アスカロンのおかげでかなり異族が減ったようだ、スムーズに街に入る事ができた。
アスカロン、この街にパラシュが居るはずよ!
必ず見つけ出しましょうっ!
二手に分かれようと思ったけどパラシュの他にブラマーストラ、ヴァジュラが居る事を考えるとここは効率よりも安全を取るべきだ。
アスカロン、私の側を離れないでね
はいっ、ユリはこの私がお守りしますっ!
頼りにしてるわ
二人で辺りを警戒しながら進んで行くと開けた場所に一人立っている人が居た。
ねぇ、あんたがパラシュね
君は…そうか、君達がユリとアスカロンだね、ティルフィングから話は聞いているよ
ふんっ!少しあんたの話を聞いて興味が湧いたわ、パラシュの理想ってなんなのよ
僕の理想かい?それは自分自身の中に法を持っている人を剪定することさ
それはインテグラルキラーズとしての理想よ、パラシュ、あんた本人の理想を聞いてるのよ
僕自身の理想…そうだね、頂を目指して歩み続ける事さ
それはなんなのよ、誰よりも一番になりたいのか誰よりも強くなりたいのか伝わらないわ
まぁ良いさ、僕の理想は誰かに理解を求める事では無いからね
ねぇ、あんたはただ理想に縋っているだけなんじゃないの?本当は劣等感を紛らわす為にそう思い込んでるんじゃないの?
僕を否定するのかい?、ふふ、君はティルフィングに言われているから大人しくしていたけど我慢の限界だ
斧を構えるパラシュ、凄まじい闘気が吹き抜けてゆく。
さぁ、剪定を始めようか
良いわ!かかってきなさいよ!そんな誤魔化しの理想でやれるもんならね!
アスカロンと並び剣を構える。
行くわよ!
はいっ!
墜ちろ!
瞬時に距離を詰め巨大な斧での一撃。
舐めんじゃないわよ!
それを躱し斧を振り上げる隙を突いて斬りかかる。
そらっ!
振り上げながら斧を返しそのまま身体を捻りながら横への一閃。
ちっ!
なんとか反応し後方へ飛び退いた。
なら君の理想を聞かせておくれよ、君にも理想はあるのだろ?
そんな物無いわ!アスカロン、頼んだわよ!
はいっ!
アスカロンが剣に纏わせた冷気をパラシュに飛ばす。
くっ!小癪な真似を!
今だ!
怯んだ所に斬り込む
せやぁぁっ!
ぐうっ!
おまけをあげるわ!
さらに飛び蹴りを喰らわせ吹き飛び倒れるパラシュ
何よ、大した事ないじゃ無い、拍子抜けだわ
そうだね、手加減していたら君達に失礼だね
起き上がると同時に私との距離を詰められた。
一撃で散らせてあげるよ
大振りな一撃が私を襲う
ちっ!なめんじゃないわよっ!!
双剣を交差させてその一撃を耐える。
くっっぐぐぐっ!!!
ジワジワと足が地面にめり込んでゆく。
なんて力してんのよ!
僕が理想のない者に負けると思っていたのなら大間違いだよ、そのまま潰れるといい
不敵に笑い斧に力を込める
忘れたの?私には相棒が居るのよ!
私の視界の右端に映る青い影。
レヴィアタンの力、見せてあげますっ!
氷の上を滑り勢いをつけた一閃がパラシュを吹き飛ばす
ぐぅぅっ!!
良くやったわ、アスカロン
少し痺れた腕を動かしながらアスカロンを褒めていた。
ユリ!無茶な事しないでくださいよっ!
アスカロンを信じているからできるのよ
もぉぅ!
不意にアスカロンの背後から飛んでくる何かを見つけた。
アスカロン!!
きゃあっ!
アスカロンを突き飛ばすとその場所を魔弾が通って行った
ユリっあのっ
これであの時の借りはチャラよ!
はいっ!
体制を立て直したアスカロンと魔弾が飛んできた方を睨むと見たことのある二人が。
はっはっはっは!今のを躱すとは中々やるねぇ!
ヴァジュラ、もっと派手に導いてあげちゃおうよ
君達の手伝いなんて僕には必要ないよ
そう硬い事言うなってパラシュ
そうそうアタシ達が勝手にやってる系だからさ〜
厄介なのが来たわね
仲間なんでしょうか?
いや、インテグラルキラーズはキル姫は反転世界に送らないはずだわ
魔弾が私達目掛けて飛んでくる。
ユリ、私の氷の後ろに!
ありがと!
アスカロンが作ってくれた氷の壁に身を隠し様子を伺ってゆく。
派手に行くよ!
ド派手に導いてあげる!
ヴァジュラとブラマーストラが手当たり次第に魔弾を放ってゆく。
どこまで破壊すれば気が済むのよ!
魔弾が街を襲い火災が起きていた
ユリっ!私の氷が持ちそうにありませんっ!
ガリガリと魔弾で氷の壁が削られていた、作り直しているがすぐに削られてしまっている。
アスカロン!もう少しだけ持ち堪えて!
燃え上がる炎で煙草に火をつける
ユリっ!こんな時に!
大きく煙を吸い込み灰が舞い落ちる、よし、気合い入った
行くわよ
そう言うとユリは私の後ろから姿を消した
私の双剣術見せてあげるわ!!
気づくと双剣を構えヴァジュラとブラマーストラに走ってゆくユリが見えた
ユリっ!!!
しっかりと銃口を見据えて魔弾を躱しながら二人に接近する。
双剣術っ!!!
自分から導かれちゃう系〜?
疾風迅雷ってねぇ!
二人が私に銃口を向けるその刹那。
ニ紅閃っっ!!!!
二人が魔弾を放つよりも早く一閃を繰り出す、ヴァジュラを斬り裂きすぐに反転しプラマーストラも斬り裂く。
ぐあっっ!
ぐうっっ!
地面に倒れる二人
あんたの仲間は倒したわ、次はパラシュ、あんたの番よ!
剣先をパラシュに向ける
僕はこんな奴ら仲間だと思ってないよ、目障りなだけだ
倒れてる二人に斧を振り上げるパラシュ
君のおかげで剪定するのが楽になったよ
パラシュが斧を振り下ろす
させないわ!
双剣を重ね斧を止めようとする
ふんっその甘さが命取りになるんだよ
くぅぅぅぅっっっ!!!
瞬時に軌道を変えた斧が私の肩から臍にかけてスッパリと切り裂いた。
くうぅぅぅぅぅっっぅ!!!!
追撃を避ける為に飛び退き距離を取るもあまりの痛みに膝をついてしまった。
ユリッ!!!
アスカロンが走って来てくれた。
大丈夫よ、少し蚊に刺されただけよ
でも血がっ!!
そんなもん良いのよ!!パラシュ!お前は許さないわ!
血を流しながらユリが立ち上がった
ユリ
それを制しユリの前に立つ
何よ
パラシュは私が討ちますっ!!
これまでにない程冷気と闘気を纏うアスカロン。ここは任せる事に。
分かったわよ、頼んだんだからね
はいっ
アスカロンがパラシュと対峙する
そんなに君のマスターが切られた事が気に食わないのかい?
レヴィアタンの力、味合わせてあげますっ!!
巨大な冷気の竜巻を起こすアスカロン。
ユリを傷付けるなら私が許しませんっ!!
それをパラシュに向かって放つ
こんな物、相殺させてあげるよ
斧に風を纏わせてそれを迎え撃つパラシュ
やぁぁぁぁぁぁぁっ!!
たぁぁぁぁぁぁぁっっ!!
それがぶつかり合い凄まじい衝撃が辺りに響き渡り土埃が舞い上がっていた。
くっっ!!
目を手で覆っているとだんだん土埃が収まってきた。
どうなったのよ…
そんな…私の氷がっ……………
僕が理想のない者に負けるはずがないだろ
膝をつくアスカロンにパラシュが近づく
まずは君からだ!
パラシュがアスカロンに斧を振り下ろす
ねぇ、私の相棒に何しようって言うのよ
振り下ろさせれるよりも早くパラシュに一閃を繰り出した。
ぐあっっ!理想の無い君達に負ける訳にはいかないんだ!
何度だってその理想をへし折ってやるわよ!!覚悟しなさい!!
お互いが距離を取り睨み合った時だった。
パラシュ、そこまでです
私とパラシュの間に降り立った桃色の長髪の女。
くっ!あと少しなんだ!あと少しで!
パラシュ
分かったよ、、、
ティルフィングっ!!
ギリリと双剣を握り締める
ユリ、また会いましょう
私に目線を向ける事なくそう言ってパラシュとティルフィングは姿を消した。
くそっ!
ユリっ大丈夫ですかっ!?
アスカロン、あんたもね
私は大丈夫ですっ、それよりユリが!
私は大丈夫よ、とりあえずプタハの所にこの二人を運ぶわよ
でもユリっ!
良いのよ、仲間だと思って居た人に斧を振り下ろされた人達を放って置けないわ、手伝って
もぉぅ
二人を背負いながら森を抜けてプタハの村にたどり着いた。
プタハ、この二人をお願い!
家の前から大声で叫ぶ
どうしたのだ?
怪我人を連れて来たわ
酷い怪我じゃ、そなた等も傷を負っておるな
私は大丈夫よ、先にこの二人を見てあげて
しかし
良いから!
ならぬ、さぁ入るのじゃ
仕方ないわね
少し待っておれ
そう言って床に魔法陣を描き始めた。
さぁこの上に寝転がるのだ
分かったわ
ヴァジュラとブラマーストラを寝かせて私達も寝転がった。
我が杖よこの子等を癒したまえ
プタハが杖をかざすと魔法陣が光り輝いた。
ユリ、すごいですねっ
癒されるわね
しばらくすると光が収まった
これでよい、傷はどうだ?
痛くないわ、アスカロンは?
私も大丈夫ですっ!
ありがと、プタハ、助かったわ
何、娘を救うのに礼はいらぬぞ
ユリ、この二人はどうするんですか?
考えてなかったわ…
えぇ…
床で寝息を立てている二人を見ながら困り果てていた。
我がしばらく面倒を見よう
ありがとプタハ、助かるわ
それに今日はもう遅い、泊まって行くと良い
そうね、そうさせて貰うわ
煙草を吸いに外に出ると夕焼けが見る事ができた。
綺麗ね…
煙草を揉み消して家に入ると二人が意識を取り戻していた。
私達助かっちゃった系〜?
またしくじったかぁ
二人共元気そうね、良かったわ
あんたが導いてくれた系?
そうよ、あんた達とパラシュってどういう関係なの?
アタシ等が勝手に手伝ってただけだよ
それはなんで?キル姫は反転世界に連れて行かないのは知ってるでしょ?
あんたはいちいち理由が無いと動けない系〜?そんな事大雑把で良いのよ
その大雑把で街を破壊してたんですかっ
それは派手にやりたかっただけだよ、その方が楽しいだろ?
その気持ちは分かるけどあれはやり過ぎよ
細かい事は良いんだよ
そうそう、破壊と再生は表裏一体ってね
あんた達は破壊しかしてないわよ!
それでパラシュの手伝いをしてたってのはただあいつの理想を見届けたかった。それだけだよ
パラシュの理想ね、私は理想に逃げているとしか思えなかったけど
そこがまた良いんだよ、それでもパラシュは理想を求めて努力を惜しまなかった、どんな時でも、何があっても
確かにパラシュは強かったわね、ってかいきなり話変えないでよ
細かい事は良いんだって、まぁ飲もうや
どこからともなく酒瓶を取り出すヴァジュラ。
私、酒はいいわ、アスカロンと飲んどいてよ
なんだよ連れないなぁ
アタシ達と酒が飲めない系〜?
私、酒はダメなのよ
こないだモニカと達と楽しそうに飲んでたじゃないですかっ
おいおい、飲めるんじゃないか
今夜は付き合ってもらうよ〜
アスカロン、
キッとアスカロンを睨んだ。
ごめんなさい…
分かったわよ!付き合ってあげるわ!
ヴァジュラが飲んでたグラスを奪い酒を飲み干す。
んっ良い酒飲んでるじゃない
良い飲みっぷりだね!気に入ったよ!
ほらほら!グラスが空いてるよ
グラスに酒が注がれてゆく。それを飲み干してゆく。
ほら!もっと注ぎなさいよ!
それを飲み干しグラスを机に置く。
なら我がツマミを作ってやろう
サンキュー!
ヴァジュラ達との宴は夜遅く続いた。