※この作品はR-18です。

インテグラル・ノア サイドストーリーユリ物語   作:やす、

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何でも屋の憤怒

気づいたら私はカレットの街にあるギルド、オリュンポスの座の医務室に寝かされていた、ベッドから起き上がり隣のベッドを見ると寝息を立てているアスカロンがいた、その姿を見るだけで顔がニヤける、やっと戻ってきてくれた。

 

 

着せられている浴衣見たいなのをめくり傷口を見ると跡は残ってしまっているけどもう傷口は塞がっていた。アクスレピオスが治癒してくれたのだろう、明日にでもキトゥリスに行ってあのローブの奴を殺そう、これは私の決意、あんな奴生かしてはおけない。

 

 

時計を見ると午前0時、ベッドを抜け出して隣のベッドへ、アスカロンが寝ているベッドに潜り込んでギュッと抱き着き心地良い体温を感じながら至福の二度寝へ。

 

 

 

………………………………………………………………………

 

 

 

差し込む日差しで目を覚ました、時刻は午前8時、アスカロンを起こさないようにベッドを抜け出し外に煙草を吸いに行く事に、デュカキスの屋敷を出てもう騒がしい街並みを見ながら街の入り口へ歩いてゆく。

 

 

寒っ

 

 

何かを羽織ってこれば良かった、もう太陽は登っているけど気温は低い、身が引き締まる寒さの中煙草に火をつけた。

 

 

今分かっている情報をまとめよう、あのローブの男はメクリス博士と言うのだろう、あの大会の主催者とか言っていたし。それに博士って言うだけあってキラーズに何かをする術を持っている様だ、きっとあのお弁当に何かを混ぜたのだろう。許せない、食べ物を粗末にしただけじゃなくキル姫を冒涜する様な事をしやがって。

 

 

私の心をメラメラと怒りの炎が焦がしてゆく、例え命乞いをしたとしても必ず殺してやる。

 

 

煙草を踏み消し医務室へ戻るとアクスレピオスが来てくれていた、アスカロンも起きているようでアクスレピオスと喋っていたようだ。

 

 

ありがと、助かったわ

 

また無茶な事してるの?酷い傷だったわよ

 

色々合ってね

 

はぁ、、、すぐ無茶な事するのはどっちに似たのかしら?

 

 

頭に手を当てて悩んでいるようなポーズのアクスレピオス、一体どっちに似たのかしら?

 

 

ユリのその傷は誰にやられたのですか?

 

レヴィって奴よ、すっごく強かったわ

 

レヴィですか?聞いた事の無いキル姫ですね

 

 

本当の事を言った方が良いのだろうか?少し悩んだけど話す事に。

 

 

そのレヴィって奴はアスカロン、あんたよ

 

私ですかっ!?でもユリと戦った記憶なんてありませんよ?

 

あのメクリス博士って奴に操られていたのよ、そいつはキラーズを無理矢理バイブスと繋げる事ができるわ

 

ならそのユリの傷は私が…

 

 

俯いてしまったアスカロン、ポタポタと雫が膝に落ちてゆく。

 

 

別に気にはしていないわよ、身体の傷は私の生きた証だから

 

でも…

 

私が良いって言ってんだから良いのよ、それより保育園の帰りに何があったの?

 

ええっと、黒い服の人にお饅頭を貰ってそれを食べてから…その後は思い出せません

 

やっぱり食べ物なのね、あの大会でお弁当を食べたキル姫も操られていたわ

 

アスカロン、少し血液を検査させて貰うね、摂食摂取なら何か血液に異常があるかもしれないわ

 

はいっ、わかりました

 

少し準備をするから待っててね

 

 

そう言って何処かに行ってしまったアクスレピオス、部屋に残された二人に静寂が広がる。

 

 

ユリ、あの…ごめんなさい

 

気にしてないわよ、そんなに謝るのなら私のお願いを一つ聞いて貰うわよ

 

はいっ!なんでも言って下さいね?

 

後で言うわ、それよりメクリスを叩き潰しに行くわよ

 

そうですね、私も許す事はできません

 

あいつに操られているキル姫は分かっているだけで9人よ、みんな剣を使うわ

 

9人ですか…二人だけで相手をするのは厳しそうですね

 

そうね、操られたアスカロンと私が互角ぐらいだったけど他のキル姫の力量が分からないのが不安ね

 

操られる前のキル姫は強かったのですか?

 

そんなに強くは無いと思うわよ、ただキラーズを無理矢理共鳴させる事によって強くなっているかも知れないわ

 

なら作戦を考えなければいけませんね

 

そうね……

 

 

二人が頭を悩ませていると扉が開きアクスレピオスが機材を乗せた台車を引いて入ってきた。

 

 

お待たせ、採血をするから袖を捲ってね

 

分かりました………

 

 

嫌そうな顔で袖を捲り上げるアスカロン。

 

 

もしかして注射が怖いの?

 

いえ…怖いって訳ではありませんけど…

 

ふーーん

 

はい、チクッとするからね

 

うぅぅ………

 

 

注射器を見ないように顔を背けるアスカロンをニヤニヤしながら見ていた、可愛い一面が知れた事が嬉しかった、

 

 

はい、よく頑張ったわね、これで終わりよ

 

 

注射の痕を消毒しながらアクスレピオスが言う、検査の結果が出るまで少し時間がかかるようだ。

 

 

それなら服を買いに行きましょうよ、もうボロボロだし

 

そうですね、私の服もどこかに行ってしまいましたし

 

少し街へ行ってくるわ

 

えぇ、分かったわ、昼頃には結果が出ていると思うからそれまでには戻って来てね

 

ん、そう言えばデュカキスは?お礼を言わないと

 

マスターならケラウノスとアポロンとテュルソスと温泉旅行に行っているわよ

 

楽しそうな事しているわね、アクスレピオスは行かなかったの?

 

行きたかったけどこの街で負傷者が出た時に困るでしょ?それにこないだはテュルソスがお留守番して居たからね

 

そう言うことね、ちょっと出かけてくるわ

 

気をつけて行ってくるのよ

 

はーい

 

 

アクスレピオスに見送られ久しぶりにカレットの街を歩く、相変わらず賑やかな街だ。

 

 

今度私達も温泉に行きましょうよ♪

 

そうしたい所だけどもう家にお金が残って無いのよ

 

えっ?

 

教会にアスカロンの捜索を依頼したら貯金が無くなったのよ、それと私のミスで

 

ユリのミスですか?

 

そうよ、あんまり思い出したく無いけど…

 

 

思い出したら腹が立ってきた、せっかく忘れていたのに、ため息を一つついて辺りを見渡すと見覚えのある顔が。

 

 

………居たわ

 

えっ?何がですか?

 

ちょっと待ってなさい

 

 

あの時の詐欺師を見つけた、気付かれないように背後から忍び寄りしっかりと肩を掴み話しかける。

 

 

ねぇ

 

あっ?

 

もちろん私の事は覚えているわよね

 

 

そう言うとゆっくりと振り返り私の顔を見ると段々と顔が青ざめていった。

 

 

お、お前はあん時の!

 

それなら話は早いわね、私から盗んだお金、耳を揃えて返して貰うわよ

 

女の癖に調子乗ってんなよ!

 

 

必死に振り解こうとするがこんな力で振り解かれる程私は甘くない、ギュッと肩を掴む手に力を込めた。

 

 

ねぇ、その前歯全部へし折ってやろうか?

 

痛い痛い!!返せば良いんだろ!返せば!

 

物分かりが良いのね

 

 

鞄からお金を取り出し私に渡す、金額を数えるとピッタリだ。

 

 

命があるだけありがたいと思いなさいよ

 

 

中指を立て走り去る詐欺師、まぁ良いだろう。

 

 

お金も戻ったし武器屋に行くわよ

 

さっきの人は知り合いなんですか?

 

ただの詐欺師よ

 

って事はユリはあの人に騙されたのですか?

 

…この話はこれで終わりよ、屈辱だったんだから、気が向いたら話してあげるわよ

 

 

再び歩き出し武器屋を目指す、久しぶりだったけど迷わずたどり着く事ができた。

 

 

いらっしゃい、おっ、久しぶりだね

 

久しぶりね、良く覚えて居たわね

 

職業病ってやつだな、ゆっくり見てきなよ

 

ありがとうございます♪

 

 

二人で防具コーナーへ、私はブラックキラーズの方へ、アスカロンはケイオスリオンという所を見ていた、この武器屋の防具コーナーにはコスプレ防具と言うコーナーがありそこに天上編、千年王国編とキル姫の姿になれる防具が置いてあるのだ。私はブラックキラーズのティルフィングの防具を、アスカロンはD.plugのアスカロンの防具を購入する事に。

 

 

そのD.plugって何なのよ?

 

D.plugって言うのはケイオスリオンで霊装支配されているキル姫って事なんですよ

 

ケイオスリオン?

 

遥か昔の話なんですけどねっ、今はもう無くなってしまいましたけど…

 

 

良く分からなかったけどまぁ良いだろう、防具を購入して更衣室で着替える事に。

 

 

ふぅ、やっぱり新品の防具は良いわね

 

そうですね、少し生地が硬い気もしますけど

 

動いていれば馴染んでくれるわよ、まだ少し時間があるから買い物でもしましょ

 

はいっ♪

 

 

フラフラとカレットの街を見てまわり気に入った物を購入してゆく、そうは言っても私はライターオイルと煙草ぐらいなのだが。

 

 

えへへへへ♪

 

 

アスカロンは色々買い込んだみたいだ、大きな袋を二つ持っていた。

 

 

そんなに何を買ったのよ?

 

ヨーグルトとオレンジと後は美味しそうなケーキです♪

 

食べ過ぎて太らないでよ

 

大丈夫ですよっ!

 

 

そろそろ良い時間だ、アクスレピオスの元に戻る事に。

 

 

ただいま、何か分かったかしら?

 

おかえり、ちょうど結果が出るところよ、って何よこれ!?

 

??

 

 

検査結果が書かれた紙を見て目を丸くするアクスレピオス。

 

 

どうしたんですか?

 

私が知らない薬品が使われているわ、ちょっと待ってて

 

 

そう言うと本棚を漁り何かを調べていた。後ろから覗き込んで本を見てみるも何が書いてあるのかさっぱり分からなかった。

 

 

これね、どうやら地上世界の薬品みたいね

 

 

本を机に置き記号を指差しているけど全く分からなかった。

 

 

アクスレピオスに本を貰っておいて良かったわ、一時的にキラーズを変異させる事ができるみたいね

 

ならあの博士は地上世界の人間って事ですか?

 

そう考えるのが普通ね、それにこの薬品は劇物に指定されているからこれを持ち出せるって事はそれなりに地位のある人間ね

 

分かったわ、アスカロン、キトゥリスに戻るわよ

 

はいっ!

 

待ちなさい!この薬品は摂食の他に気化した成分を吸引しても効果を発揮するわ

 

それなら外で戦えば良いのね

 

そうだけど、念のためにこれを二枚あげるわ

 

何これ?

 

 

アクスレピオスから貰った白い布にゴムの輪っかが二つ付いた物。

 

 

特殊なマスクよ、これなら顔に薬品をかけられなければ大丈夫よ

 

ありがと、行ってくるわ

 

うん、無事に帰って来なさいよ

 

任せなさいよ、世話になったわね

 

 

医務室を出てカレットの街を抜ける、目の前に広がる草原を見ながら大きく身体を伸ばす。

 

 

一度教会に行くわよ

 

良いですけど何かあるのですか?

 

アスカロンを見つけた事を報告するのよ

 

分かりましたっ!ポチに乗って行きましょう

 

頼んだわよ

 

 

ポチ、お願いします!

 

 

アスカロンがそう言うと地面に魔法陣が現れその中からポチが姿を現した、その顔はなんとなく眠そうでダルそうに私達を見ている、そんなポチに飛び乗り教会まで運んでもらう事に。

 

 

ありがと、楽できたわよ

 

 

頭を撫でてあげてから飛び降りると欠伸を一つして魔法陣へと消えていった、それを見送ってから教会へ入ってゆくとなんだが慌ただしい。

 

 

みんな忙しそうですね

 

何かあったのかしら?

 

 

いつもの受付にアスカロンを見つけた事を報告すると自力で見つけたからって少し返金して貰う事ができた、ついでに少し話をする事に。

 

 

この騒ぎはなんなの?

 

大陸の各地でキル姫が暴れているのです、暴走状態に近い状態なので手が付けられないんですよ

 

暴走状態?

 

 

キル姫は感情が極限まで高まると理性を失い暴走するんです、最近はあまり無かったのですが急に、それもこんなに複数人暴走するなんて…

 

私達に任せてよ、それに心当たりがあるわ

 

詳しく話を聞かせて下さい

 

 

受付の人にメクリス博士の事を説明する、それとそのキル姫を操る薬の事も。

 

 

それなら任務として受理していただけますか?

 

分かったわ

 

メクリス博士を拘束して教会に連れて来て下さい、それと暴走したキル姫の処分をお願いします

 

処分ってどういう事ですかっ…?

 

暴走したキル姫は殺して頂きます、一度暴走すると死ぬまで暴れるので結果は一緒なんです

 

待ってよ!彼女達は薬で操られているだけよ!

 

もし暴走状態ならで構いません、操られているのなら拘束をお願いします

 

ちっ、分かったわよ、そのキル姫がいる場所を地図に記してよ

 

はい、分かりました、それと暴走状態の特徴を教えます

 

んっ

 

 

私の持っている地図は古い物だったらしく新しい地図と変えて貰いそれに印を打って貰った。それと暴走状態のキル姫は目を紅く光らせている事を教えてもらった。私達は教会を出て一度家に帰る事に、お金を金庫にしまいたかったしそれにコーヒーを飲みたい。

 

 

三日ぶりぐらいに玄関を開けてついでに窓を全部開けて換気をする、少しこもった空気が入れ替わり清々しい気持ちになる、だけど。

 

 

本当にイライラさせるわね!あの博士も!教会の事務的な態度も!

 

落ち着いて下さいっ、私も怒っているんです

 

 

アスカロンの顔を見ると表情はいつもと変わらないのだがその目に確かな怒りを感じた。

 

 

そうね、コーヒーでも飲みましょう

 

はいっ♪

 

 

コーヒーを淹れて飲みながら地図を広げる、キル姫の出現場所は六箇所みたいだ。

 

 

九人居るのですよね?それなのに六箇所なんですね

 

ペアで動いている所があるみたいね、クラウ・ソラスとカラドボルグ、バルムンクとグラム、ナーゲルリングとデュランダル、がセットになっているわ、残りのフラガラッハ、アマダス、リットゥは一人で動いているみたいだわ

 

最初は何処から行きます?

 

1番近い所は…この街ね

 

 

地図上の自宅と照らし合わせて1番近い街を指差す、ここからならすぐ辿り着ける距離だ。

 

 

この街ってモニカさんが居た街じゃありません?

 

モニカが危ないわ!!急ぐわよ!

 

はいっ!

 

 

二人で戸締りをして家を飛び出す、そのまま草原を駆け抜けてモニカが居る街を目指す、モニカには四人のキル姫が付いているから大丈夫だと思うけど少し不安が残る何も無ければ良いけど…

 

 

 

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