【シャニマス】中年プロデューサーの華麗なる暗躍 作:黒胡椒サラミ
「桑山千雪です。これからこの283プロダクションにお世話にならせていただきます。よろしくお願いします」
その女性の自己紹介が済むと、伊庭とはづき、そして陰平が拍手をした。
桑山千雪、23才。山口県出身で、都内の雑貨店に勤める一人暮らし。彼女が、社長が構想する新しいアイドルユニットのために、伊庭がスカウトしてきたアイドル候補生だ。
「千雪さんには、今日はプロフィールの作成をしてもらいます。あと、この事務所の案内と、今後のレッスンについて簡単に打ち合わせを」
「はいっ」
伊庭はさっそく千雪の事をファーストネームで呼んでいる。そこはいかにも天然のイケメンらしい距離の詰め方だ。千雪のほうも何ら嫌がる様子を見せないのは、まんざらでもないという事だろう。
「じゃあ、まずは身長、体重、スリーサイズから測りますね~」
「スリーサイズ……やっぱり、アイドルですもんね……。えっ、でもあの、ここでですか?」
はづきがメジャーを取り出すと、千雪は慌てて伊庭と陰平を見た。もちろんそんなはずは無い。更衣室で測る事になって、女二人はそちらに消えた。すると、伊庭が嬉しそうな顔で陰平に話しかけてくる。
「どうですか陰平さん、千雪さんは?」
「……素晴らしいじゃないですか、伊庭君」
陰平は端的に褒めた。本当に素晴らしい。それしか言いようがない。やはり伊庭のスカウトの腕は大したものだ。陰平もこの時ばかりは、伊庭を手放しで称賛したい気分だった。陰平の言葉を受けて、伊庭の笑顔が大きくなる。
「ありがとうございます、陰平さん」
「見た目もいいし……声もいい。ちょっと話しただけじゃ分からないですが、性格も良さそうだ。身体のバランスがいいから、ダンスにも向いているでしょう。彼女なら、新ユニットのセンターも十分すぎるほど務まる。――伊庭君のお手柄だね」
「あ、ありがとうございます!」
千雪は社長への面通しも済んでいて、そこでも伊庭は手放しでほめられたという。アンティーカのプロデュース関連で手をこまねき、プロダクションに損害を与えた事をずっと気に病んでいた青年は、久しぶりに屈託なく笑っている。
「俺も千雪さんに会った時、そう思ったんです。陰平さんも、喜んでくれるって思いました」
それは喜ぶに決まっている。今日この事務所で千雪を見た時、陰平の肉棒はズボンの下で激しく反応した。これはメスだと、脳が思考するよりも早く、オスのチンポがそう判断した。これは清純そうな顔をしているが、磨けば磨くほどに光る、とんでもなく淫らなカラダを持った卑しいメスだと。
それを見つけて運んできてくれた伊庭を、陰平は心から抱擁したい気分だった。
「プロデュース次第ですが、彼女はトップアイドルを狙える逸材です。これからが大変ですが、お互い頑張りましょう」
しかし陰平に男と抱き合う趣味は無い。それでも嬉しさのあまり、彼は伊庭に右手を差し出した。
「――! はいっ、陰平さん!」
年の離れた二人のプロデューサーが、がっちりと握手する。美しい光景だ。
しかし、青年が考えている事はともかく、中年が考えている事はどうしようもなかった。あの犯してくださいと言わんばかりのメスをどうやって篭絡し、自分好みのアイドルに育てていくか。ここのところ鈍っていた鬼畜な思考が、陰平の中では渦巻いている。
「ですがそうなると、今日のオーディションは重要ですね、伊庭君。桑山さんに見合うメンバーを見つけるとなると大変そうだ」
「確かにそうですね……。社長は本当に来れないんですか?」
「社長は社長で忙しいからね……。俺たちの判断に任せてくれるそうです」
「結構応募が集まったんですってね」
「はづきさんの努力だな」
彼らの話は千雪の話題からすぐに切り替わった。なぜならば、今日はもう一つ大きな仕事が控えているからだ。それは他でもない。あの桑山千雪を含む新ユニットの、他メンバーを選ぶためのオーディションである。陰平は言った。
「開始は二時半からだから、俺は掲示と設営の確認をしていますよ」
このプロダクションは、プロデューサーがオーディションの案内掲示物や会場の設営をしなければならない程度の零細である。しかし、それにしてはたくさんの応募が来た。イルミネが売れ、放クラの知名度も増してきた事で、事務所自体の評価も上がっているのだろうか。滑り込みで、まだ陰平がプロフィールを確認できていない応募者も居る。
「あ、手伝います」
「いやいや、伊庭君は桑山さんの案内があるでしょう。俺のほうは、はづきさんが手伝ってくれれば十分だよ。時間になったら会場に来てください。と言っても、会場はここのレッスン室だけどね」
「はははっ。いつか大きな会議場でも借り切って、オーディションができたらいいですね」
「本当だよ。その頃には俺たちの給料も上がってるかな」
そんな風に軽口も混ぜた会話をしてから、陰平は会場設営に向かおうと歩き出した。どこかから桑山千雪のスリーサイズ測定風景を見物してもいいが、それは後からはづきに聞けばわかるし、それ以前にスリーサイズなど一見すればだいたい分かる。B89・W59・H92といったところか。安産型の、孕むことに特化した非常に卑しい体型だ。
「あ、そうだ、ちょっと待って下さい、陰平さん」
「ん?」
伊庭に引き留められ、陰平は振り返った。
「千雪さんについて、一つ陰平さんに言っておかなくちゃならない事がありました」
「……俺に? 何ですか」
「実は、千雪さんは独り暮らしをしてるそうなんですが……アパートが勤めてる雑貨屋にも遠くて、引っ越し先を探していたそうなんです」
「……ほう…………それで?」
「アイドル活動と並行して、雑貨屋勤めも継続するのが千雪さんのスカウト条件です。で、本題なんですが、その雑貨屋が意外とこの事務所から近くて。あ~、つまり、折角なら283プロの寮に引っ越してもらえば、色々と手間が省けるのかなって。そう言ったら、千雪さんもそうしたいって言ってくれました」
「なるほど……」
「それで、陰平さんの仕事を増やすようで、大変申し訳ないんですが……」
千雪さんが寮に引っ越しする手はずを、陰平さんのほうで整えてもらえませんか。伊庭は本当に申し訳なさそうにそう言った。
だが、申し訳ないどころではない。伊庭の提案は、陰平にとってまさに願ったりかなったりであった。色々と手間が省けた。伊庭の言う通りである。
「ああ、いいよ。すぐにやる」
伊庭を抱擁し、よくやったと背中を叩いてやりたい。その衝動を堪えて、陰平はむしろ無表情に承諾した。
――――――――――――――
「それで、大崎さんはどうしてアイドルになろうと思ったのかな?」
「えっと……甜花はアイドルってよくわかんないけど……、なーちゃんが、一緒にアイドルになろうって……言ってくれたから……です……」
オーディションに応募してくるのは、アイドルになろうという若い娘だ。そんな娘は、大抵は自分の可愛さや美しさを自覚していて、自己顕示欲旺盛に決まっている。
それが悪いとは言わない。自分の武器を理解しないのは問題だし、ライバルを押しのけて前に出ようとする心は、熾烈な競争社会であるこの業界にはむしろ望ましい。だが、自分の可愛さ・美しさを過剰に鼻にかける娘というのは、傲慢で見苦しい。
「じゃあ、このオーディションに参加した理由を聞いてもいいかな?」
「それはね、甜花ちゃんと一緒にアイドルになりたいからだよ」
「甜花ちゃん……。ああ、さっきの子だね。君のお姉さんなんだってね」
「そうそう! 甜花ちゃんってね、めっちゃかわいーんだー! 甜花ちゃんがアイドルになったら、みんなメロメロになっちゃうよ!」
問題はバランスである。しかし、今日のオーディションの最後に現れた双子の姉妹は、バランスという意味ではだいぶ偏っていた。何しろ二人とも、自分の事より相手の事について語る時のほうが饒舌なのだ。
姉が大崎甜花で、妹が大崎甘奈。どちらも17歳の高校二年生。志望動機も二人とも同じで、姉、もしくは妹と一緒にアイドルになりたいから。声が小さくおどおどとした甜花と、ギャルっぽい見た目の活発な甘奈。性格は対照的で、姉妹が逆だと言われたほうがしっくりくる。一卵性だから顔も声も同じはずなのだが、表情や態度があまりに違うので、容易に見分けがつく。
容姿は十分過ぎるくらいに整っていた。あとは、その強過ぎる個性なのだが――
「大崎甜花さんと、大崎甘奈さんで決まりだな」
「はい、俺もそう思います」
オーディション後の陰平と伊庭による選考会は、そのやり取りだけで終わった。社長に確認を取るまでもない。彼らは二人とも確信を持っていた。あれはトップアイドルの原石であると。
「桑山さんがセンターで、あの双子がサイドを固める感じでしょうか。聞いたところ、声の相性も良さそうだ」
「はい、陰平さん。甘い雰囲気推しになりそうですね。家族的な感じ……というか」
「姉妹と、母性的な雰囲気の桑山さんだから、それでいいんじゃないですか? 既存ユニットとの被りも無いし」
選考会は即座に、あの三人で構成するアイドルユニットのコンセプトを話し合う会に切り替わった。そこでもスイスイと話が進む。陰平と伊庭、二人の頭にあるユニット像は、ほとんど同じのようだった。
「はづきさんに合格通知の手配をしてもらいましょう。すぐに桑山さんと引き合わせて……レッスンも早い内に始めたい」
「ユニット名は……」
「本人たちの意向も確認してからにしよう」
そうやって、決めるべき事はその場でおおよそ決まったのだが、彼らはその時、肝心なことを確認するのを忘れてしまった。きっと、思っても見ない特大の原石を労せずに発見した興奮のため、うかつにも互いに失念していたためだろう。
そう、この時点では、「伊庭と陰平のどっちが彼女たちのプロデューサーになるのか」という事が、話し合いもされずに曖昧なままになってしまったのだ。
「なら、二人でプロデュースすればいいんじゃないか?」
この問題について、後で社長の天井はそう言った。
――――――――――――――
「桑山さんの荷物は、もう業者さんに運び入れてもらいましたから」
「はい、お手数をおかけしました」
陰平の言葉に、千雪が社会人らしく丁寧な礼をした。
大崎姉妹の家庭に二通の合格通知書が届いた数日後、早速、桑山千雪が寮入りした。前のアパートを引き払ってきた千雪は、今日からこの寮に寝泊まりする事になる。
他の仕事が有ったりしたので、今の時刻は夜中である。千雪と寮の他メンバーとの顔合わせは、千雪が前に部屋の下見に来た時に済ませてあった。咲耶が紅茶を淹れ、恋鐘がケーキを作り、歓迎会的なものもその時に済ませた。
「二階には、桑山さんの他には恋鐘の部屋しかありませんので、ちょっと寂しいでしょうが。何かあったら彼女にでも相談してください」
「はい……」
陰平のあとを歩く千雪の声は、どこか不安げだ。暗く人気の無い寮の廊下を、知り合って日の浅い肥満気味の中年男に案内されれば、普通の女性ならそうもなろう。
「これが鍵です。スペアもついていますから」
二人して千雪の部屋の扉の前に立つと、陰平は彼女に鍵を手渡し、ニチャリと笑う。
「……!! は、はい」
千雪の顔が一瞬だけ引きつった。彼なりに千雪の警戒を緩めるための、精一杯の愛想笑いのつもりだったが、この暗闇で見る彼の笑顔はある種のジャパニーズホラーだった。どれだけ千雪の人格ができていようと、この反応は生理的なものだ。
「それじゃあ、俺はこれで。もし部屋に問題があったら、寮監室に来てください」
そう言って、陰平の姿は廊下の闇に消えていく。彼が一階に降りて行ったのを確認すると、千雪はほっと息を吐いた。そして、渡された鍵でガチャリと扉を開けると、部屋に入ろうとする。
「……?」
その時、千雪は、どこかから何かに見られているような気がして、きょろきょろと辺りを見回した。しかし、誰も居ない。
(気のせいかしら……)
新しい家という事で、気持ちが高ぶって過敏になっているのだろうか。小首を傾げると、千雪は部屋に入り扉を閉めた。
「ふぅ……疲れちゃった」
大変だろうとは思っていたが、思ったよりもアイドルというのは大変だ。まだ正式なデビュー前で、ボーカルやダンスのレッスンを始めただけでそう思うのだから、これからもっと大変になっていくのだろうか。しかし疲労はあるものの、新しい事に挑戦し始めたという高揚感もある。これからどんな毎日が待っているのだろうと考えると、少し胸が弾む。
「甘奈ちゃんと甜花ちゃんとも、これから仲良くできるといいな」
今日は千雪とユニットを組むという予定の双子の姉妹にも引き合わされた。二人とも個性的だが、どちらも非常に可愛らしい女の子だ。千雪の事も「千雪さん」と気兼ねなく話しかけてくれて、上手くやっていけそうだと考えると同時に、年長である自分がしっかりしなければとも思う。
そのためにも、まずは荷物の整理をしようと、千雪は部屋を眺めまわした。
(う~ん……とりあえず、服を先にタンスにしまって……歯ブラシとか日用品を段ボールから出して……本は明日でいいかしら)
新しい部屋は、千雪が前に住んでいたアパートよりも広かった。家具もある程度備え付けてあるし、ユニットバスもついている。一階に食堂があるにも関わらず、コンロと流し台があって室内でも料理が可能だ。これで部屋代はプロダクション持ちだというのだから、それだけでも少し「得しちゃった」という感じがある。
怪しいプロダクションだったらどうしようと、スカウトを受けた時に思わなくもなかったが、イルミネーションスターズなどの名前はアイドルについてそれほど関心が無かった千雪でも聞き覚えがあった。社長も色が黒いけど普通の人だったしそれに、事務員の七草はづきは千雪とは年が近く、気が合いそうだった。
それに何より、千雪をスカウトしてきたプロデューサーの伊庭が面白かった。
「――ふふ」
スカウトされた時の事を思い出して、千雪は一人でくすりと笑った。暗い顔をして街を歩いている男性の袖のボタンが取れかかっていたので声を掛けたら、アイドルに興味はありませんかと言われたのだ。その熱意にほだされて、ついついOKしてしまったというところがある。礼儀も正しくて、伊庭は純粋に好感の持てる男性だった。
――プロデューサーの陰平です。よろしくお願いします。
ただ、奇妙な事に、千雪たちには伊庭以外のプロデューサーもいる。普通プロデューサーとはアイドル一人につき一人だけなのだと思っていたが、実際には違うという事なのだろうか。伊庭や千雪よりも年上の、少し肥満気味の中年男性。初対面の彼について、千雪はそれ以上の印象を持たなかった。
しかし、陰平はこの寮の寮監も務めていた。今しがた玄関から案内されてこの部屋まで来た時、陰平から感じた――舐め回すような視線は何だったのだろう。お世辞にも、感じがいいとは言えなかった。
「……?」
千雪はふっと壁を見た。陰平の事を思い出していると、またどこかから何かに見られているような気がしたのだ。だが、何もない。やはり疲れて過敏になっているのだろうか。
気になる事はあったものの、千雪は概ね、明日からの新しい生活への期待に胸を膨らませながら荷ほどきをした。それはそれなりに重労働で、一通り片付くころには、秋だというのに肌にしっとりと汗が浮かび、服が濡れて張り付いていた。
「ふぅ……今日は、これくらいでいいかしら」
正座したまま部屋を見渡し、千雪はそう言った。残りは明日にして、後はシャワーを浴びて寝よう。彼女は立ち上がると、ブラウスのボタンを外し始めた。
―――――――――――――
『ふぅ……今日は、これくらいでいいかしら』
その頃、寮監室では陰平が、千雪の部屋の映像が映るPCモニターを、椅子の背もたれに寄り掛かり、興味深そうに見ていた。
千雪の部屋はもともとは空き部屋である。彼女が引越ししてくる前に、各所に監視カメラや盗聴器を仕込むのは難しくなかった。今は引いた画像だが、アングルを変えて違った角度から映像を出す事もできる。画質も鮮明だった。
アイドルの生活24時的な企画を出したら通るだろうかと頭の片隅で思いながら、陰平は新しいメス候補の観賞を続ける。
「お……?」
部屋の片づけをあらかた終えた千雪は、立ち上がるとブラウスのボタンを外し始めた。いきなり無防備な生着替えを拝めるとは、幸先が良い。陰平はマウスをクリックして、別角度のカメラへと切り替えた。
プチプチと外されたボタンの下から、双丘を包む純白のブラが現れる。大きく、形の良い乳だ。ブラウスを完全には脱がないまま、千雪は次にスカートに取り掛かった。その下から現れたのも純白のショーツ。男に抱かれるために生まれてきたような卑しい身体をしているくせに、下着の趣味は清純派のようだった。
(しかし……いい尻だ)
陰平は、まるで年代物のワインのテイスティングをするソムリエのように唸った。
胸の大きさは恋鐘のほうが勝っている。だが、千雪はあの尻が素晴らしい。初対面の時に思った通りだ。あと一歩間違えば下品になってしまう大きさのデカケツが、この桑山千雪というメスから感じさせる母性といやらしさを何倍にも増幅させている。きっとあの尻をスパンキングしながら乱暴にバックからハメ犯せば、濃厚なザーメンを出せるに違いない。
伊庭と共同プロデュースになったものの、大崎姉妹と桑山千雪は、久しぶりに一からプロデュースを手掛ける素材だ。今後の方向性を明確にするためにも、このような「観察」は必須であった。陰平のチンポも新しいメスのストリップを拝むことができて喜んでいる。隠し撮りAVを見るような趣もあって、生のメスの身体にも困らなくなってきた陰平に、多様性という言葉の素晴らしさを思い出させてくれる。
下着だけになると、千雪は思い出したように姿見の前に立った。
『スリーサイズって……ホームページとかにも載るのよね……』
やっぱり恥ずかしいし、アイドルはみんな可愛い子ばかりだろうから、自分は見劣りするんじゃないだろうかと、不安そうに己のスタイルを確認している。23才というのは現時点で283プロに所属するアイドルの中では最年長だが、それを忘れそうな子供っぽい仕草が混じる。
いやいや、これで見劣りする事は無いだろうと、陰平は内心でツッコミを入れた。この乳、この尻とこの腰のくびれを持つ人間が、今までただの雑貨屋店員だったというのは世界的損失だ。陰平のチンポも同意するように涎を垂らし始めている。
そしてとうとう、己が下卑た中年男のいやらしい目に晒されているとも知らず、千雪はブラとショーツにも手をかけた。遊んでいないと一目でわかる乳輪と乳首の色ツヤ。恋鐘よりも少し濃い目の陰毛などが露わになる。陰平は、動画が録画設定になっている事を再度確認した。
「――ん?」
さあ、次はいよいよシャワーシーンだというところで、モニター上にポップアップが出た。メールである。いい所を邪魔された陰平は眉をひそめた。差出人は――恋鐘だ。件名は無い。本文も――何も書かれていない。
「……?」
陰平は首を傾げる。そう言えば、昨日と一昨日の夜中にも、恋鐘からこんなメールが来た。事務所で理由を確認したところ、「うっかりしとーて間違えたばい」と彼女は言っていたが……。
陰平が恋鐘に教えてある連絡手段は、社用スマホの電話番号と、この社用アドレスのみだ。そもそも陰平は私用のスマホは持っていないし、情報収集等のためツイスタ等のSNSアカウントも持っているが、誰かと個人的なやり取りをするためにそれを利用する事は無い。
「…………」
モニター上では、千雪がシャワーを浴びる準備を進めている。しかしそれから目を外し、陰平は恋鐘から送られたこの空メールの意味を考えていた。
「…………」
やはり意味は分からない。だが、恋鐘の事を思い出した陰平は、あの顔を見たくなった。あの身体に触れたくなった。あのやたら元気な長崎弁を聞きたくなった。
新ユニット立ち上げの仕事や、イルミネ関連の案件が多かった事もあり、ここ数日は恋鐘の面倒を見る時間が減っていたのも事実だ。
そうだ、この映像は、後で録画でたっぷり見れる。陰平は椅子から立ち上がると、PCを立ち上げたままモニターの電源だけを落とし、寮監室を出た。そして恋鐘の部屋がある二階を目指し、階段を上がる。
「あ……」
踊り場で、枕を抱えたパジャマ姿の恋鐘とばったり出会った。
「な、何してるんだお前、こんな夜中に」
「プ、プロデューサーこそ、何しよーと?」
お互いにそう聞きながら、二人の身体は磁石で引き合うように、じりじりと近づいていく。恋鐘の顔が、夜の暗闇でも分かるほどに赤い。風呂上がりらしい彼女の匂いを嗅いで、陰平のわずかな理性はプツリと容易く切れてしまった。
「う、うちは、ちょっと喉が渇いたけん、食堂に――ん、んぅ」
踊り場で恋鐘を抱き締めた陰平は、例によって荒々しくその唇を奪う。
「…………ちゅ……ん……。……うち、喉が渇いたけん……あっ」
恋鐘が抱いていた枕が、踊り場にポトリと落ちた。熱っぽい目をする恋鐘をひょいと抱えあげ、彼は一階に降りていった。恋鐘の苦しい言い訳に従って食堂に入ったのは、寮監室で行われている千雪の隠し撮りが、恋鐘に発覚するのを嫌がったからだ。
ではなぜそれを嫌がったかというと、もちろんそれを知られて、恋鐘と千雪双方の調教に支障が出る事が嫌だったからだ。陰平はそう思っていた。決して、恋鐘に幻滅されるのが嫌だと思ったとか、恋鐘が悲しむ顔を見たくないと考えたからではない。
お姫様抱っこの形で陰平に拐われていく間、恋鐘は顔を真っ赤にして無言だった。彼女にしても、日毎にこの中年男の身体に触れたいという想いが増していく自分の事を、どう考えていたのだろうか。
誰も居ない深夜の食堂に入り込み、恋鐘を立たせると、陰平は彼女のむっちりとした身体を食器棚に押し付け、性急にその胸をまさぐり、唇を吸い始めた。
「ん……ふぅ……はぁ……」
ピチャピチャという水音と、荒い息継ぎの音だけが聞こえる。
陰平の肉棒も、恋鐘の秘裂も、既に相手と一つになる準備は整っていた。
ジャージを膝まで下ろしペニスを取り出した陰平が、パジャマの下部分だけを脱いだ恋鐘のショーツをずらし、急いで挿入する。ムードも何も無く、とにかく一秒でも早く相手と一つになりたい。その一心による行為だった。恋鐘の割れ目も十分すぎる程の蜜をたたえており、男のモノを優しく包み込むように、それでいてぎゅうぎゅうと握り締めるように飲み込んでいく。
「ふあああっ……!!♡」
暗い食堂内に響き渡るほどの喜悦の声が、恋鐘の口から漏れた。
彼女の肢体は男に抱かれる度、どんどんと感じやすくなっている。
「うううっ!?」
そして彼女の膣内は、使われる度にどんどんとチンポへの媚び方を覚えていく。陰平が歯を食いしばったのは、隙間なくチンポにまとわりついた恋鐘の媚肉が、彼女が甘イキすると同時に生き物のようにうねり始めたからだ。どうにか射精を堪えると、彼は激しく腰を振り始める。
――ズッ、ズッ、ズッ、ズッ、ズッ、ズッ!
「んっ! んっ! あっ! んぅっ!♡」
恋鐘の身体を食器棚に押し付けたまま、対面立位で突きあげるように彼女の膣を責める。もう既に恋鐘の脚はガクガクと震えており、自力では立っていられない様子だ。しかし、そうすると彼らの結合部にはより力がかかり、更なる刺激を恋鐘にもたらす。
「んんんん――っ!!♡」
イッた。目をつぶり、唇を噛み締めて、恋鐘は絶頂した。
その余りにも愛おしいイキ顔に、陰平はどうしてもこの少女の中に、己の精を吐き出したくなる。
――ドビュルルルルルッ!!
「おっおおおおっ!?」
「ンぅ――――――っ!?♡」
射精と共に、お互いの身体を訳の分からないほどの快楽が襲う。前に二人が生でセックスをしてから、そう日数は経っていなかったのに、まるで数か月ぶりに絶頂を味わったような感覚。肉体的快楽以外に、ゴムをしていたのでは決して得られない精神的な充足感が、二人の感覚を数倍にまで高めていた。
しかし、到底この程度では満足できない。それは陰平も恋鐘も同じだった。二人は互いの腰をグリグリと押し付け合うようにしながら、動きを再開していく。
――ヌジュッ、ヌジュッ、ヌジュッ、ヌジュッ!!
潤滑液に恋鐘の愛液以外のものが加わって、陰平がピストンするごとに鳴る音は、より淫靡さを増した。
「あっ、んっ、んっ、ぷろ、プロデューサー、ダメばい……!」
「何がダメだ? 恋鐘もこんなに感じてるだろうが……!」
「だって、あっ、ここ、うちたちの部屋じゃなか、んぅっ!」
早く次の射精をするために、ガツガツと恋鐘を突きながら、その事かと陰平は思った。恋鐘はまだ、彼らの関係が特定の場所限定のものであるという事を信じたがっている。恋鐘か陰平の部屋でだけ、二人は恋人同士として振舞う。その約束を最後のタガにしているのだ。
こんなに愛液をこぼし、膣は陰平のチンポと精液を受け入れる事を涙を流して喜んでいるのに、その言い訳は通らないだろう。
「こがんとこでえっちしたら、ダメばい……! うちたち、こがんなとこでも繋がって……!」
「そうだ、繋がってるぞ、恋鐘……! 見ろ、お前のマンコが、俺のチンポを美味そうに飲み込んでやがる……!」
「ぐりぐりせんで……! 言わんで……! あぅっ! そがんこと……! んああっ!♡」
「イイのか恋鐘……! 食いちぎられそうだ……! 恋鐘……! 恋鐘……っ!」
「プロデューサー……! プロデューサー……っ!」
荒い息使いで、彼らはお互いに求めあう。これが愛し合う恋人同士の姿でないとしたら、いったい何なのだろうか。
ひとしきり激しく交わり、陰平が恋鐘の中に五発目の精を吐き出したころ、「寮の誰も居ない所でなら、恋人の振りをしてもいい」と、恋鐘は彼に許可を出した。