「童貞捨てたいなあ」「えっ」「ちょっ」「おいおいおい、死ぬわアイツ」 作:TENSEI2
無事童貞を捨てることのできたルートも書くゾ。
「…………」
「…………」
「……………」
「…………………」
「」
さて、状況を整理しようか。
俺の目の前には死んだ目でこちらを見つめてくる女性モンスター達。
そして彼女達からは色濃い負のオーラが感じられる。
そして俺は絶賛土下座中。
というか、彼女達の顔を見ることが出来ない。
簡潔に言います。
童貞を捨てようとしてたことが、バレました。
「てぃてぃんだえっとと~♪ ふんふふんのふ~ん♪」
鼻歌を歌いながら、廊下を歩く男が一人。
彼の名は、歹屋 主。 ここのモンスターboxのマスターである。
(ついに俺も童貞卒業……! 前世から数えておおよそ60年くらいたってようやく卒業…! 長かったなあ…)
彼の回りはまるで花でも咲き誇っているようだった。
己の肉欲に突き動かされるように、廊下を歩いていると、ある人物とすれ違った。
「あ、マスター! おはよー!」
「あらマスター。おはようございます♪」
「マスターさん! おはようございます!」
「おはようマスター♪ 今日もいい天気ね♪」
前方からやって来たのは、ミカエル、ラファエル、ガブリエル、ウリエルの四人の天使だった。
普段なら何気ないあいさつで会話を終わらせるのだが、生憎いまの歹屋はテンションマックス状態だった。
「おーす四人とも! 今日も元気か? まあ元気そうだな!」
「おっ? 今日のマスターは元気いっぱいだねえ!」
「あら本当。何かいいことでもあったのですか?」
「マスターさんすっごく幸せそうです! 祝福の音色を鳴らしたいです!」
「落ち着いてガブリエル。 でも本当に元気いいわね。何かいいことでも?」
「おう! なんたって俺は今日…」
ここで歹屋、遂に自分の立場を自覚した。
―俺、いまから童貞捨ててくるんだ―
そう言いかけた口を閉じつつ、急こしらえの嘘を彼女達に知らせた。
「ひ、久々に実家に帰るんだよ! 最近親がうるさくてなあ~!」
「お~! マスターの実家かあ~! 一回行ってみたいなー!」
「そういえば、マスターの実家は割りと田舎の方でしたっけ?」
「マスターのお母さん…どんな人なんでしょう!」
「私も少し気になるわね…行ってみようかしら」
「…へっ?」
彼女達が何の話をしているのか訳がわからず、つい呆けた声を出してしまう。
―もしかして、ついてくる気か!?―
それはあまりにもむごすぎる。
今は興奮と期待が高まっているため会話できているが、その興奮のせいで、女性といることに免疫が無いのがサラに強くなってしまっている。
とりあえず逃れるために、嘘でまかせを並べていく。
「ほ、ほら! 急にみんなで押し寄せたら、びっくりしちゃうだろうしさ。また今度! みんなで行くって事を知らせておくからさ!」
「むー…! マスターの家行きたかったなー…」
「まあまあミカエルさん。また今度にしましょう。」
「今回は仕方がありませんって! マスターさんもこう言ってることですし…」
「まあ、次回に期待ってことね。」
なんとか信じてもらえたようだ。
だがこの調子だと、いつバレるか分からないので、足早に立ち去る。
「そ、それじゃいってくるよ!」
「今度は絶対連れてってよね! マスター!」
「わかったから!」
少し固くなりかけているイチモツを押さえ込みながら、俺は風俗店へと足を進めた。
「あーあー。僕もマスターの家に行きたかったなー」
「まあ、今回は急に押し掛けたりしたら、驚かせてしまうかもしれませんもの。仕方がありません。」
「そうですよ! それに、今度行くときはちゃんと連絡しておいてくれるでしょうし!」
「そうね、次回まで待ちましょ?」
そんなことを言いながら四人の天使が駄弁っていると、後ろから、とてつもないスピードで誰かが迫ってきた。
その人物は、四人を追い抜いたと思いきや、四人に気がつくと、声を掛けてきた。
「おお! アンタ達か! マスターを見てねえか!?」
いつもの余裕気な表情は欠片もない童子切に問いかけられ顔を見合わせるが、なにか用事でもあるのかと思い、マスターの走っていった先を知らせてあげた。
「マスターならさっき向こうに走っていきましたよ?」
「向こうか!? すまん! ……マスターァァァァァァァァ!!! 戻ってこい!!! 悪いこたあ言わねえからァァァァァァァァ!!!」
一体なにごとかと、童子切の走っていった方向を見つめていると、後ろの方からまた一人のモンスターがやって来た。
「む? すまないが、童子切はどこに行ったか知らないか?」
「鬼丸? 童子切探してんの? 童子切なら向こう行ったよ?」
それは、童子切と同じくマスターを探しに来た鬼丸だった。
「む、向こうか。すまない。恩に着る。」
「いえいえ…そういえば、童子切さんもマスターを探していましたが…鬼丸さんも?」
「ああ、だが生憎童子切を見逃してしまってな。」
「ねえ、マスターを探しているってどういうこと?」
ここまでは普通の会話だった。
だが、鬼丸はかなりの天然だったため…
「ああ、確かマスターは童貞を捨てに行くと言っていた。」
鬼丸は、あろうことか彼女達の前で暴露してしまった。
「「「「は???」」」」
瞬間、モンスターboxの窓ガラスが全て砕けた。
(はあはあ…こ、ここか…!)
なんとかして童貞を捨てるべく、俺がやって来たのは、ちょっとお高めの風俗店。
(こ、ここで俺はチェリーを卒業するんだ…! 落ち着け…)
そわそわと震える足と手と心を抑え、俺は店のドアを開けた。
「いらっしゃいませ。マスター。」
「」
そこには、死んだ目でこちらを見据える女性モンスターの皆がいた。
俺はすぐさま土下座した。
マスター
早く童貞を捨てたい。
天使四人(&女性モンスター)
マスターを売女なんかに抱かせるものか。(殺意マックス)
良かったら感想書いてくれよな~頼むよ~。