングの動きを翻弄した。その瞬間に。
行きますよ!
うんー♪任せてね♪
フライシュッツが槍を投げネスが氷槍を撃ち放った。
あっ
その氷槍を掴み四人を薙ぎ払った。
何て強さしてんだよ!
シユウ!出番だぞ!一発かましてやれ!!
ウガァァァァァ!!!
ヴァナルガンド!シユウのサポートを!!
はいっ!!行きますよシユウ!!
猪突猛進するシユウと並走しその斧に魔力を注ぎ込んでゆく。
シユウ!!
うがぁぁぁ!!シユウとヴァナルの力うけてみろぉぉ!!!
ヴァナルガンドの魔力を纏った斧をティルフィング目掛けて振り下ろした。それを避ける事なく真っ向から受け止めたティルフィング。
やったか!?
フラグ立てるんじゃないわよ!!
頭に振り下ろされた斧をそのまま押し返しシユウを吹き飛ばしそれに巻き込まれたヴァナルガンド。
ダメだったゾ…
ごめんなさい、、、
次はあたしの番だ!この鉄槌でティルフィングをたおしてみせる!
嬢ちゃんも良い槌持ってるじゃねえか、俺と力比べと行こうぜ
うむ!ゆくぞ!!
おう!
真っ赤に焼けた槌と金属で作られた槌を振り上げグラーシーザとミョルニルが戦場を駆けてゆく。そして
せいぎの鉄槌っ!!!!
受けてみろ!!!!
神が振るいし最強の槌!
二人が同時に槌を振り下ろした。
あぁあ!
バカな!?
二人が振り下ろした槌を軽々と受け止めそして押し返してゆく。
なんのこれしき!!
潰れてしまうがいぃ!!
それに負けず二人も力を込めるのだが弾き返され宙を舞った。
バケモンだろ!!
せいぎが届かないとは…
ティルフィングが先程投げた剣を拾い構えた。その姿に皆に戦慄が走った。
あのさ、この状態ってヤバいよね?
かなりヤバいわよ!!!
紅く光らせた目でみんなを睨みながら一歩、また一歩とこちらに近づいて来た。最強のキル姫の一角、ティルフィング。それが暴走しこちらに敵意を向けた。それがどれ程に恐ろしい事か。
舐める様に皆を眺め一人に的を絞った様だ。一気に駆け出しスピードを上げてゆく。
なんでミュルなのよ!!
駆けてゆくその先にミュルグレスの姿が。半泣きになりながら剣を構えた。その瞬間。
ティル!!!
その間に割り込みティルフィングの剣を受け止めたユウ。その後に息を切らせたモニカの姿が。
早く水をティルフィングくんにかけるんだ!!!
水?
水をかければ暴走状態が解けるんだ!早く!!
それと僕の援護もお願い!!長くは保たないよ!!
よっしゃぁぁぁぁぁぁ!!!超爆燃え上がっていくぜ!!なぁみんな!!
ヒョウハが吠え皆を鼓舞してゆく。
私もビート刻んじゃうよ♪こんな時こそアゲてくよ!!
ギター型の杖を振り回しビートを刻むオルフェウス。
仙人の術の深奥見せてあげる!避けないでね!
鍔迫り合うティルフィングの背後から如意金箍棒が棍棒を振り回した。
あぶねっ!!
あっごめんね
その瞬間にティルフィングが屈み棍棒がユウを掠めた。
ロジェスティラ!あんたまだ魔力は残ってるんでしょうね?
はい!まだまだ残ってます!
なら私の言う通りに魔力を解放しなさい!
はい!
グリモワールが地面に魔法陣を描きそれに二人が魔力を注いでゆく。
あんた達時間を稼ぎなさいよ!!
ムラマサ!
はい!姉上!!
二人の侍がティルフィングの前に立ち刀に手を添えた。
いざ参ります!
いざ!参る!
一瞬の沈黙の後に同時に刀を抜き駆け出し振り抜いた。
マサオ!
任せろ!華焔黒閃斬!!
見事な剣捌きです!
天晴れだ!
ったりめぇだ!
ミネルヴァ、アフロディーテ、アルテミス、アポロン、それと犬っころ
誰が犬だ!
マントを狙って動きを止めるぞ
了解!
了解しました!
あらぁ、動きを止めるだけなんて優しいんですね
いくぞぉぉぉー!!!
そこだね!
シェキナーも頼む!
はい、お任せ下さい
七人の弓使いが同時に矢を放つがそれを全て斬り伏せていた。
くっ、、、
そんな、、
諦めるな!諦めたその瞬間に勝負は決するんだ!なぁ兄貴!
そうだ、みんな!!諦めるな!!
七人がダメなら、、、
九人で矢を放つ!!
いっけぇぇぇぇ!!!
八人が弓を引き絞り矢を放つとそのうちの一本がマントに刺さり動きを止めた。
よっしゃ!!
なら僕が剣を吹き飛ばすよ!!
矢を引き抜こうとするティルフィングにパラシュが迫る。そして。
たぁぁぁぁぁ!!
地面スレスレに斧を構え走り剣目掛けて斧を振り上げた。
やった!
キンッと小気味いい音を立て剣がティルフィングの手から弾き飛ばされた。
そのまま押さえてなさい!!ロジェスティラ!
あのあの、、、はいっ!!
エロイムエッサイム!
クルガティウエトアッセラフィ!
二人の魔術師が呪文を唱えると魔法陣が蒼く輝いてゆく。そして。
極め付けをお見舞いするわよぉ!
我呼び声に応えたまえ!
魔法陣から滝の様な水が溢れ出しティルフィングを押し流した。
ユウ!これで良いんでしょ!?
うん、ありがと!
水が消えるとそこには倒れたティルフィングの姿が。急いでそこに駆けてゆく。
ティル、ティル!しっかり!
あれ?、、、私…?
良かった、少し休んでなよ
ふぅ、、、
そう言うと目を瞑ってしまった、慌てて心拍を確認すると生きてはいる様だ。振り返り心配そうに見つめるみんなに向かって右手を突き上げた。
アクスレピオス、ティルをお願い
良いけどどこ行くのよ
あいつを殺しにだよ
ギュッと剣を握りそびえ立つ教会を睨み付けた。
ユウくん!私も行く!あんな奴生かしておけないよ!!
立ち上がったユウの元にモニカが駆け寄り教会へと足を進めてゆく。
待たれ
そんな二人に声をかけたのはエンクウだった。
奴を憎み恨む気持ちは拙僧も痛感しておる、だが、二人に人の道を外させる訳にはいかぬ
ならどうしろって言うの!?あんな奴人でもなんでもないよ!人の皮を被ったゴミだよ!殺してもいい奴なんだ!
奴は人の道を踏み外した、だからといって二人も道を外せば同じ穴の狢というもの
………分かったよ、ラグナロク
うん、分かってるよ、ザインの罪は私達がちゃんと裁くからね
なんで納得できるんだよ!可笑しいよ!
ならモニカちゃんは、そうだな、エクスカリバーが人を殺して嬉しいかな?
エクスカリバーくんはそんな事しないよ
分かってるよ、じゃあ質問を変えるね、モニカちゃんが人を殺してエクスカリバーは喜ぶかな?
………喜ばないと思う
それが答えだよ、あー疲れた
そう言って寝転がり煙草に火を付けていた。
それとみんなのマナをモニカちゃんが持ってきてくれたよ、これで蘇生できるよね?
そうだ!アクスレピオス、ヴァナルガンドくん、お願い!!
分かったわ、準備するから待っててね
ダモクレスとテュルソスは私達の魔力を回復させて下さい
分かったよ♪
うっけたまりー♪
杖の先で地面に魔法陣を描きその中心にマナを置くように伝えていた。
さぁ行くわよ!ヴァナルガンド準備は良い!?
もちろんです♪セイントキラーズの名の元に!
二人が魔法陣に手を置き魔力を込めると魔法陣が光り輝いてゆく。その二人の背中に手を置き二人が魔力を供給してゆく。そして一際光を放つと魔法陣の上に八人の姿が。
よかった、、、、
その八人を見つめるフォルカスの姿が。
フォルカス…
出番が無かったのよ、そっとしておきなさい
これでもう大丈夫よ、しばらくは安静が必要だけどね
みんなありがとね、おかげで助かったよ
良いって事よ
マスターはなにもしてないゾ
バカ!俺の華麗な指示があったからだろ!?
そんな事言う奴は八つ裂きよ、八つ裂き
むすっ
あ、アルマス……
どういう事よ、最初から最後まで私の出番無かったじゃないの!
うん、まぁ、うん、、、
絶・最悪だわ
そのうち三人が主演の話を書くから待っててよ
絶・約束よ!
とりあえず少し休みましょう
そうですね、疲れました
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