※この作品はR-18です。

インテグラル・ノア サイドストーリーユリ物語   作:やす、

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冥界の扉

冥界ってもっとヤバそうな所だと思ってたけど案外普通なのね

 

そうですね、私ももっと邪悪な所だと思ってましたっ

 

 

私達は少しの休憩の後に冥界を歩いていた、なんかこう、骸骨が歩いていたり火の玉が飛んでたりを想像していたのだけど見渡す限り草原が広がっているだけだった。

 

 

冥界は死者の通り道、この世に未練を残さないようにこのような景色になっているのです

 

 

そう私達の前を歩くマムが説明してくれた、別に草原だから未練を残さないって訳ではないと思うけど。

 

 

そういうのは気の持ちようだよ

 

そうね

 

 

ナチュラルに私の心を読むクリス、この親子は読心術でも身につけているのだろうか?

 

 

それで、その冥界の扉はどこにあるの?

 

冥界の最深部にあります、まだ少し歩きますよ

 

 

私もさっき聞いたのだけど死者はまずこの冥界に送られてそれからその扉を潜りユグドラシルにマナとして吸収されるらしい、ユグドラシルが萎えていた時はこの草原に死者が溢れていたらしいけど今はそんな事はないようだ。

 

 

この景色久しぶりだな

 

そういえば一度死んでましたね

 

軽く言うね

 

 

そういえばユウは一度死んでいるのだった、何故彼はマナにならずユグドラシルの中に居たのだろう?

 

 

なんとなくだよ

 

ふむ

 

 

一応周りを警戒しながら歩いているのだが何もなかった、本当にただの草原みたいだ。

 

 

おぉ!大きなとびらがみえるぞ!

 

はい、あれが冥界の扉です

 

 

グラーシーザの指差すその扉はとても大きかった、どれぐらい大きいかって聞かれると例えが思いつかないけどとりあえずその扉は大きいのだ。本来なら死者が通る時だけ開くのだがマーベル博士が何かをしたため開きっぱなしになっているようだ。そのせいで冥界の瘴気が地上世界に蔓延してあのようになっているらしい。

 

 

誰か居るわ

 

 

扉の近くまで行くとふもとに誰かが居るのが見えた、扉の前で何かをしているようだ。

 

 

お父さん!

 

 

クリスがそう叫んでその人の方へ走っていった、確かあいつは天上世界で会ったあいつのような気がする。

 

 

おぉ、我が娘よ!

 

おぉじゃないよ!なんて事してくれたんだよ!

 

そんなに怒るなよ、愛しの家族を蘇らせようとしただけじゃないか

 

私達はもう死んでるんだよ!?もう諦めてよ!

 

あと少しでこの実験は成功するんだ、そこで大人しく見ていてくれ

 

 

泣き叫ぶクレスを気にせずマーベル博士は装置を操作していた。

 

 

ねぇ、娘が泣いてるって言うのに何考えてるのよ

 

あ?なんだお前は

 

私はユリよ、ってかあんた私に報酬を支払いなさいよ

 

今はそんな事言っている場合じゃありませんよっ!

 

まぁ良い、後はこのボタンを押せばマムもクリスも蘇るのだ!

 

 

そう言ってその装置のボタンを押したようだ、何かが起こる、そう思い身構えた。

 

 

…って何も起こらないわね

 

そうですね

 

 

また悪魔とかが蘇ると思っていたのだけど何も起きなかった。

 

 

その装置壊れてんじゃないの?

 

ふふふ、見ていなさい

 

 

そう言われて見ていると扉の奥から光る球のような物が飛んできてそれはマムとクリスにゆっくりと近づきその身体に消えていった。

 

 

今のは?

 

二人の魂だよ、以前の実験では肉体を作る事はできたがその魂まで呼び起こす事は出来なかった、だが、次の実験で私は魂を呼び起こす事に成功した、犠牲は出てしまったがね

 

うんうん、これも愛だね

 

どのような研究をしたのですか?

 

説明してやろう、この世界の生物はマナでできている、肉体も、魂もだ、ユグドラシルにマナとして吸収される前にそれを回収しこの装置により復元したのだ

 

なら悪魔達が復活したのは?

 

それは最初の実験、マナから肉体を復元させる時に冥界全てにこの装置の効果が行き届いてしまってね

 

はぁ、、、

 

 

マーベル博士の説明を聞いてラグナがため息をついていた、この事件の動機が家族を甦らせる為という事だっだからだろう。もっと邪な動機なら怒る事ができるけど、ってかこの被害を考えれば怒るわよね?

 

 

分かったわ、ただこのままだと私は教会に博士を引き渡さなければならないわ

 

心配には及ばん、悪魔や魔物に殺された人々も時期に蘇るだろう

 

はぁぁ、、、とりあえずみんなで復興ね

 

そうですね

 

 

頭を悩ませながらラグナがそう呟いていた、それにミネルヴァが相槌を打っていた。

 

 

再び家族3人、仲良く暮らそうじゃないか

 

お父さんの馬鹿!!

 

 

クリスが腰を捻り勢いをつけてマーベル博士にビンタしていた、パシンと気持ち良いい音が辺りに響いていた。

 

 

どれだけの人に迷惑かけたか分かってんの?そんな事までして甦らせてなんて頼んでないよ!

 

なんと言われようと構わん、クリスも家族を持ち子を持てばこの気持ちが分かるだろう

 

 

泣きじゃくるクリスを抱きしめていた、目の前で母と子を失った彼の気持ちは彼にしか分からないだろう。

 

 

うん、その気持ち分かるよ、、、

 

 

そう言いながらユウが涙を流していた、それをティルフィングが慰めていた。

 

 

もしかしたら娘が心配で成仏できなかったからユグドラシルの中に入れたのかもね

 

 

目を擦りながらそう言っていた、少し謎が解けたわね。

 

 

悪いけどあの扉を閉めてくれないか?一人じゃ無理なんだ

 

分かった

 

そんな訳でみんなで扉を閉める事に、巨大な両開きの扉を二手に分かれて押してゆく。

 

 

せーーーの

 

 

ギィィィィと音を立てながらその扉は閉まった、これで一件落着なのだろう。

 

 

それより報酬をもらうわよ、あの時いくらでも金は払うって言ったわよね?

 

その件なんだが機材を買いすぎてね、もう手持ちが無いんだよ

 

何よそれ、ちゃんと払うもん払いなさいよ!

 

ならお父さんのバイクをユリにあげるよ、それで良しとして

 

そうね、それで手を打つわ

 

おい、何を勝手な事を言っているんだ!

 

報酬を払うって約束したのはお父さんでしょ

 

仕方ない、大切に乗るんだぞ

 

任せてよ

 

 

もう冥界に用はないだろう、みんなで冥界を抜けてユグドラシルの前に来ていた。

 

 

さっきより空気が綺麗ね

 

そうですねっ

 

 

大きく伸びをして煙草に火をつけた。後は地上世界と天上世界の復興をすれば全ては元通りだ。

 

 

そういえばヴァング達はどこに居るのかしら?

 

姿を見てないわね

 

 

彼等の実力なら大丈夫だとは思うけど万が一の事もある、それでも蘇っては居ると思うけど。

 

 

ひとまず天上世界に戻りましょう、デュカキス大奏官やモニカ中奏官の安否が心配だわ

 

モニカ達がどうしたのよ?

 

私達が地上世界に降りる時に天上世界に魔物が現れたのよ、その討伐をみんなに任せて私達はこの世界に降りてきたのよ

 

そうなんだ、なら早く行かないとね

 

天上世界の復興が終わったらまた戻ってくるわ、それまでお願いね

 

その時バイクを貰っていくわね

 

うん、ちゃんと整備しておくね

 

ありがと、また来るわ

 

 

3人に見送られながら天上世界に繋がる穴に入ろうとした時だった。見覚えのある奴らが穴から出てきた。

 

 

お前らこんな所で何してるんだ?

 

そういうあんた達も何してるのよ?

 

僕達はオルフェウス達の手伝いでラグーナ島に行ってたんだよ

 

ねぇ、キラーメイル達は?

 

彼等はまだ手伝っているよ、私達は少し用事があって戻って来たんだ

 

ふむ

 

 

みんなは無事なようだ、今回苦労したのは私達だけのようだけどまぁ良いだろう。

 

 

それよりなんの騒ぎだったんだ?天上世界に化け物が居たぞ

 

それはね

 

 

ラグナがみんなに説明をしてくれていた、今回の騒動の犯人のマーベル博士もそれを聞いていた。

 

 

マーベル先輩、こんにちわ、こんな所で何をしているのですか?

 

知り合いなの?

 

うん、私の大学の時の先輩だよ

 

世間は狭いわね

 

用事がある所悪いけど地上世界の復興をお願いするわ、私達は天上世界の復興をしてくるからさ

 

うん、任せてよ!

 

 

そんな訳で私達は天上世界に戻る事に、ユグドラシルを通り抜けて久しぶりに天上世界へと降り立った。

 

 

ユリくん!

 

ただいまモニカ、ヴァング達に聞いたわよ、頑張ったわね

 

うん!やっぱり私はまだまだ未熟だったよ

 

そんな事ないわよ、立派な奏官よ

 

 

3人の嫉妬の眼差しを受けながらモニカと抱き合っていた。

 

 

じゃあみんなで復興してラグーナ島に遊びにおいでよ

 

もちろん私達も手伝いますよ?

 

うん、助かるわ

 

さっさと復興して遊びに行くわよ!

 

おぉーーー!!

 

 

 

 

それから何日かが過ぎた、もっとかかると思っていた復興はクラウドとディルドの頑張りにより思っていたより早く済んでいた。

 

 

フハハハハハハハ!!

 

ナーハハハハハハ!!

 

 

こういう時にあいつらは便利ね

 

そうですね、私はもう出てくる事は無いと思っていましたっ

 

私もよ

 

 

私達の家も全損していたので新しく立て直してもらえる事となっていた。復興にかかるお金は全て教会から支払われるみたいで私達はただで新築に住む事ができたのだ。怪我の功名ってやつね。

 

 

じゃあ明日の朝にユリの家に集合で

 

はーい

 

 

教会に一番近いという事で私の家が集合場所となった。ラグーナ島、今から楽しみである。

 

 

寝よっか

 

そうですね

 

 

ついでにと購入したキングサイズのベッドに二人で寝転がり目を閉じるのであった。

 

 

……………………………………………………………

 

 

次の日の朝、アスカロンより先に目を覚ましコーヒーを飲んでいた。

 

 

煙草、、、そうね

 

 

火をつけようとした煙草を咥えて店の前に、前は家の中で吸っていたけど新築だしという事で外で煙草を吸うようにしていた。少し肌寒い気温の中コーヒーを飲みながら煙草を楽しんでいた。

 

 

ラグナ島で何をしようか?せっかく行けるんだし楽しまなくては。

 

 

ぼんやりと煙を見つめながら何をしようかを考えていた、砂浜と海で遊んで、花火とかもしてみたいし、それとアルマスとログハウスに行くのも。

 

 

最後に煙が上がってを吸い込み吐き出してコーヒーを一口、戻って準備をしなくちゃ。

 

 

おはようございます♪

 

おはよ、コーヒー淹れるね

 

はいっ♪

 

 

アスカロンの分のコーヒーを淹れてその間に鞄に荷物を詰め込んでゆく、昨日ある程度しておいたからすぐに終わらせる事ができた。後はみんなが来るのを待つだけである。

 

 

おはよユリくん、アスカロンくん♪

 

おはよ

 

おはようございます♪

 

 

先に来たのはモニカ達だった、その後ろにはティルフィング、ユウ、1stキラーズの姿があった。

 

 

おはよ、狭いけど入っててよ

 

おはようございます、お言葉に甘えますね♪

 

 

みんなの分のコーヒーを淹れてしばらくするとデュキカス達とラグナ達、それにアルマスが来てくれた。

 

 

みんなの水着、、、楽しみだなっ♪

 

楽しそうね

 

 

そろそろ行こうか、もうすぐ教会が開く時間だし

 

そうね

 

 

みんなが家から出るのを見てから戸締りをして膨らんだ鞄を背負い歩き出した。教会にたどり着き転送装置を作動させてもらおうとした時だった。

 

 

四人ぐらいの人が私達の方へ近づいて来て「おはようございます、ユリというキル姫を知りませんか?」そう言った。

 

 

私よ、なんの用なのよ?

 

こちらに

 

何よ?

 

 

私がそいつらに近づくとあっという間に手錠をかけられた。

 

 

犯人確保、直ちに地上世界に連行する

 

ちょっと!なんなのよ!?これを取りなさいよ!!

 

静かにしろ!君を建造物損壊と放火の容疑で逮捕する

 

はぁぁ!?私はそんな事してないわよ!

 

証拠は出ている、大人しくしていろ

 

 

私は逮捕されてしまった、心配そうに私を見る視線が痛い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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