※この作品はR-18です。

インテグラル・ノア サイドストーリーユリ物語   作:やす、

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強く、もっと強く

私は一人草原を走っていた、あの場所に向かうために。

 

 

もう少しね

 

 

しばらく進むと天高くそびえ立つマサムネ城が見えてきた。

 

 

よし!

 

 

気合いを入れ直して城を目指して走る、キトゥリスの街を抜けて城の前までやってきた。

 

 

大きな城門を開けて中へと進む、この先に居るはずだ。キョロキョロと周りを見渡しながら進んでゆく。

 

 

拙者の城に押し入るとは見上げだ根性だ

 

 

良かった、居た

 

 

以前マサムネと戦った広場にマサムネは立っていた。

 

 

何用だ、ラグナロクの名か

 

 

ギロリと私を睨むマサムネ。

 

 

マサムネ、そんなんじゃないわ、頼みがあって来たの

 

聞くだけ聞こうか

 

私を強くして欲しいのよ

 

 

…………訳を話せ、拙者に頼むなど余程の理由があるのだろう

 

実は………………

 

 

マサムネに理由を説明する、コマンドキラーズの事、また一太刀も入れれなかった事、誰も守れなかった事、もっと強くなりたいって事を。

 

 

その志は認めよう、だが拙者も敵を強くする程愚かでは無い

 

自分でもどれだけ馬鹿な事を言ってるか何て分かるわよ!でも頼めるのはマサムネしか居ないのよ!

 

去れ!拙者の刀の錆となる前にな

 

 

刀を構えるマサムネ。警告なのだろう。だけど

 

 

分かったわ

 

 

私はそれを無視し双剣を構えた。

 

 

なら私が勝手にマサムネに試合を申し込むわ!そう叫びマサムネに斬りかかった。

 

 

愚かな

 

ぐふっ!!

 

 

それを躱し一閃が私に直撃した。ゴロゴロと地面を転がり壁に叩きつけられていた。

 

 

峰打ちだ、次は容赦せぬ

 

まだよっ!私は何度でも立ち上がるんだからっ!!!

 

 

痛む身体で立ち上がり再び向かってゆく。

 

 

せやぁぁぁぁっ!!

 

ふんっ!

 

ぐぅぅ!

 

 

またしても躱され蹴飛ばされていた。

 

 

私はっ!!諦めないっ!!

 

 

立ち上がりマサムネに向かってゆく、我武者羅に戦うんじゃ無い、しっかりと相手を見据えて!!

 

 

こっのぉぉおお!!

 

何度来ても同じ事だ!

 

 

マサムネが一閃を繰り出す

 

 

見えた!

 

 

それを防ぎ斬りかかる

 

 

ほぉ、良い動きだ

 

 

だけどそれをしゃがみ避けられて鳩尾を蹴り上げられていた。

 

 

ーーーーーーーーー!!!!

 

 

 

あまりの痛みに声を出せずに宙を舞いそのまま地面に叩きつけられた。

 

 

 

ガッァ!ゴホッゴホッゴホッ!オエッッッッ

 

 

鳩尾を蹴られた衝撃で嘔吐してしまった、剣術だけでなく体術も強くならないと。

 

 

震える身体で立ち上がりペッと唾を吐き捨てる。

 

 

次こそ一撃くれてやるわ!!

 

もうやめておけ、力の差が分からぬのか

 

そんなの分かりきってるわよ!!それでも私は強くなりにここに来たのよ!!

 

 

ギュゥと双剣を握りしめる

 

 

行くわよ!!

 

 

哀れな…

 

 

双剣で斬りかかるも弾かれて鳩尾を殴られていた。

 

 

ーーーーーー!!

 

 

そのまま壁に激突して私は気を失った。

 

 

 

…………………………………………………

 

 

 

マサムネ、なぜ殺さないんだい?

 

パラシュか…見ておったのか

 

マサムネがやらないのなら僕がやるよ

 

 

パラシュが斧を振り上げた。

 

 

それはこの場でなくても良かろう

 

大丈夫だよマサムネ、ジョークさ

 

 

笑いながら斧を下げた

 

 

本当に剪定から外れているのが惜しい女だ

 

そうだね、この理想への執念は本当に殺すのが惜しいぐらいだよ

 

 

しばらくパラシュと喋っていたらティルフィング達が帰ってきた。

 

 

申し訳ありません、フォルカスを取り逃してしまいました

 

ごめんなさい……

 

あーー疲れた

 

やはり拙者達も出張るべきであったか

 

いえ、相手の力量も測れたので今回は良しとします、それよりこの娘は…

 

 

ティルフィングが気を失っているユリに気づいたようだ。

 

 

どうしてユリがここに?

 

 

ユリに近づいてゆくティルフィング

 

 

拙者に稽古を付けてくれとここに来たのだ、断ったのだが

 

そうですか…

 

 

ユリを愛しそうに見つめていた。

 

 

ティル、頭ぐらい撫でてあげたら

 

いえ、その資格は私にはありません

 

あれから数百年が経ったのにまだ記憶が消えないの?

 

そのようですね、流石、最強と謳われたティルフィングの魂です

 

そういえばあの時手伝ったお礼をまだ貰ってないんだけど

 

それはまた次の機会にでも

 

まぁ良いんだけどね

 

難儀であったからな、あのティルフィングの淘汰は

 

あのティルフィングの力はこの擬彩させし不可逆世界の実現される為には必要なものでしたから

 

おまけも付いてきたけどね

 

そうですね、まさか子を産んでいるとは思いませんでした

 

でもどうしてその時の娘が今になって生きているのよ、とっくに死んでるはずでしょ

 

それは分かりません、なんらかの理由があるのだと思いますが…

 

まぁ良いさ、僕は先に寝かせてもらうよ

 

私も、今日はお昼寝できなかったし

 

はい、おやすみなさい

 

拙者も寝床に行こうか

 

 

立ち去ろうとしたマサムネにティルフィングが声をかけた。

 

 

マサムネ、明日もユリをお願いします

 

正気か?この娘は敵だぞ!

 

はい、私は正気です、私の我儘を許して下さい

 

くっ…ティルフィングの頼みなら仕方あるまい…殺しても知らぬぞ

 

 

去ってゆくマサムネを見送った。

 

 

…………………

 

 

壁にもたれ掛かり気を失っているユリに毛布をかけてあげて誰も居ない事を確認してから頭を撫でる。もうこの子の頭を撫でる事は無いだろう

 

 

おやすみなさい、ユリ

 

 

私の言葉は誰にも聞かれる事なく夜に消えていった。

 

 

 

……………………………………………………

 

 

 

 

朝か…私はどれぐらい気を失っていたのだろう?気づくと身体に毛布が掛けられていた、それに目の前にご飯が置かれていた。

 

 

いてててて…

 

 

痛む身体を起こしまだ温かいご飯を食べていた。

 

 

ご飯を食べ終わり食後の一服、その後に準備体操。しばらく素振りをしているとマサムネが来てくれた。

 

 

おはよマサムネ

 

…………………

 

 

無言で刀を構えるマサムネ。それに向かって駆け出してゆく。

 

 

 

そんな生活が一週間程続いた、手の豆が潰れようと身体中が痛くても自分を奮い立たせマサムネに挑み続けた。なんとか私はマサムネと対等に戦えるぐらいになっていた。

 

 

そろそろ帰るわマサムネ、世話になったわね

 

次に会う時は容赦なく斬る

 

それはこっちのセリフよ!………ありがと、みんなにも宜しくね!

 

気づいておったのか

 

そこまで鈍く無いわよ、次に会う時は敵だからね!

 

 

 

手を振り私はみんながいる街へと駆け出して行った。

 

 

 

…………………………………………………

 

 

アスカロンただいま!

 

ユリっ!

 

アスカロン!

 

 

宿の前に居たアスカロンに抱きつく。

 

 

どこに行っていたのですか?ってボロボロじゃないですか!

 

師匠の所よ

 

師匠ですか?

 

そうよ、私、前よりもずっと強くなったんだからね!

 

はいっ、雰囲気から違いますよ♪

 

そういえばみんなはどこに居るのよ?

 

ユグドラシルに行くって言ってましたよ?

 

なら私達も行くわよ!!

 

はいっ!

 

 

 

 

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