※この作品はR-18です。

鳥籠と博士は無知である   作:織部よよ

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サルカズは真名を気にしない
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入職時、リズは真名を名乗る→唯一のアイデンティティ
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この作品において“名前”は重要な立ち位置になっている
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_人人人人人人人人人人_
> 私の目の付け所がいい <
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まとわりつく現実①

 

 

 

 

 

 

 

……此処は、かつての地と比べれば「楽園」とも呼ぶべき場所でした。

 

……戦いや非常な現実はあれど、食堂の料理には舌鼓を打ち、この身を十分すぎるほどに清めることができ、賃金も発生する。

此処で見かけるほとんどの方たちは、毎日ささやかながらも非常に前向きに生を謳歌しているようにも見えます。それは、私の仲間でさえ例外ではありません。

 

もう数ヶ月もオペレーターとして過ごしてきて、すっかりとこのぬるま湯のような緩やかな生活に慣れてしまいました。

 

 

 

 

 

……だからこそ、忘れかけてしまっていたのです。

 

私たち魔族(サルカズ)が起こした事、犯した罪を。私たちが償わなければならない重罪を。あの地で起こった____起こしてしまった戦火を。

 

 

そして、そこにいた彼(・)との因縁を。

 

 

 

 

 

私たちは、片時も忘るることなど赦されていないのです………。

 

 

 

 

 

*************

 

 

 

 

 

 

 

十全なセックスを行うにあたって、文字上の資料だけでなく参考画像等も調べていたことがある。

 

例えば、そ(・)う(・)い(・)っ(・)た(・)画(・)像(・)を見てどういう意味や価値があるのかを推察したり。

例えば、解剖図を片手に文字資料を見て、どこを触るべきなのかをある程度すり合わせたり。

 

その過程で、ある程度性器などの画像も目にしていたのだ。

 

………ただ、何(・)故(・)か(・)そういった画像を見ても、私は何の感慨も抱かなかった。

それは単なる情報として見ていたからか、それとも私自身に性欲などという物がなかったからなのか、それとも両方なのかは分からない。

 

_____けれど。

 

 

「……ああ、これが……リズの、性器……ひどく、いやらしいな……っ!」

 

「……そ、そのような…お言葉……いけません……っ」

 

「……すまない……すん、すん……だが、はぁっ…これは…惹きつけられてしまう………」

 

「あっ……クラ…ヴィス、さん……息が……当たって………っ」

 

 

情愛を向けている者の秘所を目の当たりにした時、私は容易に魅せられてしまった。

 

全く知らない匂い。ひどく“クる”と言える、むせかえるような香りを至近距離で嗅ぎながら、リズの性器の詳細を凝視する。

ピンク色をちらつかせた女性器を見ているだけで、自然と呼吸が荒くなる。

 

「……小陰唇は、ある……それで、ここが尿道口……ここが、陰核……おや、陰核が予想していたよりも…見えないな………それで、ここが…膣口、か……」

 

「………せ、説明…は、いけません……羞恥、が…増して………恥ずかしい…です……」

 

……駄目じゃないか、リズ。そんなことを言うなんて。

沸き上がる衝動に身を任せ、骨の浮き出た親指と人差し指を大陰唇へとあてがう。

 

「……っ、もっと…もっと、見せてくれ……君が恥ずかしがる姿を……君の、感情をっ……!」

 

「あっ、やっ………」

 

___そのまま、優しくゆっくりと指で弄り始めた。

 

ふに、ふにと大陰唇をつまむ。その感触は正しく想像の埒外にあり、むしろぷにぷにと形容する方が適してさえいるようだ。

ただ押し込むだけでなく、此方の指でも閉じられていた陰裂を拡げる。わずかに見えていた桜色の中身が開帳され、いっそう匂いが濃くなった。

 

「……意外と…弾力に、富んだ感触……ああ、ここから……尿が出てくるのか…すん、すん……」

 

「……やっ、あ…クラヴィス……さん…そこは、流石に……っ」

 

表面に露出している排泄の穴。衛生的に見ればとうてい触るべきところではないのに、今だけはその常識を除外して指で弄ぶ。

 

「…………どうだ、リズ」

 

「……っく…触られる……たびに…足腰が……微(・)弱(・)に(・)震(・)え(・)て(・)…………」

 

「……そうか…“気持ちいい”……と、言えるか?」

 

「……っ、や……は、い……恐らくは………?」

 

……どうして疑問形なんだ?まあ、いいか。

 

彼女の体____主に下半身は、私が指で性器を弄るのに合わせて軽くビクビクと痙攣している……卑猥だ。

 

今の状況では私には性感は分からないので、彼女の感覚を頼りに正当に事を進められているか判断するしかない。その彼女が「気持ちいい」と言っているので、悪い方向には行っていないはずだが……。

 

「……舌か、指。どちらがいい?」

 

「………?」

 

唐突に投げかけられた二択に、リズは意図が伝わらず困惑している。脳裏で思い出した「この後にすべき行為」が二つあるのだ。

 

「……膣口に、舌を挿入するか……それとも、指を挿入するか……どちらがいい?」

 

「………っ」

 

どうやら、見るに小さく卑猥な膣口に、何かを挿入して内側から刺激をするのがいいらしい。

 

調べ上げたときに、当然彼女もこの後の展開をある程度把握していた。そのときは“どうして指や舌を入れるのか”と、不可解そうに首を傾げていたが……。

 

「……こんな………こんなに、恥ずかしいもの、だとは………」

 

「……そうだな…該当内容を見たときは……正気を疑ったが……こうしてみれば、よくわかる……」

 

そう。

実践し、生の雰囲気を味わっている今なら十全に理解できてしまう。

 

舌も指も、どちらも私たちにかなりの覚悟を要求するものだと。

そんな中で、彼女は。

 

「……ゆ、指で…お願い、します……流石に、舌は………心構えが、出来ていません……っ」

 

「………分かった」

 

彼女は、より恥ずかしくない方を選んだ。

当然と言えば当然……なのだが、その「当然」が適用されるほど彼女の人格が豊かになっている、とふと再確認されて、少しだけ心が軽くなった。

 

まあ、その当の本人は林檎のように顔を真っ赤にして、先ほどから艶っぽい呼吸を……いや、呼吸は少しづつ落ち着いてきているように見える。

 

「……大丈夫か?」

 

一応、心配の声をかける。そこまで身構えていると、いろいろと大変そうだ。

 

「………どうぞ、貴方の心のままに」

 

それに対し、リズは完全にこちらに任せる意の発言を寄越してきた。そう言うのなら、こちらももう遠慮することはない……配慮はするが。

彼女のこれまでの反応と事前情報から、恐らく指1本くらいは容易に入るだろう………その割には、い(・)さ(・)さ(・)か(・)分(・)泌(・)液(・)が(・)足(・)り(・)て(・)い(・)な(・)い(・)よ(・)う(・)に(・)見(・)え(・)る(・)が(・)。

 

意を決して、そっと膣口に指を添える。それだけで彼女の体はピクッと小さく跳ねた。

 

 

「……では、行くぞ」

 

 

今、本人ですら知らない未開の地に踏み入れる。

キュッときつくすぼまっている穴に垂直に指を当て……ひとつ、深呼吸。

 

………と、穴に差し込む前に、もう一度膣口の感触を楽しむべく指先でこすっていく。

 

「……あっ、そ、んな……やっ、入り口で…動かさないで…ください……」

 

「………出来心で」

 

他意しかなかった。

けれど実際、こうして入りそうで入らないようなところを指でなぞるのは……触覚的にも視覚的にも、とても興奮する。例えば、桃色に染まった敏感な場所を、こりこりと撫でまわす単純な行為でも。

 

……気を取り直そう。

 

 

「……では、改めて。挿入するぞ……」

 

 

今度こそ、入り口に人差し指をあてがう。

彼女の息を呑む音がはっきりと聞こえた。

 

それを合図とし、腕ごとゆっくりと穴の中へ押し進めていって______

 

 

 

 

 

「………っく……あ、ぁ…っ!」

 

「____?」

 

 

 

 

 

_____即座に聞こえた、毛(・)色(・)の(・)異(・)な(・)る(・)声(・)音(・)に、思わず手を止めてしまった。

 

それほど太くない人差し指は、膣口から押し返されていた。

 

 

「……どうした?」

 

 

先ほどまで耳朶を打ち脳を溶かしていた甘やかな喘ぎとは違う、苦悶を滲ませた声。

流石に不安になって様子を尋ねる。

 

「……いいえ、なんでも………ありません……」

 

「……本当か?先ほどまでと声音が違うように聞こえたが……本当に大丈夫なのか……!?」

 

違う。

違う。想定していた事態ではない。事前情報に基づき弾き出した予測通りではない。

 

頭に混乱と困惑が広がっていく。考えたくない状況が、じわじわと。

頼む、違うと言ってくれ。

 

 

「…………痛みを、感じました」

 

「______いた、み」

 

「……………貴方の指が、挿入されるとき………強い異物感と……それに伴う、鋭い痛みを……知覚しました」

 

 

______何が、いけなかった?

 

思わず、リズの顔を見やっていた顔が俯く。彼女も同様に、現在の事態を理解出来ていない表情をしていた。

 

「…………ッ!」

 

飛び出したように体が動いて、傍らに放り出していた携帯端末を手元に引き寄せる。

次の瞬間、起動した画面に指を乱打した。

 

「どうやって検索すればいい……なんだ……今の状況を端的に表すのは………!」

 

____然るべき文字列を入力し、情報の大海を素早く精査していく。

なんでもいい……何かあるはずだ。この状況に陥ったのが私たちが初めてだなんて、到底あり得ない……!

 

「………クラヴィスさん……」

 

「………っ!」

 

 

 

 

 

1つのソースでは駄目だ。いくつか巡回して情報をすり合わせ、信憑性の高い推論を。

限りなく正解に近い、結論を______ッ!

 

 

 

 

 

______

___

_

 

 

 

 

 

「………ある程度の結論が出た。恐らく、こうだろうというものだが」

 

携帯端末の電源を切って、無造作に放り投げる。

リズと向き合えば、彼女はぺたんと腰を下ろし、ひどく不安そうにこちらを見ていた。

 

この季節ではそろそろ冷えてくる頃だ。私の後ろにあったこのベッドの掛布団を引っ張り出して、彼女の体にかけてやる。

 

「……私は、どうしてしまったのですか……?」

 

「…………」

 

あまり、告げたくない。

けれど、正当性と論理性が通った推論なだけに、情報共有はしなければならない。

 

「……………ふーっ……」

 

先ほど行ったものとは別の意味合いの深呼吸で、なんとか焦燥を押さえつける。

 

 

 

 

 

「…………恐らく、不感症だ」

 

 

 

 

 

たっぷり間をおいて、信じたくない可能性を口にした。

 

「………そう、ですか………きっと、原因は……」

 

「………後遺症、か」

 

「………恐らくは。以前検査をしたときは、膣に影響が及んでいるとはお聞きしませんでしたが……」

 

同時に同じ原因を思い浮かべた。

現状で治す目処が立っていない、鉱石病以外の彼女の病巣共。

 

「……………どうしろって言うんだ……」

 

思わず、ため息を溢す。

頭を掻きむしりたくなるほどの無力感が、血流のごとく全身を巡っていた。

 

……駄目だ、頭がうまくまとまらない。

 

「……リズ………リズ。こっちへおいで……」

 

「………はい」

 

最愛の秘書を己の懐に引き寄せて、そのまま抱きしめる。温もりと香りがわずかに私の心を癒してくれる。

後ろに倒れこんで、体を布団に預けた。

 

「………クラヴィスさん……身を整えて、今日はこのまま…寝てしまいましょう……?」

 

かすかに首に感じる彼女の吐息が、暖かくくすぐったい。緩く私を抱擁するリズの行動が、言葉が、今はひどく安心する。

そう………そうだな。もう今日は厳しい。

 

「………そこに、簡易な寝間着が仕舞われている。それに着替えてくれ………今日は、共に微睡んでしまおう………」

 

数日後に、ケルシーの用事が済み次第検査してもらうしかないな……。

 

 

 

 

 

漠然と考えながら、狭いベッドの中でリズと共に身を寄せ合って意識を落とした。

 

 

小さな火を、消してしまわないように。

 

 

 

 

 

*************

 

 

 

 

 

「……ナイチンゲールは鉱石病の影響で無月経を患っている。それに伴い長期間活動を停止していたために膣の機能そのものが衰えているんだ。軽度の不感症と、膣(・)が(・)1(・)0(・)代(・)前(・)半(・)相(・)当(・)の(・)大(・)き(・)さ(・)に(・)な(・)っ(・)て(・)い(・)る(・)のもそれが原因だろう……この馬鹿者が!ただでさえナイチンゲールは鉱石病に加え複数の後遺症を抱えているんだ、生殖器そのものには鉱石は分布していないが粘液接触による感染のリスクはゼロではないし、何より病態が悪化する可能性だって十分にある。それらを承知の上ならまだしも……いやそれもあまり良くはないが、そんな状況での性交などあまり勧められるものじゃない______もっとよく考えろ!」

 

 

「「…………はい」」

 

 

____後日。

 

ケルシーによって、残酷な事実が齎された。

 

 

 

というより、こっぴどく叱られた。

 

 

 




逃れ得ぬ事実








鉱石病の影響
・原因特定暫定の無月経。子宮や卵巣の活動自体は左程異常はないものの、どういうわけか卵子が排出されていない。近くに鉱石が分布しているため、現状は鉱石病の影響と判断。無月経になると卵胞ホルモンが排出されずに様々な異常をきたしてしまうため、ナイチンゲールは卵胞ホルモン増幅剤を服用して身体の機能を正常に保っている。

尚、膣のサイズダウン…というか萎縮自体はケルシーが言っている通り「長期間動いていなかったため」。
膣における生殖機能が衰えていたため、愛液があまり分泌されなかった+膣のサイズダウンというダブルコンボにより、指一本も入りにくいという事態を引き起こしていた。

ちなみに10代前半(思春期)の膣はおおよそ5,6㎝(成人で8㎝ほど)。正常に機能していれば伸縮もするのだがそれも現在は不可能。





「生理的耐性:欠落(ネタ)」タグ回収&サイレント同衾

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