※この作品はR-18です。

インテグラル・ノア サイドストーリーユリ物語   作:やす、

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何でも屋のお仕事

朝起きていつものように開店の準備をしてコーヒーを淹れる、アスカロンの作ってくれた朝食を食べながらコーヒーを飲んでその後に食後の煙草に火をつける、これを吸い終わったら着替えて店の扉の札をOpenに変えに行こう。

 

 

お仕事きますかね?

 

きっと来てくれるわよ

 

 

灰を落としながら答える、そろそろウィルの時に貰ったお金も底をつきかけている、なぜならラグーナ島で使い過ぎてしまったのだ、楽しかったから良いのだけど、、、

 

 

グリグリと煙草を押し付けてため息を一つ付いてから着替え始めた、お互いいつもの戦闘服、そろそろこの店の制服を作った方が良いのだろうか?

 

 

この店の制服ってあった方が良いかしら?

 

お任せしますよ?作るなら動きやすい制服が良いですね

 

お金に余裕ができたら考えようか

 

はいっ♪

 

 

着替えて終わってから札を変えに行く,そのついでに郵便受けを見ると一通の手紙が入っていた、宛名を見るとラグナロク教会と書いてあった、家に入って開けてみよう。

 

 

なんですかその手紙?

 

教会からよ、開けてみるわね

 

 

封筒を開けて見ると依頼が書かれていた、読んでみると直ぐに教会に来てくれとの事。

 

 

行くわよ

 

はいっ!

 

 

鍵を閉めて教会へと向かう、初めての任務だ、気合を入れて行こう。手紙を握りしめて受付へと行くとこれに着替えて教会の前で待っていてくれとの事、更衣室で渡された衣装に着替えるとなんだか不思議な服装だった。

 

 

なんですかね?この服装は

 

見慣れない姿ね

 

 

全体的に赤と白の服、それに赤と黒のニーソに茶色いブーツ、聞くとクリスマスのアイムールの衣装らしい、流石に鉄球は付いてはいなかったが。

 

 

なんでこんなに露出してるのよ

 

私に聞かないで下さいよ

 

 

開いた胸元に上着が届かないお腹、スカートは短く太ももがチラリと露出しニーソが絶対領域を作り出している。ふと下着の撮影の事を思い出したが流石に教会にそんな事をする輩はいないだろうと考えるのをやめて教会の前へ。

 

 

さっむっっ

 

さささ寒いですねっ

 

 

大陸の季節はもう冬だ、刺すような冷気に凍える風が吹いている、こんな日にこんな服を着て何をさせるつもりなのだろうか?長いマフラーを首筋にしっかりと巻きつけて温まっていると教会の人が来てくれた。

 

 

お待たせしました、二人にはこれを子供達に配って貰います

 

 

渡された大きな白い袋、中には沢山の物が入っているようだ。

 

 

何よこれ?

 

プレゼントです

 

プレゼントですか?

 

今日はクリスマスなのでこの街の子供達にプレゼントを配って貰います、この名簿通りにお願いします

 

分かったわ、終わったらまたここに戻ってくれば良いのね?

 

はい、宜しくお願いします、後

 

分かったわ、行くわよ

 

はいっ!

 

 

細かい説明をしてもらってから二人で大きな袋を担いで街へと繰り出す、確かによく見るとちらほらと飾られた家がある。

 

 

アスカロンはクリスマスが何か知ってる?

 

プレゼントを貰ってご馳走を食べるって事ぐらいしか知らないですね

 

それなら私達も今夜はご馳走にするわよ

 

そうですね♪

 

 

よく分からなかったが良いイベントなのだろう、私達も早くこの任務を終わらせて帰りにいい物を買って帰ろう。貰った名簿を見ながら何処から配ろうか考えていた。

 

 

時計回りに街を回るわよ、このルートが最適解ね

 

新聞配達の経験がいきてますね♪

 

懐かしい事を言うわね、あれは身体を鍛える為にやっていただけよ

 

 

喋りながら歩いていると一軒目に辿り着いた、ドアをノックして玄関で待っているとしばらくしてドアが開いた、それに合わせて二人で声を揃え。

 

 

メリークリスマスーー♪教会のサンタさんからプレゼントです♪

 

 

わぁ♪サンタさんありがとう♪

 

来年も良い子にしていたらプレゼントをあげるわよ

 

うん!

 

 

笑顔で子供が私達に手を振っている、それに手を振って答えながらゆっくりとドアを閉めてゆく。

 

 

私恥ずかしいんだけど………

 

そうですか?私は楽しいですよ?

 

仕事じゃなかったら投げ出していたわね、でも

 

どうしたんですか?

 

子供の笑顔って良いわね、なんだか癒されるわ

 

そうですね♪次も頑張りましょう♪

 

そうね

 

 

少しだけ緩んだ口元で次の家へ、ドアをノックして待っていると出てきてくれた。

 

 

メリークリスマスーー♪教会のサンタさんからプレゼントです♪

 

 

ありがと

 

はいっ、来年も良い子にしてたら貰えますからね♪

 

ん

 

何よ、元気が無いわね

 

別に

 

 

そう言った後にフラリと倒れてしまった男の子、なんとか地面に倒れる前にしっかりと受け止める事ができた。

 

 

大丈夫!?しっかりしなさいよ!

 

お腹空いて……

 

お腹すいたってあんたの親は何してんのよ!?アスカロン!食べ物を買ってきて!

 

はいっ!

 

 

アスカロンにサイフを渡してその間に家に入りベッドに寝かせてあげる、よく見ると顔は青ざめていた。

 

 

汚い家ね、親はいないの?

 

居るんだけど………

 

何よ、はっきり言いなさいよ

 

もう一週間も帰って来てないんだよ

 

クソみたいな親ね、仕事はしてるの?

 

してないと思う

 

まだ幼い子供を残して遊び呆けるなんていい根性してるわね、私が怒ってあげるわよ

 

やめてよ、そんな事したら僕が怒られちゃう

 

 

舌打ちをして少し部屋を片付ける事に。ゴミだらけだし家具も倒れたりまるで廃屋の様だ。少し面倒な事に巻き込まれそうだと思いながらも見過ごす事は出来なかった、散らかった物を片付けるだけで大きなゴミ袋が4つほど出来上がった。

 

 

ふぅ、それなら教会に保護を求めなさいよ、きっと助けてくれるわよ

 

僕、外に出た事が無くて……

 

なんで親なのよ!

 

 

この子に悪態を吐いても仕方ない、出来るなら一発殴ってやりたいが教会の顔もある、ここは抑えよう。

 

 

買って来ました!

 

ありがと!少し待ってなさいよ

 

う、うん……

 

 

買ってきてくれたお米を茶碗に入れてお茶でふやかしてから渡す。

 

 

ゆっくり食べるのよ、慌てないで、最初は少しだけ口に入れて飲み込むのよ

 

 

………………

 

そうよ、ゆっくりね

 

 

少しずつ食べてゆく男の子、飢えていただけで健康状態は問題無さそうだ。

 

 

(ユリ、どうします?)

 

(悔しいけど私達には手の出しようが無いわ、これはこの家の問題だから)

 

 

その子がご飯を食べ終わるのを見届けてから家を出る事にした。

 

 

まだ帰って来ないのなら教会に行きなさいよ、きっと助けになってくれるわよ

 

うん、ありがとう

 

じゃあね

 

 

家を出て次の家へ向かう、少しだけ足取りが重たい。それでもドアをノックして笑顔で二人で開けられるのを待つ、しばらく待っているとドアが開いた。

 

 

メリークリスマス♪教会のサンタさんからプレゼントです♪

 

 

ありがと

 

 

俯き顔をあげようとしない少女、嫌な予感がする。

 

 

あんた顔をあげなさいよ

 

………

 

無言であげた顔にはアザが見えた、家の中からはそこの父親らしき怒鳴り声が聞こえる。

 

 

小声で(あんたも教会に行きなさい)としか言えなかった、うん、と声だけ残してドアが閉まった。

 

 

……嫌な仕事を引き受けたわね

 

そうですね……

 

 

さっきの子も今の子も名簿に印を入れておく事にした、教会に帰ったら報告しよう、腕時計を見るとまだ10時、それにまだ膨らみを保つ袋、先は長そうだ。

 

 

少し休憩をしましょう

 

そうですね

 

 

近くにあった売店でジュースを買ってその店先で休憩する事に、モヤモヤする頭を煙草でスッキリさせる。

 

 

親が居るのっていい物では無さそうね

 

そんな事はないと思うんですけどね……

 

そうね、そう決めるのにはサンプルが少なすぎるわね

 

 

フゥーっと煙を吐き出して煙草を灰皿に投げこみ立ち上がった。

 

 

行こうか

 

そうですね

 

 

なんとか午前中に半分ほど配る事ができた、他に問題のありそうな家は無くあの二軒だけだったみたいだ、モヤモヤした心で適当な所で昼食にする事に。

 

 

はぁ………

はぉ………

 

 

二人共ため息をつきながらメニューを決めて渡されるのを待っていた、体力的には辛いことなんて無いのだが精神的にチクチクと責められていた。

 

 

私の願いってなんだったのかしら………

 

 

ふと口走ってしまった。

 

 

ユリ、それは私が怒りますよ、その疑問はユリの命を掛けた事を否定する事になります、そんな事私が許しません

 

ごめん、アスカロン、でも現実は違ったわ、これはモニカ達にも解決出来る事じゃ無さそうよ

 

 

ご飯を待ちながら煙を吐き出す、分かってはいるんだ、でも………

 

 

少しだけコマンドやインテグラル達の気持ちが分かるわね

 

そうですね、、、

 

ご飯を食べるわよ、腹が減ってはなんとやらよ

 

はいっ

 

 

おまち、って声と共に出された料理を無言で食べてゆく、あの子達を私達が保護するのは簡単なのだがそれでも親の代わりにはなれない、歯痒さだけがつのる。

 

 

ごちそうさま

 

 

味気ない昼食を食べて再びプレゼントを配りに行く、午後の部は問題無く配る事ができあれだけあったプレゼントを全て配る事ができた、教会に帰ろう。

 

 

帰るわよ

 

そうですね

 

 

足取りはまだ重い、私達にできる事は教会に報告をする事だけだ。

 

 

配り終わったわよ

 

お疲れ様でした

 

それより問題のある家庭を見つけたわ、名簿に印が打ってあるから

 

助かります、このプレゼントはそういう意味もあるので

 

あの子達は保護して貰えるのですか?

 

はい、明日にでも私達が保護をしに行きます、昔に比べて数は減りましたけどまだこういった事があるのです

 

昔はもっとこういう事があったの?

 

そうですね、今回は2件でしたけど昔は10件とかでした

 

 

名簿をめくりながら答える受付の人。

 

 

そう、、、

 

今日の任務の報酬です、メリークリスマス

 

メリークリスマス

 

 

扉を開けて外へ少しだけ心が軽くなった気がする。

 

 

帰ろ、アスカロン

 

はいっ♪

 

 

のんびりと歩いていつもの雑貨屋へ、おじさんがとんがり帽子を被っているのを見ながら店内を漁る。

 

 

おじさん、クリスマスのご馳走ってどんなのなの?

 

それならこのフライドチキンとシャンパンかな?

 

それを貰うわ、後50番カートンで、アスカロンは欲しい物はある?

 

私はこのフライドポテトが食べたいです♪

 

分かったわ、お会計お願い

 

まいど

 

 

ゴソゴソと袋に詰めてゆくおじさん、買ってもいない商品も詰め込んでいた。

 

 

それは買っていないわよ

 

サービス品だよクラッカーって知ってるかな?

 

知らないわ

 

この紐を引っ張ると音と共にリボンが出るんだ、危ないから上に向けてやるんだよ

 

分かったわ、ありがと、行くわよ

 

はいっ!ありがとうございました♪

 

 

のんびりと自宅へ帰って行く、そして食卓に買った物を並べてシャンパンをグラスへ注ぎそしてクラッカーを二人で構えた。

 

 

掛け声はどうする?

 

メリークリスマスで♪

 

 

行くわよ

 

 

メリークリスマス♪

 

 

紐を引っ張るとパンって音と共に沢山のリボンが宙を舞った。

 

 

綺麗ですね♪

 

そうね

 

 

少しだけする火薬の匂いを嗅ぎながら机を見るとリボンにまみれたご飯の姿があった。

 

 

アハハハハ………

 

きっとこれも楽しみのひとつよ、食べましょ

 

はいっ♪

 

 

リボンを退けて晩御飯を頂く、初めて食べるクリスマス料理とシャンパンを楽しみながら今日という日が終わりを告げた。

 

 

おやすみアスカロン

 

おやすみなさいユリ

 

私の元にもサンタは来るのかしら?

 

サンタさんはサンタさんを信じている人にしか来ないのですよ?

 

それなら私の元には来ないわね

 

それにそんな年齢でもありませんよね?

 

ふむ

 

 

少しだけ残念だけどまぁ良いだろう、布団から片足を出してしばらくしてからアスカロンの足につけた。

 

 

冷たっ!何するんですか!

 

へへっなんとなくよ♪おやすみ

 

もぉぅ……

 

 

アスカロンにギュッと抱きしめて貰い瞼を閉じる、だんだんと温もりが私を眠りの世界へと誘ってゆく。

 

 

 

 

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