「童貞捨てたいなあ」「えっ」「ちょっ」「おいおいおい、死ぬわアイツ」 作:TENSEI2
この小説はKEY(ドS)様の世界観を参考にしています。
それでも大丈夫な方のみ、お進みください。
「童貞、捨てたいんだけど」
「えっ」
「はっ?」
俺の発言に呆けた様な顔をするアルキメデスと童子切。
そのまま二度見してきた二人を気にすることなく、自身の欲望を述べる。
「童貞、捨てたいんだけど」
「いやいや聞き取れなかった訳じゃねーから。一瞬のことすぎて理解出来なかっただけだから。」
「というか、なんでそんなことを突拍子もなく?」
「……ものっすごくムラムラするんです。」
「…さーて解散ー」
「解散解散ー」
無情にも見なかったことにしようとする童子切の足元に必死にしがみつく。
「頼むよぉ!! 俺もうじき30台に突入するくせにいまだに童貞なんだよ!! 魔法使いにはなりたかねぇんだょお!! イケメンなんだから童貞の捨て方なんていくらでも知ってるだろぉ!!」
「だぁぁ! 足にしがみつくな鬱陶しい!」
「マスターってこんな性格だったんだね……ちょっと意外」
童子切には足蹴にされ、アルキメデスには引かれるがそんな事はどうでもいい。
彼らみたいなイケメンなら捨て方はいくらでもあるだろうが、生憎俺の顔は転生前と全く変わらないブサ顔。
もう一度言うと、転生前と変わらないブサイクフェイスなのである。
「というか、何故そんな結論に?」
ついさっき部屋に入ってきたストライクが聞いてくる。
だが、大声でいうのははばかられるので小声で呟く。
「………その、ルシファーとかラファエルとかの格好がさ………。」
「あっ……(察し)」
ストライク達も理由を察してくれたのか、どこか諦観したように俺を見る。
「だって仕方ないじゃん!? 俺異性体験ほぼ0よ!? いや夏の間だけ水着のレンブラントとか大和ならまだいいよ!! だけどさ! ゼフォンとかバルムンクとかはさぁ! オールシーズンあの格好な娘もいるわけじゃん!? 誘ってるようにしか見えねぇんだよ!!」
いきり立ちそうになるイチモツを押さえつけ、ここに所属している女性モンスターを追想する。
いや、ソロモンみたく露出の少ない娘もいるよ?
でもさ、露出の多い少ない関わらずみーんな世界最大級の美少女・美女なのよ。
その点、俺は前世も現世もブサイクフェイス。
得意な事なんて何にもない。
コミュニケーション能力なんてほぼ0だ。
財力や才能もあるわけじゃあない。落ちこぼれそのものだ。
それを裏付けるように、俺は前世で付き合っていた彼女を寝取られた。
別に変な所はない。俺が彼女を傷つけないように、ゆっくりと愛を深めようとしていたところに、金持ち秀才のイケメンがかっさらっていっただけだ。
結局この世は、金、才能、顔で決まる。
全て持ってるカンペキニンゲンサマもいれば、何も持ってない俺のようなオチコボレもいる。
だったら、もう。
決意した俺は椅子から立ち上がり、部屋を出ようとした。
部屋を出る直前、童子切から声を掛けられた。
「ん?どこいくんだマスター?」
俺は童子切達の方向に向かって、親指を立てて言い放った。
「――童貞、捨ててくるわ」
「へぇ、童貞を………………………」
…? 何やらおかしな事でも言っただろうか。
汗を垂れ流し、体を硬直させているストライク達を尻目に、俺は足を踏み出した。
「ちょ!! マママママママママスター!! 戻ってこい!! 戻ってこい!! 考え直せぇぇぇぇ!!!」
そんな声が聞こえた気がした。
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彼は、気づいていなかった。
どれほどの女性モンスターの心の支えになっていたか。
彼は、気づいていなかった。
どれほど、彼女達が自身の事を想っているか。
彼は、気づいていなかった。
彼女達の愛が、とても深い物だとは。
マスター
モンスターboxのマスター。本名は歹屋 主(がちや あるじ)
前世では彼女を寝取られた帰りに、交通事故で跳ねられそうになっていた少女の身代わりとなった。 享年25歳。
モンスター全員に好印象を抱いているが、前世の事が根を引いているため、好意を素直に信じることができない。
「女性の好きな男のタイプ? そんなの金持ちで秀才でイケメンなやつだけだろ。 どーせ俺はオチコボレですよーだ。 カンペキニンゲンサマはいいですよねぇ。」
女性モンスター
みんやヤンヤン
男性モンスター
ガクガクブルブル
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