偽蟲 ニセノムシ 作:淫徳
第十五蟲
「舞、ちゃん…?」
そっと雪の頭を地面に置いた舞は、覆い被さるように雪の唇に自分の唇を重ねる。
舞の身体から発される熱が、口を通して雪の身体へと伝わって来た。
「ん…むう?」
舞の舌が雪の桃色の唇を押しのけて口内へと侵入してきたのだ。
自分の粘膜が本来触らせることのない口の中が、他人の舌に犯されているという奇妙な感覚に違和感を覚えた。
舞は一体自分に何をしようとしているのだろう、キスまではわかる。
それは雪が好きだった少女漫画にも描かれていた、男女との愛情表現の一つだ。
と認識していたはずなのだが、今のこの状態は、舞と雪は女同士。
しかもキスというよりは、いっそう過激な舌を入れたものを行っている。
舞の舌が、雪の口内に彼女の唾液を送り込み、歯を舌を粘膜をなで上げていく。
「まい…ちゃ、んむ…くちゅっ」
初めは意味がわからなかった、だが舞が自分をまるで愛しい恋人のように求めてくるのだ。
驚愕はしたが、別に嫌ではなかった。
むしろ大好きな親友に、恋人にするような好意を向けられていると言うことが、少しだけ嬉しかったりもした。
自由奔放でやると決めたことにはてこでもその意志を曲げない彼女は、その振りまく笑顔と活発な後ろ姿から男女問わず人気があった。
小学三年生にあがると、その性格の危うさは多少おさまったものの、逆に優しく元気という特徴が強調され、ごくまれにだが女子にまでラブレターをもらっていた。
そんな他人から愛されている舞を見て、昔からつき合っていた雪は、自分とは釣り合わない人だと劣等感を覚えていたのだ。
誰にも分け隔てなく接する舞の明るさは、人見知りをして、身体の事情で家に籠もりがちだった雪には、とても眩しかった。
年数が経つにつれて、舞が自分の元から離れていってしまうのではないかと恐怖で一杯だった。
だからこそ、雪は例え自分に向けられた感情が親友としてではなく、性としての愛であっても、舞を受け入れてしまう。
どういう感情が交錯しようとも、舞が雪という存在を選び求めた事には変わりはないのだから。
「雪…熱いよ、身体があつくてひがでそう…」
ワンピースとノースリーブのシャツ、布二枚を隔てても、雪には舞のドクンドクンと興奮した心臓の早く、たくましい鼓動が肌に響く。
舞の肌は溢れ出た汗でじっとりと湿り、繋がった口からも汗の塩気が入ってくる。
舞の赤くなった肌や顔を見ていると、どうしてか腹の下腹部が、キュンと締め付けられるような奇妙な感覚が起こる。
それは不快なものではなく、どこか心地よささえ与えてくれる。
気付けば雪の鼓動も早くなり、舞の口へと自分の舌を絡ませるように差し出していた。
いけないことをしているという感覚はあった、だが止められない。
舞の唾液に雪の唾液が混ざり、互いに口の中をかき乱すのは、どうにも止めることが出来ない甘美さが生まれていたのだ。
「まい…ちゃん…わた…し、もあっついよ」
くちゅっくちゅと舌が、唾液が互い互いの口内を行き交い、二人だけの静かな森の中で淫靡な音が鳴り響く。
幼い二人が重なり合い、必死に快楽を求める様は、犯罪的でありまた蠱惑的でもあった。
経験したことのない快楽には、あの赤黒い生物に身体を堕としてしまった舞には一日の長があった。
興奮し自分のみの快楽を貪ろうとするのではなく、舞は片手を雪の覗く白い鎖骨に沿わせて自分の汗を絡めていく。
「あ、ふあぁぁ…」
「どう、雪、気持ちいい?」
経験のない身体に未だかつて無かった快楽が突き抜け、雪は腰を浮かせて声を出してしまう。
その所為で離れてしまった唇を名残惜しそうに手で触れた舞は、妖艶に微笑むと自分の舌を雪の桜色に火照った頬におろし、ゆっくりと首筋まで線を引くようになめおろした。
「ま…いひゃあっ…んっ、くうぅぅんっ」
正直に言うとやめて欲しかった、こんな感覚は知らない。
確かに舞は好きで、大の親友だったが、彼女に与えられるこのよくわからない気持ちは…
こんな自分が自分で無くなってしまうような気持ちいい感覚は何なの?
舞の身体を抱きしめた手に力を入れて、その未知の快楽に抵抗しようとするも、緩急をつけて舞が与えてくる攻めに次第に気持ち良さを受け入れていってしまう雪があった。
「雪、もう我慢出来ない」
「あっ…うん、良いよっ」
真剣な顔でそう告げた舞は、雪の着ていたシャツを上に捲り上げ、デニムの短パンを両手を使って下にずりおろした。
恥ずかしそうに顔を隠す雪の真っ白な肌が、緑色の森の中では妙に栄え、まるで高山に残る雪のような神々しい美しさがある。
デニムの短パンをおろされ、隠す物が無くなった雪の股には、熊の印刷されたパンツがあった。
如何にも子供らしい白い木綿のパンツだが、一つだけ違うところがあった。
「あれ…濡れてる?」
「あう…」
じっとりと汗とは違う液体の染みが、縦筋に彼女のパンツに入っていた。
お漏らししたのかと、羞恥で顔を真っ赤に染める雪に、舞は首を横に振り、優しく否定を返す。
「それはね、雪が気持ち良くなって私を受け入れてくれるって事なんだよ。
だからお漏らしとは違うんだ、嬉しいよ雪…私で気持ち良くなってくれてるんだね」
「ひうっ!?」
舞が笑ってパンツの上から雪の染みを指で軽くなぞった。
その刺激は木綿ごしに彼女の幼い成長途中の秘裂へと伝わり、男を知らないそこへ電撃のように快感を送り込んだ。
あまりの刺激に再び腰が浮き、口からはだらしなく唾が溢れ出て、頬を濡らしいやらしく光る。
生まれて初めて感じた股の間への快楽は、雪の脳を心を捉えて離さなかった。
「な…に、いま…の?」
もっと、もっと感じてみたい。恐怖と期待が入り混じった表情を浮かべて、自分のパンツを眺めている舞を見る。
すると舞は質問には答えず、ただ感じてみればそのうちわかると言わんばかりに、パンツをも雪から剥ぎ取り露わになったピンク色の綺麗な秘裂に、自分の指を押し付けわり開いた。
「い、いや…舞ちゃ…んあっ、ああ」
くちゃぁと広げられたら雪の膣は、幼いながらも懸命にそのひだを動かし、雄のモノを呑み込まんと蠢いていた。甘い酸味のきいた淫靡な匂いが立ち込める。
「うわぁ、すごい…雪…えっちだ」
「いやだ、見ないっで…ぇ」
粘液の糸を指で絡め取り、指でいじると粘性の濃い雪の愛液は、地面に落ちることはなく、舞の手にからみついてきた。
まるで身体が舞を求めているように、舞が感情で雪を求めているように、雪は肉体が、本能が舞を欲していたのだ。
形は違えど愛は愛、女同士の愛もまた子は生まれぬが人間が作り出す愛の一つには違いないのだ。
だがまあ、ここでまた一つだけ例外を上げておくとすれば、それは愛し合う二人が雪と舞だったこと。
舞の身体が普通の人間のものではなくなっているのだと雪が知るのは、この数分後のことだった。