※この作品はR-18です。

インテグラル・ノア サイドストーリーユリ物語   作:やす、

80 / 131
色欲のアスモデウス

草原を駆け抜けて行く竜と馬、その上に少女達の姿が見える。

 

 

スイハ、もっとスピードあげても大丈夫よ

 

可能ですが振り落とされませんか?

 

私なら大丈夫よ

 

アルマス、どこに行くか分かっているのですか?

 

…………そういえばそうね、って痛いから叩かないでよ!

 

適当な事を言うからです

 

 

ネスに叩かれた頭を撫でるアルマス、その様子をロンギヌスが微笑みながら見ていた。

 

 

スイハさん、上空から見渡してもらってもよろしいですか?

 

了解

 

 

ロンギヌスに言われてスイハが竜を上昇させる、その弾みでアルマスが竜から落っこちた。

 

 

うわっ!

 

 

それに気づいたスイハが竜を操り回収する。

 

 

アルマス、大丈夫ですか?

 

上昇するなら言ってよね

 

話を聞いていると思ったので、しっかり掴まっていて下さい

 

 

再び上昇して上空から辺りを見渡す、どうやら何かの気配を感じたようだ。

 

 

アルマス、あの街を見て下さい

 

違和感を感じるわね、行ってみましょう

 

 

スイハの指差す方の街を見るとなんとなく違和感を感じた、ほかに当ても無かったのでその街を目指す事に。その事を地上の二人に知らせる。

 

 

向こうの街が怪しいわ、行ってみましょう

 

本当ですか?スイハ

 

はい、違和感を感じました

 

ちょっと!私の言う事が信じられないの?

 

日頃の行いですよ、ロンギヌス、加速します

 

分かりました

 

 

ロンギヌスが掴まるのを感じてネスが馬のお尻を叩く、それに合わせて駆けるスピードが上がった。その馬の真上を先導する様に竜が空を舞う。

 

 

しばらくしてその街にたどり着いた。街の近くに竜と馬を停めて四人は街の入り口まで歩いてきていた。

 

 

とてつもない力を感じますね

 

そうですね、この街に居るのは間違い無いと思います

 

どんなのが相手でも絶・倒してやるんだから!

 

空回りしないで下さいね

 

 

意気込むアルマスをロンギヌスが釘を刺す、それに便乗して二人もアルマスに気をつける様伝える。

 

 

そんなに私って変な事してる?

 

はい、ユリとアルマスは無鉄砲なので

 

言い出したら聞かないので

 

 

うーんと、過去の行動を思い返してみる、確かに言われてみればそんな気もする。

 

 

とにかく行くわよ、その悪魔を見つけないと何も始まらないわ

 

 

そう言って街へ駆けて行くアルマスを3人がため息をついてその後を追う。

 

 

そう言うところですよ、アルマス

 

そう言う性格なのよ

 

また棒で叩きますよ

 

それはやめてよね

 

それよりこの街は兵士が多いですね

 

 

ロンギヌスが辺りを見渡しながらそう言った、言われてみれば剣に槍、斧を持ち鎧をつけた人が多く見られた。

 

 

幾分平和になったとはいえまだこの様な街もあるみたいですね

 

まだ盗賊や盗人の被害は多いですから

 

 

喋りながら街を歩いて行くが何も見当たらない、確かに気配は感じるのに。

 

 

何処にも居ないわね

 

そうですね

 

 

街の端から端まで歩いたのだが悪魔の姿は見えなかった。

 

 

建物の中に居るかも知れないわ、私.探してくる!

 

あっ、アルマス!!

 

 

みんなが止めるのも聞かずに適当な家のドアを開けた。

 

 

………………………

 

 

アルマスが開けた扉から家の中に入り部屋を覗くとベッドの上に1人の女性が男性の上に跨り長い白髪を振り乱しながら腰を振っていた。あまりの光景に声を出す事が出来ずただアルマスはそれを見ていた。

 

 

ふぅん、新しいおもちゃが来たわね

 

 

腰を振りながら淫靡な顔でアルマスを見つめる、その姿を見てようやく動く事を思い出した。

 

 

邪魔をしたわ、ごめん

 

 

そう言って慌てて家を出ようとするアルマスを呼び止めた。

 

 

良いわよ、私はどっちでもイケるから、んっ、熱いの出てるっ♡

 

 

男の上から立ち上がった、太腿を垂れる体液を気にもぜずアルマスを睨む、薄紫色の身体、胸元を曝け出した上着、殆ど隠せていない下着、それに長髪に紛れた羊の様な角、人外なのは間違いないだろう。

 

 

 

って!あんたが悪魔ね!

 

そう、私が色欲の悪魔、アスモデウス、来るのが遅かったから退屈してたの

 

 

下着を直しながらアルマスへと向かい歩いて行く。

 

 

貴方にはもう用は無いわ、良いものを持っていたけど残念ね

 

 

そう言い放ち先程まで跨っていた男に槍を突き刺した、急所を貫かれたのだろう、その男は少し悶え動かなくなった。

 

 

許さない、その命、散らせてあげる

 

 

アルマスが剣を構えたと同時に3人が家に入ってきた。

 

 

出てくるのが遅いと思ったのですよ

 

これが悪魔…

 

 

いいわ!いいわよ!その鋭い眼!今から攻められると思うとまた疼いてきちゃう♡

 

 

そう言うと槍を構えながら向かってきた。

 

 

アルマス、室内では剣が振れません、一旦引きましょう

 

分かったわ!

 

 

家を飛び出し街の広場へと走る、この広場なら他に被害が行く事は無いだろう。振り返り武器を構えるとアスモデウスが居ない?

 

 

何処に行ったのよ!?

 

アーーハッハハハ、私自ら戦うと思っていたのね

 

 

4人が辺りを見渡すも声は聞こえるのだがその姿が見えなかった、その代わりに4人を兵士が取り囲んだ。

 

 

なんですかこの人達は!

 

私達はアスモデウスを倒しに来たのよ!

 

 

アルマスとネスが叫ぶも武器を振るう兵士達。

 

 

そんな事言っても無駄よぉ?ここに居る男共はみーんな私の下僕、やってしまいなさい

 

 

そう言われて兵士を見ると首元に何かの印の様な物が見えた、きっとこれで操っているのだろう。

 

 

くっ!卑怯よ!

 

今はここを切り抜ける事を考えましょう!

 

 

 

操られた兵士の攻撃を躱しながらロンギヌスが叫ぶ、操られているとはいえただの街人だ、傷つける訳にはいかない。4人は防戦の一方だった。

 

 

私が道を切り開きます、その隙に逃げて下さい!

 

ってどうやってそんな事するのよ!

 

こうするのです!

 

 

そう言うと振りかぶった兵士の攻撃を躱し思いっきり蹴り飛ばしたスイハ、倒れた兵士が後ろの兵士を巻き込み将棋倒しとなった。

 

 

今のうちです!

 

あのっ、ごめんなさい!

 

 

倒れた兵士を踏みつけ4人は街の外へ、振り返ると追っては来ていなかった。

 

 

なんとか逃げ切れましたね

 

スイハがあのような力技を使うとは思いませんでした

 

そう言われてみればそうね

 

あのままあの場所に居れば全滅でしたので、それに手加減はしてあります

 

 

思いっきり蹴っ飛ばしていた様な気がするけど良いだろう、そんな事よりあの悪魔の事を話し合わなければ。

 

 

操られている人達をなんとかしなければ攻撃する事すらできませんね

 

弓ならば狙撃する事が出来るのですが…

 

私も槍の先端を飛ばす事ができるのですが遠距離は無理ですね

 

 

 

 

 

イミテイトって解除とかできないの?

 

ラグナロクに聞けば分かるかも知れませんけど

 

そのイミテイトって何なのですか?

 

この力は他者と繋がる力です

 

ならその力を使えばアスモデウスの洗脳を解けるんじゃない?

 

うーん、上手くゆく保障はありませんがやってみる価値はありますね

 

アルマスもたまには良い事を言いますね

 

本当ですね

 

私の扱いって一体…そうと決まれば早速試してみましょう

 

 

再び4人は街へ、それに気が付いた兵士達が襲いかかって来た。

 

 

スイハ、行きますよ                

 

はい

 

 

襲い掛かる兵士達に立ち塞がるスイハとネス、そして口を揃えて叫んだ。

 

 

 

イミテイト!!

 

 

 

2人が兵士に向かってそう叫ぶも相変わらず兵士達は私達に武器を振り上げ襲ってきた。

 

 

ダメじゃないの!逃げるわよ!

 

 

くるりと兵士達に背を向けて街のその外まで走って行く、イミテイト作戦は失敗だった。

 

 

ダメでしたね…

 

こうなったら正面突破しかないわ、こんなところでウジウジしててもアスモデウスは倒せないわ

 

 

アルマスが剣を握りしめ街の方を睨んだ。

 

 

あの、屋根を伝って行くのはどうでしょうか?

 

 

そうロンギヌスが屋根を指差しながら提案した。

 

 

そうですね、それなら気付かれにくいと思います

 

ここから登れそうですね

 

 

ネスが街を囲う塀と軒を見比べている、身長の低いネスがこの塀を登れるか心配だ。

 

 

私だってキル姫です、これぐらい簡単です

 

 

塀を駆け上がりその勢いで屋根に飛び乗るネス、それに続き3人も屋根に飛び乗って行く。慣れない屋根の上に足を滑らせながらも屋根からアモウデウスを探して行く事に。

 

 

あまり身を乗り出さないで下さい、兵士に見つかるかも知れません

 

分かってるわ

 

 

辺りを見渡しながら屋根から屋根へ飛び移って行く、キル姫の身体能力があればこの程度の事なら簡単だ。先行してアルマスが、その後ろに3人が続いて行く。

 

 

そろそろ街の中心部ね、さっきあいつが居たのはこの辺りだけど

 

警戒しておきましょう、先手を取られるかも知れません

 

私達は屋根の上に居るのよ?流石に気づかれないわ

 

 

アルマスがそう言った瞬間に屋根から槍が生えてきた。

 

 

うわっ!

 

 

アルマスが飛び退くとまたすぐに槍が突き出された。

 

 

早く隣の屋根に!

 

分かってる!

 

 

急いで隣の屋根に飛び移り振り返るとアスモデウスでベランダから屋根に這い上がってきた。

 

 

あらぁ、1人は仕留めたと思ったのに

 

残念ね、私達はそこまで甘くは無いわ

 

ならこの槍で貫いてあげる

 

 

ニタリと笑いながら槍を構え向かって来た、その表情にゾクッとするがそんな事に構っていられない。

 

 

来るわよ!

 

 

誰かが叫び戦闘が始まった。軽々と屋根を飛び越え私達の元へ、そして妖美な顔で槍を振り回す。

 

 

はぁっ、痛みに悶える顔を想像するだけでビンビンきちゃう♡

 

 

何変な事言ってんのよ!

 

 

アルマスが槍を躱し前に出る、それを身体を回し器用に捌かれる。

 

 

ザーコ♡

 

 

尻手で一突き、怯んだ瞬間に矛での突きが迫る。

 

 

させません!

 

 

それをロンギヌスが防ぎ攻め立てる。巧みに槍を操りアスモデウスに傷をつけてゆく。

 

 

良いわ、良いわよ!ゾクゾクとまんない♡

 

 

くっ!あんなに傷付けているのにっ!

 

この程度の痛みなんて前戯にもならないわ

 

 

身体から血を流しながら槍を振るう姿にロンギヌスがたじろいだ、その隙を逃さなかった。

 

 

退屈なのは嫌いなの、バイバーイ♡

 

 

力を込めた一突きがロンギヌスに迫る。それを避けようと身を捻ったが脇腹を抉られた。

 

 

くぅぅっ!!でも、この槍は離しませんっ!

 

 

しっかりと槍を握りしめたロンギヌス、アスモデウスが離せと力を込めるがロンギヌスが必死に掴む。

 

 

スイハ!

 

はい、参ります!

 

 

それにスイハとアルマスが斬りかかる。が、剣が当たる瞬間に屋根から飛び降りた。

 

 

ちょこまかと!

 

ですが槍を奪う事ができました、これで攻撃させる事はありません

 

そうだが、人混みに紛れられたら我々も私達も攻撃ができません

 

あいつは何処に行ったのよ!?

 

 

4人が屋根から見下ろすと居た、兵士から槍を奪っただろう槍を兵士に向けている、人質のつもりだろう。

 

 

見下ろしていたら目が合った、ペロリと舌舐めずりをして私達を見ていた。

 

 

さぁ、早く降りてこないとこの子がイッちゃうわよ

 

 

首元に突きつけた槍が首に傷をつけた、血が滴り流れてゆく。

 

 

人質とはやる事が汚いわね

 

なんとでも言いなさぁい、この子の命がどうなっても良いならそこに居ても良いわよ

 

 

さらに深く傷をつけたのだろう、先ほどよりも滴る血の量が増えた。

 

 

3人で顔を見合わせて仕方なく下に降りようとした、3人?

 

 

そういえばネスは何処行ったの?

 

いつの間にか居なくなって居ますね

 

あっ、あそこに居ます、ここから10時の方向、気づかれない様に目線だけで見てください

 

 

目線だけ向けるといつの間にか移動したのかネスが槍を構え標準を合わせていた。それならばやる事は一つだ。

 

 

ネスを信じて降りましょう

 

分かったわ

 

 

屋根から飛び降りアスモデウスの所へ行くと鋭い眼光で私達を睨んだ。

 

 

こんな何処の馬の骨かも分からない男の為に命を捨てるなんてほんっとにキル姫って愚かね

 

なんとでも言いなさいよ、早く人質を解放しなさい

 

良いわよ、解放してあげる

 

 

アスモデウスが槍を引くと鮮血が舞った、心臓の鼓動と共に吹き出す血液は辺りを赤く染めた。予想していなかった行動にただ見ている事しかできなかった。

 

 

知ってるかしら?血も精液も同じなのよ、これはこの男の命の射精と呼ぶべきね

 

 

恍惚と血液が流れる様子を見ているアスモデウス、やっと我に帰りだんだんと怒りが湧き起こってきた。

 

 

絶・許さないわ!覚悟しなさい!

 

そんなに怒る事かしら?キル姫だって異族を狩るでしょ、それと何が違うのよ、説明をしてもらいましょうか

 

 

剣を抜いたアルマスに疑問を投げかける、その疑問に答えられる訳もなくアルマスがたじろいだ。

 

 

ウフフフフッ、そうね、もう1人殺してあげようかしら

 

 

そう言ってアモウデウスが血が付着した矛先に舌を這わせた時だった、氷の槍がアモウデウスの胸部を貫いた。

 

 

アハハハハハハハッ!良いわ、良いわよぉ♡この痛みゾクゾクしちゃう♡

 

 

貫いている槍を握り引き抜こうとしていた。

 

 

早くとどめを!!

 

 

ネスの声が響きロンギヌスが動いた。

 

 

この一撃で終わらせます

 

 

踏み込み喉笛を貫いた、ロンギヌスが槍を引き抜くとギロリと睨みその瞳から光が消えた。

 

 

 

私達の勝利、だけど人を救えなかった、なんとも言えない空気が私達を包んでゆく。

 

 

祈りを捧げこの街を出ましょう、あまり長居はできそうにありません

 

 

正気を取り戻した兵士達が私達を見ていた、このままだと厄介な事になりそうだ、跪き祈りを捧げこの街に背を向ける。

 

 

他の街で休んでから次に行きましょう

 

 

ネスがそう言うも誰も返事をする事は無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




そのうち書き直します
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。