幼馴染に貰ったオナホでオナニーしてたら幼馴染が妊娠してた話 作:タナん
僕が所属している魔法部隊は後方に位置しているのと、常に他の部隊の護衛があるため白兵戦になることは基本的にない。
もし僕が白兵戦になることがあるとすれば、それはこの部隊が終わるときだろう。
だがその時は早くにやってきた。
僕の初陣から3日。
僕は怒声と悲鳴が響き渡る戦場に少しだが慣れつつあった。
前線を歩兵に支えてもらっている間に、僕はいつものようにひたすら敵を焼く。
今日もこのまま戦線を少し押し返せるかと思っていたが甘かった。今日の王国軍の圧力は凄まじいのだ。
王国兵の右翼側の士気が異様に高く、僕達皇国軍の兵が圧力に負け押し込まれた。
横一列で拮抗していた戦線に右翼側を押し込まれたことで隙間があく。
それを狙っていたのだろう。王国軍はその隙を見逃さなかった。
王国の重装騎馬隊が戦線にできた隙間に突撃し、その騎馬隊が持つ突進力でこじ開け、戦線を貫いたのだ。
「こっちへ来る……」
王国軍の重装騎馬隊が真っすぐこちらへ向かってくる。
狙いは明らかに僕達、魔法部隊だ。
『絶対に通すな!我らの後ろにいるはシャズート皇国の要!抜かれればこの戦い、我らの負けぞ!』
随伴歩兵部隊が魔法部隊の前に展開し、大盾と槍を構える。
戦場の花形である魔法部隊を守るこの歩兵もまた精鋭部隊だ。
戦況を左右するほどの攻撃力を持った魔法部隊の弱点は白兵戦である。
そのため、常に魔法部隊には歩兵が随伴し、その歩兵は絶対に負けを許されない。
『後退!』
魔法部隊に後退命令が下る。
命令に従い、次々と魔法兵が荷馬車に乗り込むと全速力で駆け出した。
僕達魔法部隊の移動には二頭立ての馬に引かせた荷車を使う。
馬に一人直接乗るより、移動しながらも魔法で攻撃に集中するためだ。
僕は荷馬車の上で揺られながら随伴歩兵と王国重装騎馬隊の激突の瞬間を見守る。
「なんだあいつ……」
遠くに見える王国の重装騎馬隊で、一際僕の目を引く兵がいた。
そいつは先頭を走っており、銀色の鎧を着た他の兵と違って全身鎧を真っ黒に塗っている。
だが僕が目を引かれるのは、その単純な見た目の違いからではない。
なにか強烈なプレッシャーを感じるのだ。
そいつはまだ皇国歩兵との距離があるのにも関わらず、手に持ったランスを後ろに引き、前に突き出す。
すると、何もないはずの空間に突き出されたランスの穂先は虚空に消え去った。
再びランスを後ろに引くと、その穂先が赤く染まっていて、同時に皇国歩兵の一人が崩れ落ちた。
「空間魔法か!」
シャロが戦闘訓練の授業中に質の悪い貴族に絡まれた時にみたことがある。
シャロが手に持った木剣を、離れた位置から何もない空間に突き出すと、相手の男子生徒が股間を抑えて倒れたのだ。
恐らく同じ魔法を使用して離れた位置から、鎧の内側に穂先を転移させて攻撃しているのだろう。
恐ろしいまでの空間認識能力だ。
離れた位置にいる皇国兵の鎧の内側に、動きながらピンポイントで空間をつなげるゲートを作り出すなど、恐らくシャロでもできないだろう。
黒い騎兵は歩兵と衝突するまでの間、3度ランスを突き出した。
王国兵は黒い騎兵が動いた数だけ崩れ落ちる。
倒れた4人の皇国歩兵は王国騎馬兵の正面に位置する4人だ。
王国騎馬兵はその戦列に空いた穴に突撃を仕掛けると、みるみるまに皇国歩兵の隊列を引き裂いていて深く浸透していく。
皇国歩兵も魔法をぶつけ、槍で馬を狙うが、全くその勢いが衰える気配を見せず、ついに皇国歩兵の壁を抜け出した。
『近づけさせるな!撃て!』
荷馬車に乗って退却する魔法兵に迎撃の命令が下った。
僕は炎の玉を作り出すと王国騎兵に投げつける。
荷馬車に乗せられた魔法兵は移動砲台となって近づく王国騎馬兵を攻撃する。
だがやはり止まらない。
こちらは目標が動き、足場が揺れ続ける状況のため、魔法の命中率が著しく落ちている。
魔法攻撃が当たるかと思えば盾で防がれ、馬に当たりそうな攻撃は手に持ったランスを突き出して受け止めてしまう。
黒い騎兵だけでなく、他の騎兵までそんな技をやってのける。
凄まじい練度だ。
馬に人を乗せた荷馬車を引かせるこちらに対し、向こうは重武装とはいえ乗せているのは一人だ。速度の差は明白で、見る見る間に差を詰めてくる。
ついには王国騎馬兵が追いつき、魔法兵を左右に分かれながら追い越してしまった。
どうやら頭を押さえるつもりのようだ。
黒い騎兵がまた何もない空間に槍を突き出すと、先頭を走る荷馬車引く馬が血を吐いて倒れる。
馬が倒れても、兵を乗せた荷馬車は急には止まれない。
荷馬車は馬に乗り上げ、乗っていた兵が空に投げ出されてしまう。
横転した荷馬車に後続の荷馬車がぶつかって次々横転していく。
それを避けようにも左右は騎馬兵に抑えられているため、避けることもできない。
僕の乗っている荷馬車も避けきれずに、横転した荷馬車にぶつかって、僕の体が宙に投げ出されてしまった。
僕は頭上に地面があることを認識し、なんとか体をひねって足から着地する。
『止まれ!』
たまらず皇国魔法兵を乗せた荷馬車に停止命令が出る。
完全に相手の術中にはまってしまった。
足を止めた魔法兵の周りを騎馬兵がぐるぐると走り続け、外側から手に持ったランスで僕達を磨り潰してくる。
『壁を作れ!土魔法が使えない者は荷車を盾にしろ!』
魔法兵が荷車や地面を隆起させて壁を作り、その陰から火炎魔法で騎兵を攻撃する。
僕もみんなと同じように荷馬車を起こして盾にし、ファイアボールを騎兵へ放つ。
至近距離から放たれたファイアボールは、流石の王国騎兵も槍で受け止めることができず、馬の体を火だるまにする。
血の匂いと肉の焼ける臭いが僕の鼻を刺激する。
僕が戦争に参加して4日目、殺意を直接向けられるのは初めての経験だった。
(これが戦いか……)
凄まじい。
なんとしてでも僕達を殺そうという強い意志を感じる。
王国重装騎馬隊が発する圧力は、それだけで多くの兵の戦意を折ってしまうのではないか。
そう思わせるほどの圧力だ。
(これは……何とか持つか?)
今はなんとか時間稼ぎは出来ている。
もう少しすれば置いてきた随伴歩兵や、こちら側の騎馬隊が助けに来るだろう。
『持ちこたえろ!助けがぇほっ……』
『隊長!』
味方を鼓舞しようとした隊長が、黒い騎兵の空間魔法の餌食になってしまった。
隊長の姿は見えないが、恐らく声を上げたことで目をつけられてやられたのだろう。
隊長がやられ、皆が躍起になって黒い騎兵にファイアボールをぶつけようとしても、全て空中で消え去ってしまう。
ふと妙に気になって横を見る。
少し離れた位置に腹に穴の開いた兵士が倒れている。
スティーブだ。
ピクリとも動かない彼は、あの僕を娼婦の元へ連れて行こうとした夜から、毎夜一緒に食事を取っていた。
彼は面倒見がいい性格らしく、新兵である僕を何かと気遣ってくれて、精神的に非常に助けられた。
『うああああ!』
魔法兵の叫び声と共に何かが崩れ落ちる音が聞こえた。
そちらの方を見るとバリケードにしていた荷車が真っ二つに切断され、王国騎兵が雪崩こんできた。
勿論、僕たち魔法兵に混じって護衛のための騎兵もいる。
だが、装備、練度、数全てが負けている。
一方的な蹂躙が始まった。
僕はバリケードの外から突いてくるランスを避けるため、屈めていた膝を伸ばして真っ直ぐ立つ。
僕はこの戦場に来て初めて腰の剣を抜くと、王国騎兵が僕にランスを向けて迫ってくる。
恐らく、今、部隊の皆は僕と同じことを考えている。
勝てない。
早く助けてくれ。
次は僕が死ぬかも?
死んだのが僕じゃなくてよかった。
今、僕たちの命は自分のものではない、全ては相手に握られているのだ。
自分の意志などこの場では無価値。
僕たちは殺されるのを待つだけの存在。
ただ、僕にはそれが酷く腹立たしい。
腰に下げた水筒の蓋を開け、腰に下げた袋の中身の粉を剣で切り裂いてぶちまける。
自分の筋肉や脂肪に貯蔵されているマナを血液に乗せて手に集め、 手に持った剣に刻まれた魔法陣に流し込む。
すると水筒から水が噴き出し、袋からぶちまけられた粉を拾い集めるように意志を持って動いて剣を覆うように纏わりついた。
水に覆われ、一回り以上長くなった剣を水平に構える。
王国騎兵のランスが僕の喉を貫くまで相対速度を考えるとあと三歩。
僕は一歩踏み込み、姿勢を低くする。
僕は二歩目を踏み込み、剣を振り上げて、ランスに下から掬うように合わせる。
僕は三歩目を踏み込むと、体を反転させ、更に姿勢を低くし、剣でランスをかち上げながら下に潜り込んだ。
一歩目の時、相手のランスが僕に合わせて下を向く。
二歩目の時、相手はランスを反らそうとする僕の剣を力尽くで押し込もうとする。
三歩目の時、相手はランスを僕に反らされ、僕を見失った。
僕はスローモーションで流れる世界の中で、ランスを退け、隣を通り過ぎる騎兵を反転した体で正面に捉えていた。
僕はランスを反らすために頭上に掲げていた剣に纏った水をさらに伸ばしながら、袈裟切りに振ると、水でできた剣が王国騎兵の鎧を撫でた。
王国騎兵は何事もなかったかのように走り去っていく。
この水の剣では王国騎兵の鎧は傷一つついていない。
当然だ、水で切ったところでケガする生き物などいない。
王国騎兵は走る勢いのまま、別の皇国魔法兵へランスを突き出そうとする。
だが異変に気付いたのだろう、騎兵は下を向いて今僕が水の剣で撫でたあたりの鎧を見た。
鎧には背中からぐるっと水が一本の輪となって巻き付いて、凄まじい速度で循環している。
鎧からはギイイ!という耳障りな金属音が鳴り、騎兵は慌てたように手で水を払おうとするが、その手にも水がまとわりつき、指をあっという間に切断する。
騎兵は自分の手があったはずの位置から血が噴き出すのを呆けたように観察すると、鎧からも血が噴き出た。
「やめっ!」
騎兵は振り向き、僕に声を出そうとするが、言い終わないうちに体が真っ二つになってしまった。
僕は走り出した。
皇国魔法兵を殺そうとしている騎兵に、3mまで伸ばした水の剣で撫でる。
僕は相手がどうなったか確認せず、そのまま走り続け次々と撫でていく。
よけようとした相手もいたが、その時は更に水の剣を伸ばし絶対に逃がさなかった。
僕が水の剣で撫でた数は14人、その全てが遅れて胴体から血を拭き出した。
ランスで僕を牽制しながら騎兵が僕を取り囲んできた。
その数5人、だが僕の水の剣の前にはそれは悪手だ。
僕は水の剣を水平に振るって一回転する。
水の剣は騎兵に当たっても抵抗なくそのまま振るうことができ、その騎兵に纏わりついて水がすくなくなるも、既に十分な量の水を空気中から集めているので問題ない。
結果、僕を囲んでいた5人は仲良く胴体から血を吹き出し、僕の体に血のシャワーを浴びせる。
そうしてやっと騎兵たちが僕の方を見た。
「なんなんだお前は……!」
「俺の名前はレイ、レイ=スコット。覚えろ、そして広めろ!このシャズート皇国の戦士の名を!」
僕は叫ぶ。
自分の名を。
僕は逆らう。
僕の命は僕の物だ。
この命、お前たちなどに好きにできるほど安くはないぞ。