※この作品はR-18です。

クッパ姫に呼ばれてダンマスとして生きていく件   作:八雲ネム

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第2話 食料生産

「ふむ、食料は概ね生産できるんだな?」

「えぇ、その通りです。ダンジョンコアの情報を精査した結果、入手が困難な物でなければ農作物から畜産までの食料品を網羅する事ができます」

「無尽蔵に生産できれば文句なしだが、そう簡単には行かんのだろう?」

「勿論です」

 

 クッパ城にて、執政室にいるクッパと面談をしてダンジョンを運用する事が可能になった事が明らかになった、と伝えてから食料に関する話題になると真剣な表情でそう聞いてきた。

 その為、俺はダンジョンとダンジョンコアに関する情報を包み隠さずに伝えて、ダンジョンの利便性と生産などに必要なコストを知ってもらうことした。

 まず、ファンタジー系のラノベにおけるダンジョンはダンジョンコアを中心としたフィールドであり、どれだけのDP(ダンジョンポイント)がダンジョンコアに蓄積されてどの様に使われたかによってダンジョンの規模が変わる。

 

 『異空間の聖域』というダンジョンの場合、ダンジョンコアに向けられた多数の魔法や物理攻撃をDPに変換する特性があったので、俺が制圧した時には約10万DPが溜まっていた。

 その上、レベルアップによってステータスが上がった俺の魔力をDPに変換すれば更に増えるのだが、魔力と魔攻の数値が異常に高いのは賢者の加護という固有スキルのおかげだ。

 このスキルによって、魔力と魔攻の数値が大幅に底上げされたのである程度まで、余裕で食料を生産できるのだが数十万人規模の生産となればまだまだ魔力が足りない。

 

 何故なら、俺を始めとしたこの国の人達は主食である麦だけで生活している訳ではなく、様々な農作物を作る必要があるから規模もかなり大きくしないとダメだ。

 その事を伝えると、彼女はこう言ってきた。

 

「食料の生産に必要な道具は、我輩の指示の元で可能な範囲で取り揃える。だから早急に生産できる様に行動してくれ」

「お気遣いに感謝します。可能な限り、生産できる様に努力します」

 

 そう答えてから、俺は立ち上がってダンジョンの整備に向かったのだがここで改めて気が付いた。

 

(クッパって、かなり有能じゃね?)

 

 そう。ゲームなんかだと、何かと悪役にされがちなクッパだけど実際には多種族を束ねる長であるのと同時に慕われているのだ。

 ゲーム内のヒーローであるマリオとは、ライバル関係ではあるが城の修繕を率先してやっていたり、部下の失態を叱りながらも損失を埋め合わせる為に行動したり、失敗したからと言って評価できる部分は評価するなどかなり有能なのだ。

 そんな彼が何故、ピーチ姫を何度も攫うのかという理由がゲーム内で明確に説明された訳じゃないが、リアルで考えてみると政略結婚で国を併合すると言う農業が壊滅的な国にとっては切実な問題なのだ。

 

 前世の時代でこそ、政略結婚と言うのは殆ど行われていなかったと思うが中世から近代にかけて東西を問わず、王族や貴族間で政略結婚をするのは当たり前だったので、この世界でもあり得る話ではある。

 そう考えると、ゲームでは気にしていなかったキノコ王国の歪さもハッキリと見えてくる訳で、ビーチ城などの大都市ではキノピオが殆どなのに農村部ではノコノコが多いので、何かしらの問題を抱えているのかもしれない。

 とは言え、今の俺は単なるダンジョンマスターなのでダンジョンに戻って食料を生産できる様に整えるだけである。

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

「………生産する際の問題は、環境汚染がされてない状態で育成に必要な光を当てる必要があるという事だな」

 

 空間魔法を使って、ダンジョンコアの近くに転移すると早速ではあるが生産するための方法を考えている最中である。

 転移する前に、ダメ元で植物に関する本などがあれば借りたかったが案の定、なかったのでダンジョンコアの情報を頼りに手探りでやるしかない。

 幸い、ダンジョン内であれば階層を作って地形を変化させるだけのDPの分だけ、好きに変えられるので魔力の9割をDPに変化させて弄り始めた。

 

 まず、手掛けたのはダンジョンコア専用の部屋とダンマスである俺専用の部屋を作る事だった。

 何しろ、ダンジョンコアの側で農作をするほどの度胸はなかったし、経過を見る為に何日も篭る場合もあるので休息する為の部屋が欲しかったのだ。

 そして、ダンマスの部屋は金属製の部屋にしてその中に普通のベッドと机に椅子、そして何にも入っていない箪笥と本棚を設置した。

 

 これで形だけでも、生活感のある部屋に仕上がったので今度はダンジョンコアのある部屋も金属製の部屋にして、その中心にコアを設置したのだが考えながらダンジョンを構築する為、作業机と椅子も設置した。

 まぁ、ダンマス権限でどこでもイメージ図を作成して構築する命令を下せるのだが、こう言うのは雰囲気が必要なので設置したのだ。

 その後は、主食である小麦や多種多様な農作物を階層ごとに水耕栽培で作付けして通常よりも長時間、光を当て続けた。

 

 光を当て続けると、植生に異常が出るのでは?と思われるが花を咲かせたり、果実を実らせる場合だと光を調整して新陳代謝を促すがそうではない物に関してはそこまで心配する必要はないと思われる。

 勿論、光の種類や強さは調整するつもりなのでまずは植物が成長しやすい光と光の量を知る為に、増築した階層を細かく分けて種類ごとに成長過程を記録しておく。

 そして、最も成長が早くて生産性が高かった物を選んでそれを中心に育てていく方法を選んだ。

 

 こうすれば、全ての植物がダメになる心配がないので長丁場になるが淡々とやる事にしたが、ここで疑問に思った人もいると思う。

 DPを使えば、こんな面倒な事をしなくてもいいのでは?と思うかもしれないが、魚を与えても魚の釣り方を覚えない様に一時凌ぎでしかない上、農作物を生産して行った方がDPをあまり使わなくて済む。

 何しろ、牛丼1杯で10DPを消費するのだが階層内を水が流れて日光が当たる様に改装すれば、麦の種を植えただけで勝手に育つ上に実った後は回収すれば良いだけだ。

 

 初期投資こそ、かなり掛かるが何度でも利用可能なのでトータルで考えれば水耕栽培の方が安上がりになる。牛丼は食べればそれまでだし。

 

 

 

 そんな訳で、ダンマスとしての初仕事が農作物の栽培だった件。

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