【シャニマス】中年プロデューサーの華麗なる暗躍 作:黒胡椒サラミ
もう一回だけ。これが最後。――何ら当てにならない言葉だ。それを知りながら、千雪は何度もその言葉を繰り返していた。
「陰平さん……これが最後ですから、この一回で終わりですからね」
「はい、分かってます千雪さん」
「あっ――」
酔いつぶれた夜の不本意な初体験から数日後の深夜、千雪は自ら、陰平を自分の部屋に迎え入れてしまった。完全なる千雪のプライベート空間の中に、彼女よりずっと年上の中年男が侵入する。持ち主の性格を示すような明るい色の家具と雑貨、少女的な趣味も垣間見える小物類の中で、陰平という男は、存在からして異質に見えた。それこそまるで、千雪の領域を侵略しに来た外宇宙からの生命体のように。
その陰平が、部屋の中央に来るなり、正面から千雪を抱きしめた。
(いけないわ……こんなの……男の人を部屋に入れて、パジャマ姿で抱き合うなんて……)
だが、これから陰平が千雪に行おうとしているのは、単なる抱擁よりも遥かに過激で淫らなことなのだ。それを承知しながら、状況に流されるままに、千雪は彼を部屋に入れた。
(ダメ……っ、やっぱりダメよ……! もうやめてって言わないと――……でも……)
陰平にこうやって抱き締められるのは数日ぶりである。あの時はアルコールも入っていて、何が何だか分からないくらいに頭が混乱していたが、今の千雪は素面だった。まだ機能している理性が、この先に進んではいけない、後戻りできなくなる前に引き返さなければならないと、しきりに訴えかけてくる。
しかし、陰平の体に包み込まれてしまった千雪は、ほうっと吐息を漏らして全身を弛緩させた。彼女の頭は陰平の鎖骨くらいの位置にあり、両手は陰平の胸板に添えられている。あの過ちの夜から数えて二度目に抱きしめられた大人の男の身体は、やはり大きく、暖かかった。
(陰平さんの胸……意外と筋肉がついてるのね……。 ――っ!? やだっ、なに考えてるの。こんな状況で、私……ああ……)
すぐに押し倒され、荒々しく本番まで行われてしまうのだろうと予想していたが、そうはならなかった。陰平は千雪を抱きすくめたまま、じっとしている。深夜の静かな部屋の中で、千雪には、自分の息遣いと陰平の息遣い、自分の鼓動と陰平の鼓動の音までもが聞こえていた。
そんな静寂の中で、陰平の低い声が千雪の耳元に囁きかける。
「千雪さん」
その一言だけで、千雪の背筋を何かがゾクゾクと走り抜けた。――嫌悪感ではない。千雪は彼に抱きしめられた時にも、自分でも意外なほど嫌悪を感じていなかった。むしろ心が落ち着き、安心するような気さえした。それは何かの気の迷いであると、必死に自分に言い聞かせてはいたのだが。
そして、今の囁きが、千雪にあの夜のことを思い出させた。荒々しく抱かれながら、この声で好きだと囁かれ続けた夜のことを。
「俺は、あの時のことが忘れられないんです」
陰平は、自分のことを「俺」と言った。これまで、千雪の前では「僕」と言っていたのに。心なしか、口調もどこか荒っぽくなっている気がする。
あの夜が忘れられないのは千雪も同じだった。この数日間、千雪は何もなかったかのように演技していたが、あの夜のベッドの上で自分の胎内を埋めていたモノの感触と、それに突かれてもたらされた肉の悦びとを、片時も忘れることができないでいた。
「千雪さん、今晩だけ俺に抱かせてください。今晩だけで、俺は満足しますから」
「本当……ですか? 本当ですよね……? ……今夜だけ、ですよ?」
「はい、本当に今回だけです」
陰平はもちろん、千雪も当然、これが今日だけで終わるとは思っていない。ずぶずぶと沈んでいく泥沼の淵に、千雪は足首くらいまでハマっていた。そして、自分自身に白々しい言い訳を与えながら、自ら沼の中央に向かって歩を進めつつあったのだ。
陰平が手を離すと、千雪は彼から少し目を背けながら、薄紫色のパジャマを脱ぎ始めた。千雪の細い指が上着のボタンをぷちぷちと開けると、その下から、薄ピンクのナイトブラがチラ見えする。そして上着を脱ぎ捨てる前に、少しゆるっとしたズボンの淵に指をかけた。
そうやって、これから性交する男の前で、自分の手で脱衣する千雪の顔は、かわいそうなくらい真っ赤に染まっていた。
「自信が無いので……あまり、見ないでください」
下着姿になると、千雪は陰平にそう言った。だが、「自信がない」とはどの口が言ったのだろうか。スリーサイズが上から89、58、92センチの千雪のプロポーションは、粒ぞろいのアイドル業界にあっても類まれであった。しかも千雪は、これだけ立派な胸や尻を持ちながら、47キロと嘘のように体重が軽い。日本人離れした小顔で脚長と――そもそも骨格からして凡人と違うのだ。これでこの年まで雑貨屋勤めだけをしていたとは信じられない。まさにアイドルになるために生まれてきた肉体、率直に言えばとんでもないドスケベボディの持ち主だ。
「若い子たちみたいに……綺麗じゃないんです」
まだ言うかと陰平は思った。少し猫背になり、腕で胸を隠そうとしている千雪に対して、イライラでチンポがはち切れそうだ。
千雪の比較対象は、甘奈や甜花、めぐるといった、事務所の未成年アイドルたちなのだろう。確かに、彼女たちには成人女性には無い瑞々しさがある。しかし、千雪が瑞々しくないかと言えば、全くそんなことはない。むしろ瑞々しさの上に、未成年では決して出せない色気が乗っかって、暴力的なまでのフェロモンを放出していた。
それなのに自分を卑下するようなことを言う千雪に対し、陰平は思わず憤りを感じ、彼女の手首を少し強引に掴んで、身体を晒させるようにこじ開けていた。
「――きゃっ!」
「千雪さんが綺麗じゃないなんて、どこの誰が言ったんだ?」
「は、離して……」
「千雪は最高に魅力的だ。俺のこれを見れば、それが分かるだろう?」
「あっ……」
千雪が視線を下げると、陰平のズボンの前が、はち切れそうなくらいに盛り上がっているのが見えた。その力強さを目にしたことで、千雪のメスの肉体が、意志とは無関係に一人でに疼く。
「もう、こんなに大きくなってる……」
「もし、千雪が分かっていないなら、俺が教えてやる」
「あっ――、ダメっ、やめてくださいっ」
千雪が陰平の股間に目を奪われた一瞬の隙をついて、陰平は彼女の首筋に顔を埋め、甘噛みを始めた。そして部屋の中央から、ベッドのほうに向かって彼女の身体を押していく。
「ダメっ、ダメなのっ、やっぱりダメっ、陰平さんっ、離してください! 離して――……あっ♡♡」
身をよじり抵抗する千雪の身体を、陰平は口や手を使って巧みに愛撫する。ブラの隙間から手をさし入れて揉みしだき、鎖骨のあたりにキスマークを付け、この女が自分のモノであるという証拠を残していく。
既に数多くの少女をメスに堕としてきた中年の手練手管の前に、圧倒的な淫乱メスアイドルの素質を持った千雪が耐えられるわけがない。言葉とは裏腹に、千雪の肌はすぐに火照りはじめ、内側から蜜を溢れさせて、男を受け入れる準備を整えていく。
「陰平さんっ、せめて、電気だけでも――ああっ♡♡ んぅっ~~♡♡」
千雪はベッドに押し倒された。二人分の体重を受け止めたスプリングが、ギシリと跳ねる。
「千雪、声を抑えるんだ。ここは寮だから、他の子に聞こえるぞ?」
「あっ♡ ああっ♡ そ、それは――――ンっ♡ くぅっ♡ 声、出ちゃうんです……! いやらしい声、勝手に出ちゃう……!」
「仕方ないな……じゃあ、口を塞ぐぞ」
「え――? あ♡ んぅっ♡」
千雪の喘ぎ声は、陰平の唇によって口を塞がれたことで途切れた。甘奈や甜花よりも少しだけぽってりとした、「大人」の色っぽい唇に、中年男の厚ぼったい唇が重なって、ヒルのように吸い付いている。あれよあれよという間にファーストキスまで奪われて、千雪は自分が流されていくのを止められなかった。
やがて、閉じられた千雪の唇を割って、陰平の舌が彼女の口腔内まで侵入してくる。
(舌が……入ってきてる。私の舌が、陰平さんの舌に捕まえられて……歯茎まで……。こんないやらしいキス……私、知らない……!)
「ン……♡ ハァ……っ♡ ちゅ……♡ んちゅ……♡」
(ああ……私、自分で口を動かしてる……。陰平さんがしやすいように、頭の角度、自分で変えちゃってる……。どうして……? イヤなのにどうして? 私が好きなのはプロデューサーさんなのに……陰平さんは、ただの同僚のおじさんなのに……どうしてこんなに頭がジンジンしちゃうの……?)
己がプロデューサーのことを――即ち伊庭のことを「好き」なのだと、ハッキリと言葉にして思ったのは、千雪はこれが初めてだった。そうしてみて分かったのは、自分が伊庭に対して感じていた興味は、やはり明確な好意――恋愛感情だったということだ。だが不幸なことに、千雪がそれを自覚した時には、彼女は別の男に抱かれていた。
「ちゅ……♡ はぷ……♡ ちゅぅ……♡」
陰平のキスを受け入れる千雪の閉じられた目尻には、大粒の涙が浮かんでいた。
(私……触られてる……。陰平さんの手……おっきな男の人の手で……。お父さんの手とも、弟の手とも全然違う……。これが陰平さんの手なのね……)
アルコールによって思考を阻害されていないため、初めての夜には分からなかったことが、今はクリアに分かってしまう。自分の胸を揉みしだく陰平の手の形、肌の質感、すぐ目の前にある陰平の顔から、鼻息が漏れて自分の顔に吹きかかるのも、しっかりと感じられた。
触られるのは気持ち悪くない。むしろ心地いい。胸を揉まれていると、中心のほうから、じぃんとした何かがせり上がってくる。お腹や太ももに触れる陰平の腕毛の感触が、チリチリとくすぐったい。
そして、陰平のズボンごしに、膨らんだ例のモノが肌に押し当てられるたび、千雪の身体はビクリ、ビクリと跳ねていた。
「千雪……もう挿れるぞ」
千雪の身体を散々にふやかした陰平は、いったん彼女の上から退くと、そう言った。そして手早く、着ていたジャージを脱ぎ捨てていく。千雪は高熱に浮かされたように、とろんとした表情でそれを見ていた。今夜の陰平は、千雪に情けなく甘えるように縋り付いてきた前とは違って、荒々しく男らしい感じがする。あの時の千雪は、男を守ってやりたいという母性を刺激され、今日の千雪は、男に支配されたいという少女の部分を刺激されていた。
陰平がズボンを下ろすと、その下から、いきり勃った凶悪なデカマラが出現する。むわぁっとしたオスの匂いが、千雪の部屋中に満ちた気がした。
もはや千雪には、抵抗する気力は残されていなかった。彼女の股は、下品ではない程度に緩やかに開かれており、男に下着が脱がされるのを待っているようにさえ見えた。実際に、陰平がブラのホックを外し、するするとショーツを下ろしても、千雪は何の抵抗もしなかった。
「陰平さん……」
しかし、最後の最後、陰平が肉棒を挿入しようと姿勢を整えた段階になって、千雪は小声で彼に懇願した。
「お願いですから、今日は、つけてください」
前回は、なんだか分からないうちに生でセックスされてしまった。だが今回は、せめて避妊具を付けて欲しい。恥じらいで真っ赤になった千雪の願いの内容を、陰平はすぐに読み取った。だが、陰平はそんなものを用意していない。このまま彼女の意志を無視して、生でハメてしまうべきか――。逡巡した陰平が動きを止めると、千雪はさらに付け加えた。
「あの……そこの、鞄の中に……」
「……?」
千雪は陰平に、テーブルに置かれた彼女のハンドバッグを視線で示した。それを受けて、陰平は一旦ベッドから立ち上がり、そのバッグを手に取る。中を見てみると、化粧ポーチや財布に紛れた底のほうに、小さな箱があった。
まだ開封されていない、コンドームの箱だ。
「あのあと、買ったんだな?」
「……っ」
「あの夜、俺とセックスしたあと、自分で買ったんだな?」
陰平のイキりマラは、爆発しそうなくらい膨張していた。この、ベッドの上であおむけになり、顔を真っ赤にして震えているメスは、やはりこうなることを期待していたのだ。陰平にホテルで犯されたあと、二回目があることを、期待はせずとも少なくとも予感し、これを用意していたのだ。
箱には、ゼリーの潤いがある、0.01ミリの極薄タイプと謳い文句が書いてある。サイズは市販品の中では最も大きいものだ。個数は10個入り。
なら望み通り、この欲しがりなメスを、この箱が空になるまで鳴かせてやろうではないか。陰平の中に、どんどんと狂暴な感情が溢れ出てくる。表面にそれを出さないように辛うじて押さえつけながら、彼は個包装の一つを破ると、チンポにコンドームを装着した。そして再び、ベッドで待つ千雪の上に覆いかぶさる。
「挿れるぞ、千雪」
「はい……っ、あっ、あああっ」
太いモノがずぶずぶと挿入される感触に、千雪は思わず腰を浮かせた。あの時は、目が覚めたら挿入されていた。しかし今回は、ゴムに包まれた亀頭の先が、千雪の陰毛の下の割れ目を押し広げ、ミチミチと侵入してくるところからハッキリと感じられる。これでまだ二回目だというのに、千雪のマンコは、卑しくも貪欲に男性器を飲み込んでいく。陰平のモノに自分から吸い付いているのが、千雪にも分かってしまう。情けなくて恥ずかしくて、千雪はハラハラと涙を零しつつも、既にピリピリとした痺れを膣内に感じていた。
「千雪……入ったぞ」
「はぁ……はぁ……はぁ……――は、はい、入りました」
「もう一度、千雪と一つになれた」
「はい……私、陰平さんと一つになりました。私の全部……陰平さんで埋まってます。お腹の中……広がってます」
鋭敏になっていく感覚とは真逆に、千雪の理性はグズグズに蕩けていく。もはや、自分が何を口走っているのかさえ、千雪は自覚していなかった。
「陰平さん……うごいて、ください。私の、なかで――――ふああっ♡♡♡」
陰平が腰を引くと、千雪の膣内を埋めていた肉棒がズルズルと抜けていく。それによって千雪という楽器の弦が引かれたように、彼女の口から、いつもより1オクターブ高い喘ぎが勝手に漏れた。
(こ、これっ、もう完全にセックスっ♡ 私、また陰平さんとセックスしちゃったっ♡)
「ん♡ んぅう――っ♡♡」
(いやらしい声、止まらないっ♡ 腰、勝手に跳ねちゃってるっ♡ 堕ちる、堕ちちゃう――――っ♡)
行為が始まってしまえば、その圧倒的な「生」の感覚によって、今までの千雪の葛藤など簡単に吹き飛ばされていく。
千雪は、酔った勢いでの初体験をやり直しさせられるように、正常位で陰平に貫かれていた。夢と現実の境目のようだったあの時のセックスと違い、ここに至るまでの状況も、千雪は明確に憶えている。
ほんの数時間前まで、千雪はスタジオでレッスンをしていた。伊庭の見ている前で、甘奈と甜花と一緒にダンスを踊り、ステップの上達を褒めてもらった。その時に伊庭からかけてもらった言葉もはっきりと思い出せる。
レッスンが終わり寮に帰ると、玄関で、先に帰っていた咲耶が千雪を出迎えた。食堂には、既に恋鐘の作った料理が並んでいて、美味しそうに湯気を立てていた。それから間を置かず、樹里と凛世のただいまという声がして、残業だという陰平以外の五人で、千雪たちは夕食のテーブルを囲んだのだ。
その時には、彼女たちの姉のような微笑みを浮かべていた千雪が、今は陰平の身体の下で、一匹の女にされている。まだ高校生の少女たちとお喋りした数時間後に、その少女たちが眠る同じ屋根の下で、浅ましいメスに変えられている。陰平のチンポのブワっと張ったカリ首で、膣内をぞりぞり、ごりごりと削られ、自分自身でも聞いたことが無かった自分の喘ぎを聞いている。
「あっ♡ んっ♡んっ♡んっ♡ おっ♡ んおお゛っ♡」
陰平は、的確に千雪の弱点を責めてくる。千雪は柔らかな巨乳を上下に揺らしながら、振り落とされないように彼にしがみつくしかできなかった。翻弄される意識の中で、陰平の荒々しい一突き一突きが、「お前はただのメスなのだ」と、千雪に教えている気がする。ただの淫乱で、いやらしいことが大好きなメスなのだと。それは千雪にとって、絶対に認めたくない事実だった。
「イっ♡ あっ♡ ううっ♡ おお゛っ♡♡」
「良い声だ。前よりも気持ち良くなってくれてるんだな、千雪」
陰平は、それが自然なことのように千雪を呼び捨てにする。肉体関係を持ってしまった男女というのは、おのずからそうなってしまうのかもしれない。女の中には男に対する庇護欲が沸き上がり、男には女に対する優位性といったものが生じるのかもしれない。それが生物として、自然の成り行きのようにも思える。
だが、このままではいけないと千雪は思った。このまま流されていけば、自分は彼に抱かれることが当たり前になってしまう。このまま感じていたら、自分は彼のモノになってしまう。せめてそうならないように、陰平が満足するまで、可能な限り感じないようにしなければと思った。
だから千雪は、自分の口を両手で塞ぎ、必死に喘ぎ声を殺した。
「――んっ♡ むっ♡ ぐぅうっ♡」
「そうだな、そうしないと、千雪の声が部屋の外にも聞こえるもんな。ちゃんとそうしてるんだぞ? 少しずつペースを上げるからな」
「――ふっ♡ ぐっ♡ んむぅううっ♡ んぅうう~~~~~っ♡♡♡」
「ああ……締まる締まる……! やっぱり千雪は最高だ……! 千雪、愛してるぞ、千雪……! ――ううっ!!!!」
「むぅ~~~~~~っっ!!??♡♡♡♡」
千雪の奥深くまで腰を打ち込んだ陰平が、腰を気持ちよさそうに震わせた。同時に、千雪は自分の膣内で、ビクンビクンと脈動して暴れまわる陰平のペニスを感じていた。あの時は射精の瞬間に抜いてもらったから、千雪がこの感覚を味わうのは初めてだった。今、陰平は千雪の内部で射精しているのだ。人間の性行為の最終段階として、女を孕ませるための種を、千雪のナカに排泄しているのだ。
「ほら……こんなに出たぞ、千雪」
しかし、陰平が千雪を孕ませるべく発射したザーメンは、全てコンドームという薄皮によって遮られてしまった。射精を終えた陰平は、千雪のナカからズルリと肉棒を引き抜くと、まだイキ震えている千雪の目の前に、チンポから外した使用済みコンドームをぶら下げてみせた。
「はぁっ――♡ はぁっ――♡ はぁっ――♡ はぁっ――♡」
「千雪が俺を気持ち良くしてくれたから、こんなにたくさん出たんだ」
「ん――っ♡ くっ♡ はぁっ――♡ はぁっ――♡ はぁっ――♡」
改めて眺める陰平のザーメン量は、千雪を戦慄させた。
(すっ、すごい量。コンドームが破裂しそうなくらい膨らんで――……男の人って、こんなに射精するものなのね)
当然、それは千雪の思い違いだ。この、女に種付けして孕ませるために生まれてきたような性豪中年親父を、他の男と一緒にしてはならない。そう思っていたら、もしもこの先ほかの男に抱かれた時、あまりの精液の少なさに幻滅してしまうことになるだろう。
原始的な生命力の塊とも言うべき「それ」に千雪が見とれていると、陰平は、使用済みゴムの口を器用に縛り、ベッドの上にポイ捨てした。そして、箱から新しいゴムを取り出す。
「まだ9個も残ってるからな。せっかく千雪が、俺とのセックスを待って用意してくれたコンドームなんだから、しっかり全部使い切らないと」
あとコンドーム9個分ハメ倒すと宣言されて、千雪は息をのんだ。陰平は、千雪に見せつけるようにしながら、既にバキバキに復活したチンポに二つ目のゴムを装着していく。
「何しろ、俺と千雪のこういう関係は、今夜で終わりなんだからな」
そう言えばそうだったと、千雪は危うく思い出した。今夜を耐えれば、陰平は満足してくれる。もう二度と、彼とこういうことをしなくて済むのだ。――しかし、果たして自分が耐えられるのかどうか、マンコにあてがわれたデカマラを見る千雪には、自信が無かった。
「あっ――♡ うう~~~~っ♡♡」
二度目の挿入は、一度目より、もっともっと千雪の全身に響いた。千雪がこれまで持て余していた熟れたメスの肢体が、陰平というオスに抱かれ、その射精の脈動を膣内で感じたことで、急速に目覚めつつあったのだ。
「だ、ダメです陰平さんっ♡」
「千雪、声は出さないんじゃなかったのか?」
「だ、だって、ダメなのっ! これダメっ♡ イッちゃうっ! すぐにイッちゃうっ♡♡ ホントにイッちゃうのぉっ!!」
「いいぞ、イけ! 俺のチンポでイけ! 誰も――伊庭のことなんか気にするな! あいつには、千雪がチンポで乱れるメスだってことは教えてやらないからな! 千雪がイくところを見られるのは俺だけだ!」
「――アっ♡ イっ♡ んっ♡んっ♡んっ♡んっ♡ ぐっ♡ おっおっ♡ おお゛っおっ♡♡」
「何も気にするな! 今は俺のことだけ考えろ! 俺だけの女になってイキまくれ! 千雪っ! 千雪ぃっ!!」
「あお゛っ!?♡♡ んっ♡ あっ♡ イ゛ッっっっっ!?!?♡♡♡♡ ンぅ~~~~~~~っっっ!!!!♡♡♡♡」
回数を増すごとに、千雪はメス声を抑えることも忘れ、ひたすらイキ狂った。陰平は正常位で二発射精すると、ぐったりした千雪の身体を裏返し、寝バックで彼女を躾けた。体重をかけて四肢を拘束し、自分が男の支配下に置かれているという感覚と、チンポが挿入されているという感覚だけに集中できるようにしてやった。
枕に顔を押し付け、涙とヨダレでベトベトにしながら、千雪はくぐもったアクメ声を漏らし続けた。
「んむぅっ♡♡♡ むっ♡ んっ♡ ぐうぅ~~~~~~~っ♡♡♡」
「うぉお……!! 四発目だぞ千雪……!! 千雪のマンコ、俺のチンポに馴染んできたぞ……!! さっきよりもっとザーメン出る……!!」
「んっ♡♡ むぅ~~~~~~っ♡♡♡♡」
その次はベッドを降り、カーペットの上で背面座位になって、千雪が股をおっぴろげてチンポを咥え込んでいる様を、姿見に映して彼女に見せつけた。
「ほら、千雪。千雪のマンコが、俺のを嬉しそうに咥えてくれてるぞ……」
「やぁ……っ、言わないでぇ……っ、見ないでぇ……っ」
「千雪の肌は全部がスベスベだな……。それにこのプロポーション……グラビアだけでも絶対にトップをとれる。マンコもアナルも綺麗だぞ……」
「そんなのっ、嬉しくないです……――あっ♡ あっ♡あっあっ♡あっ♡」
陰平は千雪の羞恥心を破壊し、理性を打ち砕き、ひたすらその身体に、犯される快楽を教え込んだ。八個目のコンドームを使用する頃には、千雪は喘ぎながら、呂律の回らない舌で「おチンポ♡ おチンポ♡」と、うわごとのように連呼するだけになってしまった。
そして、正常位に戻って十個目のコンドームの中に陰平が射精したとき、千雪は四肢をだらんと投げ出し、うつろな瞳で下半身をガクガクビクビクと痙攣させていた。
「うっ、ぐっ、おおっ、ぐぅ~~~っ!!」
「はっ♡ アっ♡ ヒっ♡」
「はぁ……はぁ……――ふぅ。どうだ千雪……これで十発目だ」
「――んおっ♡」
陰平がズルリとチンポを抜くと、千雪はオットセイのような情けない鳴き声を漏らす。そして、口を縛られたコンドームが、千雪のヘソのあたりにポイ捨てされた。陰平は、ベッドの上に散らかった使用済みコンドームの数を、もう一度指差し確認した。確かに十個。どれもザーメンでパンパンに膨れている。
陰平は何かやり遂げた顔で、満足そうにうなずいてから、千雪に告げた。
「千雪、約束通り、今夜はこれで終わりだ」
「はっ♡ はっ♡ はっ♡ はっ♡」
「もう二度と、俺からお前を抱きたいとは言わない」
陰平のその言葉には、今までにない真実味があった。ほとんど失神しかかっていた千雪にも、彼の声は届いていた。
「俺のほうからは、な」
そう言うと、陰平はズボンを履き、この惨状の中に千雪を置き去りにして、部屋を出ていった。
今夜はこれで終わった。これでもう二度と、自分は彼に抱かれることはない。少なくとも、彼のほうから千雪を誘うことはない。一人になった千雪は、腰を痙攣させながら、その言葉の意味を噛み締めていた。
「はぁっ♡ はぁっ♡ はぁっ♡ はぁっ♡ ――んっ♡」
「もう一度」は有り得ないと自分に言い聞かせても、その「もう一度」は、きっとまた訪れるだろうという予感が、千雪の中には有った。乾いた喉を潤すように、口内に溜まった唾液を飲み込んだ時、千雪の目尻から涙が流れ落ちた。