※この作品はR-18です。

鳥籠と博士は無知である   作:織部よよ

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大陸版の2周年アップデート、激熱な情報が盛りだくさんでしたね……というか本当にアズのコーデが嬉しすぎるし配布だし完全にハイパーグリフに殺されましたどうも。


個人的にはリズのオペレーターレコードが追加されるのが一番うれしかったですね!どこかの誰かが動画を上げてくれることを願います。





変化②

 

 

 

 

 

「はぁ………」

 

「どうしたんだいドクター……あ、もしかしてあ(・)の(・)件(・)かな?」

 

今日何回目かも分からないため息を、また一つ溢す。

眼前に座っているエリジウムが察してくれたようだが、正直ため息以外の言葉が出てこない。

 

「……エリジウム、あの件とは何だ?」

 

「ソーンズはあんまり研究室から出てこないから知らないんだっけ。ほら、ドクターとナイチンゲールさんが最近とてもぎくしゃくしているという噂……というより事実のことさ」

 

「……ドクターとナイチンゲールがか?あり得ないだろう、喧嘩でもしない限り」

 

どうやらあまり人と関わらないソーンズは知らなかったらしいが、それでも私たちの醜態は既にかなりの人に晒してしまっている。食堂に行く時でも、作戦のときでも、一緒には行動するもののいつもよりも何メートルか離れていたのだから。

 

場所は食堂。人気の少ない時間帯に、エリジウムに昼食に誘われてほいほい付いてきた。

 

今日は珍しくリズとは行動を共にしていない。というのも、先ほどからエリジウムなどが言っている通り未だに彼女とのぎこちない関係値が回復していないからだ。(極めて大きい羞恥心によって)最近はずぅっとこんな感じ。

ちなみに彼女は私よりも先にアンブリエルに誘われて早めの休憩を取っている。

 

「喧嘩じゃないんだ実は…………」

 

「喧嘩じゃないなら、一体どうしたの?二人が一緒にいないなんて考えられないけど」

 

「……あー、いや、その………」

 

ぐるりと辺りを見回す。広い空間故に声はよく響く場所だが、幸い私たち以外に座っている人はいない。

今は男勢しかいないし、いっそ話してみようか。そういえば、私はあまり男性オペレーターとコミュニケーションを取っていなかったような……。

 

 

「………実は先日、リズと性交したんだ」

 

「「………」」

 

 

 

 

 

「______ええぇぇぇっ?!ドクターとナイチンゲールさんが?!」

 

「……それは驚いたな」

 

大変驚かれた。一方は大声を出して、一方は眼を僅かに見開いて。流石にソーンズにまで驚愕されるとは思っていなかったが。

 

「そんなに驚くようなことだろうか?」

 

「そりゃそうだよ!二人のことは、そういうことをするようには見えていなかったからね」

 

「同感だ」

 

何だその印象……と思わず口から不平が出そうになったが、言われてみればリズは確かにそうだった。

清楚、綺麗、触れたら壊れそう、これら以外にも様々な評価が彼女には付随しているが、それら全ては「人間離れした雰囲気」という一言に落ち着くもの。そう言った俗っぽいことをするとは、まさか誰も思ってはいないのだろう。

 

「けど、おめでとうドクター!部下としてこんなに嬉しいことはないよ」

 

「俺からも祝わせてもらう」

 

「それじゃ、今日は僕とソーンズの奢りだ!たくさん食べなよ、ドクター!」

 

「待てエリジウム、俺もか?」

 

「当然、いつもドクターにはお世話になってるんだからそれくらいはしてあげなきゃ!」

 

「………はぁ、まあ今日くらいはいいだろう」

 

「……何かすまん、ソーンズ」

 

エリジウムのテンションに(いつものように)疲弊しているソーンズを労わりつつ、それ以上にこの二人の全面的な祝福ムードに心から嬉しさが湧いて出てくる。話題がセンシティブ故に大っぴらには発表は出来ないが。

やはりこの二人は人が出来ている。というよりロドスにいるオペレーターは大概そういう人たちばかりだ。

 

私(・)が生まれて初めて「ドクター」で良かったと思っただろう。

 

「でもドクター、それならどうして二人はぎくしゃくしているんだい?それほど仲が良いのならむしろ、もっとベッタリになっていてもおかしくはないと思うけどな」

 

「………そう、実は……そのときの光景がフラッシュバックして、まともに彼女の方を見ようとすると恥ずかしすぎて顔の熱が……」

 

「「……あー(成程な)……」」

 

そこから少しかいつまんで事の原因を説明した。今までリズに対して全く性的感情を抱かなかったこと。まるで連理のようにずっと二人で行動していたのに、セックスしてからは別々に行動することが多くなったこと……。

話を聞き終えてから先に口を開いたのは、ソーンズの方だった。

 

「俺が抗興奮剤でもくれてやるが」

 

「……最終的にはそういうのに頼らざるを得ないかもしれないが、出来れば根本的に解決したい。何かないだろうか」

 

「………うーん、そうだなあ。例えば通信機越しに会話するとか、やっぱり最初はマイルドに行って、徐々に戻していくと良いと思うよ」

 

「……だよなあ。ありがとう二人とも、私の相談になんか乗ってもらって」

 

「なんか、じゃないよ。僕た(・)ち(・)にとっては、こうしてドクターと他愛無い話が出来るのは嬉しいことだからね」

 

「俺を勝手に入れるな」

 

「そんなこと言っちゃって、本当は今日はノリノリで僕の誘いを受けたくせに」

 

「……好きに言っておけ。たまたま時間が空いていただけだ」

 

「……本当にありがとう」

 

誰もいない食堂で、二人の優しさが私の身に沁みていた。じゃれ合っている(失礼)エリジウムとソーンズの様子に思わず笑みがこぼれる。

解決策は、まだ出ていないが。

 

 

 

 

『あ、いたいた。おーいドークター』

 

すると突然、食堂の扉の方から気だるげな声で呼ばれた。なんだなんだと思ってその方に振り返って見てみる。

 

「やっと見つけたよ~。執務室にいないしちょっと手間取っちゃったじゃん」

 

「まあ、こうして見つかったし結果オーライだね、ウタゲ……ありゃ、あれはエリジウムさんにソーンズさんじゃん。これまた良い物が見れたね~」

 

私を呼んだ声とは別の声の主も含め、二人の女性オペレーターがこちらにすたすたと歩いてくるのをばっちり視界に捉える。それはまさしく、アンブリエルとウタゲだ。

似たようなオーラを放つ二人である。

 

「エリジウムさんとソーンズさん、こんにちは~」

 

「「こんにちは(!)」」

 

「二人とも、私に何か用か?」

 

「そうそうドクター、今から時間ある?ちょっとうち等にその時間分けてほしいんだよねー」

 

「……ふむ、まあ時間という時間はないが……まあ、今の状態でも仕事にならないし、いいぞ。作れる」

 

「よし、それじゃあ早速アタシたちに付いてきて。残念だけどエリジウムとソーンズは連れていけなかんね」

 

 

 

 

 

*************

 

 

 

 

 

話は少し前に遡る。

 

 

アンブリエルに誘われて、ほぼ初めて昼の時間帯をドクターと過ごすことにならなかったリズ。

クラヴィスがそうであるように、彼女もまた脳裏に過るいつかの交わりに顔を熱くさせては彼ととうまく話せないという状況にあった。

 

「それでリズさん、最近どうしちゃったのさ~……ドクターと上手く行ってないみたいだけど、何かあった感じ?喧嘩?」

 

食堂の席についてからすぐに切り出すアンブリエル。目下のロドスのオペレーターの一番の懸念事であるそれを、当然リズの友人である彼女が気にしないわけには行かない。

 

「い、いいえ……喧嘩ではありません。その………」

 

そしてリズは、やはりクラヴィスと同じように事情を説明する。こんな自分と友好的に接してくれているアンブリエルには隠しはしまいと、己がどうしてこんなになっているのか、その原因を。

 

「……実は、数日ほど前に……クラヴィスさんと、性行為を、行った、の、です……」

 

言葉尻が途切れ途切れになる。それに応じて加速度的に彼女の天使のような美顔が赤く染まっていくのは、向かいに座っているアンブリエルからははっきりと見えていた。

 

「………うええええええ?!マジ?!それマジ?!やったじゃんリズさん!……あっ」

 

驚愕5、歓喜5を含んだ大声を上げるアンブリエル。周りに座っていた人たちから一斉に見られたのを受けて、彼女は慌てて口を押えた。

 

「どうだったの?やっぱり気持ちよかった?」

 

「……あの、公共の場でそにょような話は………」

 

「……リズさんが、乙女のような顔に……噛んだし………」

 

今までとは一線を画した恥じらう乙女の表情に、アンブリエルは見惚れてしまっている。元々人外の美しさを放っていたリズが、今は一人の人間____どこにでもいる少女のように、感情が溢れ出たような表情を見せている。例えばアズリウスが見ていたら、彼女は嬉しさで涙を流していたであろうか。

 

「つまるところ、ドクターとは仲が悪くなったんじゃなくて仲が良すぎて直視できてないってことなんだ。そういうのいーなあ……」

 

 

 

「あれ、アンブリエルさんに……ナイチンゲールさん?」

 

「おー、珍しい組み合わせだねぇ。あたしらも相席していい?」

 

そのとき彼女らの後ろから溌溂とした声と突かれたOLのような声が掛けられた。

ちょうど前を向いていたリズがゆるりと振り返る。

 

「……アンジェリーナさんと、ウタゲさん。どうぞ、構いません」

 

「後、アタシたちは友達だよん」

 

「へぇ、そうだったんだ!いつの間に?」

 

「前に、映画というものを一緒に観賞する機会があったので。その時からたびたび」

 

「そうだリズさん。せっかくなら二人にも話してみようよ。三人寄らばなんとやらってねー」

 

 

 

 

 

*************

 

 

 

 

 

「どっ、どどどどどドクターとナイチンゲールさんがが……」

 

「落ち着いてアンジェ。それにしても、ナイチンゲールさんがねえ……人はみかけによらないものだね」

 

「……私は、どうしたらよいのでしょう………?」

 

三人寄らば、というより女三人寄ればというような状況。しかし姦しくないのは、実にここにいる女性のうち四分の三が落ち着いている(かダウナーな)性格だからだろうか。

 

リズの隣にアンジェリーナが座り、アンブリエルの隣にウタゲが座り。女学生二人+女学生っぽい狙撃手+鳥籠の天使はうんうんと唸っていた。ご丁寧に机の上には人数分の空になったデザート皿が置かれている。

 

「………そういえば、パフューマーさんってそういう気持ちを落ち着けるお香とか扱ってなかったっけ」

 

 

 

 

「「「……それだ(です)」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




嫌と言うほど濃厚に交わったため、人並み以上の羞恥心とささやかな倫理観がインストールされた二人

ブリ安心院ウタゲの組み合わせにリズを添えるのが結構楽しい



前作「ナイチンゲールは支えたい」を1話から見直してました。すると初期はリズがドクターを起こしに来ていたのですが、こっちでは既に同衾→起床→抱擁の三連コンボをかましていて関係性の変化に時間の流れを感じていました。

是非皆さんも読んでみてください。
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