うぅぅーーーーーんっ
布団から身体を起こし大きく伸びをする、昨日の夜中に何度も目を覚まし時計を確認していたから少し寝不足気味だ。
隣で眠るアスカロンは…まだ夢の中だ、そろりと布団を抜け出してコーヒーを淹れてから煙草に火をつける。このコーヒーと煙草が混ざった匂いが好き、何でも屋じゃなくて喫茶店にすれば良かった。そんな知識無いけど。
ふぅーーー
ポンポンと灰を落としながら時計を確認するとまだ5時半だった。何をして暇を潰そうか?
………………………
特に浮かばなかった為再びアスカロンの隣へ、ゆっくり抱き締めて眠りに落ちようとした時だった。
おはようございますユリっ
んっおはよアスカロン、起こしちゃった?
ユリが布団から出た時に目を覚ましちゃって
いつもなら起きないじゃないの
ラグーナ島が楽しみですからねっ
ならアスカロンのコーヒーを淹れてあげるわ
お願いします♪
起き上がりコーヒーを淹れてあげる、さて、何をしようか?
悩んだ末にもう一度荷物を確認する事に、問題は無さそうだ。
落ち着きがありませんね
そう?
はいっ、いつもならコーヒー片手に煙草を吸ってますよ?
それだと時間が過ぎるのが遅いのよ、まだ6時前よ?
それだけ楽しみなんですね♪
そうかもね
少し落ち着こう、椅子に座り煙草に火をつけ舞い上がる煙を見つめる。
そういうアスカロンもソワソワしてるわよ
私も早く時間が過ぎないかなって
あと少しよ、のんびり待ちましょ
煙草を揉み消して部屋を見渡すが特に何も変わった所は無い。何かをしようと立ち上がるも何もする事は無くまた座り直していた。確かに落ち着きが無い、そういうアスカロンは氷でドミノ倒しをしていた、それを見ている事に。
あっ
パジャマの裾が引っかかりアスカロンの苦労の結晶はパタパタと倒れていった、落ち込むアスカロンが少し可愛かった。
そろそろ着替えて行くわよ
はいっ!
いつもの服に着替えて二人で戸締りを確認して家を出る、目指すはラグナロク教会だ、二人共小走りで進んでゆく。
受付をしてくるわ
私もついて行きますっ
アスカロンと二人で受付に向かって行く、天井に案内の看板がぶら下がっていた為迷子になる事はなかった。
おはようございます、本日はどの様なご用件で?
ラグーナ島へ転送して欲しいのよ
はい、キル姫二名様でよろしいですか?
はいっ、お願いします
こちらへどうぞ
受付の人に案内されて転送室へ、扉を開けてもらうとよく分からない箱型の機械が置いてあった。
二名様ご案内ー
受付の人の言う通りに機械の中に入ってゆく。
それでは良い旅を
その声を聞いた後に視界が暗転し次に目を開けた時には水の中だった。
えっ!?何これ!溺れるっ!!
バタバタと手足を動かして空気を吸おうともがく。
ユリ、落ち着いて下さいっ!
だって水の中よ!このままだと溺れ死ぬわよ!!
それならユリは喋れないはずですよ?
えっ……?
ほら、ここに海中トンネルって書いてありますよ?
アスカロンが指差す方を見ると[海中トンネル、この先ラグーナ島]と書かれた看板があった。
…………………………ふんっ
あまりの恥ずかしさにそっぽを向いてしまった、その目線の先には優雅に泳ぐ魚達の姿が。
綺麗ですねユリっ♪
そうね
かまぼこの形の様なこのトンネルは透明でできており海を泳ぐ魚達の姿や見上げれば太陽を受けて煌めく海面が見る事ができた、それに何処かから音楽が聞こえてくる、それを楽しみながらラグーナ島を目指して歩いて行く。
あれってマサムネさんじゃありませんか?
何処よ?
ほら、あの銛を持って泳いでいる人ですよ?
アスカロンの指差す方に居る泳いでいる人、確かによく見ればマサムネかも知れない。
まぁ良いわ、地上に上がりましょ
はいっ
しばらく進むと係の人に呼び止められた。
お客様、この先は水着着用でないと進む事はできません
分かったわ、更衣室はあるのかしら?
彼方に
行くわよ
はいっ!
更衣室で水着に着替えてゆく、慣れない水着姿に少し恥ずかしさを感じていた。
似合ってますよ?
そういうアスカロンもね、そろそろ行くわよ
荷物を持ってさっきの係員の所へ、チケットを見せると南風ってホテルに荷物を運んで貰えるとの事。
先に行っているわよ!
あっ!待ってください!
二人で競うように階段を駆け上ってゆく、そしてその先に広がる光景に心を奪われていた。
うわぁぁっっ!すっごく綺麗ですっ♪
本当ね、さぁ遊び尽くすわよ!
眩しい程に太陽が輝きそれを乱反射させる水平線。どこまでも続く白い砂浜、雲一つない青い空、全てが新鮮で私達の心を震わせる。
行くわよ!
はいっ!
二人で砂浜を走り海へと飛び込んでゆく。
ぷはぁっ、気持ちいいわね♪
そうですね♪
海底に足をつけながら二人で海を満喫する、寄せては返す波が心地良い。
アスカロンは泳げるの?
私、泳げないんですよね…ユリはどうですか?
私も泳げないわ
こんなに広い海なのに砂浜の近くだけで遊ぶのは勿体無い、何か良い手はないのか?
あそこの売店に行ってみますか?
そうね、何かあるかも知れないわ
焼けた砂浜を歩き売店へ、何か海で遊べそうな物を探してゆく。
あっ♪これなんてどうですか?
どれどれ?
アスカロンが持ってきたのは浮き輪と呼ばれる物みたいだ、店員に聞くと膨らませるとドーナツみたいになってその穴に入って海に浮くという物らしい、二つ返事でそれを購入して空気を入れて膨らませてもらう。
行くわよアスカロン!
行きましょう♪
膨らんで大きくなった浮き輪を二人で持って海へと向かって行く、それを海に浮かべてその穴に身体を通す、少し不安だったが浮かぶ事ができた。
はぁぁ………気持ちいいですね♪
そうね、大陸にある海もこうだったら良いのに
二人を乗せた浮き輪は波と風によって沖まで流れてゆく。
太陽が心地いいです…なんだか眠くなっちゃいますね
アスカロン、一つ疑問があるんだけど
はいっ?
どうやって岸まで戻るのかしら?
えっ?
気づけばかなり沖まで流されてしまっていた、泳げない私達に岸に戻る手段は無かった。
どうします?
このままだと何処まで流されるか分かったもんじゃ無いわ!漕ぐわよ!
はいっ!
二人で浮き輪から身を乗り出し手で漕ぐがまるで進んでいる気配が感じられなかった。楽しいバカンスが一転、この広い海原を彷徨う事になってしまった、気温は高いが背筋に寒気を感じる。
何をしておるのだ?
必死に手で漕いでいたら海面に顔を出すシュノーケルをつけた黒髪の女に話しかけられた。
マサムネ?
そうだが…お主らはここで何をしておるのだ?
流されちゃって戻れないんですっ
そういう事なら拙者が岸まで押してやろう
助かるわ
マサムネが浮き輪を押してくれる事に、浮き輪を両手で掴みばた足で岸まで運んでくれた。
助かったわ、この借りはいつか返すわよ
礼には及ばぬ、観光客を助けるのも、ばいと、のうちだからな
マサムネさんは何をしているのですか?
拙者は素潜りで海鮮を獲っておる、それをあそこに居るパラシュが焼いて振る舞うのだ
マサムネが指差す方にパラシュが居た、確かにバーベキューコンロの前で何かをしている。
安心したらお腹空いちゃいましたね
そうね、そろそろお昼だしパラシュに何か焼いてもらいましょう
はいっ♪
拙者はこれにて
ありがと、助かったわ
ありがとうございますっ!
マサムネを見送り私達はパラシュの元へ、網の上で焼かれている海鮮のいい匂いが漂ってきた。
パラシュ、久しぶりね
パラシュさんお久しぶりですっ
やぁ君達、ティルフィングから話は聞いているよ、沢山あるから好きなだけ食べてくれ
ありがと、私は海鮮はあまり知らないからオススメの物を貰うわ
私もお任せしても良いですか?
構わないよ、少し待っていてくれ
砂浜にある椅子に座りながら待つ事に、パラソルが陽を遮り心地よい風が吹き抜けてゆく。
さぁ全部平らげてくれよ?
パラシュが焼いた物を持ってきてくれた、初めて食べる海鮮物に期待が高まる。
これはどうやって食べるのよ?
これはね頭を持って尻尾の部分を千切って殻を剥いて食べるんだよ、一つやってあげるよ
パラシュが海老と呼ばれる物を丁寧に剥いてゆく。
ほら、食べてみなよ
ありがと
匂いを嗅ぎ一口、うん美味しい
美味しいわね
私もお願いしますっ♪
任せて
アスカロンも剥いた海老を一口
んっ美味しいです♪
喜んでくれて何よりだよ、他のやつも食べ方を教えてあげるよ
サザエと呼ばれる貝に焼き魚、後はタコとイカ、いつもより豪華な昼食を楽しんでいた。
君達はここに初めて来たんだろ?パンフレットをあげるから楽しんで来るといいよ
ありがと、助かるわ
何があるのですかね?
ご飯を食べ終わり二人でパンフレットを読んでゆく、このラグーナ島はビーチの島、プールの島、ジャングルの島に分かれておりそれぞれの島に個性があるみたいだ。因みに貰ったチケットを見せればどの島のホテルでも宿泊は可能みたい。
流石リゾート地ね
夜にこれに乗りませんか?
アスカロンが指差すのはナイトクルーズというもの、何でも船に乗ってこの島を一周してくれるらしい
そうね、少しでも気になったものは全て実行するわよ!
おぉーー♪
そうは言っても少し休憩、パラシュにもらったウーロン茶を飲みながら煙草に火をつけていた。
私、海の家を少し見てきますね♪
ここで待っているわよ
さっき立ち寄った売店に向かうアスカロン、売店じゃなくてここだと海の家っていうらしい。
もうティルフィングには会ったかい?
まだよ、何処に居るのかしら?
君達は南風ってホテルに泊まるんだろ?そこに行けば会えるさ
ならその時に挨拶をするわ、因みにパラシュ
なんだい?
このチケットっていくらするのよ?
これぐらいかな?
指を二本立てるパラシュ
それぐらいなら毎月来れるわね
一つ桁が足りないよ
えっ?20!?
そうだよ、ここは高級リゾート地だからね
そんな所に私達が来て良いのだろうか?お客が来ない店の事を思い出して現実に引き戻されてしまった。
…………………
いつのも元気な君は何処へいってしまったんだい?君に悩んでいる顔は似合わないよ
ちょっと現実を思い出しただけよ、腹ごなしに何をしようかしら?
海の家の方を見るとボールを抱えたアスカロンが嬉しそうにこっちに走ってきていた。
ビーチバレーしましょうよ♪
??
困惑する私にアスカロンが説明をしてくれた、とりあえずヤシの木にロープを張ってコートを作ることに。
こんなものかしら?
こっちもできましたよ♪
砂浜に線を書いてくれた、さぁ始めようか。
いくわよー
はーい
ポンっと手でボールをアスカロンへ飛ばすとそれを打ち返してくれた、それを打ち返すし慣れない砂浜に足を取られながらもラリーが続いてゆく。
せやっ!
ああっ!
先制点を取ったのは私だった
私の勝ちのようね
まだです!もう負けませんっ!
アスカロンがサーブを放つ、それを打ち返してゆく
私の方が強いんだからね!
嫉妬の氷よ!私に力を!
砂浜を凍らせ足元を確保してアスカロンが俊敏にボールを打ち返してくる。
ちょっと!凍らせるなんてズルいわよ!
私の嫉妬の心が勝てと騒ぐんです、負ける訳には行きませんっ!
それならその心、私が砕いてあげるわ!
ビーチサンダルを脱ぎ捨て裸足でコートを駆け回る、戦いとならば負ける訳には行かない!
お互いの意地とプライドをかけてボールに力を込め打ち返してゆく。楽しくなってきたわ!
せやっ!
たぁっ!
ロープの真上に浮かんだボールに両者同時に飛び上がりスマッシュを打ち込むとそのままボールは破裂してしまった。
引き分けですねっ
最初に一点取った私の勝ちよ
今は勝ちを譲ってあげます、次は負けませんからねっ
望むところよ
握手をしてから片付ける事に、ロープを外し砂浜に書かれたコートを消して氷を溶かす、こんなものか。
次は何をしようか?
これなんてどうです?
アスカロンが指差すのはホバージェットと呼ばれる乗り物らしい、スケボーみたいな大きさだが何に使うのか謎である。
これはね
ふむふむ
店員が説明をしてくれた、二人分それを借りてライフジャケットを着てそれを持って砂浜へ、乗り込んでスイッチを入れると少しだけ浮き上がった。
行くわよアスカロン!
競走しましょう♪
因みにこのホバージェットは体重をかけた方に移動するらしい。
うわっ!!
少し前のめりになったらそのまま先端が海面に突き刺さりそのまま投げ出されてしまった。
ユリっ大丈夫ですか?
もう乗りこなしているアスカロンが心配して来てくれた。
今のは練習よ、今から私の華麗な運転技術を刮目しなさい
再びホバーに乗りのみ慎重に操作してゆく、うん、大丈夫そうだ。
あの沖に浮いているやつでUターンして先にこの砂浜に戻ってきた方の勝ちよ
負けませんからねっ!
お互い同じ位置に並び腕時計を見る。
後10秒後にスタートよ
はいっ!
3、2、1、GO!
お互いが水飛沫を上げながら突き進んでゆく、運転技術は同じぐらいか、なら度胸のある方が勝つ。体制を低くして前方に体重をかけスピードを上げこのまま無理矢理Uターンをしようとしていたのだが。
うわぁっ!!
残念な事に勢いが良すぎて曲がりきれず吹き飛んでしまった。その横をアスカロンが駆け抜けてゆく、度胸だけじゃ何ともならない事を悟った。
ぷはっっ!しょっぱっ!
口に入った海水を吐き出しながらホバーまで泳いでゆく、そのまま砂浜まで進んでゆくと、笑顔でアスカロンが私を待っていてくれた。
私の勝ちです♪
これで一対一ね、次は負けないわよ!
でももうすぐナイトクルーズの時間ですよ?
えっ?
腕時計を見るともう5時を回っていた、夢中になりすぎて時間を忘れていたようだ
ホバージェットを返しにいってからクルーザーの所まで歩いて行く、受付を見るとロンギヌスが居た。
ロンギヌス久しぶりね
お久しぶりですっ
ナイトクルーズに参加するのですか?
そうよ、この船で行くの?
小型な船が港に一台停泊していた。
そうです、では乗って下さい
はーーい
太陽が水平線へ沈んで行くのを見ながら船は進んでゆく、島を一周した頃には太陽は沈み代わりに月が島を照らしていた。
綺麗ですね♪
そうね
島を月明かりとホテルの客室が照らしている、大陸では見る事のできない夜景だ。こんな景色を男と見ていたら例えヴァングでも惚れてしまうかも知れない。
ここからはサービスですからね?他のお客さんには言わないで下さい
ロンギヌスがそう言うと船は少し沖の方へ、島の上に浮いている月と水面に映る月、それを彩る島の明かり、それを言葉も交わさずに二人で見ていた。
そろそろ戻りますね、絶対に他のお客さんには内緒ですからね?聞かれたら嫉妬されちゃいます
ありがとロンギヌス
素敵な夜景でした♪
いえ、ティルフィングに言われていますから
船はゆっくりと島へと帰っていった、船を降りて大きく伸びをする。
まだ揺れている感じがしますね
船酔いしなくて良かったわ、そろそろホテルへ行くわよ
看板を見ながらホテル南風へ。
ここですよね…?
そうよね?
二人でホテルを見上げる、なんだろ?凄く高い建物であの地上世界に合ったビルって奴よりも立派で、、、あぁもぅ!何を伝えたいのか分からないけどとりあえずこの建物は立派だって事だ。何度もチケットの名前とホテルの名前を見比べながら入ってゆく。
いらっしゃいませ、お客様
スーツ?タキシード?を着た店員に迎えられそのまま受付まで案内してもらう事に、店の接客レベルを上げるために勉強しておこう。
いらっしゃいませ、ホテル、南風へようこそ
受付嬢をしているのはティルフィング、黒いビギニの水着を着こなしネクタイをしているその姿はまさにオトナの女性だ。
チケットありがと、楽しい旅になりそうだわ
ティルフィングさんありがとうございますっ♪
この世界を救って貰ったお礼ですよ♪お客様の部屋は当ホテルの最上階、8階となっております
深いお辞儀から頭を上げたティルフィングから鍵を貰いエレベーターと言うものに案内してもらった。
後でお部屋に遊びに行きますね♪
ティルフィングがボタンを操作して扉が閉まる時にそう言っていた、が私達はそれ所じゃなかった。
あぁぁっ…海があんなに小さく見えますね♪
そうね、でもそれでも海は大きいわね♪
エレベーターの空間?がガラス張りとなっており登るにつれて段々と眺めが良くなってゆく。その景色に酔いしれていたら8階に着いたようだ、導かれるように扉を抜けて鍵に書かれた部屋にゆく。
はぁぁ………
部屋の扉を開けてまず最初に出たのはため息だった、がっかりしたって訳じゃない。部屋が凄すぎて理解を超えてしまったのだ、二人共無言で一面がガラス張りになった所まで歩いてゆく。
ガラスにおでこをつけて眼下に広がる景色を眺める、こんな部屋に泊まるなんてバチが当たるんじゃ無いのだろうか?
ユリっ、ここから外に出られそうですよ?
本当!?
ほら?
アスカロンが勝手口を開けてベランダへと出て行った、それを追いかけて私もベランダに。潮風を感じながら手すりにもたれ煙草に火をつけ景色を一望していた。
はぁぁっ………
もう言葉は出なかった、ただ煙を吸い込み吐き出してゆく。
素敵ですねっ
そうね
二人で肩を寄せ合い景色を眺めていたらドアがノックされた、その音で我に返り二人でドアを開けに行く。
失礼します、お食事のメニューをお持ちしました
ありがと
二人でティルフィングが持ってきてくれたメニューを見るも良く分からなかった。
私はオススメのものを貰うわ
私もオススメの物をお願いしますっ
畏まりました、二人共22時頃は何をしていますか?
何もしてないわよね?
そうですよね?
それなら当ホテルのバーに来て下さい、4階にありますからね?
分かったわ
お食事は30分後ぐらいにお持ちしますね♪
そう言ってティルフィングは去っていった。
少し時間が空いちゃいましたね
お風呂にでも入ろっか?
そうですね
二人で部屋を彷徨いやっと浴室を見つけた、水着を脱いで二人でお風呂に入ってゆくのだが。
………………
またしても言葉を失ってしまった、これはお風呂って言うよりプールなんじゃないのだろうか?
家の寝室ぐらいありますよね?
そうね…もう言葉が出ないわよ
しっかり掛け湯をして身体に着いた塩分を洗い流しそのまま湯船へ入ってゆく。
落ち着きませんね
広ければ良いってもんじゃ無いわね
広々とした湯船の端っこに身を寄せ合いお湯に浸かっていた、そろそろ身体を洗おうか。
二人で隣同士に座り身体を洗ってゆく、シャンプーとボディソープを間違えたが問題は無いだろう、泡を洗い流し身体を拭いて髪の毛を乾かしガウンを羽織る。
すっごく良い匂いでしたね♪
帰りに買って帰ろうかしら?
いくらするんですかね?
想像もしたく無いわね
二人でベッドに腰掛け料理が到着するのを待っていた。寝転ばないのかって?このベッドに寝転んだら眠く無くてもすぐに眠りの世界に誘われるだろう。
しばらくするとドアがノックされた、二人でドアを開けると荷台を引いたレーヴァテインが水着姿でダルそうに料理を運んでくれた。
食べ終わったら勝手に持ってくから置いといて
ありがと
テーブルに並べられた料理の数々を二人で見ていた。
食べましょ?
どうやって食べたら良いのかしら?
見た事も無いような料理に戸惑ったけどスプーンとフォークを頑張って使って食べてゆく。
あぁぁっ美味しいですっ♡
私はもう言葉が出てこないわよ
でも?
とっても美味しいわ、もう幸せよ♪
きっと天国があるのならここの事をいうのだろう、私は良く分からない事を考えていた、気づけば全ての料理は二人のお腹に収まり至福の時間を過ごしていた。
今は何時ですか?
えっと、もうすぐ22時ね、そろそろ行くわよ
そうですね、鍵は私が持ってますからね♪
頼んだわよ
二人でエレベーターに乗り4階にあるバーに向かう、少し迷子になったけどたどり着く事ができた。
扉を開くとお洒落なバーカウンターにその後ろには沢山の酒瓶が並んでいた、それに部屋の一角にハープを持ったキル姫が二人、私達と目が合うと演奏が始まった、それを聞きながらカウンターに座る。
お二人さん、ヘァピィしてるぅ?
黒い水着に何故か眼帯をしたフライクーゲルがいた。
もちろんヘァピィしてるわよ
私もですっ♪
ならもっとヘァピィになってもらうよ!タイムプリーズ
後ろの酒瓶を取り出しシェイカーに入れてシャカシャカと振っていた、しばらくするとグラスに注がれたカクテルを渡された。
シェリーフリップさ、エンジョイナイッツ!
乾杯♪
アスカロンとグラスを合わせてグッと飲み干す、あぁ幸せ
お待たせしてすいません、少し手間取ってしまって
しばらくするとティルフィングが入ってきた。
気にして無いわ
お疲れ様です♪
二人共まだ飲めますか?
私はまだまだ飲めるわよ
私もです♪
ならフライクーゲル、プリンセスメアリーを二人に
オッケィ!タイムプリーズー
二人共ラグーナ島は楽しんでしますか?
もちろんよ、これ以上無いってほど楽しんでいるわ
私もすっごく楽しいです!
良かったです、今夜は二人に会わせたい人が居るんですよ♪入って下さい
ティルフィングがそう言うとドアが開き入ってきた一人の男。
………………ユウさんっ!!!
アスカロンが立ち上がりユウに抱き着いていた。
よしよし、久しぶりだねアスカロン
はいっ!ユウさんもお久しぶりですっ!
ユリの面倒見てくれてありがとね
そんな事無いですよ!私の方がユリにお世話になりっぱなしで…
それでなんであんたがここに居るのよ?ティルフィングの中に入ったんでしょ?
そうだけどそろそろ良いかなって出てきたんだよ、それで暇だからこのホテルでバイトしてるんだよ
ユウはここの料理長をしているんですよ
もうそれバイトの領域じゃ無いわよね?
細かい事は良いんだよ、クーゲル、生一つ
私にも生一つ
君達は遠慮を知らないね、私はまだワークナウね!
細かい事は良いんだよ
四人の元へお酒が置かれた、それを手に取り乾杯。
それでユリ達は何でも屋をしているんだよね?
そうよ、まだ始めて日は浅いけど
あんまり人来ないでしょ?
私が気にしてる事を言わないでよ!
教会がそういう事をしているのですよ?知らなかったのですか?
えっ…?
大陸中の依頼が教会に行くんだよ、それを教会が抱えている奏官達に振り分けられるんだよ
そんな事知らないわよ…
お客が来ないと思ってはいたけどまさかそんなライバルが居たなんて…
本当に知らなかったのですね、私が教会に口利きをしてあげますよ?
なんであんたがそんなコネを持っているのよ
昔ユウと二人で教会の危機を救ってきましたから、それに私は1stキラーズの一人ですよ?
ならお願いするわ、もう私の店は閑古鳥が鳴いているのよ
はい、頼んでおきますね♪フライクーゲル、二人にジントニックを
タイムプリーズー
ティルフィングさんが頼むカクテルって何か意味があるのですか?
アスカロンはカクテル言葉って知っていますか?
知らないですっ
ならこの本をあげるよ、知っていたらもっと楽しくカクテルが飲めるよ
ありがとうございます♪
アルテミス、アポロン、涼やかなナイトプールをお願いします
分かりました、アポロン
任せておねーちゃん!
二人がハープを奏で始めた、流れる曲は涼やかなナイトプールっていうらしい
それでなんで私達にチケットをくれたのよ?
手紙にも書いたけど開業祝いだよ、後世界を救ってくれたお礼もあるけどね
何にしようか悩んだのですが二人の姿も見たかったのでこれにしました♪
チケットを貰えれば何時でも顔を見せてあげるわよ
それなら僕等が会いに行くよ、次チケットをあげるのはお店が1周年になったらだね
ジョークよジョーク、こんな良い思いしたら家に帰りたく無くなるわよ
たまに来るから良いんだよ、僕なんてもう見飽きたよ
私もそろそろ飽きちゃいましたね
贅沢な悩みね
ユウさんに聞いて欲しい事が沢山あるんですよ♪
うん,聞いてあげるよ
楽しそうにユウと喋るアスカロン、私はティルフィングと喋る事に。
なんでこんな所でバイトしているのよ?
昔からしてたんですよ?その時に迷子になって大陸まで行ってしまい教会に保護されてユウと出会いました♪
何してんのよあんた、しっかりしている印象が崩れてゆくわよ
素の私はこんな感じですよ?
聞きたくなかったわね
今度手合わせしましょうよ、娘の成長が気になります
やめておくわ、最近何もしてないから自信が無いのよ
私のあげた骸斬とユウの七元が泣きますよ
手入れはしているわよ
ジントニックを飲み干す、次は何を飲もうか?
ユリはお酒は強かったですよね?
それなりになら飲めるわよ
なら付き合って貰いますよ♪フライクーゲル、ウォッカ・アップルジュースを二つ
任せてよ!
フライクーゲルがシェイクするのに合わせて演奏が変わった、何処かで聞いた事のあるような音楽だ。
この曲は水中トンネルの中で流れている曲ですよ、題名は夏色の選択肢です♪
へぇ
演奏と共に渡されたカクテルを楽しむ、凄く優雅な時間だ。
それよりユリは彼氏はできたのですか?
んっ!!急に変な事言うんじゃ無いわよ!危なく吹き出すところだったわ!
少し気になったので
私より強かったら考えても良いわよ、まぁ私が好きになる人なんていないでしょうけどね
母としては残念です
孫の顔なんて期待しないことね
気長に待ちますよ♪
楽しい時間はあっという間に過ぎていった、気づけば閉店時間だった。
またのご来店を楽しみにしているよ!センキュー!
ユリ、アスカロン、また会いましょう
またね二人共
ありがとうございました♪
楽しかったわよ
各自部屋に戻ってゆく。
明日も楽しむわよ!
そうですね♪
フカフカのベッドに身を預けアスカロンに腕枕をしてもらいギュッと抱き着く、海で遊んだ疲れと酔いでいつの間にか眠りについていた。