退屈な牢屋に閉じ込められて何日が経ったのだろう?そろそろ飽きて来たし思いっきり身体を動かしたかった。
おい、出ろ
ん
そんな私に看守が出ろと命じ牢屋のドアを開いた。それに従い牢屋を出る事に。
今からお前の裁判が始まる、ついて来い
そう言われて何人もの看守に囲まれながら馬車みたいな物に乗せられた。その乗り物はどうやら中心街に向かっているようだ。そんな会話が微かに聞こえた。
それ以外誰も話さない車内、別にこんな奴らと話をしたくも無いのだけど。
しばらくすると中心街にたどり着いた様だ。ドアが開き他の建物に連れて行かれ廊下を進み一つの部屋に押し込まれた。
時間になったら呼ぶ、それまでに着替えておけ
そう言われて渡されたのは私が着ていた服だった、それを受け取り着替えると剣も二本合った。話が見えてこない。ただ裁判を行うだけならさっきの服のままで良いはずだし剣なんていらないはずだ。
二本の剣を鞘から出してみてもあの時のままだ、それにポーチの中も触られた形跡も無い。そこからビスケットを取り出して食べる事に。
何かがおかしい、そんな疑問を持ちながらビスケットを噛み砕き飲み込んだ。
しばらくすると話し声が聞こえ見覚えのある二人が部屋に押し込まれていた。
もーちょっと優しくして欲しいかな
同感だよ、いてててて
あんた達こんな所で何してるのよ?
ユウとケラウノスだった。何故この二人がここに居るのだろう?
ユリちゃんみーっけ♪
元気そうで良かったよ
ここは何処なのよ?それと何してんのよ?
それはね
私の聞いた質問に二人が答えてくれた。話を聞くと二人も今から行われる裁判で裁かれるようだ。
それにしても変なんだよ、武器もそのままで良いって言うし
私もさっき返して貰えたなー
二人も武器を持っている様だ。まだユウは分かる、それでもケラウノスと私に武器を与える必要なんて無いはずなのに。
疑問を持ちながら煙草に火をつける事に。久しぶりの煙草が美味しい。
まぁ悩んでも仕方ないよ、裁判が始まれば分かる事だし
そうだねーイケメンな裁判官だと良いな♪
ケラウノスは相変わらずね
しばらくすると扉が開き二人が入って来た。
今から裁判が始まります、ついて来て下さい
お前ら大人しくついて来いよ!
はーい
聞くとシタとミトゥムというキル姫の様だ。その後ろについて行く事に。
…………………………………………………………
私達が居る部屋が太陽に照らされていた。それを合図に一人、また一人と起き上がっていた。今日ユリ達の裁判が始まる。そう考えただけで私は眠れなかった。
みんなの邪魔にならないようにふらりと窓際へ、上る朝日を眺めていた。
アスカロン、クマができていますよ
眠れなくって、そういうティルフィングさんもクマができてますよ?
私も眠れませんでした、それでも体調は万全ですよ?
私もですっ
おい、シユウ起きろ
うがぁぁぁ……
ツカサさん、裁判は何時から始まるのですか?
うん、午前8時からこの中心街の中央にあるコロシアムで行われるよ
裁判なのにそんな所でやるのね、まるで何かと戦わせるかのように
昨日の夜の話が信憑性を帯びてきたわね、もし本当にそうなのならこの悪行を私達は見逃す事はできないわ
裁判にかけようとしたら逆に裁判にかけられたりね
ミイラ取りがミイラってね
何処と無く楽しそうに告げるツカサ、それを見てアフロディーテがクスリと笑った。
まだ少し時間があるので朝食をとりませんか?
そうしたい所だけど生憎料理を作れる人が不在なんだよね
もちろん私が作りますよ、人数が多いので簡単な物しか作れませんけど
私も手伝いますっ!
私も手伝うわよ、栄養バランスはちゃんとしないとね
ツカサさん、キッチンお借りしますね
うん、助かるよ
3人でキッチンへ、一人暮らしとは思えない広さの調理場を駆け回っていた。
ツカサさんって何者なのですか?
この中心街の南を治めている人みたいですよ
へぇぇ、じゃあすごい人なんですねっ
あんまりそんな風には見えないけどね
人は見かけによりませんからね
見かけによらないって言えばうちのマスターも夜は一人でトイレに行けないわよ
えぇ、、、
意外ですね、そういえばユウも怖がりですね
そうなのですか?
はい、以前罰ゲームで一人で夜のお墓に行ったのですが泣きながら帰って来ましたよ
それ、誰だってそうなるわよ、ユリちゃんはそういう事は無いの?
ユリは…寝る時は私の腕枕で寝るって事ぐらいですね?
ユリちゃんってアスカロンの事大好きよね
私もユリの事大好きですっ!
孫の顔は期待できそうにありませんね
二人に気がつかれない様に呟きため息を一つ吐いたティルフィング。気を取り直しボールに移された玉子をかき混ぜていた。
そして人数分の朝食を作り終えそれを机へと並べた。
いただきまーす
まだあるので足りなければ言ってくださいね
シユウはこれっぽっちじゃみたされないぞ!
シユウには別に用意してあるのでこちらを食べて下さいね?
重いんだけどこれ
ドシンと音を立て置かれた炊飯器、軽く見ても一升はお米が炊かれていそうだ。
食べ終わったら準備をして行きましょう、会場の下見もしたいですし
………………………………
…………………………
……………………
………………
…………
私達はコロシアムみたいなの所に連れて来られていた、それだけだと想像しずらいから細かく説明をすると観客席がありその下に広場がある、まぁ、野球場みたいな所だ。
その観客席には大勢の人達が詰めかけており満員御礼だ。そんな呑気な解説ができる程に拍子抜けな会場。
あっ!マスター達があそこに居るよ♪おーーい♪
本当だ、ティル達も居るね
みんな来てくれたのね、でも裁判が始まるって感じはしないわね
真ん中まで来て下さい
はーい
二人に連れられて広場の真ん中まで歩いて来た、そこで変な模様の扉がある事に気がついた。
あの扉はなんなのかしら?
さぁ?まぁ良いんじゃない?
腕を掴みぐぐっと身体を伸ばしていた。そんな時アナウンスが会場に響き渡った。
「これより公開裁判を行います。盛大な拍手をお願いします」
そのアナウンスの後に会場から拍手が沸いた。その後にアナウンスの声とは違う男の声が聞こえてきた。
諸君、これが私に逆らった者の末路だ。良くその目に刻みつけると良い
その言葉の後にシタとミトゥムが先程の扉を開いた。扉の奥は真っ暗で良く分からないがその扉が開いてから嫌な気配が会場に漂っていた。
もし、君達が生き残る事ができたのなら無罪放免してやろう、精々頑張りたまえ
それと、もし手助けをしようと思う奴が居るなら一つ忠告をしておこう。ただでは済まさないと。
誰に向かって言った言葉なのかは分からないがまぁいいだろう。しばらくするとその扉から3人が歩み出て来た。まだ完全に姿は見えないがこの嫌な気配の主なのだろう。
君達は……
おぉーー♪可愛い子が3人も♪あれは魔法の扉だったんだね♪
呑気な事言ってる場合じゃ無いわよ!あいつら只者じゃないわ
マスター、私達は何処から脱出すればよろしいのですか?
出口は全て封鎖してあるので私達が逃げれません
そう叫んでいる二人、だが帰ってきた返事は無情だった。
既に君達と共鳴は解除してある、ここで野垂れ死ぬと良い
そんなっ……
あんまりですっ!!
ねぇ、あの二人のキル姫はなんなのよ?
あの二人はあの声の主のキル姫なんだよ、たった今そうじゃなくなったみたいだけど
うっわぁーそういう事するのは私許せないな
私もよ、あいつの頭一発殴ってやるわ、簡単に仲間を見捨てるなんて私が許さないわ
それよりあの3人をなんとかしないとね
だんだんとその3人の姿が見えてきた、前に時間旅行で会ったラグナ、リルティル、そしてアルマスだ。姿形は一緒だけどあの時と違うのは明確な殺意を私達に向けているという事だ。
気をつけてね、あの3人は強いよ
分かってるわ、たまにはそれぐらいの相手と戦いたかった所よ
ユウくんは私と戦ってね♪一人じゃ厳しそうだしさ♪
頼りにしてるよ、じゃあ、戦おうか
既に剣を構えている3人、それを迎え撃つ為にこちらも剣を、銃を構えた。
音もなく私の前に誰かが立った。それと同時に風を切る音、煌めく剣が私に迫る。それを防ぎ反撃の一閃。
空を切る。
そして相手の次の一閃。
剣と剣、鉄と鉄がぶつかる音を奏でながらそれを受け流す。
防ぎ、攻め、防ぎ、攻める。
双剣を重ね合わせ斬撃を受ける、睨み合う。美しい瞳。負けない。ギュッと両手に、双剣に、瞳に力を込め押し返し斬り込む。弾き返された。さらに踏み込み一閃。
フンッ
避けられ笑われた、それも鼻で。
ヘッ
笑い返す。
再び斬り合う。燃え沸る闘志、戦いを楽しむ愉快な気持ち。それを捨て精神を統一し駆け出す。裁判、勝ち負け、生死がもうどうでも良かった。最高の相手と真剣の命のやり取り。斬られ痛む身体。付着した返り血。全てが快感。きっと私の下着に染みを作っているだろう。
………………………………………………………………
ケラウノス援護!
任せてよっ♪
少し離れた所で凄まじい戦いを繰り広げる二人。アルマスとユリ。ユリの成長を見ていたかったけどこっちにそんな余裕は無かった。
ガキンッと重たい剣撃を受け止め弾かれる寸前で受け流す。リルティルが体勢を崩した瞬間に背後からの魔弾が狙う。
それを舞い上がり回避しその魔弾の主へと羽ばたいた。
おぉっと驚くケラウノスの服を引き場所を入れ替えリルティルの剣を防ぐ。その隙をラグナロクが俊敏に攻め立てる。それを魔弾を放ち牽制してゆく。
息を吐く暇もないギリギリの戦い。ケラウノスと目を合わせながら意図を読み解きながら剣を振う。
ユウ君、このまま左に動くよ
了解、援護するよ
うん、じゃあいくねー♪
ゆっくりと左へと進んで行く。その先にあるのは項垂れ生きる希望を失った姉妹。
あのさ、私達に力を貸してくれない?
…………
沈黙、声は届いていると思うけどこちらに目線を投げる事もなく姉妹は泣きながら抱き合っていた。
あっちゃぁ、、、やっぱり無理かぁ、、、
もうこれ以上は持たないから二人共力を貸してよ!!
剣撃を弾き、弾き、受け流しながら叫ぶ、答えは沈黙。だが妹の身体がピクリと動いた気がする。
溜息を吐く代わりに全力で剣を振り斬撃を防ぐ。悲鳴をあげる両腕、流れる汗を拭う事も出来ずただ剣を振るっていた。
リルティルが舞い上がり後ろに下がった。そして勢いをつけ突進。それを堪える為に両腕に、両手に力を込めた。
あっ!!
フェイント。
迫ると思っていたリルティルは僕の前で一回転。そして勢いを加速させた一閃は握り締めていた剣を高く弾き飛ばした。
その剣の行先を見る暇なんて無い。次の一閃を避けるべくリルティルを見据える。
ユウ君左!!!
ケラウノスの叫び声が聞こえた。だけど左を見る余裕なんて無い。リルティルに集中しすぎてラグナロクの存在を忘れていた。
……………………………………………………
言葉を失う程の攻防戦をただ私達は見ていた。ツカサさんはさっきの男の声を聞いてから身体を震わせながら俯いてしまっていた。
ユリとアルマスは互角。だけどユウさんとケラウノスは防戦の一方。このままだとやられるのは時間の問題だった。
ツカサさん、出撃の許可を下さい。このまま見ている事は私には無理です
鞘から骸斬を抜き出しティルフィングさんが叫んでいた。それでもツカサさんは身体を震わせたまま返事をしなかった。覚悟を決めた。だけどその覚悟を歪めてしまう程の忠告だったのだろう。頭では分かっている。私達の誰かがあの試合に混ざればそれ程の罰がツカサさんに下るのだろう。だけど。
ごめんなさいっ!!
そう言い残し私は観客席を駆け降り一気にグラウンドへ飛び出そうとした。
!!!
最前列を踏み込みジャンプした私は何かに遮られグラウンドには行けなかった。見えない何かが私を拒んだみたいだ。
次は無い。
悔しさと怒りの感情が渦巻く私の頭にそう聞こえた。ただ、見ている事しかできないのか。
こんな物っ!!
ありったけの力でその見えない壁に拳をぶつけていた。もちろん壊れるはずなんてない。だけど
このっ!このっ!このっっっ!!!
せめてもの私の抵抗だった。拳が砕けても良い、もう剣が握れなくなっても良い。あの場所に助けに入りたかった。
…………デュカキスさん、お願いがある
どうしたのである?
僕の背中を思いっきり叩いて欲しい、そして一歩踏み出す勇気を下さい
うむ
デュカキスが手を振り上げたと同時にみんながアスカロンの元へと駆け出した。
バンッ
その音を合図に見えない壁を破壊すべく猛攻が始まった。
………………………………………………………………
互いが荒く息を吐いて吸っていた。剣を支えに何とか立っていた。互角。伯仲、五分五分。そんな二人に引き分けの言葉はない。
口元を手で擦りアルマスが剣を構えた。唾を吐き捨てユリが双剣を構えた。
沈黙。
アルマスが虹色の蝶の様な羽を羽ばたかせた。これが彼女のとっておきなのだろう。なら
大罪のオーラを燃え上がらせ私の中に居る私とリンクする。つまり自分自身のバイブスとキラーズの共鳴。私のとっておきの力の解放。
そして、迫るアルマスに剣技を叩き込む為にギュッと双剣を握り直り前を向く。この一撃で全てが決まる、終わる。そして始まる。
私の持てる力全てを使いアルマスの一振りと双剣の煌めきを叩き合わせた。
……………………………………………………………
ラグナロクの剣が僕を斬り裂く瞬間にラグナロクが飛び退いた。それに合わせリルティルも距離を取りその飛んで来た物を回避した。
それはクルクルと宙を舞いその投げた主の元へと戻っていった。
姉ちゃん!メソメソしてても始まんねーよっ!!
その主は飛んで来た斧を構え直し姉へと激を飛ばしていた。
………
助かったよミトゥム
別に、マスターに裏切られたんだから思いっきり憂さ晴らしがしたいだけだぜ、助けるつもりなんてぜんぜんねーよ!
それでも構わない、力を貸してもらうよ
にししししっ良いねいいねっ♪はい落とし物だよ♪
ありがと、ミトゥムいける?
ケラウノスが拾って来てくれた剣を受け取り煙草に火をつけた。先程の問いに「んなもんあたりめーだろ!」との返事を貰えた。
じゃあ第二ラウンドと行こうか、フォローよろしく!
足引っ張んなよな!
煙草を投げ捨てリルティルへと駆け出した。その僕より先を走るミトゥムがリルティルへと斧を投げた。
クルクルと飛んでゆく斧を弾き何も持っていないミトゥムへ迫る。そうはさせない。
しゃがんで!!
おぅ!
しゃがみ込んだミトゥムを飛び越え反撃の一閃。躱され空を切った。
二人共左右に分かれて!
ケラウノスの言葉に瞬時に反応し左右に飛び跳ねた、その瞬間にリルティル目掛け魔弾の雨が降り注ぐ。
リルティルの前へ躍り出たラグナロク。八本の剣を出現、具現化し弾幕を難なく斬り払った。そしてその剣を3人へと向けた。
ちょっとヤバめ?
だいぶヤバめだね
嫌な汗が身体を伝う。それでもそれを防ぐべく立ち向かう。
剣が風を切る音が聞こえ3人に三本ずつ剣が振り下ろされた。
こんなもんミトゥム様が弾き返してやるぜ!
俊敏に駆けながら降りかかる剣を防ぎ弾いてゆく。一本を叩き割り二本目を打ち砕いた。そして次の剣を叩く前を向いた。
うわっ!
刀身に太陽の光を反射させ視界を奪われた。その瞬間にその命を刈り取るべく導かれる様にミトゥムの首元へと向かってゆく。
僅かに見えるようになった眼下に煌めく剣が見えた。避けられない、斧で弾く時間も無い。覚悟を決めてギュッと目を瞑り姉の名を呟いた。
その剣が突き刺さる瞬間に飛来した斧により砕かれ消滅した。
ごめんねミトゥムちゃん、私も戦います
おせーんだよ姉ちゃん!イナンナシスターズの力見せてやろうぜ!
そうですね、叩き潰しましょう
違和感を感じながら降り掛かる剣を弾き返していた。以前のラグナロクなら僕程度なら瞬殺できるはずなのに。手を抜いている?遊ばれている?頭に残る疑問を捨てて迫る剣を斬り払った。
咥えていたチョコレートを噛み砕き手に持つ魔銃に魔力を注ぎ込みながらフィールドを駆け回る、剣の動きを予測、みんなの動きを把握する為に。
いししししっ♪
剣の行動パターンを見抜き的確に魔弾を放ち焼き尽くしてゆく。一本、二本。残るはもう一本。目だけで辺りを見渡し次の剣を探す。
??
見当たらない、身体を回し背後を見ても見当たらない。
ふと気配を感じ見上げると居た。上空より剣を構えこちらに向かって来るラグナロクの姿が。
舌打ちをしながら前へと駆ける。一歩、二歩、足を進め大地を蹴りハンドスプリング。着地と同時に銃を向けお礼を言う。
ありがと♪感が良くて助かるよ♪
そうだと思ったよ
ギリギリと鍔迫り合う二人。その背後からラグナロクに標準を定めた。
………………………………………………
何よこれ!?全然壊れないじゃない!
私の攻撃でも壊れないなんて…
スタジアムに立ち入るべく見えない壁を破壊しようとしているのだが壊れる気配が無かった。どこを攻撃しても、誰が攻撃しても答えは同じだった。
同じ場所に攻撃してみよう、そうすれば少しは変わるかも知れない
そうね、やってみましょう
四人の弓使いが一点に矢を放った。その後に5人の魔弾。槍、斧と続き最後に剣技を叩き込む。
全然ダメね
一体何でできているのよ
総攻撃を受けても傷一つ付いていない何かを恨めしく睨んだ。だけど諦める人は一人も居ない。再び猛攻を仕掛けようとした時だった。
みんな!スタジアムには向こうから行けるよ!
急ぐのである!
こっちこっち!
そう叫び何処かへ走って行く三人。一瞬の沈黙の後その後ろを追いかけて行く。
……………………………………………………
鍔迫り合う二人にリルティルが迫った。それに向けて狙いを変えた時に轟音が響き青い何かがリルティルにぶつかった。
えぇっ!?何今の!?
それを目で追うとアルマスが吹き飛ばされそれがリルティルにぶつかったようだ。それを見てラグナロクが高らかに笑い声を上げた。
強くなったねユウ
ラグナロクが弱くなったんじゃ無い?
そうね、力を半分残してきたから
どういう事?
後で教えてあげる、もう私達に戦う意思は無いわ
そう言うと剣を鞘に戻し地面に寝転ぶ二人の元へ。
起きなさい、遊びは終わりよ
良い所だったのに…アルマスのせいで
仕方ないわよ、思ったより強かったんだから
地面に倒れている二人が起き上がると剣を仕舞い込んだ。敵意はもう無いようだ。
ケラウノス、シタとミトゥムに説明よろしく
任せといてよ♪
姉妹の元へと向かうケラウノスを見送り目を回しているユリの元へ。
大丈夫?
うぅーん……あんまり大丈夫じゃないわね…
ほら
ありがと
ユウに肩を借りて話をしているみんなの元へ。
それでどうして君達がここに居るの?他のみんなは?
そう問いかけた時にみんなが広場へと走って来た。誰も武器を構えていない光景にハテナを浮かべながら。
みんな揃ったようね、説明をさせてもらうわ
みんなの顔を見てからラグナロクが口を開いた。
簡単に話すと千年王国を滅ぼした三大幻獣を冥界でみんなで封印していたのにあの博士の作った機械により現世に呼び出されたようだ。ついでに冥界から今までの事を見ていたようで事情は全て把握しているとの事。
ならもっと早く言ってよ…
つまらない冥界にずっと居たのよ、たまには戦いたいわ
相手が知らない人なら事情を説明するつもりでしたがユウが居たので遊ぶ事にしました♪
なんだよそれ…
力無く座り込み煙草に火をつけたユウ。その横をアルマスが通り過ぎてゆく。
絶・楽しかったわ、また引き分けだったわね
私も楽しかったわよ、次は私が勝つんだからね
二人が硬い握手を交わしていた。
何をしている、そこに居る全てを殺せ
スピーカーから男の声が響いたが誰も気にはしていなかった。
そろそろ私達は帰るわ、その前にあの男は殺して行くわ
それはさせないわ、例え悪人であっても命を奪う訳にはいかないわ
ラグナロクの言葉にラグナロクが銃を構えた。
相変わらず甘いわね、なら一芝居付き合って貰おうか
そう言って飛び上がりガラスを突き破り何処かの部屋へと飛び込んだ。その後にラグナロクが続きその部屋へと飛び込んだ。その後に男の悲鳴がスピーカーから聞こえてきた。
私達を、キル姫を弄んだ報いを受けなさい
させないわ、悪人だとしても殺させはしない
そう、その男が会心すると言うなら見逃してあげても良いわよ
………………………………!!!!
演技が下手ですね
二人共ね
しばらくすると二人が帰って来た。その顔は何処となく満足そうだった。
私達は帰るわ、もう甦らせられる事なんて無いと思うからここでお別れね
グリード、ユウ、この世界をお願いしますね
ユリも私も絶・頼んだわよ!
頼んだわ、みんな
そう言って3人は扉の向こうへと帰っていった。これでこの事件も全て解決したのだろう。
立ち上がったユウにティルフィングが抱きついていた。ケラウノスはデュカキスに頭を撫でられていた。
心配したんですからねっ!
絶・カッコ良かったわよ
おかえりユリくん♪
3人がユリに近寄るも寝息を立てていた。余程疲れたのだろう。3人が顔を見合わせアスカロンがユリを抱き抱えた。
私達、これからどうしましょう?
もうマスターを探す気にはなれませんね
悩んでいる二人にティルフィングが話しかけた。
二人が良ければラグーナ島のホテルでバイトしませんか?
ラグーナ島ですか?
はい、福利厚生から住居3食全て保証しますよ?
もう少ししたらラグーナ島に遊びに行くからその時見学においでよ
顔を見合わせた姉妹、すぐに嬉しそうに返事をした。
みんなありがとう、心からお礼を言わせて貰うよ
深々と頭を下げるツカサに頭をあげるよう諭しみんなでツカサの家に行く事に。
部屋につき一息つくと一人、また一人と眠りに落ちていった。