【シャニマス】中年プロデューサーの華麗なる暗躍 作:黒胡椒サラミ
千雪は23歳で、283プロに所属するアイドルの中では、今のところ最年長だ。放クラやアンティーカの面々よりも少し遅れてプロダクションに加入したにも関わらず、既に彼女はアイドルたちの「お姉さん」という位置を確立していた。同ユニットの甘奈と甜花に至っては、「お姉さん」よりも「お母さん」ぽいと言って千雪に懐いている。恋に悩む乙女である凛世の相談などにも、同じ寮に住むという繋がり上、頻繁に乗っている。
しかし、千雪が年下のアイドルたちより、肝心の「異性との関係」という面において経験豊富だったかというと、そんなことも無かった。千雪も歴とした健全な肉体を持った女性である。思春期を過ごした中学や高校時代、心を惹かれた先輩や同級生が居なかったとは言わない。――というか、千雪の容姿とスタイルで、男のほうが彼女を放っておかない。仲の良かった男子はいたし、告白をされたこともある。だが、「付き合う」とかそれ以上の関係性まで発展した相手はいなかった。
伊庭に出会ってアイドルとしてスカウトされた時、千雪は彼に、今まで他の異性に感じたことの無かった感情を抱いた。伊庭は確かに格好が良い。俗にいうイケメンというものだ。身長も高く、スタイルも千雪たちアイドルに見劣りしない。そういった外面に惹かれた部分が無いとは断言できないが、それよりも千雪は、伊庭の清潔感や控えめなところ、純粋さや優しさといった内面に惹かれたのだ。
いつしか千雪は、アイドルとプロデューサーとして以上の関係を、心のどこかで伊庭に求めるようになっていた。それは決して露骨な恋心ではなかったが、伊庭の横顔を目で追う時、千雪は確かに鼓動を早くし、今までにない切ない息苦しさを感じていたのだ。
そんなある日、陰平と飲み会をした夜、千雪は夢を見た。
(――あっ♡ あっ♡あっ♡あっ♡ プロデューサーさんっ、もっと抱きしめてっ♡ 私のこと、離さないでくださいっ♡)
千雪は夢の中でもベッドに寝そべっていた。そして、そんな千雪の身体の上に、逞しい男の身体があった。筋肉質で硬い、女のものとは全く異なる肉体だ。
それは紛れもなく伊庭の身体だった。千雪も伊庭も生まれたままの姿で、千雪の秘所には、硬く反り返った伊庭の男性器が挿入されていた。伊庭は腰をリズミカルに動かして、千雪のナカでペニスを何度も往復させる。そのたびに、千雪の背中を甘い痺れが駆け上がり、千雪は恍惚とした性感に囚われた。
伊庭は千雪の頭の横に手を突っ張り、四つん這いのような格好になって、正面から千雪を愛している。千雪は自分の手を彼の手に添え、男を受け入れやすいように股を開き、自ら腰をくねらせていた。
初めてなのに、痛くはなかった。ただひたすら腰が甘く蕩けるようで、これは伊庭の優しさのお陰なのだと千雪は思った。
夢なのだと、喘ぎながら、どこかで千雪は自覚していた。最近――それこそ283プロの女子寮に引っ越したころから、こういう淫らな夢をよく見る。それでも、これほど直接的ではっきりとした感覚が伴う夢は初めてだった。
(プロデューサーさんっ♡ 好きですっ、大好きですっ♡)
夢の中だから、千雪は素直になれた。アイドルとプロデューサーだからとか、知り合って間もないからだとか、甘奈や凛世が彼に思いを寄せているからとか、そういうことは考えなくて済んだ。ただ、相手に向かって好きと言って、素直に相手の身体を受け入れればよかった。
(プロデューサーさんっ♡ あなたも私を好きですかっ? あなたも千雪を好きだって言ってっ♡ 愛してるって言って♡)
夢の中だからか、千雪が求めた伊庭の返事は聞こえなかった。それでも、千雪の身体はどんどんと昂っていく。彼女が外面で覆い隠していたメスとしての浅ましい欲求を、ここでは我慢する必要などなかった。千雪は娼婦のように淫らに、それでいて無垢な少女のように純粋に、ただひたすら、愛する男との交わりに身を任せていた。
しかし、所詮これは夢なのだ。夢というのはいつか醒める。やがて伊庭の身体は遠ざかっていき、千雪の意識は現実へと戻って来た。
(…………灯りが、ついてる)
まず千雪が思ったのはそれだった。瞼の表面が、人工的な光で照らされている。これは朝の太陽ではなく、室内灯の明かりだ。そもそも、まだきっと夜なのだと、感覚でも何となくわかる。酔いつぶれた千雪はほんの少しだけ眠り、その眠りの浅さが、ああいう夢を彼女に見させたのかもしれない。
――ギッ、ギッ、ギッ、ギッ、ギッ、ギッ。
次に千雪は、規則的に延々と鳴り続く音を聞いた。まるでベッドのスプリングが軋むような――いや、実際にベッドのスプリングが軋んでいるのだ。そこから、千雪の今までのまどろみは嘘のように引いていき、彼女の五感は明瞭になった。
「か……陰平、さん? 何を――――あぁっ♡」
「ああ、起きたんですね、桑山さん」
「あっ♡ いっ♡ あっ♡あっ♡あっ♡ ――か、陰平さん、これはっ――あっ♡ くぅう――っ!?♡♡」
千雪は自分の上にいる男に対し、何をしているのか問いかけようとした。したのだが、その台詞は身体の中心から全身に広がる電流によって遮られた。オナニーで味わったことがある膣イキの、それよりも何倍も深い快感。千雪の白と黒に明滅する視界が、辛うじてここがどこなのか、何が起こっているのかを見定める。
ここは一見ビジネスホテルのような、落ち着いた色の壁紙と簡素なつくりの部屋である。酔いつぶれた千雪を寮まで運ぶことができず、陰平は彼女をここに運び込んだのだろうか。ただし、それにしては室内にベッドは一つしかなく、そのベッドには枕が二つ置かれていた。そしてその上で、千雪は陰平に覆いかかられているのだ。
しかも、千雪と陰平は何一つ衣類を身に着けておらず、まるで夢の中の千雪と伊庭のように、生まれたままの姿で抱き合っていた。そして、千雪がさっきから感じていた、自分の胎内を埋め尽くす圧倒的な存在感の正体が、ほかならぬ陰平の股間から生えている。
「え――? か、陰平さんの……おちんちん……? 私の中に、入って……る?」
「ええ、そうですよ桑山さん。その通りです。僕のチンポを、あなたの中に挿入させてもらってるんです。とても気持ちイイですよ」
「――あっ♡ あっ♡あっ♡んっ♡あっ♡ あっ♡ ど、どうしてっ?」
混乱の極みにあった千雪は、取り乱すことも泣き叫ぶことも忘れていた。千雪に野太いマラを挿入した陰平は、当たり前のように腰を揺すり続けている。陰平の両手は千雪の腰のくびれを掴んでいて、千雪も無意識下で、その両手の上に自分の手を乗せていた。
どうしてこんなことをしているのかと、千雪に問われた陰平は、チンポで千雪のナカを味わうような恍惚とした表情をしてから、その問いに答えた。
「ああ……っ、最高ですよ桑山さん。あなたの中は最高です! まさか、あなたが僕をこんなことに誘ってくれるなんて……!」
「あっ♡ んっ♡ んっ♡ んんっ♡ ――さ、誘った? 私が陰平さんを?」
「そうですよ! 桑山さんが、千雪さんが僕を誘ったんじゃないですか! 寂しいから今夜は一緒に居てくれって! 寮の部屋に帰りたくないって! だから僕はこんなことを――!! あなたがいけないんだ!! ああっ、千雪さん――!!」
「――あっ!?♡♡ うっ♡ ううう゛っ~~~っ!?♡♡」
千雪はまたしてものけ反った。初めて感じる圧倒的な異物感と快楽の前に、千雪の思考はとりとめが付かなかったが、自分が陰平とセックスをしているということくらい、この時点で千雪は自覚できていた。しかも陰平から断片的に与えられた情報によれば、これは千雪のほうから誘いをかけた行為らしい。
「千雪さんっ! 千雪さんっ! あなたに誘われたら、僕が断れないって知ってたくせにっ!! 千雪さんっ! 好きですっ!! 好きなんだっ!!」
「え――っ!? そんな、陰平さんっ、そんな急に――ああっ♡♡ あ゛ーっ!?♡♡」
「感じてくれてるんですね! 千雪さんが僕のチンポで感じてくれてる! もっと、もっとしてあげますよ!」
「や、やめてっ、落ち着いてください! 陰平さん! そんな、奥にまでっ、あっ♡ い゛ぃっ♡♡ イっ――――!?!?♡♡♡」
陰平のピストンは、やけに的確に千雪の弱点を突いてきた。それこそ、千雪自身が今まで知らなかった、奥の弱いところまで、亀頭やカリで引っ切り無しに責め立ててきた。そのせいで、千雪は呆気ないほどアッサリとイってしまった。処女を失ったばかりだというのに、その痛みもほとんど感じていない。膣内を中心に腰がブルブルと震え、今までに味わったことの無い本格的な膣イキをキメてしまったのだ。
千雪の上にいる年上の中年男は、まさに無我夢中といった感じで千雪の肉体を貪っている。千雪の名を叫びながら熱心に腰を振りたくり、朱に染まった千雪の顔や、突かれるたびにぶるんぶるんと揺れるド迫力の巨乳を瞬き一つせず凝視している。
「ハァっ♡ ハァっ♡ ハァっ♡ ハァっ♡」
「ううっ、僕も限界です! 千雪さん出します! 射精しますからね!」
「――――⁉」
陰平の腰の動きが、より小刻みに早くなった。彼は千雪に射精を予告し、それが千雪を混乱から正気に引き戻した。千雪にとって恐ろしいことに、陰平は避妊具をつけていない。生の中年チンポの感触が、ダイレクトに千雪へと伝わっている。そして、その状態で射精するということは――
「だ、だめっ!! それだけはだめっ!! 中になんて――赤ちゃんできちゃうっ!!」
「今さらそんなこと言うんですか! 千雪さんがナマでいいって言ったのに!」
「だめっ、だめなのっ!! それだけはやめて!! お願いです陰平さんっ!! 抜いてくださいっ!!」
千雪の膣は、処女を失ったばかりでありながら、陰平のモノに良くフィットし、ザーメンをねだるような動きでヒダをざわつかせている。挿入前に念入りにクンニしたが、それでも生娘が陰平の巨根を飲み込むことができたのは、千雪の膣が柔らかかったからだ。――決して緩いのではない。ふんわりと包み込むようでいて、全体でぎゅっと引き締めてくる。初々しさと母性と淫乱さとを両立させた、奇跡のマンコだった。
できるなら、このまま中に種付けしてやり、誰がこのマンコのご主人様なのかを教え込んでやりたい。だが、千雪の絶叫と、瞳に浮かんだ怯えの色を見て、陰平の表情に一瞬だけ冷静なものが走り抜けた。このまま無理やり中に出し、絶対に後戻りできない場所に千雪を追い込むことは可能だ。しかし、これ以上ショックを与えると、彼女の心が壊れかねない。そういう風に判断したのだろう。そして、陰平もそれは望まなかった。
「分かりました千雪さん! 千雪さんがそう言うなら従います! でも、かけていいですよね! 千雪さんの綺麗な身体に、僕の汚いザーメンを塗りたくっていいですよね⁉」
「は、はいっ、それなら――それならいいですっ! お願いしますっ♡ 千雪にかけてくださいっ! 陰平さんの精液、たくさんかけてぇっ♡」
千雪が与えられたもう一つの選択肢も、冷静に考えれば酷いものだ。しかし、千雪はそれを認め、むしろ懇願した。比較対象であるもう片方の選択肢が、それよりもずっと受け入れられないものだったからだ。そのため、千雪の判断能力はマヒしていた。
陰平をこの行為に誘ったのは千雪らしい。その上、千雪は彼に外出しならいいとハッキリ許可した。何も知らない、無理やりレイプされたとは、これで口が裂けても言えない。
「出す! 出しますっ! 出すぞ千雪! 僕のコッテリとした中年精子で、千雪の肌を穢してやる! オオオオオっ!!!!」
「あっ♡ あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡ イっ♡ 私またイクっ! イッちゃう~~~っ!!??♡♡♡♡」
「あ゛っ!! お゛っ!! ぐ、お~~っ!!!! 出てるぞ、千雪……!!!!」
「ハァっ♡ ハァっ♡ ハァっ♡ ひィっ♡」
フィニッシュの瞬間、千雪のマンコから引き抜かれた陰平のチンポから、すり下ろしたばかりの山芋のような、木工用のボンドのような粘っこいものが、大量に凄まじい勢いで噴き出てくる。陰平はベッドの上で片膝立ちになると、片手で竿を乱暴にシコり、ドビュドビュドバドバとザーメンを千雪の柔肌の上にトッピングしていった。
千雪も陰平と同時にイっていた。さっき経験した膣イキよりも、さらに深い膣アクメ。横隔膜が暴走し、腰だけでなく太ももまでガクビクと震え、身体が勝手にブリッジのような姿勢をとる。内部をミチミチに埋めていたデカマラが失われたことで、マンコは孤独に収縮し、子宮は切ない切ないと持ち主に訴えかけていた。
中年プロデューサーの穢れた液体は、まだまだ千雪の上に降り注いでいる。太もも、鼠径部、ヘソ、みぞおち、二つのたわわな膨らみ、鎖骨、顔に至るまで、まるで千雪の全身に匂いを付け、マーキングするかのように。呼吸が荒くなっているせいで、千雪はそのオス臭い匂いを、肺一杯に吸い込むことになった。とても下品で、鼻が曲がりそうに生臭い匂いだ。
「――あっ♡ ん~~っ!!♡」
しかしその匂いに反応し、千雪の空っぽの子宮は、痛いくらいにキュンキュンと疼いていた。
「はぁ……はぁ……はぁ……千雪さん」
全部を出し終わると、陰平は再び千雪の上に覆いかぶさってきた。身体と身体が密着したことで、必然的に、さっき千雪に振りかけられたザーメンが、二人の間でぐちょりと気持ち悪い音を立てる。だが、陰平はそんなことを気にしていない様子で、むしろ千雪の肌に念入りに精液を摺り込むように身体を動かし、千雪の耳元で囁きかけた。
「ありがとうございます千雪さん……。千雪さんとこんなことができるなんて、夢みたいでした…………――千雪さん?」
「――うっ、うう……っ」
陰平は、あくまで千雪にこの行為に誘われたという姿勢を崩さない。千雪のほうは、今さらながら、処女を失った衝撃で涙が零れるのを抑えられなくなっていた。陰平は、すすり泣く千雪の顔を、愛おしさと寂しさが入り混じったような形容しがたい表情でしばらくのあいだ見つめてから、千雪を強く抱きしめた。
「千雪さん、泣かないでください」
「うう……うっ」
「僕みたいな汚いオッサンに抱かれるなんて、いくら千雪さんが優しくたって、気持ち悪かったのは分かります。調子に乗って本当にすみませんでした」
陰平の落ち着いた声は、千雪を慰めるかのように耳元で響いた。そのせいか、それとも他に縋り付くものが無かったからか、千雪の腕も、抱き着くように陰平の背中に回されている。陰平は、まるで幼い子どもに言い聞かせるかのように、囁き続けた。
「絶対に他の人には言いません。例えば――事務所の人にバレたら、千雪さんがどう思われるか分かりませんから。特に、伊庭君とか」
「――――!!!!」
「だから、僕も今までのように振舞います。絶対に他人に漏らしません。安心してください」
だが、男にそう言われて、果たして女が安心できるのだろうか。もしも知り合いに――もしも伊庭にこのことが発覚してしまったら、一体どうなってしまうのだろう。それを思い出した千雪は、さらに強い力で陰平の肉体に縋っていた。
「でも、僕は本当に嬉しかったんです。同情でも、千雪さんが僕を受け入れてくれて。僕は……あなたの魅力にとても惹かれていたから。千雪さんが伊庭君のことを好きでも、せめて一度だけ、千雪さんの身体に触れたいって――」
これは千雪を篭絡するための嘘とばかりは言い切れない。それがこの男の異常性であり、恐ろしい部分だ。陰平は、千雪のことを傷つけたいなどとは微塵も考えていないのだ。彼が願っているのは千雪の幸福と、アイドルとしての成功だけだ。陰平は、心底から千雪に惹かれ、彼女の魅力に参っているのだ。だから、その言葉は偽りに聞こえない。少なくとも、千雪はそれによって、陰平を責める気力を奪われてしまった。
「すみません、やっぱり、オッサンにそんなこと言われても気持ち悪いだけですよね。僕なんかは、伊庭君と違って、不細工で年も取ってますし。そもそも千雪さんのことが好きだとか、そんなことを言う資格は無いんです。……すみません、忘れてください」
「…………ぐすっ」
「千雪さん……?」
千雪は泣き止んでいた。
千雪が母性に溢れていたためだろうか、それとも、千雪がなまじ「子ども」ではなく「大人」だったせいだろうか。直に肌を合わせ、そのあとで弱みを曝け出した中年男を前にして、千雪は彼をなじる言葉を持たなかった。
「いいんです、陰平さん」
その声は、まだ震えていた。しかし、千雪は無理やり涙をのみ込むと、陰平に対して微笑んでみせた。
「酔った私が……陰平さんを迷わせたんですよね。……ごめんなさい」
当然、真実はそれとは別のところにある。陰平は、千雪が酔いつぶれたのを良いことに、彼女をこのシティホテルへと連れ込んだ。眠っている間に千雪の服を脱がせ、彼女の身体のあちこちをまさぐって愛撫し、処女膜を貫いた。千雪の記憶が混乱していることに付け込んで、さも彼女のほうから陰平を誘惑したかのように装った。
陰平は千雪に対して、何ら言い訳しようのない非道を働いたのだ。その罪は、彼女の前で百回首を吊っても償いきれないものに違いない。しかし、千雪はまるで聖母のように微笑んで、逆に陰平に謝った。そんな聖母を前にして、陰平は何を思ったのだろうか。少しでも良心の呵責に苛まれ、彼女に申し訳ないと思ったのだろうか。
「千雪さん……」
そんなことは有り得ない。いや、正しくは有ったのかもしれない。だが、そんな些末な感情よりも、はるかに大きく、この男の心を占める感情があった。それは、何としてもこのメスを自分のモノにしてやろうという、彼の原点ともいえる激情だ。
陰平には、これで千雪を逃すつもりなど毛頭ない。この件に付け込んで、絶対に彼女を自分のメスに堕とし、自分の手元でアイドルとしてプロデュースする。その決意を新たにし、陰平は千雪を抱きしめる腕に力を込めた。
「私は大丈夫です、陰平さん……」
千雪にそっと抱き締められ、それを無言で抱き返しながら、陰平の中では、彼女に対するドス黒く煮え滾るような情念が、怒涛のように渦巻いていた。
だが、結局その夜は、それで二人の性交は終わった。長い時間抱き締め合ってから、千雪はよろよろと立ち上がり、バスルームでシャワーを浴びた。シャワー音に混じって聞こえてくる千雪の嗚咽に耳を傾けながら、陰平は肉棒をこれ以上ないくらいいきり勃たせた、それでもバスルームに乱入することだけは耐えていた。身体を清め、湯気を上げる肉体に備え付けのバスローブを羽織った千雪は、もう一度襲いたくてたまらなくなるほど魅惑的だったが、陰平はそこでも耐えた。
そして陰平と千雪は、ダブルベッドの端と端によって眠った。互いに背中を向けた二人が、本当に眠れたのかは分からないが、少なくとも、部屋には朝まで人の声は聞こえなかった。
朝になると、二人は別々に、時間差でホテルを出て寮に戻った。
その後、数日のあいだは、二人が約束した通りになった。陰平はその夜のことを、誰にも何も話していない様子だったし、千雪もそうだった。表面上、千雪は以前と変わりないように見え、甘奈や甜花とのレッスンにも普通に取り組み、笑顔も見せていた。伊庭の前でも、若干距離を置いているようには見えたが、何事もなかったかのように振舞っていた。
しかし数日後の夜、皆が寝静まった時間に、千雪の部屋のドアを叩いた者がいる。寝間着姿の千雪がドアを開けると、そこには陰平が立っていた。
「陰平さん……」
「…………」
自分を見上げる千雪に対し、陰平は無言のまま、何も言わない。
「だめ……だめです。あの時だけって、約束しました」
ただ、千雪だけが独り言のようにつぶやいていた。
「あの時だけで、全部忘れるって……」
無言の陰平の圧迫を受け、千雪の声は段々と小さくなっていく。彼女の肌は、あの夜を思い出したかのように汗ばみ、上気していた。
「だめなの……」
泣くように千雪は言った。しかし、それから数分間の無言の時を経て――
「…………もう一回、だけですよ?」
千雪は自ら、男を部屋に迎え入れた。