朝か…
差し込む朝日と寒さで目を覚ました、見るとアスカロンが私の布団まで巻き込んで寝ていた。
そんなアスカロンの頭を撫でてからコーヒーを淹れそれから煙草に火をつけて優雅な朝のブレイクタイム。早くあの博士をシバいて平穏を取り戻そう。
おはようございますっ、もう起きていたのですね
おはよ、コーヒー淹れるわね
ありがとうございますっ、なら朝ご飯作って来ますね
ありがと
アスカロンが作ってくれたサンドイッチをいただく、これを食べたら行こうか。
ご飯を食べ終わりいつもの服に着替えて煙草に火をつける、気合は十分だ。
アスカロン、ケリをつけに行くわよ
はいっ!必ずあの博士を討ちましょう!
家の前で竜を召喚してもらいキトゥリスに向かう、あっという間に城に辿り着くことができた。
ありがと、行って来るわね
ユリ、マスクをしておきましょう
そうね
竜の頭を撫でて飛び降りる、そのまま城門を抜けて広場へと入ってゆくと広場の中心に居た、あの博士だ。
フハハハハハハ、キラーズの反応が消えたからもしやと思ったが…やはり君達だったか
けっ、キル姫を弄びやがって、その命、私が斬り刻んでやるわ
双剣を構え睨む、アスカロンも私の隣で剣を構えていた
まぁ待てよ、これが何か分かるか?
そう言って液体が入った試験管を取り出した。
キル姫を操った薬でしょ、それがどうしたのよ
ふむ、違うな、この試験管の中に入っているのはキラーズだよ
キラーズですかっ?
そうだ、君達は数年前にユグドラシルの木の麓で合った神々との戦いを知っているかな?
それがどうしたって言うのよ
その戦いの後に私はそこへ行きキル姫の血を集めた、そしてその血からキラーズを抽出した、キル姫の力の源、キラーズをだ!
それで?
見せてやろう、私の研究の成果を!
その試験管に入った液体を飲み干す博士、蹲ったと思ったら体から湯気を出しながら立ち上がった。
はぁぁ……実に素晴らしい気分だ!力がみなぎってくるぞ!ガァ!!
また蹲ったと思ったら体がローブを破り肥大化してゆく。身長は2メートルぐらいか?それに全身が筋肉に包まれている、その姿にさっきまでの博士の面影は無かった。
この力で私はこの世界の歴史に名を残す、お前達は私の計画の礎となるのだ!
巨大な剣を構えその博士が叫ぶ、凶々しいオーラを纏いながら。
アスカロン、怖かったら逃げても良いわよ
最後まで共に戦いますっ!絶対にあの博士の計画を止めましょう!
なら行くわよ!私達の絆の強さ、見せてあげるわよ!
はいっ!!
大罪・解放!!
漆黒のオーラを纏う、その隣で水色のオーラを纏うアスカロン。戦いが始まった。
せやぁぁぁ!!
やぁぁぁぁ!!
2人で接近して乱舞を叩き込んでゆく。
なかなかの剣技だ、しかし蚊に刺されたに等しい
そんなっ!
ちっ!
斬りつけた所が光り輝き治癒が始まっていた。
この力はダモクレスとか言う奴の力だ
それなら治癒が間に合わないぐらいの傷をつけてあげるわ!
駆け出し勢いをつけて剣撃を叩き込む、が、全て避けられカウンターを喰らってしまった。
くぅっ!!
この剣捌きはティルフィング、マサムネ、スイハ、ミョルグレスの力だ
ユリっ!しっかりして下さい!
大丈夫よ!アスカロン周りを凍らせて!
はいっ!
アスカロンが剣先に集めた冷気で地面を凍らせてくれた。
行くわよ!
行きますっ!
凍った大地を滑りながら博士に接近して行く。
無駄な足掻きだ!
舐めんじゃないわよ!
博士の一閃を双剣を交差させて防ぐ、ギリギリと鍔迫り合い剣が火花を散らす、その後ろに青い影が。
やぁぁぁっ!!
甘い
つぅぅぅっ!
振り向きもせずに背後から迫るアスカロンを蹴り飛ばした、その瞬間を逃さない。
片足で私に勝てると思わないでよね!!
ぬぅ!
鍔迫り合ったまま力を抜き体制を崩し剣を捌く、そのままジャンプしながら上半身に乱舞を叩き込む。
おまけよ!
その勢いで博士の頭を踏みつけ空中で体制を変えて背中に双剣を突き刺しそのまま落下して行く。
グォォォォォォ!!
背中を手で押さえながら博士が膝をついた。
へんっ!まだまだ私の怒りはおさまらないんだからね!
流石ですっ!
アスカロンのおかげよ、怪我はない?
咄嗟に防げたので大丈夫ですっ!
それならこのまま押し切るわよ!
そう言った時だった、博士の体が光輝き傷を癒やしていった。
うむ、見事な連携だ、だが火力が足りない様だな
それならとっておきをくれてやるわよ
博士と対峙して骸斬を納め七元も納め腰を落とす。
ほぉ、居合い斬りか、くだらん
挑発に乗るな、心を落ち着かせろ、、、すぅーーー。
ほら、斬ってみなさい
両手を上げて余裕そうな表情の博士。
望み通りに斬り刻んでやるわ!
ジリジリとすり足で距離を詰めて行く、今だ!
一紅閃っっ!!!
甘い
なっ!!
私が振り抜いた瞬間に大剣で防がれた、大きな衝撃が七元を伝い腕に伝わってきた。
くっぐぅぅぅぅ!!
その程度か
ピシッって音が七元から聞こえた、それに気を取られた瞬間に蹴り飛ばされた。
あぐうっ!
ゴロゴロと地面を転がり壁に叩きつけられてしまった。
ユリっ!!
友達の心配をしている場合か?
きゃぁっ!!
私が起き上がろうとしているところにアスカロンが吹き飛ばされて来た、それとぶつかりまた地面に這いつくばる。
大丈夫?
なんとか、、、ユリは大丈夫ですか?
なんとかよ
土を払い立ち上がり双剣を構える。
ユリっ!七元がっ!
えっ?
アスカロンに言われて七元を見ると根本から折れていた。
フハハハハハハハ!これで1人は戦えぬ!
考えが甘いわよ
なにっ?
私が何故双剣を使っていたか、それを教えてあげるわ、アスカロン!
はいっ!
骸斬を構えアスカロンと共に斬り込んで行く。
やぁぁぁぁぁっっ!!
うおらぁぁぁぁぁ!!
アスカロンが斬りつけた場所を一寸狂わず同じ場所を斬りつけ後方へ飛び退く。
ぬぅ!先程より力が強いだと
当たり前よ、七元の重さが無くなったんだから、それに私は骸斬の力を七元で押さえていたのよ
どう言うことだ
この剣、黒奏剣骸斬は血を求めてくるのよ、それを七元の聖なる力で抑えていた。今はもう七元は無い、この剣を抑えるものは無くなったわ
そう言うユリを見ると大罪のオーラに紅いオーラを纏っていた。仲間の私でさえ怖気付くような禍禍しい力を感じる。
さぁ、第二回戦よ、もうさっきのようにはいかないわよ
ニヤリと笑うと私の横から姿を消し一瞬で博士に斬り込んでいた。
す、すごい…
目で追いきれない程の速さで剣を振るい博士の身体が次々と斬り刻まれてゆく、そのユリの姿はまるで鬼神の様だった。
なんだこの力は!凄い、凄いぞ!!
ただ、ユリは無言で剣を振るっていた、一瞬見えたその表情は笑っていた。それに目が紅くなりかけている、その姿に背筋がゾワゾワする。
ユリっ!!やめて下さい!!
私が叫んでもユリは笑いながら剣を振るっていた。
私の声も届かない、骸斬の衝動に心が飲まれているのかもしれない、このままだとユリが危ないっ!!
はぁぁぁぁぁ!レヴィアタンの氷よっ!私に勇気を!
剣先に巨大な冷気を集め2人に向かって行く、そして。
やぁぁぁぁっ!!
2人纏めて氷漬けにする事ができた、そのままユリだけを溶かして骸斬を地面に突き刺そうとした、その時だった。
つっぅ!!
恐ろしい程の破壊衝動が柄を伝い頭に流れ込んで来た、それを断ち切りなんとか地面に突き刺す。
あれ?私は一体…
骸斬の衝動に飲まれていたんですっ!これ以上骸斬を使うとユリがユリじゃ無くなっちゃいますよっ!!
それだと私は闘えないわよ!私はこいつを殺すって心に決めているのよ!
それならユリの力を私に託して下さいっ、あの博士は必ず私がっ!!
真剣で、泣きそうな顔で私を見つめるアスカロン。
分かったわよ、ちゃんと返してよね
はいっ!任せて下さい!
アスカロンの右手を握り私のキラーズを、大罪の力をアスカロンに託す。
これがユリの力…この力が有れば負ける気がしませんっ!
私の分もあいつをぶん殴ってよ!それと負けたら承知しないわよ!
任せて下さいっ!
青黒いオーラを纏ったアスカロンが元気よく返事をした、その時博士が氷を砕き咆哮を上げた。
あの力も研究しなくては、殺して調べるとしよう
もうあなたはここで終わりです、この大罪と嫉妬の氷を味わって下さいっ!!
長剣を構えアスカロンが博士へと向かって行く。
ふんっ、レヴィの動きなど手にとる様に分かるぞ!
博士の一閃がアスカロンを斬り裂いた、真っ二つになり崩れ落ちるアスカロン。
なっ!氷だとっ!
私はこっちですっ!!
一瞬の隙を付き懐に飛び込んだアスカロンの乱舞が博士を斬り刻んでゆくと当たりに博士の血が飛び散って行く。
小癪なぁぁぁ!!
なんとか体制を立て直しアスカロンと鍔迫り合う。
私はっ!絶対に負けませんっ!!
この出来損ないがぁぁっ!!
このっっ!!
力を隠していたのか徐々にアスカロンが押されてゆく、このままじゃっ!!
くっぅぅぅぅぅっ!!
所詮はその程度の様だな
くあっ!
アスカロンが蹴飛ばされ体制を崩したところに博士の一閃が迫る。その瞬間にアスカロンの前に飛び込んだ。
アスカロン、怪我は無い?
えっ?あぁぁぁっ!!ユリぃ!!!
避けられない一閃に目を瞑ってしまっていた、目を開けるとぼたぼたと血を流すユリが立っていた。
私は良いわ、それよりっっ、あいつを!!
なんで、なんで私なんかの身代わりにっ……
良いから早く!言ったでしょ、私の思い全部大事な相棒に託したんだからっ………
そう言うとユリは崩れ落ちた、血溜まりが広がってゆく。
………………
まずは一匹だ!!レヴィなど私の敵では無いぞ!
ごめんなさい、そう呟いてユリを氷つかせる、そして胸に手を当てる。
感じる、ユリの強さ、優しさが私を暖めてくれたのを、嫉妬の氷を溶かしてゆくのを…っ!!
なんだ?友達がやられて動けないのか?所詮は嫉妬の様だな
メクリスっ!!今の私が纏うのは嫉妬の氷なんかじゃありませんっ!!私とユリの絆を紡ぐ強さの氷っ!砕けるものなら砕いてみなさいっ!!
ぬぅ?
いつもの剣を鞘に納め突き刺さっていた骸斬を引き抜き構えた。この破壊衝動、今なら使いこなせるっ!!
レヴィアタンの力、味合わせてあげますっ!
なっ!!
身体が軽いっ、それに博士の動きが止まっている様に見えるっ!この力があればっ!!
博士の剣撃を躱しながら斬り込んで行く、そして力任せに博士の持つ剣を弾き飛ばした。
なにっ!!
これが私達の力っ!味わって下さいっ!!
私の出せる力、全てを使い氷の竜巻を作り出す、そしてそれを博士に向けて飛ばす。
いっけぇぇぇぇぇぇ!!!!
そんなっ!!この私がぁ!!!
竜巻が博士を飲み込み轟音を響かせる。
竜巻が消えると博士が倒れていた、気を失ったのか元の姿に戻っていた。
ユリっ!!ユリぃぃ!!
急いでユリの元へ駆け出し氷を溶かしたが呼吸はなく顔に生気も無い。心臓に耳を当てるとまだ鼓動している、早くカレットに行かないとっ!!
ユリを背負った時だった、聞き覚えのある声が聞こえて2人が走ってきた。
アクスレピオス、テュルソス、頼んだのである!
アスカロンっ!早くユリちゃんをここに寝かせて!
はいっ!!
かなり酷い傷だね、でも私達に任せなさい!
テュルソスさんが書いてくれた魔法陣の上にユリを寝かせた。
テュルソス、行くわよ!
うっけたまわり♪
2人が魔法陣に魔力を注ぐとユリの傷が癒えて行く、青白かった顔も元に戻ってきた。
これで安心ね、この術式が無かったら危なかったわ
良かったっ………博士を!早く拘束しなくちゃ!
私が振り返るとケラウノスとアポロンが博士を縄で結び踏みつけて笑顔でこっちを見ていた。それを見て緊張の糸が切れたのか私も意識を失ってしまった。
………………………………………………………
私が目を覚ますとなんとなく見覚えのある場所にいた、そして横を見ると寝息を立てるアスカロンがいた。
やっと目を覚ましたのね、このバカ!
アクスレピオス?また助けられちゃったわね
本当に無茶な事しかしないわね!今回は私1人だったら助からなかったわよ!
流石私の悪運の強さね
もうっ!そう言うことを言ってるんじゃ無いわよ!
分かってるわよ、ありがと、それでなんでキトゥリスに居たのよ?
マスター達が温泉から帰ってきたら教会から任務が届いたのよ、キトゥリスの博士を見張ってろってね
そう言うことね、あの博士は?
マスター達が教会に引き渡したわ、安心して
ちっ、私が殺そうとしていたのに、命拾いしたわね
はぁ…
ため息を吐くアクスレピオス、すると扉が開いてデュカキス達が入って来た。
やぁユリ君、容体はどうであるか?
もう全回復よ、それより助かったわ
良いのである、それより土産である
ありがと、何よこれ?
温泉卵である
ふむ
なんの騒ぎですかっ?
アスカロンが目を覚ました様だ。
おはよアスカロン、良くやってくれたわ
ユリのおかげですよ♪
アスカロン、体調はどう?
もうすっかり良くなりましたよっ♪ありがとうございました♪
なら良かったわ、早く教会に報告に行きなさいよ
そうね、またお礼を言いに来るわ
ベッドから抜け出しいつもの服に着替える、アスカロンも着替えていた
ありがと
ありがとうございました♪
デュカキスとアクスレピオスに見送られながらカレットを後にする、目指すは教会だ。竜に乗り進んで行く。
それにしてもあの博士強かったですね
そうね、七元が折れるなんて思っても無かったわ
七元どうするのですか?
そうね、、、骸斬だけだと戦えないけど大抵の奴なら拳でなんとかするわよ
ユリならやりそうですね…
そんな話をしていると教会にたどり着いた、竜を戻し教会へ入って行く。
任務完了の報告に来たわ
はい、お疲れ様でした、報酬です
ん、ありがと
たんまりと報酬をもらう事ができた、どれぐらいあるのかって?顔のニヤけが取れないぐらいよ。
それであの博士はどこに居るのよ?
牢屋に閉じ込めてあります、面会しますか?
そうね、アスカロンはどうする?
私はここで待ってますね?
なら行ってくるわ
こちらに
受付の人に連れられて牢屋にやってきた、あの博士が牢屋の鉄格子にしがみついている。
なんだ、私を笑いに来たのか?
いいえ、そんな事はどうでも良いわ、大会の優勝賞金を渡しなさいよ!
覚えていたのか…まぁ良い、おい、私の鞄を持ってこい
そう言うと係員が鞄を持ってきた、開けると中から沢山のゼニーが。
へへっもうあんたに用は無いわよ
私もお前の顔なんて二度と見たくは無い
中指を立てる博士、それに中指を立て返す、すっかり重たくなった鞄を持ってアスカロンの元へ。
何をしていたのですか?
大会の賞金を貰ってきたのよ
ちゃっかりしてますね
貰えるものは貰うわ、帰るわよ
はいっ!
帰りに雑貨屋に寄って夕飯と煙草を買って家に帰る、そのまま夕飯を食べて2人でのんびりと湯船に浸かる。
はぁ、、、帰ってきたって気になりますね♪
そうね、もうあんな思いはしたく無いけど楽しかったわ
私はもうユリが傷つくのを見たくありません
あんなに強い奴なんてもう居ないから大丈夫よ
もぅぅ…
そろそろ出るわよ
はいっ!
身体を拭いて髪の毛を乾かし寝る前の煙草を吸ってアスカロンの待つ寝室へ。
お待たせ
おかえりなさいっそれでユリのしたい事ってなんだったのですか?
それはね
そう言ってアスカロンと同じ布団に潜り込みアスカロンの服を脱がせて行く。
ユリっ!?
言う事聞いてくれるんでしょ?大人しくしてなさいよ
もぉぅ…
気づけばパジャマを脱がされ下着も取られていた、それにいつの間にかユリも服を脱いでいたようだ。温かな素肌を感じる。
えへへ、暖かいわね
そうですね♪
服越しじゃないアスカロンの体温を楽しんでした、そしてアスカロンの首元に吸い付く。
ユリっ、くすぐったいですよっ
返事もせずに強く吸うとキスマークをくっきりとつける事ができた。
これが私のしたかった事よ
恥ずかしくなったのかそっぽを向いたユリ。
そんなに私を独占したいのですか?
えっ?そんな意味があるの?
知らなかったのですか?
全く知らなかったわね
なら私も付けちゃいますね♪
あっ
返事も聞かずに私の抱き着くアスカロン、そしてその唇が私の首元に。
んっ……
はいっ、綺麗に付きましたよ♪
はぁぁ………
どうしたのですか?
力が抜けちゃったのよ
こんな弱々しいユリを見るのは初めてですねっ
ふんっ
どこか妖しい目で私を見るアスカロン。
もう寝るわよ、夜は寝る時間よ
ユリ
何よ?
寝かせませんよっ♪
ちょっとアスカロンっ!?ちょっと!!
ユリにもっとしたくなっちゃいました♪
ーーーーーーーっ!!
その日の夜、私はいつの間にか意識を失っていた、何をされたかって?私にも分からないわよ、気が向いたらいつか話してあげるわ。