心機一転、ゼロから頑張ります。2人が徐々に淫行を覚える様をどうぞ見届けてください。言い方がひどい。
……え、作品概要欄が不穏?例によって文中説明されますので安心してくださいね。そういうことじゃないですが。
小ネタ
リズの資料や印、交換所の文章その他原作の白紙さを目の当たりにする度に作者はえずく(割とガチ)
無知無欲①
最近、ロドス艦内あちらこちらで“とある話題”が頻繁に取り上げられるようになっている。その中で、現在のロドスの状況が最も反映されている会話の1つがこちら。
「なあ……うちの医療オペレーターにさ、ナイチンゲールさんっているだろ」
「ああ、いるな。彼女がどうした?」
「………なんかさ、めっちゃ綺麗になってね?」
「………あー、やっぱお前もそう思うか?」
「お前も、ってことはそっちも思ってたのか」
「多分ロドスのほとんどのオペレーターが思ってるんじゃね?だってさ、明らかじゃん」
「……まあ、な。なんか知らねえけど、ものすんごい目が惹かれるって言うか。おかしい
な、ちょっと前までは全然気にも留めなかったのに、今や彼女を見るだけで惚けちまう」
「お、恋か?」
「ばっ……!んなわけねえだろ!ないよな?ない、はず……」
「悪いことは言わねえ。ナイチンゲールさんはもうコレがいるらしいから諦めな」
「………嘘、だろ……」
「いやショック受けてるじゃねえか……嘘じゃねえよ、たまたま立ち聞きしたんだ。うちの小隊のエース同士が会話してんのをさ」
「お前んとこって言うと、プラチナさんとアズリウスさんだっけ?」
「そう、2人の会話から察するに、ナイチンゲールさんはドクターとデキてんだとよ」
「……あー、まあ、ドクターなら仕方ねえか……秘書だったんだっけ?その距離の近さにゃ勝てんわな。前々からいろいろあったらしいし」
「とは言え、一体何がどうなってくっついたのか、いつそうなったのかは俺たちにゃ分からねえ。やっぱり信じられるのはサベージさんだけだ」
「お前のその真摯さだけは褒めてやるよ……それにしても、ナイチンゲールさんがドクターとねえ。あの様子じゃ、あんなことやこんなことも既に済ませてるんじゃね?」
「あんなことやそんなことって、一体なんだ?」
「バッカ、決まってんだろ______」
現在ロドスでは、一部のオペレーターの指揮を担当しているドクター改め“クラヴィス”と艦内屈指のアーツ技術を持っている医療オペレーター・ナイチンゲール改め“リズ”、2人の話題で持ちきりなのであった。
*************
「____疲労による軽い不調ですね……十分な栄養と睡眠を摂れば、数日で快復すると思います」
「そっか……良かった!ありがとう、ナイチンゲールさん!」
「いいえ、これも本分ですから。お大事になさってくださいね」
不調だと診断された割には元気そうな足取りで部屋を出ていく年少オペレーター。それをわざわざ扉の外に出て見送るのは、話題の渦中にいるリズその人である。
「……申し訳ございません、話の腰を折ってしまって」
「いーよいーよ、リズさんが超優秀な医療オペレーターだってのは周知の事実だし。あたしも友人として鼻が高いっていうかさ」
「お気遣いありがとうございます、アンブリエルさん」
リズが今居座っているのは、ロドス内のとある宿舎。クルビアの田園風景をモチーフにしたインテリアでまとめられている空間には、彼女の他に4名のオペレーターがいる。そのうちの1人、狙撃オペレーターのアンブリエルが、お菓子をつまみながらいつもの気だるげな声音で返答した。
「それにしても、皆一気にリズさんのところに来るようになったよね。中には下心ありきで来てる人もいるっぽいし」
「良いではありませんか、プラチナさん。それほどリズさんの印象が良くなったと捉えれば」
「んー……そうだけど、なんか違うっていうか。アズさんだってなんとなくあるでしょ、もやもやがさ」
そしてもう2人。アンブリエルと同じ狙撃オペレーターで、狙撃小隊の(事実上の)ツートップを張っているプラチナとアズリウスだ。この2人は、クラヴィスとリズが関わり始めた最初期に彼らをサポートしていた言わば最古参の2人である。
半年ほど前からずっと彼らの交流を見守っていた2人にとって、彼らの距離感や関係は何物にも代えがたいものなのだ。リスクはないとは言え、その確固たる関係に首を突っ込もうとする輩を良く思わないのはある意味当然。
「……そもそも、いつの間にナイチンゲールとドクターがそんなことになってたの?あんまり想像つかないんだけど」
「そう言えば、グレースロートはあんまりドクターと会話したことなかったんだっけ。それなら知らなくても仕方ないか」
「……ナイチンゲールも、もっと無感情な人だと思ってたし」
そして最後の1人が、現在様々な部分で成長中のひよっこ狙撃オペレーター・グレースロートだった。弊ロドスにおいて狙撃オペレーターの層は厚く、彼女が戦場に出ることはあまりない。それ故ドクターとのコミュニケーションも最低限になりがちだったのだ。今日ここにいるのも、たまたまアンブリエルに誘われて渋々集まっただけである。
そんな彼女からしても、クラヴィスとリズの“深い関係”はただ驚嘆するしかないような事実なのであった。
「確かに、私はかつて自我を無くしていました。ですが……他でもないドクターのお陰で感情と人格を形成したのですよ」
「……そんなことがあるの?」
「実際目の当たりにしてるんだから受け入れなよ、グレースロート」
字面こそ威圧的なプラチナの言葉だが、その声音は平坦ながらどこか自慢げである。
「……そう言えばさ、リズさん」
「はい、なんでしょう」
ここでふと、アンブリエルが呟くようにリズに話しかける。ここからどういう言葉が出されるか全く見当のついていないリズは、きょとんとした様子。
そんな彼女の様子に、アンブリエルは顔をにやけさせつつも。
「ドクターともうシちゃったの?」
「!」
「あら」
「ちょ、アンブリエル……!」
「へへ、やっぱ気になるっしょ、そこんとこは」
左手の指で作った輪に右手の指を出し入れするジェスチャーをしながら、唐突にそんな爆弾発言をかましてのけた。
耳をピーン!と立てるプラチナ、軽く驚くアズリウス、顔を真っ赤にして窘めようとするグレースロート。三者三様の反応に“してやったり”という表情を浮かべたアンブリエルは____
「……何をですか?」
「え」
____最後の1人の予想の斜め上の返答に、一瞬固まってしまったのだった。
「リズさん知らないの?コレ」
「……すみません、私は少し存じ上げません。それは一体何を指し示しているのですか?」
「え、あ…えっと……改めて口で言うのはちょっと恥ずかしいというか」
「じゃあなんで聞いたのさ……」
「……ノリで?」
一発目はなんでもないかのように聞いたアンブリエルは、流石に恥ずかしいのか訊ねあぐねている。リズはそんな不思議な彼女の挙動に、未だに何かなんだか理解が及んでいないようだ。
「……まあ、つまりドクターともうセックスしたのかって聞いてるんだよ、リズさん」
そんな羞恥溢れるアンブリエルの言葉を引き継いだのは普段の落ち着いた面持ちをしつつうっすらと朱を浮かばせたプラチナだった。ちなみに、グレースロートはこの5人の中で最も赤面していたが、同時に複雑そうな顔もしていた。
「………なぜ私がドクターと生殖行為を行わなければならないのですか?」
だがそんな周りの様子も露知らず。まるでそれが自然の摂理と言わんばかりの声音で、リズは一切を否定した。
「………あー……リズさん、そういうタイプね~」
「まあ、リズさんならそう答えるだろうとは思っていましたわ」
「……どういうこと、アズリウス」
「つまるところ、リズさんは生殖以上の意味を持つセックスの必要性を感じていないのでは?」
「……そういう関係なのに?」
グレースロートの理解が及ばないのも無理はない。
リズは感情と人格こそ宿ったものの、結局はそれだけ。人らしい……俗世に染まったことなど何も知らないも同然なのだ。
そして彼女にとっての性行為とはすなわち生殖行為。現代医療に乏しく生体知識と医療知識に特化した彼女にしてみればセックスなど知識上の出来事、ただの繁殖行為という認識に留まっていたのである。
他にもいくつか原因があるが、要はそれら全てが「リズの中に“普通の人が一般的に想像するようなセックス”の概念が存在しない」という現状を生み出していた。
「……アンブリエルさん、その訊ね方ではまるで私とドクターが性行為をして当然のような聞き方ですが、一体それはどういうことでしょうか?」
なおこの鳥籠、悪気や意図的という物を持ち合わせていないので、只今のアンブリエルへの問いかけはとても純粋なものなのである。それ故にアンブリエルは、未だに恥じらいながらもきっちりとその疑問を解消してやることにした。
「……あたしもヤッたことはないから詳しくは言えないけど、好きな人とする最上級のコミュニケーションとしてセックスすることもあるっていうか。ただ気持ちよくなりたくてするセックスもあるらしい、というか……あーもー恥ずかしい。後は誰か説明おなしゃーす………あたしは追加のビスケット取ってくるかんね!」
そう捨て台詞を吐いて、アンブリエルは宿舎から少し離れたところにある自販機に向かうべく足早に去っていった。
「……逃げたねあれは」
「余程恥ずかしかったのですわね」
土壇場で姿を消した初心天使を見送りつつ、プラチナとアズリウスがリズに向き直る。
「確かにリズさんの体では厳しいかもしれませんが、セックスとは言わずともキスくらいは存分にして差し上げたらきっとドクターもお喜びになると思いますわ。
少しだけ蠱惑的な声で提案するアズリウス。あの日、とはすなわちクラヴィスとリズが恋仲になった日である。詳しくは前作をご覧になってほしい。
「………」
しかし、先ほど説明したようにリズという人物に俗世の知識などインストールされていない。リズはしばらく思い出すように黙り込んで____
「……キス、とは何でしょう?」
「………意外ですわ」
「………ええ……」
「………」
____またしても、一同を困惑させるのであった。
続きます。
お試し行間変更。えっちシーンまで様子を見ます。
狙撃女子会のようなものにさらっとリズが混じっているのは、単純にプラチナアズリウスアンブリエルと仲が良いからです。むしろこの場合疎外気味なのはグレスロの方という。
とりあえずこれを読む人全て(閃夜派にしろカプなし派にしろ)前作を読んでほしい感はある。理解度と臨場感が段違い。
こういう感じで、1話の文字数少なめで行こうと思いますので良ければ是非楽しみにしていてくださいね。
追記行間をまた変更しました。様子見です。
……すまん、渋の方にあるssは解釈違いが激しかった……リズにまともな性知識なんかあるわけないしやろうとすらまず思わんやろ……(精神疲労ドクター)。