草原を駆け抜けて行く竜と馬、それぞれに二人ずつ乗っているのが見える。
竜には長い金髪に帽子をかぶった少女が、その後ろには銀髪を風になびかせ竜を操る少女にもたれかかり目を閉じる少女の姿が。
馬を操るのは金髪のショートカットにカチューシャをつけた少女、その背後には桃色の髪をポニーテールにまとめ小さなシルクハットを被った少女、何故か右目には眼帯がつけられている。グラーシーザ、レーヴァテイン、ミネルヴァ、フライクーゲルの四人だ。
それで、私達は何処に向かっているんだい?
……………………
フライクーゲルの問いかけに誰も答えようとしなかった、教会を皆その場の勢いで飛び出した為誰も目的地が分からないのだ。
グラーシーザ、上空から悪魔が居そうな所を探して貰えませんか?
うむ、まかせろ!
そう言うと手綱を引くグラーシーザ、後ろで寝ているレーヴァテインを気遣ってかゆっくりと上昇していった、そして上空をぐるりと旋回しミネルヴァの元へと帰ってきた。
向こうの街からいやなけはいがするな、これはあたしの勘だ!
そう言って自信がありそうな顔で西を指差すグラーシーザ。
分かりました、急ぎましょう
そうと決まればゴーゴー!
あっ!フライクーゲル!
ミネルヴァの背後から手を伸ばし手綱を引くフライクーゲル。無理に引っ張った為か馬が暴れた。それをなんとか宥めるミネルヴァ。
やめてください、フライクーゲル
ソーリー♪
もぅ、、、
頭を悩ませるミネルヴァを「早くゆくぞ!」と煽るグラーシーザ、ミネルヴァの悩みが尽きる事は無さそうだ。
先頭を飛行するグラーシーザをミネルヴァが追いかけて行くとグラーシーザが指さした街にたどり着いた、街の入り口で馬と竜から降りて辺りを眺める事に。
レーヴァテイン、おきるのだ
ふぁぁぁっ、なに?もう着いたの?
うむ、さぁ!はやくゆこうではないか!
待って下さい、まずは状況を把握しましょう
そう言うミネルヴァの横を誰かが通り抜けて行った。
私が一番乗りだよ!
させないぞフライクーゲル!
我先にと街に駆けて行くフライクーゲルの後をグラーシーザが追いかけて行く。その姿に頭を抱えるミネルヴァ。
ほら、行くよ
はい…
そんなミネルヴァをレーヴァテインが付き添うように歩いてくれた。
先行する二人の背を見ながら街を歩いて行く、ただ人が居ないだけでいつもと変わらなさそうだ。
誰も居ないね
そのようですね
辺りを見渡しても人の気配は感じられなかった、その時強い風が吹き思わず目を腕で覆うと何かがミネルヴァに張り付いた。
一体何ですか
服みたいね
そのようですね、見たところ男性用の上着みたいです
風で飛ばないように上着を掴み眺めるミネルヴァ、よく見ると小さな穴が空いている、それに血液の様な物が付着していた。
ただの洗濯物、じゃ無さそうね
この穴の跡は弓矢ですね、小さな矢尻だと思います、きっと飛距離よりも精度重視の矢だと思います
キル姫が人に向かって放ったとは考えずらいわね、はぁ
はい、きっとこの街に矢を扱う悪魔が潜んでいます
グラーシーザの勘が当たってしまい本格的に面倒事に巻き込まれた事にため息をつくレーヴァテイン、こんな時でも何よりも面倒臭いが勝つのだ。
二人に追いつきましょう、バラバラに動くのは得策ではありません
分かったわよ
走り出すミネルヴァを渋々追いかけるレーヴァテイン、何かを見つけてたのか立ち止まっている二人に追いつくことができた。
何か見つけたのですか?
ミネルヴァ、これって…
グラーシーザが指差す先には何か赤い物が落ちていた、それをフライクーゲルがつまみ上げる。
うーん、何かの肉みたいだね
にく?近くに「にくや」でもあるのか?
肉屋が肉を落とすはず無いでしょ
フライクーゲル、良く見せて下さい
ヘィ、パス
フライクーゲルが放り投げなげた肉をキャッチするミネルヴァ、そこまで大きな肉片では無い、それにまだこうなってから時間が経ってはいなさそうだ。
もしかしたら人間の肉かも知れません、それに先程矢を受けた上着を見つけました
矢だけで人をこんな姿に変える事はできるのかい?
何度も矢を放てば可能だと思いますがこの断面は裂けたというより何かに齧り取られたと思います、ニケ、これは食べ物ではありません
肉片を観察しているミネルヴァ、それを食べたそうに頭の上のニケが見ていた。
ならここに人を食べる悪魔が居るって考えるべきだね
そう考えられますね
ならば早くせいぎをしっこうすべきだ!
どうやってその姿が見えない悪魔に正義を執行するって言うのよ
うぐっ、それは…
居ないなら探せば良いだけだよ、レッツ.サーチ!
バラけるのは危険です、まとまって動きましょう
ミネルヴァの言葉により四人がまとまり街を探索して行く、相手は弓使い、建物の死角、窓際には近寄らない様に。
ねぇ、あれって人じゃない?
レーヴァテインが生存者を見つけた様だ、その方を見ると小さな女の子が一人うずくまっていた。赤紫の髪を何本もロールさせた可愛らしい後ろ姿が見える。
大丈夫ですか?
ミネルヴァが近づき声をかけるもうずくまったまま何も話さない少女。
私達は味方だよ、ほら、顔をあげて
あたし達がきたからもうあんしんだぞ!
フライクーゲル、グラーシーザがその少女に近づくがレーヴァテインだけは柄に手をかけた。
…………の
どうしました?どこか痛むのですか?
……………………空いたの
どうしたのだ?
ベルね、お腹空いたの
クッキーなら持ってるよ、一緒に食べるかい?
フライクーゲルがカバンからクッキーを取り出しその少女に差し出すとその少女が立ち上がり振り返った。小さな身体にぴったりとフィットする軍服、その口元には血が付いていた。その姿に3人が怯む。
退いて!!
レーヴァテインが駆け出し一閃を放つがそれを飛び上がり躱し屋根の上へ。無邪気な笑顔で4人を見下ろしていた。
お姉ちゃん達だーーれ?ベルはベルゼブブって言うんだよ♪長いからベルって呼んでね♡
そう言うと血の付いた唇を舐め上げ妖しく目を輝かせた。
ここにいた街のひとをどうしたのだ!
ベルが全部食べちゃったよ♡まだ食べ足りない無いけどね、キャハハハハ♪
そう笑うと弓を構えニヤリと笑い矢を放った。
隠れて下さい!!
ミネルヴァの声が響き一斉に物陰へ隠れた。
ケガはない?グラーシーザ
うむ、この通りどこにもケガはないぞ!
ケガがない事を見せる為にくるりと回るグラーシーザ、その瞬間にフライクーゲルがグラーシーザの手を掴み引っ張った。その上を通り抜け壁に矢が刺さった。
あ、ありがとー!
もっと奥に隠れて、私が隙を見て撃ち抜くよ!
そう言って銃に魔力を込めるフライクーゲル。物陰から覗き照準を定めていると何かがベルゼブブに向かって行った。
………………………………………………………
大丈夫ですかレーヴァテイン
何とかね、それよりあいつを引きずり下ろさないと攻撃できないよ
物陰に身を潜めた二人、少しでも顔を出せば射抜かれるだろう。
相手は屋根の上に居ます、残念ながら地上に居る私達は不利です
ならあいつを屋根から落とせば良いのね
そうですけど、、、まさか!
私が何とかするから後、よろしく
一瞬にしてミネルヴァの前から姿を消すレーヴァテイン、ジグザグに走りながらベルゼブブの居る家に向かって行く。
はぁぁぁぁぁっ!!
ベルゼブブの居る家に向かって剣を振り下ろした、どうやら家を崩す気の様だ。
っつ!そう簡単にいかないか、なら
思いのほか硬かったようで崩す事を諦め家に入ってゆき階段を駆け登る、そしてベランダから屋根に飛び乗った。
キャハハハハ♪自分からベルに食べられに来たのかな?
別に、さっさと終わらせて私は帰りたいのよ
ギロリとベルゼブブを睨み剣を振り上げながら接近する。
もしかして近づけば矢が打てないなんて思っちゃった?
当たり
レーヴァテインの接近に合わせて後退するベルゼブブ、後半歩も下がれば屋根から落ちる所まで下がった。
そらっ!
キャハハハハ♪
剣を躱し地面に背を向けながら落下するベルゼブブをレーヴァテインが追う。着地を狙うつもりの様だ。
死んじゃえ♡
空中で放たれた矢を身体を捻り躱しベルゼブブが着地した瞬間に頭から叩き斬った。可愛らしい身体は二つに分かれ崩れ落ち辺りを血に染め上げた。
大した事無かったわね、帰るわよ
剣がついた血を振り大きく伸びをするレーヴァテイン、それにみんなが集まって来た。
流石だよレーヴァテイン!
別に、早く帰りたかっただけよ
これぞちょうじょう!
勝利を喜ぶ3人、ミネルヴァはベルゼブブの死体を調べていた。
ニケ、どう思いますか?
そう相棒の梟に問うと翼をはためかせた。
ミネルヴァ、次のあくまを探しにゆこう!
そうですね、今行きます
流石に真っ二つになったのが生きているとは考えられない、疑問を捨ててみんなの所に歩いて行く。
その前にお昼寝させて、久々に動いたから眠いの
再び大きく身体を伸ばすレーヴァテイン、その右手を矢が貫いた。
っつ!!
レーヴァテイン!
早く隠れて!
ミネルヴァの声の後に一斉に物陰へ隠れた。
キャハハハハ♪ベル一回死んじゃった♡もう同じ手は食わないよ
ベルゼブブの声が辺りに響く、ミネルヴァの嫌な予感通り生きていた様だ。
レーヴァテイン、大丈夫ですか!?
利き手を射抜かれた、ごめん
早く傷を見せて下さい、応急処置しかできませんけど
ありがと
傷口に包帯を巻いてゆくミネルヴァ、扱う武器は弓だが医療の心得があるのだろう。包帯を巻き終わり反対側を見るとグラーシーザ、フライクーゲルの姿が見えた。
一人ずつ生きたまま食べてあげるからね♡
悪趣味な事を言いながら四人を探すベルゼブブ、何かに気がついたようでニヤリと笑った。
キャハハハハ♡そこだね♪
弓に矢を束ね放った、その先には物陰に隠れていたレーヴァテインとミネルヴァが居た。
くっ、ミネルヴァ、私の後ろに!
そのケガでは無理です!
こんなケガ如きで寝てたらティルに笑われるよ
左手で剣を振るい何とか矢を弾くが弾ききれない矢がレーヴァテインを掠めてゆく。
くぅぅっ、左手でだけじゃ無理か…
キャハハハハ♡もっと苦しむ姿を見せてよ♡
レーヴァテイン!伏せて下さい!
レーヴァテインが伏せると頭を掠めながら矢がベルゼブブ目掛け飛んでいった、それを躱し後方へ下がった。
へぇー弓を使う子が居たんだ♡もっとベルを楽しませてよ♪
再び矢を構えるベルゼブブ、その背後にグラーシーザの姿が見えた。
レーヴァテイン!
分かってる!
ジグザグに動きベルゼブブの標準を狂わせながら接近する、その後ろでミネルヴァが矢を引き絞る。
潰れてしまうがいい!!
キャハハ
その笑い声はグラーシーザの槌に潰されかき消された。グラーシーザが槌を振り上げるとスイカの様に潰れてしまったベルゼブブがあった。
これが正義のいちげきだぁ!
はぁ、これでもう復活する事なんて無いでしょ
ナーイスファイトグラーシーザ!
うむ!あたしこそが正義!
万が一があります、まだ油断しないで下さい
分かってる
潰れたベルゼブブを4人で見ていると地面へと溶けていった。
もう大丈夫なんじゃない?
その様ですね
四人が背を向けた時だった、何処からか笑い声が聞こえた。
どこからですか!
あそこに居るよ!
フライクーゲルが指差す方を見ると屋根の上に居た、指を咥え妖しい目つきで四人を見下ろしていた。
キャハハハハ♡2回も死んじゃった♡もう許さないよ♪
何でまだ生きているのよ!
特別に教えてあげる♡この街の人みーーんな食べたからだよ♪この命が最後だけどね♡
ヘィ、ならその命、撃ち抜いてあげるよ!
フライクーゲルが魔弾を放つも器用に躱しながら矢を放った。
皆さん!退避しましょう!この状況は不利です!
ミネルヴァの声の後に同じ物陰に四人が身を潜めた。
また居場所が見つかるんじゃない?
それは大丈夫だと思います、先程はレーヴァテインの血の跡を追って来たと思うので、もう血は止まっていますよね?
そうだね、はぁ、
手に巻かれた包帯を眺めるレーヴァテイン、血は滲んでいるけど血が垂れている事は無かった。
レーヴァテイン、ペインついでにその傷を抉っても良いかな?
はぁ?何言ってんのよ
そうだぞフライクーゲル!仲間に何をいうんだ!
ならレーヴァテイン、私の腕を切ってよ
そう言って腕を差し出すフライクーゲル、何か策があるのだろうか?
フライクーゲル、もしかして
イェース、ようやく気がついたみたいだね、血の跡を追うのならそれを利用すれば良いのさ
別に良いけどさ、その前に作戦を立てなきゃね
そう言ってミネルヴァの方を向くレーヴァテイン、それに気付きミネルヴァが頷いた。
この街の地形はさっきニケに教えてもらったので把握しています、それを踏まえて作戦を立てましょう
あいつはまださっきのやねの上にいるぞ!
物陰からベルゼブブを見ながらグラーシーザが叫ぶ。
グラーシーザはそのまま見張りながら聞いて下さい、フライクーゲル、レーヴァテイン、こういうのはどうでしょうか?
ミネルヴァが言うのはこうだ、今居る場所の反対側、つまりさっきフライクーゲルとグラーシーザがいた路地は民家に囲れ行き止まりになっておりそこにベルゼブブを誘い出す、それをレーヴァテイン、グラーシーザが屋根の上で待ち構え誘導できしだい仕留める、フライクーゲルは隙を見て地面に血の跡をつける。
ミネルヴァは何をするんだい?
私は皆が配置に着くまでベルゼブブの意識を引きつけます、お願いできますか?
でもそれってミネルヴァが一番危険だよ
分かっています、だけど皆の事を私は信じています
二人の目を見つめるミネルヴァ、その瞳に迷いは無さそうだ。
はぁ、そういう暑苦しいのいらない、それにフライクーゲルにお願いしたら誰が腕を切るのよ
あっ、それは…
囮も血の跡も私がやるから
それは無茶です!手負のレーヴァテインに負担をかける訳にはいきません!
こんなケガ、痛くもないから、それに久々に滾ってるし
包帯を解き傷口を見つめ笑うレーヴァテイン、その眼光は鋭かった。
レーヴァテインは言い出したら聞かないよ
そのようですね、分かりました、なら私はレーヴァテインの護衛に着きます、フライクーゲルとグラーシーザ、お願いできますか?
もちろん!
次こそせいぎをみせてくれる!
ミネルヴァ
そう言って拳を突き出すレーヴァテイン、その拳にミネルヴァも拳を合わせた。
皆さん、行きましょう、フライクーゲルとグラーシーザは裏から反対側に向かって下さい
うむ!
美味しいところ貰っちゃうよ!
そう言ってゆっくりと動きだした二人、ミネルヴァとレーヴァテインは物陰からベルゼブブを睨んでいた。
行くよ
はい!
レーヴァテインが走り出した、それを待っていた様に矢が雨の様に降り注ぐ。
こんな矢、アルテミスの矢に比べたら何でもないから
矢の雨を斬り払うレーヴァテイン、捌ききれなかった矢をミネルヴァが撃ち落としてゆく。
レーヴァテイン!12時の方向、あの屋根の上からです!
分かってる!
屋根の上で嘲笑うベルゼブブを睨み駆け出すレーヴァテイン、その背後をミネルヴァが駆けて行く。
またベルの所に来るつもり?その手は食わないから♡
接近させまいと矢を放つベルゼブブ、それを大剣と矢で弾きながら前進して行く。
ミネルヴァ!
はい!
一瞬の隙にベルゼブブが居る家の扉を撃ち抜いたミネルヴァ、そこに二人が飛び込み2階へと駆け上がる。
この上ね
そうですね
屋根ごと叩き斬る
えっ?
私の剣、見せてあげるわよ
稲妻を纏った剣を構えたレーヴァテイン、ニヤリと笑い屋根に向かい剣撃を繰り出した。
キャハハハハ♡屋根ごと吹き飛ばすなんてすごーい♪
ちっ
一振りで吹き飛んだ瓦礫と共に上空に飛ばされたベルゼブブ、瓦礫の上から矢を放ちながら落下していった。
追うよ
はい!
二人が家から飛び出し瓦礫を見るもベルゼブブの姿は無かった。
どこに行ったのよ
油断しないで下さい
レーヴァテインが瓦礫を剣で崩しながらその姿を探すも見当たら無かった。その近くでミネルヴァが辺りを見渡していた。
レーヴァテイン!
っつ!
ミネルヴァが放たれた矢に気付きレーヴァテインを突き飛ばした。
くっっ、足に…
ミネルヴァ!しっかりして!
レーヴァテインが駆け寄りミネルヴァを見ると左足に深々と矢が突き刺さっていた。
私は大丈夫です、それよりベルゼブブを!
痛みで震える指で矢が放たれた方を指差すとベルゼブブが二人に向かって歩いて来た。
キャハハハハ♪まずはその子から食べちゃおーっと♡
舌舐めずりをしながら迫るベルゼブブ。
レーヴァテイン、私は歩けません、私を囮に逃げて下さい!
はぁ、何バカな事言ってんのよ
えっ
ミネルヴァが返事をする前にお姫様抱っこをするレーヴァテイン、そのまま駆け出した
私が仲間を見捨てる訳ないでしょ
レーヴァテイン…
逃がさないよ♡二人まとめて射抜いてあげる♪
しっかり捕まってて!!
ミネルヴァを抱き抱えたままジグザグに走り裏路地に逃げ込んだ。
ミネルヴァ、案内
はい!次の路地を左です!
スピードを落とさずに駆け抜けて行く、走った後にはミネルヴァの血が垂れていた。
このまま真っ直ぐです!
おけ
何とか作戦の路地にたどり着いた、屋根を見上げると左右の屋根の上に居る二人が合図をした。
キャハハハハ♡この先は行き止まりだよ♡
血の跡を辿ってここを嗅ぎつけたのだろう。ベルゼブブが姿を表した。
その様ね
じゃあベルが美味しく食べてあげるね♡
ベルゼブブが矢を構えた、それを見て屋根からグラーシーザが槌を振り上げ飛び降りた。
せいぎのてっつい、受けてみるがいい!!
自分から居場所を教えるなんておバカさん♡
その声を聞き向きを変えて矢を放ったベルゼブブ、その矢は真っ直ぐグラーシーザに向かって行く。
ゴーーーシュウッ!!!
グラーシーザに当たる直前にフライクーゲルの魔弾が矢を弾いた。次の瞬間に槌が振り下ろされた。大地を震わせる程の一撃。
キャハハハハ♪残念でした♡そんなの当たらないよ♡
大地に半分ほどめり込んだ槌、その上に居るグラーシーザに矢が向けられた。
勝利を射止めて見せましょう
ベルゼブブが矢を放つよりも早くミネルヴァが矢を放った。その矢はベルゼブブの頭に突き刺さった。
こんな物でベルは止まらないよ!ベルは全てを喰らい尽くす!!
頭から血を流しながら矢を引き絞る、その時フライクーゲルが屋根から飛び降りた。
最っ高のヴォイス、聞かせてよねっ!!
銃にありったけの魔力を注ぎ込み標準を定め引き金を引いた。
あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!まだベルは食べたりな
言い終わる前にベルゼブブは魔弾に焼き尽くされ灰となりその姿を消した。
イェース!アイアム、ウィン!!
空に向かい魔弾を連射するフライクーゲル、その姿におぉぉぉぉっ!!とグラーシーザも槌を高く振り上げた。レーヴァテインはずっと抱っこしていたミネルヴァを優しく地面に置いていた。
ミネルヴァ、傷痕見せて
もう大丈夫ですよ、先程より痛みも引いてきたので
ダメ、早く見せて
分かりました
痛かったらごめん
左足の太腿に刺さった矢を丁寧に抜き消毒をして包帯を巻いてゆく。
ありがとうございます、助かりました
別に、借りを作りたくないだけだから
ふふっ、そうですね
それより疲れたから寝ていい?もー動きたくない
そう言ってミネルヴァの右足を枕に寝転がるレーヴァテイン、その頭を優しくミネルヴァが撫でていた。
皆さん、少し休んだら悪魔を討伐しに行きましょう
オッケィ!
うむ!
二人の声を聞いてミネルヴァも目を閉じた、久しぶりの戦闘で疲れだろう。