私達一行は研究所を出てユグドラシルを目指し荒野を進んでいた。
ユリ、重くない?
別に、意外とお尻が大きいわね
背負っているアルマスのお尻を揉んでいた。
………っ!!もう!下ろしなさいよ!
バタバタと身をよじりアルマスが私の背中から逃げ出した。
ジョークよジョーク
うぅ…ユリってそっちの気があるのかと思ったわよ…
そんな事は無いわよ
これも愛ですわ
アフロディーテ、違うと思うわよ…
ヴァングさん達も付いてきてくれるのですか?
あぁ、乗り掛かった船だしな、それに中心街は封鎖されてるから突破するのに人手が居るだろ?
助かりますっ
なら力を貸してもらうわ、あなた達も良いの?
うむ、拙僧達も同行させて貰おう
お坊さんみたいな格好の男、エンクウがそう言う。
コマンドキラーズに対抗するなら纏まってた方が良いよ
白衣を着た男、クレイが言う。
戦力は多いに越した事は無いが大所帯になったな
皆さん、規律正しく行動しましょう
…………………
さっきから無言の人、フードを深く被り性別は分からない、ツカサって名前みたい。
なぁ、向こうに煙が上がってないか?
あぁ?本当だな
ジーペンが指差す方を見ると煙が立ち上っている。
あの方角にあるのってネオラグナロクの拠点じゃ無いの?
あぁ、あいつらの拠点ならまぁ気にしなくて良いか
待って、この魔力の波動は…ロジェスティラが居るわね
ぬぅ…相済まぬが拙僧達は一度失礼いたす
どうした?一緒に行くんじゃ無いのかよ?
拙僧はこれよりムラマサとネオラグナロクに助太刀致す
おいおい、なんであいつらに肩入れするんだよ
いや、そう言うわけにもいかないんだ、私達もここで…
ちょっと、理由を聞かせなさいよ
拙僧達はネオラグナロクに所属するキル姫に恩があるのだ
今彼らの拠点が襲われているのは私達も無関係では無いだろうからね
ここで見過ごすのは義にもとるというもの
…………アルマス、もう動けるかしら?
そうね、ちょっと運動がしたいところね
アルマスが身体を伸ばしていた。
案内しなさい、コマンドキラーズが居るんでしょ?
おい!お前らはユグドラシルの事を伝えるんだろ?
そうだけどここで見逃すのは私が私を許せないのよ
そういう事よ、私は友達の意見に従うわ
ニヤリと笑い煙草に火をつける
二人共、決断力が合って羨ましい………
来たい人だけ来て、さぁ行くわよ!
そんな事言われたら動かない訳にはいかないだろ?
マサムネが私とアルマスの頭を撫でる。
しゃーねぇな!どうせコマンドキラーズは俺の天下統一に邪魔だからなおい、ジーペン
ちっ!お前が他のやつにやられないか見に行くだけだからな
て、いう訳だわ、エンクウ、案内しなさい
うむ、感謝致す
少し歩くと建物が見えてきた。
アルマス、どっちがコマンドキラーズを倒せるか勝負よ!
望むところよ!
剣を構え戦場に向かって走って行く。
おい!ってもういないのかよ!
主君!
あぁ、拙僧達も急ごう
マスター
頼んだよヴァナルガンド
シユウ!
うがぁぁぁぁ!!ぜんりょくでいくぞ!
アスカロン、背中は任せたわよ!
はいっ!お任せください!
………………………………………………
たぁぁぁぁぁ!!!
てやぁぁぁぁぁ!!!
アルマスと二人でヒョウハとイチイバルの放つ矢を弾き接近してゆく。
これ以上ネオラグナロクのキル姫達は傷付けされないわ!私達が相手よ!
あはははははっ!威勢だけは一人前だね!
誰よこのチビ
誰がチビですって!八つ裂きよ八つ裂き!!
アルマス、コイツは私が仕留めるわ
頼んだわ!
剣を構えるチビと対峙する。
戦う前に名乗ってあげるわ!共鳴無き世界に誘うは紫電の術計、世界を支えし大いなる世界樹の神徒、ミョルグレル・神令・トールよ!
ふーん、じゃあ私も名乗ってあげるわ、双剣のユリ、以上よ!
何よ!名乗るってほどでもないじゃない!
うっさいわね!あんたみたいに長ったらしくなくて良いじゃない!
うぅぅぅぅぅぅ!!!
むぅぅぅぅぅぅ!!!
お〜よしよし、にゃんころはすぐ乗せられるな〜
にゃんころじゃないわよ!アンタも八つ裂きにするわよ!
ユリ!気をつけて!チビの割に凄まじい力を感じるわ!
矢を弾きながらアルマスが叫んだ。
ちょっと!一言多いわよ!
分かってるわ、でもこんなチビに負ける私じゃないわよ!
もう怒ったわ!死の剣の本領発揮っ!!
ミョルグレスが私に向かってくる。が。
けっ!この程度なの?
しっかりと剣撃をはじき返し怯んだ隙に思いっきり蹴飛ばす。
何よコイツ!
双剣のユリよ!あんた達の好きにはさせないんだからね!
追撃をしようと走り出した時だった。
はぁぁぁぁぁぁっ!!
おっと!!
茶髪の女の棒の一振りを躱す。
ミョルグレスちゃんは向こうをお願い!
分かったわ如意金箍棒!
けっ!誰が来ようと一緒よ!
それはどうかな?
ブンブンと棒を振り回す如意金箍棒。
ちっ!これじゃ近寄れないわね…
きゃぁぁぁっ!!
アスカロンしっかり!
ちっ!
向こうからアスカロンの悲鳴が聞こえてきた、ミョルグレスにやられたのだろうか
そこを退きなさいよ!私はアスカロンの元に行きたいのよ!
行かせはしないよ、ユグドラシルに還してあげる
ブンッと棒が私を掠める。
ちっ、落ち着け、私。師匠の刀に比べたらこんなスピード…
はぁぁぁぁっ!
見えたわ!
如意金箍棒の攻撃をジャンプで避ける。
おらぁぁぁ!!
がはっ!!
如意金箍棒が後方に下がる前に思いっきり鳩尾を蹴り上げた。
くぅぅ!!
身を屈めた所を蹴り飛ばす。
ここは通させてもらうわ
私はアスカロンの方へ走り出した
…………………………………………………
あぅぅぅ……
何よ、このキル姫大した事無いわね
アスカロン!立ちなさいよ
倒された私にグリモワールが叫ぶ
グリモワール…
くぅ!大罪さえ解放できればこんな奴!
グリモワールが魔弾を放つが全て避けられてしまっている
このまま八つ裂きよ八つ裂き
はぁぁっ…
ふらつく身体でなんとか立ち上がり剣を構える
さっきの双剣の奴なんかよりよっぽど弱いわね
ユリの事だ、私、ユリに負けてるんだ
(今度私が稽古をつけてあげるわ)
…………しい
何よ、遺言ぐらい聞いてあげるわ
羨ましい!羨ましい!羨ましい!!私より強い奴が羨ましい!!!
何よ急に
嫉妬の感情が渦巻く私の心に何かが流れ込んでくる
なにこの感覚!?ユリのバイブスをいつもより感じるっ!
私の相棒になにすんのよ!!
きゃぁぁ!!
ミョルグレスがユリに蹴飛ばされた。
アスカロン!助けに来たわよ!おいチビ、私の相棒に手を出すなら容赦しないわよ
漆黒のオーラをユリが纏った。
ユリ………!!!
違う、守られるんじゃ無い
ユリ!私の手を握ってください!
何よ、分かったわよ!
七元を収めて左手を私に向ける
はい、早くしなさいよ!
はいっ!
ユリの手を握る
あぁ、こんな小さな手で私を守ってくれてるんだ…羨ましい
アスカロン、羨ましいがってばかりではダメよ
はいっ!!!
ユリのバイブスを強く感じる、あぁこの力…、違う、この力を超えるんだ!
その時、私の身体が光り輝いた
アスカロン?
これが…大罪の力…!?
姿を変えるアスカロン
ユリの強さへの嫉妬で大罪が発動したんだわ!
今からは私がユリを守ってあげます!
今まで以上に闘気と冷気を纏ったアスカロンが吠えた。
アスカロン、あんたばっかりに良い格好はさせないんだからね!
アスカロンの隣に並ぶ。
イチイバルさん!あのあの…
うん、ふむふむ、分かったよ、ありがとロジェ
お役に立てて嬉しいです…
おい、そこのでこっぱち
私の事!?許さないんだから!!
お前のマスターが地上世界に降り立ったみたいだ
なっ!マスターが!?
あいつは邪魔だからなぁ…今のうちに還しておくよ
そんな事させないわ!!
(確かに感じる、このバイブスはカミトに違いないわ!お願い!私に力を貸して!)
…………………………………………………………………………
ん?
どうしたのカミトくん?
グリモワールのキラーズを感じるんだ、少し待ってて
分かったよ
(グリモワール、頑張って、伝わるか分からないけど祈るよ!)
…………………………………………………………………………
感じるわ!マスターのバイブスを!祈りを!
グリモワールの身体が光り輝きその姿を変える
死者の怒りで燃やし尽くしてあげるわ!!
あのあの…なんで敵に塩を送るような事を…
これも作戦さロジェ、ボクは天才美少女戦姫だからね、ドヤァ☆
なによく分からない事言ってるのよ!力は揃ったわ、このまま斬り刻んであげるわ!!アスカロン!
はいっ!!
アスカロンと並び剣を構える
あのあの!何か変な気配がっ、きゃぁぁ!!
ロジェ!キミ、やってくれるね、消えとく?
そういう訳にも行かないの、頑張ってここまで来たんだから
くっ…変な動きをする……
なにやってんのよ!イチイバル!こんな奴ミョルが…
はい、残念でした
きゃぁぁ!!
何よあいつ…動きが無茶苦茶だわ!
赤いキル姫を睨む。
くぅ、ここは退却しよう、データは得られたんだ、いくらでも対策できる
おい!イチイバル!ここから超爆・燃え上がるんだろ!?
いや、一人でも欠けたらフォルカスに顔向けできない、ここは退くよ
りょ!
姿を消すコマンド達
あっ!待ちなさいよ!
はい、ストップ
何よあんた!
変な奴が私の前に立ちはだかった。
私はリサナウト・針枷・クロノス。ネオラグナロクの創始者よ!
あなたがネオラグナロクを作ったんですかっ?
そうよ、キル姫によるキル姫のための楽園を…
シユウ!やれ!
うがぁぁぁぁぁ!!
ええっ!?いきなり何するのよ!
うるせぇ!てめぇのせいでど俺達奏官がどれだけ苦しめられたと思ってるんだ!
テュソルス殿らに恩はあるがネオラグナロクの無体は目に余るものがある
創始者が出てきてくれたんだ、ここできっちり片をつけようじゃないか!
主君!いつでも行けます!
私もまだまだ行けますよ!
あれ?どうして私こんなに嫌われてるの!?
おぉぉぉぉ!教祖様!教祖様がお帰りになったぞ!
教祖リサナウト様!我々を導き下さい!
なんだあいつら、どっから湧きやがった
ぬぅ、やりにくい者達だ
ねぇ祭祀長さん、私が居ない間に何かあったの?凄く反感買ってるけど
何も問題はありません!教祖様の言う通り奏官の支配からキル姫を助け出して参りました!
罪深き奏官達に死を!!
なにそれ怖い…私そんな事言ってないわよ!私が帰ってくるまでにマスターが居ないキル姫を出来るだけ集めてって言ったのよ!
はい!つまりキル姫に奏官は不要って事ですよね!?
キル姫様の為に奏官を誅してまいりました!
…………………じゃあまたね、みんな
何処かに飛び去るリサナウト
おい!あいつ逃げやがったぞ!
ヴァナルガンド!あそこだ!
私の邪眼からは逃れられません!
取り押さえるわよアスカロン!
はいっ!
いやぁぁぁぁぁ!これは違うのよ!誤解なのよ!
やっと戻って来れたわってみんな何してんのよ
アルマス、この人がネオラグナロクを作った人なんだって
ふーん
誤解だって言ってるでしょ……
縄で縛られて項垂れているリサナウト。
まぁまぁこの辺でやめといてよ
そうそう、私達にとっては恩人なんだから
おぉテュソルス殿、レシェフ殿、仕方ない、二人の顔に免じて
エンクウが縄を解く
あなた達!みんなマイナス10000ポイントよ!
なんてことだぁ!
一気にポイントがマイナスに…
なんのポイントよ…
聞いた話だとリサナウトは長いことここに居なかったみたいね
時間が経つにつれて最初の言葉が曲解されていくのは良くある話よ
禍福はあなざえる縄の如しって言葉を知ってる?きっとこれからあなた達には良いことがあるわよ
無理矢理誤魔化そうとしてない?
そんな事無いわ、これは確定事象なの
まぁ、なんでも良いわ、早くユグドラシルに行きましょ
煙草に火をつける
あなた、ユリね
なぜ私の名を知っているの
ギロリとリサナウトを睨んだ。
頼まれたのよ、あなたの両親に、遥か昔にね
どう言う事よ、詳しく聞かせてもらうわ
あなたの両親は死の間際にまだ小さかったあなたを私に託したの、二本の剣とライターとね
待って、私の両親って何百年も前の人よ!信じられないわ!
私の能力、時を操る力でユリをこの時代に飛ばしたわ、最も世界がユリを望むタイミングにね
どう言う事よ!
自分でも薄々気づいているはずよ、半姫半人の身体にキラーズとバイブスを宿しさらに強欲の大罪まで
…………………
また会いまひょユリ
そう言って姿を消したリサナウト。
……………………
ユリ…
何よあいつ!最後に噛んだせいで全部台無しだわ!
締まらない人だったわね…
まぁ良いわ、私がなぜこの時代に居るか分かったし
再び煙草に火をつける
さぁ!ユグドラシルに行くわよ!