「………と言うのが今の世界とこの国の実情、そして周辺国との関係ですな」
「つまり、どうにかして国を豊かにする必要があるから呼ばれたのか」
血塗れの服から普通の服に着替えた後、元の世界ではカメック姫と呼ばれた女性が色々と説明してくれたので要点をまとめると以下の様になる。
まず、この世界の男女比は1:20と女性の方がかなり多くて筋力なんかも女性の方が強い上、クッパ軍団の殆どがあべこべな世界観によって常に女体化しているのも特徴だ。
そして、次に教えてくれたのはクッパを頂点としたこの国の地理なのだが、緯度が高い様で生身の人間では寒いぐらいの地域に本拠地がある様だ。
また、農業に関しては壊滅的で火山活動の影響によって慢性的な日照不足に加えて寒冷地なので精々、活火山の近くで火山性植物が育つだけでマトモな植物が全く育たない状態だ。
その結果、本来なら寒冷地によって動きが鈍くなるはずのクッパを始めとするカメ族は、火山から出るマグマの影響でそこまで寒さの影響を受けないものの食料の自給率は壊滅的だ。
その一方で、工業はかなり進んでいて鉱山から大量に採取できる多種多様な鉱物資源と活火山の地熱によって、産み出された鉄鋼を始めとする各種金属は生活基盤を下支えし、造船や兵器工廠は前世の先進国に引けを取らないレベルまで発展している。
発展した工業技術で、精錬された金属はキノコ王国を始めとした周辺諸国に輸出されているが輸出入のレートはかなりひどい。
この国の食料自給率が壊滅的なのは、さっきも言ったが日常的に消費される食料品を1トン分を輸入するには、精錬された金属を1.5〜2トン分を輸出しないといけない為、財政を圧迫している。
その為、輸入した食料品が全ての民に行き渡らずに農村部では極貧生活を強いられているんだとか。
そんな状況を打破する為、長年の研究の結果として異世界から能力がある人材を呼んで改善してもらうとの事だった。
とは言え、いくらダンジョンマスターの称号を持っていても肝心のダンジョンコアがなければ、単なるニートでしかないのでそれとなく聞いてみると既にあるらしい。
なんでも、ごく最近になって本拠地に近い洞窟で直径3メートル程の巨大な水晶玉を発見して移動しようにもビクともせず、攻撃を加えて分解しようとしても無効化されるとの事だった。
その事から、それがダンジョンコアなんじゃないかと考えられていてダンマスが来たら見てもらおうとなったらしい。
なんて都合が良い、と思いながらカメックに連れられて現地に到着すると確かに巨大な水晶玉が洞窟の奥に鎮座していた。
その為、同伴者のカメックに了解を得て触ってみると次の様な言葉が脳内で響いた。
『ダンジョン「クッパ城近くの洞窟」を制圧しました』
「ん?」
『称号「ダンジョンマスター」を獲得しました』
『固有スキル「ダンジョンクリエイト」を取得しました』
『エクストラスキル「虚数空間」を取得しました』
『称号「境界を超える者」を獲得しました』
『耐性スキル「打撃耐性」を喪失しました』
『耐性スキル「物理耐性」を喪失しました』
『耐性スキル「物理攻撃無効」を取得しました』
『耐性スキル「魔法攻撃無効」を取得しました』
『通常スキル「存在希釈」を取得しました』
『通常スキル「空間魔法」を取得しました』
『通常スキル「空間支配」を取得しました』
『称号により、ダンジョン「クッパ城近くの洞窟」のダンジョンコアに加護を付与しました』
『ダンジョンマスターの各種スキルによりダンジョンの基本構造が変更されます』
『ダンジョンの名称を「異空間の聖域」に変更しました』
「おっ? おぉっ!? おおぉっ!?」
「どうなさいました!? ワタル殿!」
それなりの量の情報が、一気に来たので少しパニックになっているとカメックが慌てて駆け寄ってきたが、それと同時に洞窟内が振動し始めた。
そして、振動が収まる頃には情報の整理がついて自宅警備員から本当のダンジョンマスターになった事を実感できたので、ファンタジー物のラノベではお馴染みのステータス画面を開いてみた。
名前:ワタル・タケナカ
職業:ダンジョンマスター
レベル:35 状態:普通
HP:355/400 MP:200,000/200,000
物攻:45 物防:40
魔攻:39,000 魔防:15,000
速度:430 運 :70
エクストラスキル
虚数空間
賢者の加護、絶倫、巨根、魅力、ダンジョンクリエイト
存在希釈、空間魔法、空間支配
耐性スキル
物理攻撃無効、魔法攻撃無効
称号
異世界人、ダンジョンマスター、境界を超える者
とまぁ、こんな感じに出てきたのだが本格的なダンマスになった事でダンジョンを構築するのに必要なスキルを会得できた一方で何故か、レベルアップや耐性スキルの取得まで付いてきたのでカメックに聞いてみた。
「なぁ、耐性スキルで物理攻撃と魔法攻撃が無効になるのがあるんだが心当たりあるかい?」
「あぁ、それは我々の方でこの水晶玉の耐久力がどれほどの物なのかを調べる為、様々な攻撃を行ったのじゃ。その影響じゃろうな」
「レベルも上がったのもその影響なのかねぇ」
カメックの反応に、俺をそう言いながら彼女のステータスを見ると根っからの魔法使いな様で、魔攻や魔防のステータスが高かった。
そんな事から、今後のダンジョン運営の方針を決める為に彼女の本拠地であるクッパ城へ戻る事にした。