何時なのか分からないけど目を覚まし起き上がるとガンガンと頭を痛ませる頭痛と少し身体をふらつかせる酔いが迎えてくれた。
飲み過ぎたわね、、、
水を飲みに行くために立ち上がり辺りを見ると他のみんなはまだ夢の中の様だ。それを踏まない様に備え付けてある冷蔵庫へ。水の入ったペットボトルを取り出し開栓し一気に飲み干した。
あぁっっーーーっ、美味っ
ついつい出てしまうおっさんの様な声、待てよ、こんなんだからこの小説が人気無いんだ、言い直そう。
嗚呼、お水が美味しいですわ
……やめよう、自分で言って気分が悪くなる、そんな事よりも自身の語彙力の無さと表現力の無さをなんとかしなければ。そうだ、この水を飲むという動作で練習してみよう。
昨晩の宴でしこたま酒を飲んだ私は喉の渇きで目を覚ましそれを潤わせるために冷蔵庫へ行き水の入ったペットボトルを取り出し一気に飲み干した。
喉の渇きで目を覚ました私は昨日の宴の事を思い出しながら立ち上がりまだ寝ているみんなを避けながら冷蔵庫へ、そしてミネラルウォーターを取り出し飲み干してゆく。
冷蔵庫の水を飲みながら私は昨日の事を思い出していた。あれ程に楽しい事はそうそう無いだろう。その代償に酷い二日酔いに悩まされているのだが。
とりあえず3パターン程浮かんだ、朝から何考えてんだろ。少しだけ笑いながらアスカロンを探していた。おー居た居た、ヴァナルガンドに抱き枕にされていてその寝顔は少しだけ嫌そうだ。
なんか眠気も覚めちゃったし煙草でも吸おうかな、そう思いベランダへと向かい歩いてゆき扉を開けてベランダへ。
あっ
先客が居た、手摺りに身を預け煙草を吸う人が。その横には海風に髪をなびかせるティルフィングの姿も。
んっ、おはよユリ
おはようございます
おはよ、朝早いのね
そういうけどもう12時だよ?
えっ?
そう言われて腕時計を見ると確かに12時だった。飲み過ぎて寝過ぎてしまった様だ。
昨日の片付けは?
もう終わらせたよ、流石に二人だったからめんどかったけど
他のみんなは?
まだ寝てるよ、今日はお休みだし
言えば手伝ったのに
まぁまぁ、それよりホバー壊したんだって?
そうよ、壊したわよ、何?説教でもするつもり?
別にそんなつもりは無いよ、それと中心街の修理費だっけ?
そうね、それがどうしたのよ
前言っていたジャングルの島のログハウスの話は覚えてるかな?
……あのお化けが出るってやつ?
そうそう、もしそれを解決できたなら半分払ってあげるよ、どうかな?
何この美味しい話、絶対裏がある気がする。
なんでそんな事が言えるのよ、何か裏があるんでしょ?
そんな事無いよ、あのログハウスが使える様になればもっと観光客を呼べるし今後の利益を考えればそれぐらい安いもんだよ
ふーん、良いわよ、それに乗ってあげるわ
何人連れて行っても良いよ、連れて行ったみんなに同じ額を支払ってあげるよ
随分と強気ね
そりゃね、もうあの手この手を試したんだけどことごとく失敗してるし
分かったわ、みんなが起きたら相談してみるわ
それか私のお願いを聞いてくれたら全額支払いますよ
一応聞くけどどんなお願いなの?
孫の顔を見せてくれるだけで良いのです
それは無理ね、相手も居なければ結婚する気も無いわよ
分かっていますよ、だから言ったのです
私より強い男なら考えてあげても良いわよ
ユウ、呼ばれてますよ
なんでやねん
そんなに孫の顔って見たくなるものなのだろうか?そんな疑問を持ちながら手摺りにもたれ掛かり煙草に火を付けた。
じゃあ今日の夜にでも行って来てよ、夕方に案内するからさ
分かったわ、そのお化けを退治すれば良いのよね、簡単よ
私の頭にあるお化けの知識を思い出していた。えぇっと、まずは太陽に弱くて塩が苦手、後はお札とお経か。それとこの世に未練があるからそこに居る。ならエンクウに頼んでお札とお経をあげてもらってグリモワールにそのお化けと対話をしてもらいその未練を果たせばいける、完璧なプランね。
窓から部屋を見るとチラホラと起きてくる人の姿が見えた、もう少し待っていればみんな起きるだろう。その時に二人に話を聞こう。
アクビをしながら海を見ていると一人だけ泳いでいる人が見えた。あれは?
あれはラグナロクだよ、ほら、そんなに飲んでなかったから回復も早かったみたい
本当に海が好きなんですね
私も泳げるようになったのよ
ビート板でバタ脚でしょ?
アクスレピオスから聞きましたよ
何よ、バカにしてんの
そんな事無いよ、娘の成長を実感してるんだよ
一緒に居れる時間もありませんでしたのでこういう些細な話でも嬉しいのですよ
私もあんまり覚えてないのよね、私が三歳の時だっけ?
そうだね、この話はネタが無くなったら話すから今は言わないよ
そうですね、今はネタが渋滞してますから
ふむ
なんだかよく分からないけどそういう事にしておこう、私の幼少期の話も詳しく話されてないし。
おはよっございまっす、、、ここにいたんですねっ
おはよアスカロン、顔が死んでるわよ
飲みすぎちゃいましたあ………
楽しそうで何よりだよ、他のみんなは?
まだねてたりなにかしてまっす、、、
はぁ、ティル
はい♪手伝いますね♪
みんなに少ししたらご飯って伝えといてね
そう言ってどこかに行った二人。私達も部屋に戻ろうとしてドアを開けたのだが。
この部屋酒臭いわね…
すぐにベランダに戻る事に。あんな部屋に居たら匂いで酔ってしまいそうだ。
換気だけしませんか?
そうね、してくるわ
息を止めて室内へ。あらゆる窓とドアを開けてまたベランダへと戻って来た。
ぷはぁっこれでマシになると良いわね
そうですねっあぁ、きもちわるぃ、、、
次からお酒は控えないとね
そうですね、でも楽しいと飲んじゃいますっ
お酒は飲んでも飲まれるな、よ
おはよ、、、ユリくんアスカロンくん、、、
おはよ、まだ寝てなさいよ
部屋にいたらテュルソスくんに飲まされちゃうよ、、、
どういう事?と思いながら部屋を覗くとジョッキ片手に「二日酔いには向かえ酒だよ、ほらほら、飲んだ飲んだ♪」と聞こえてきた。誰か酒の相手を探している様だがみんなに断られ断りきれなかったカミトがお酒の相手をしていた。泣きそうな顔になりながら
かわいそうですっ、、、
お酒は好きだけど朝からは無理だよ、、、
そんな私達の元にアルマスが逃げ込んで来た。
絶・気分が悪いわ、、、
おはよ、私の勝ちの様ね
今回はそれで良いわよ、、、なんであんたはそんなに元気な訳?
日頃の行いじゃないかしら?
絶・イミワカよ
それよりアルマスはジャングルの島のログハウスの話を覚えているかしら?
ログハウス?、、、あぁお化けが出るってやつ?
そうそう、今夜行くんだけどもちろん来るわよね?
二日酔いが治ってたらね、もう今は動く気になれないわ
分かったわ、二人はどうする?
私は、、、やめておきます、、
私もパスかな
何よ、もしかして怖いのね?
怖くはありませんが、、。
私幽霊とかお化け苦手なんだよね
分かったわよ、一人で行ってくるわ
別に一人には慣れた身だしそもそもお化けだの幽霊なんてこれっぽっちも信じてなんていない。
みなさーん、昼食をお持ちしましたよー
食べやすい様にぬるめだけどね
そんな時二人が荷台を引いて部屋に入って来た。その声で寝ている人も身体を起こしていた。
シジミのスープをご飯にかけて食べてね
ベランダに居ても優しい香りが漂ってくる。その匂いにつられて私達も部屋へと入って行っていた。
はい、向こうのテーブルで食べてね
おかわりもありますからね
テキパキと配膳をこなす二人。戦闘の時もそうなのだがやはり息が合っている。
うらやましいですねっ、、、
そうね、理想のパートナーって感じ
あっという間に人数分を捌き終え私達もそれを頂く事に。ん、美味しっ、でもどうしてシジミなんだろ?
それはシジミが持つ栄養素が肝臓の働きを助け二日酔いを軽減してくれるからですよ、でも私も今知ったのですが飲んでからでなく飲みながら取るのが一番良いみたいです
詳しい説明ありがとミネルヴァ、それとナチュラルに私の心を読むのはやめてね?
こんな時ぐらいしか出番がありませんので
そう言いながら笑顔でお茶漬けを食べていた。その後少しだけお昼寝をしたらみんな元気になった様だ。そうだそうだ、エンクウな話を聞かなくちゃ。
ねぇエンクウ
ユリ殿、拙僧に何か
今夜ログハウスのお化け退治に行くんだけど何かいい方法はないかしら?
むっ、あのログハウスの事か、、、
そう言って顔をしかめてしまった。私の予想と違う反応だった。
実は拙僧もユウ殿に頼まれて足を運んだ事があるのだが、悪い事は言わぬ、アレに手を出すのはやめておきなさい
そんなにヤバいやつなの?
うむ、あれはこの世の物でも幽霊でもお化けでも無い、言うのであれば怪異そのもの
ふーん、分かったわ、それとお札と数珠って持ってないかしら?それとお経を教えて欲しいわ
それは構わぬが、、、
じゃあお願いね
エンクウに頼み数珠とお札を貸してもらう事ができた。それにお経も。それにしても怪異ってなんだ?怪奇現象的な物だろうか?よし、次はグリモワールに話を聞いてみよう。
ねぇグリモワール
何よ
ジャングルの島のログハウスのお化け退治に行くんだけど何かいい方法は無いかしら?
やめておきなさい、誰にその話を聞いたかは大体検討が付くけど私は関わるなとしか言えないわ
グリモワールにそう聞くと眉を八の字に曲げご飯を食べている二人を横目で見た。
そんなにヤバいのが居るの?
私も頼まれて行ったのよ、だけどあれは死者じゃない。それにどんな本で調べてもアレの事は書いてなかったわ
ふむ、ありがと
私は忠告したわよ
うん、ありがとね
頼りにしていた二人に話を聞いたけど思うような答えを聞く事はできなかった。ならば自力で考えてみよう。
お化け、幽霊、怪異。うーーん、、、もし骸斬と七元が有れば攻撃が可能なのだが今の私は水着。武器と言えば己の肉体のみだ。待てよ?これが今まで討伐されてない理由なのかも知れない。武器になりそうな物を探しに行こう。そう思い立ち私はホテルを出て砂浜を歩いていた。
武器になりそうな物、武器になりそうな物っと、これなんて良さそうね、ちょうど使われて無さそうだし
私が見つけたのは古ぼけたパラソルだった。見る限りボロボロで山積みにされており後は廃棄されるのを待つばかりの物だ。それを二本貰おうと思い売店へと入ってゆく。
ねぇ、ここに置いてあるパラソルって貰っても良いかしら?
構わないよ、好きなだけ持ってきな
ありがと、それとこの塩を貰うわ
ちゃんと聞かないとね、後で何言われるか分からないし。それを持って砂浜へ。少し素振りをしてみようじゃないか。
長さは変わらないぐらいかな?当たり前の話なのだが軽い。それにやっぱりパラソルだから攻撃力も低そうね。とりあえずヤシの木を的に見立ててやってみるか。
私とヤシの木までの距離はおおよそ10m、ステージは水辺。今の私は水中用装備を付けている、ならば、私のオン・ステージッ!!
一気に加速してヤシの木のふもとへ。そのまま乱舞を叩き込みながら飛び上がり頂上へ。
ウォリャァ!!
雄叫びをあげながら自由落下に身を任せパラソルを振り回し着地。
まぁ、こんなもんね
私の合図の後にヤシの木の葉がヒラヒラと落ちてきた。たわわに実る果実を残して。
軽くて攻撃力は低いけどその分正確に振る事ができる。まぁなんとかなるだろう。
あれ?こんな所でどうしたの?
ラグナ、ってずっと泳いでいたの?
うん、こうして泳いでいると海と一つに慣れている気がするの
話の規模が大きいわね、それより今度私に泳ぎを教えてよ
分かったわ、でもまた今度ね、今日はもう疲れちゃったからさ
うん、お願いするわ
ホテルへと歩いてゆくラグナを見送っていた。後準備する物は無いだろうか?
まぁいっか
なんとかなるだろう、それにそんな物は私は信じてなんかいない。腕時計を見るともうすぐ16時、そろそろ戻ろうと思い身体を伸ばしてからホテルへと歩き出した。
おかえりなさい、何をしていたのですか?
ログハウスに持って行く武器を探してたのよ、良いのが有ったわ
本当に行くつもりですか?
当たり前よ、私の借金が半分になるチャンスよ
私はやめといた方がいい気がしますけど、、、
大丈夫よ、ねぇ、いつ連れてってくれるのよ
んーそろそろ行こうかな、夕飯は各自でお願いね
ユウに連れられてホテルを出てそのまま海岸を歩いて行くと木々が鬱蒼と茂るジャングルの島が見えてきた。そして木々をかき分けしばらく歩くと少し開けた場所にたどり着きそこにはログハウスが一軒ポツンと建っていた。
ここだよ、本当に一人で良いの?
私は化け物なんて信じて無いしそんなの迷信でしょ?
うーん、、、まぁ頑張ってよ、後これね
これは?
夕ご飯だよ、って言ってもおにぎりとお茶だけど
ありがと、お金の準備しときなさいよ
りょーかい、ログハウスの中で煙草吸って良いからね、明日の朝に迎えに来るよ
はーい
そう言ってユウは帰って行った。それを見送ってからドアを開けて中へと入る事に。
へぇ、なかなか良いじゃない
机にご飯と塩と数珠、お札を置いてから木目調の壁や木でできた家具を眺めながら室内を歩いていた。おっと、ロフトまであるじゃないの。
梯子を登りロフトを見ても綺麗にされている、手入れはしてあるようだ。もっと汚いのを想像していたから拍子抜けだ。一通り部屋を見て周り椅子に腰掛け机におにぎりとお茶を広げてパクリとかじりついていた。こんな事ならみんなもこれば良かったのに。
………………………………………………………
それでユリ一人で行ったのですか!?
うん、大丈夫だって言ったからさ
確かに危害は加えられませんが、、、
なんとしてくるでしょ
あのっ、そのログハウスのお化けってそんなに怖いのですか?
うーん、本気で怒ったティルより怖いかな?
その例えやめてもらえませんか?
まぁまぁ
(ユリ大丈夫かなっ、、、)
………………………………………………………
ご飯を食べ終え私はとても退屈をしていた。する事も無くしゃべり相手もおらず、強いて言えば木目の節の形を観察するぐらいしかやる事が無かった。
ある程度観察した後にため息を一つ。腕時計を見るともうすぐ19時になろうとしていた。2時間程壁の模様を観察していた自分に引くわね、、、
とりあえず気持ちを切り替えてもう一度部屋の中を見て回る事に。ぐるっと回ってみたけど特に変化は無し。する事もないし寝よっかな。
そう思い玄関から一番遠くて近くに窓のない所に座り込み背を預けた。ここならお化けが出ても接近される前に動く事ができる。だろう
おやすみ
……………………………
………………………
…………………
……………
………
…
んっ、何?
何処かから聞こえてくる何かを叩くような音で目を覚ました。瞬時に意識を覚醒させ私の両サイドに置いてあるパラソルを構え神経を尖らせてゆく。
………………風の音だったのかしら?
その音はもう聞こえなくなっていた。風で木が揺れて当たったのだろう。そう思い煙草に火を付け少しだけ窓を開けようと手を伸ばしていた。
バンッ
ッツ!!
窓を通して手を叩かれた。すぐさま窓に目線を向けるとそこには誰も居ない。分かった、誰かが窓を叩いてすぐに下に隠れたのね。そう思い玄関から出てその窓の所を覗いたのだが誰も居ない。
私をビビらせるつもりね?そうはいかないわ。
ねぇ、誰よ
そう言っても答えは無く虫の鳴き声と動物の寝言が聞こえるだけだった。
舌打ちをして一気に駆け出しログハウスの周りを一周したのだが人の姿は無かった。ジャングルの方の気配を察しても何も感じられず首を傾げながら部屋へと戻ってゆく。
灰皿に灰を落としながら私を怖がらせようとした罰をそいつにどうやって与えてやろうか?そんな事を考えていた。
バンッ
まただ、また窓が叩かれる音がした。すぐさま叩かれた窓を見ても人影は無い。一体なんなんだ?
部屋の真ん中で煙草を咥え二本のパラソルを両手で握りしめ戦闘態勢をとっていた。この部屋の大きさなら叩かれた瞬間に窓に接近して攻撃する事は可能だろう。次叩いた時が勝負だ。
神経を研ぎ澄ませその瞬間を待ち望んでいた。
バンッ
そこッ!!
瞬時に接近しパラソルを窓ガラスに突き刺すとガラスを突き破り標的を捉えた。確かな手応えがパラソルを通じて伝わった。
ねぇ、誰なのよ、答えなさいよ
そう問いながら割れてしまった窓から顔を覗かせると誰も居ない。なのにパラソルからは手応えを感じている。
グッ、ググググググググ
!?
突如パラソルに力が加わり押し戻されてゆく。いや、押し戻されているってのは些細な話だ。問題は不可視な者にパラソルを押し返されているっていう事だ。何も見えないのにパラソルは押し返されてゆく。押し返されているのに姿は見えない。その状況が私をパニックへと追い込んでゆく。
離しなさいよっ!!!
そう叫ぶと物凄い力でパラソルを引き抜かれた。そのパラソルは宙を舞いぐにゃりと形を変えられやがて地面へと落下した。それを見届けた後に一気に恐怖心が私の心を包み込んだ。
ひっ
短い悲鳴を上げながら後退り最適解の答えを絞り出そうとしていた。
そうだ、こんな時は。
震える自分に喝を入れて私は一目散にベッドに飛び込み布団の中に潜り込んだ。こうする事によって私は布団という名の結界に護られらるのだ。これなら手も足も出せないはずだわ。
バンバンと何かを叩く音が響き渡るがそれでも布団の中という絶対的安心感に身を委ねていた。
ひいっっ!
それは長くは続かなかった。ドアが開く音が聞こえ何者かにより布団がはぎ取られたのだ。布団という名の結界を失った私は再びパニックになっていた。
あぁ、そう、分かったわ、そっちがその気なら私も本気で相手してあげるわ!!
パラソルを両手で握りしめ目を閉じて一呼吸。その後、大罪のオーラを身に纏った。それだけじゃ終わらない、私自身のキラーズに私自身のバイブスを適合させた。私が持てる全ての力を使いそいつと対峙してやる。
覚悟を決めて目を開けると今まで見えなかったそいつがボンヤリと見えてきた。そしてそいつは私を見てニタリと笑った。
このログハウスのお化け話はここで私が終わらせてやるわ!!
パラソルでそいつを指し宣戦布告をしてからそいつへと斬り込んで行った。
くらえっ!
一気に接近し乱舞を繰り出したのだがそれは全て空を切った。ソレはそこに居るのに。
次の手を考えていると私の持つパラソルが手を離れ音を立てながらぐにゃりと曲がった。
焦るな、落ち着け。そうだ!
後退し机に置いてある数珠を右手に巻き付けソレに殴りかかった。
ヌルリとした感触の後そのまますり抜けた。右手を見ると数珠が砕け散りポロポロと地面へと粒が落ちていっていた。
まだよ!まだ策はあるっ!
お札を握りしめてナンマイダと叫びながら殴りかかるが当然の様に空を切った。
次っ!塩を掴みソレに投げつけ煙幕と共に右ハイキック、その後体を捻りながら回し蹴りを打ち込んだ。
そ、そんな、、、
私の持っていた策は全て出尽くした。それでもソレに攻撃を当てることすら出来なかった。絶望する私にソイツがニヤニヤしながら近付いて来ていた。
いや、、、来ないでっ、、、
目に涙を浮かべながら後退りしてゆくと背中が壁にぶつかった。その瞬間に私の涙腺は崩壊した。
…
……
…………
………………
…………………
………………………
……………………………
大丈夫?
んっ、あれ?あたし、、、
もう朝ですよ、その様子だとダメだった様ですね
んっ?私どうなってるの?
おでこに「負け犬」って書いてあるよ?
そうね、負け犬で良いわよ、、、
アレの顔を見てからの記憶が無かった。あの後どのように戦いどのように負けたのかすら覚えていなかった。でも、確かなのは私は二度とこのジャングルの島のログハウスに近寄る事は無いって事だけだ。